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共有者に共有持分の買取請求は不可能?代わりに使える共有物分割請求とは

共有者に共有持分の買取請求は不可能?代わりに使える共有物分割請求とは 共有持分

不動産を共有しているとき、他の持分権者に共有持分を買い取ってもらえたら簡単に共有状態を解消できます。

しかし相手が持分の買取を拒絶する場合には無理矢理買い取らせることができません。
自分が他の共有持分権者の持分を買い取るのも強要はできません。

では共有状態を解消するにはどのようにしたら良いのでしょうか?

今回は不動産を共有している場合に相手に買い取らせたり自分が買い取ったり、あるいは共有物分割請求によって解決する方法をご紹介します。

他の共有者に共有持分を強制的に買取請求することはできない

不動産を共有していると何かと不便です。

他の共有持分権者が居住していると一切利用できないケースもよくありますし、賃貸活用のためにローンを組んだり増改築したり売却したりするときにも、いちいち共有持分権者全員の同意が必要です。
他の持分権者と意見が合わない場合、まったく活用できない可能性もあります。

いっそのこと、他の共有持分権者に自分の持分を買い取ってもらい、共有状態を解消できないのでしょうか?

不動産共有

法的に買い取らせる権利はない

法的に「他の共有持分権者に共有持分を買い取らせる権利」は保障されていません。
相手が買取を希望しないのに無理矢理買い取らせることは不可能です。
たとえ相手が一人住んで単独利用しているとしても、買い取らねばならない義務はありません。

あなたが一方的に共有持分権を「放棄」すればあなたの共有持分は他の共有持分権者のものになりますが、その場合、あなたの手元には一切お金が入ってきません。
それどころか登記費用の負担も発生します。

せっかく権利を持っているのに一切お金をもらわずに放棄をするのはもったいないと言えるでしょう。

話し合いで買い取ってもらうことは可能

ただし、相手が納得すれば、共有持分を買い取ってもらえます。

話合いから

例えば、相手が対象の不動産上に居住している場合、相手には持分を買い取って完全な所有権を得る利益があります。
賃貸活用している際にも単独所有権になればより自由に活用できるので、相手にとって悪い話ではないでしょう。

共有状態を解消したいなら、まずは他の共有持分権者に買取の話を持ちかけて説得し、お互いに合意して持分を買い取ってもらうと良いでしょう。

共有持分の買取金額の決め方

不動産の共有持分を買い取ってもらうとき、買取金額はどのように定めれば良いのでしょうか?

基本的には「不動産の時価」を基準にします。
その金額を共有持分割合によって割り算して、だいたいの相場の金額を算出します。
あとは話し合いによって微調整すると良いでしょう。

例えば、時価5,000万円の不動産を2人で共有しており相手が5分の3、あなたが5分の2の持分を有しているなら、あなたの共有持分権の価値は2,000万円分です。
相手には2,000万円での買取を持ちかけ、相手が納得すれば2,000万円で、多少の減額を求められたら話し合いで調整し、1,500~2,000万円の間くらいの金額で買い取って貰うのが相場でしょう。

時価で買い取り

 

他の共有者の共有持分を買い取る方法もある

他の共有持分権者が不動産の共有持分を買い取ってくれない場合、反対にこちらが相手の共有持分を買い取ることも可能です。

例えば、相手の持分割合があなたの持分より少ない場合や、不動産を長年放置していてまったく活用できていない場合などには、相手も持分の売却に応じる可能性が高いでしょう。

ただしあなたが買い取る場合でも「強制的な買取」はできません。
相手が売却に合意しなければ買い取りを進めることはできません。
いくら高額なお金を払っても、強制的に売却させることはできないのです。

また、相手が売却に積極的でないケースでは、売却に合意するとしても相場より高額な金額を提示される可能性があります。
例えば、本来は2,000万円程度の価値しかない共有持分でも「3,000万円出してくれたら売るが、それ以下では売却しない」と言われたりします。
その場合、本当に3,000万円も出して買い取る価値があるのか、慎重に検討する必要があります。

共有物分割請求とは

共有物分割請求ができる

相手と話し合いによって共有持分買取問題を解決できない場合、「共有物分割請求」という方法によって不動産の共有状態を解消することができます。

共有物分割請求権は、共有持分権者に法的に認められた権利です。
相手が話し合いに応じなくても、裁判所を通じて共有状態を解消してもらえます。

いくつか共有物の分割方法があり、場合によっては相手に共有持分を買い取ってもらえる可能性もあります。

共有物分割請求権の法的根拠

共有物分割請求権の根拠は、民法256条です。

各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。民法第252条

つまり、当事者間で「共有物分割請求をしない」という約束をしていない限り「いつでも」他の共有持分権者に共有物を分割して共有状態を解消するよう求めることができます。

共有物分割の具体的な方法

共有物を分割するといっても「具体的にどうやって分割するのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
以下で代表的な共有物分割方法を3種類、ご紹介します。
1.現物分割
現物分割とは、共有物件をそのまま物理的に分ける方法です。基本的には「分筆」をして共有持分権者がそれぞれの持分割合に応じた面積分の土地を取得します。土地と建物がある場合、どちらから土地を取得しどちらかが建物を取得するなどしてもかまいません。複数の土地を共有していれば、Aさんはこちらの土地、Bさんはあちらの土地を単独所有するなどの分け方も可能です。
現物分割の難点は、公平に分けにくいことです。また分筆できない土地や建物の場合、現物分割が難しくなるケースもあります。
例えば、戸建てやマンションは物理的に分けることが実質的には不可能です。

現物分割

2.代償分割(全面的価格賠償)
代償分割とは、不動産を誰か1人が買い取り、他の共有持分権者へ代償金を払って清算する分割方法です。「全面的価格賠償」とも言われます。
代償分割は、分筆できない土地や建物を共有しているときにも利用できます。
また分筆して分けるよりは公平に分割しやすいメリットがあります。
ただし不動産の評価が必要になるので、評価方法についてお互いに意見が合わずにもめてしまうケースも多々あります。

代償分割

3.換価分割(かんかぶんかつ)
換価分割は、不動産を売却して売却金額を分配する方法です。
たとえば2分の1ずつの共有持分がある不動産を換価分割し、3,000万円で売れて300万円の経費がかかったら、残りの2,700万円を2人で2分の1ずつにします。
結果としてお互いが1,350万円ずつの現金を取得できます。

換価分割

 

共有物分割請求をするときには、基本的に上記の3つのうちどれかの方法を選択します。
必ず相手に買い取らせられるとは限りませんが、何らかの方法で共有状態を解消できます。

共有物分割請求の流れ

共有物分割請求は、以下の流れで進めましょう。

  1. 協議
    まずは共有持分権者に話し合いを持ちかけましょう。
    協議なしにいきなり裁判を起こすことはできません。相手が話し合いに応じそうにないケースでも、形だけでも協議をしておく必要があります。
    共有持分の買取を求め、応じてくれればそのまま買取交渉をすれば良いですし、決裂したら次のステップに進みます。
    買取以外の分割方法(現物分割、換価分割)の話を進めてもかまいません。
    (期間の目安:1週間~1ヶ月)
  2. 調停
    相手が共有物分割に応じない場合や共有物の分割方法について意見が合わず決裂してしまった場合、裁判所で「共有物分割調停」を申し立てる方法があります。
    調停をすると、調停委員が揉めている当事者の間に入って調整してくれるので、自分たちだけで話をするより合意しやすくなります。
    「現物分割」か「代償分割」か「換価分割」か、どれかの方法で合意ができれば調停が成立し、共有不動産を分割できます。
    ただし調停は強制ではないので、相手がどうしても納得しない場合には調停でも解決できません。
    なお共有物分割請求訴訟に調停は必須ではないので、協議が決裂したときに調停を飛ばしてすぐに訴訟を起こすことも可能です。
    (期間の目安:3ヶ月~半年)
  3. 訴訟
    共有物分割請求で相手と協議や調停をしても合意できない場合には、最終的に訴訟によって解決しましょう。
    訴訟をすると、裁判所が共有物の分割方法を決めて判決を下します。
    どの分割方法が採用されるかはケースバイケースです。原則的には「現物分割」となりますが、公平に現物分割できない場合には換価分割や代償分割が採用される可能性が高くなります。
    代償分割が認められれば共有持分権者に不動産の共有持分を買い取らせることも可能ですが、必ず代償分割になるとは限りません。
    また「換価分割」が選択される場合「競売」にされてしまうので注意が必要です。
    これらの問題点については、のちほど詳しくご説明します。
    (目安期間:半年~10カ月)

共有持分分割請求

共有物分割請求できるケースとできないケース

不動産を共有している場合、基本的には共有物分割請求できます。
ただし以下の場合、請求権が制限されます。

不分割合意がある

共有持分権者がお互いに「共有物分割請求をしない」という合意をしていたら、その合意が有効な期間(最長5年)は共有物分割請求できません。

組合の不動産

組合の不動産の場合、組合の清算前に共有物分割を求めることは基本的に認められていません。

代償分割(全面的価格賠償)が認められる要件

共有物分割請求訴訟をしたとき、代償分割(全面的価格賠償)が認められるには一定の要件を満たす必要があります。

代償分割が相当であること

不動産の共有持分割合や使用状況、分筆した場合の経済的な価値の低下、現物分割の可否などの事情により、代償分割をした方が良いと判断されるケースで代償分割が認められる可能性があります。

例えば、相手が一人で利用しており持分割合は相手の方が大きく、分筆に適さない土地や建物などの場合、相手に買い取らせる方向での全面的価格賠償が認められやすくなります。

お互いに価格賠償による分割を希望しているかなども考慮されます。

当事者の公平を害さないこと

全面的価格賠償によって当事者の公平が害されないことが必要です。

具体的には対象の不動産を適正に評価できているかどうかが問題です。
基本的には時価(取引価格)を基準に買取金額を決定します。

取得者に資力があること

当然ではありますが、共有物の取得者に代償金を支払う資力が必要です。

お金がない人に対して買取命令は出ません。「分割でも借金してでも払いなさい」という判決にはならないので注意が必要です。
相手が充分に代償金を支払えることが資料によって明らかになった場合において、始めて代償分割の買取命令が下されます。

相手が「お金がないから買えない」と主張している限り、代償分割は不可能です。

競売の注意点

共有物分割請求訴訟では、現物分割も代償分割もできない場合、換価分割が選択されます。
そのときには「競売」手続きになります。

競売のデメリット

 

競売になると、以下のような問題が発生します。

売却金額が低くなる

競売の一番の難点は、売却金額が低くなることです。
一般取引価格の8割やそれ以下となるので、共有持分権者の手元に入ってくるお金が少なくなってしまいます。
それであれば、自分たちで話し合って売却を進める方が得です。

プライバシーが害されるおそれ

競売になると、裁判所が強制的に売却を進めるので自分たちの手では手続きを進められません。

全国に競売情報が掲示されて不動産会社などが周囲を見に来るのでプライバシーも害されます。また裁判所の職員がやってきて物件の調査や撮影なども行います。

そのような扱いをされるなら、自分たちで売却した方が良いと考える方が多いでしょう。

話がまとまらない場合は専門業者への売却も検討を

共有者に共有持分の買取請求は不可能?代わりに使える共有物分割請求とは・まとめ

共有不動産を共有持分権者に買い取ってもらいたい場合、基本的には相手に話し合いを持ちかけて納得させるのがもっとも手っ取り早く良い結果になりやすいです。
買い取りが不可能で売却するとしても、訴訟で競売命令を下されるよりも自分たちで協同し、市場で売却する、という方法もあります。

ただし相手と話し合いができないケースもあるものです。そのような場合、調停や訴訟以外にも解決方法があります。
共有持分権者と話しがまとまらない場合、あなたの共有持分のみを専門業者に売却することができます。

共有持分のみの売却であれば、他の共有持分権者の合意は不要ですし、競売のような大きな不利益はありません。手続きもスピーディに進められます。
当社でも共有持分買取を積極に進めておりますので、よろしければお気軽にご相談下さい。

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