人が住まなくなった空き家は、老朽化が進みやすいと言われています。
また相続した時点でかなり築年数が経っており、老朽化が進んだ状態で空き家を引き継ぐことになる場合も。
そして空き家が老朽化していると、さまざまな心配事が発生します。
今回は空き家を所有している172人を対象に、「空き家の老朽化で不安に感じること」についてのアンケート調査を実施しました。
「空き家の老朽化を防ぐために、実際どんなメンテナンスをしているか」「老朽化した空き家を維持・管理する場合のハードル」についても聞いています。
- 調査対象:空き家を所有している人
- 調査期間:2026年9月1日~8日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:172人(男性91人/女性81人)
- 回答者の年代:20代 11.6%/30代 25.6%/40代 31.4%/50代 17.4%/60代以上 14.0%
所有している空き家の築年数は「築50年以上」が32.0%

空き家を所有している172人に「所有している空き家の築年数」を聞いたところ、「築50年以上(32.0%)」と答えた人が最も多く、3割を超えました。
空き家を所有する経緯としては「祖父母や両親が住んでいた家(実家)を引き継ぐ」なども多いため、築年数が古くなりがちだと推測されます。
空き家の老朽化で不安に感じること1位は「災害の影響」

空き家の老朽化で不安に感じることの1位は「災害の影響(37.8%)」、僅差の2位は「空き家を狙った犯罪(37.2%)」でした。
以下5位までは、3位「家屋の倒壊(11.6%)」、4位「害虫による被害(5.8%)」、同率5位「害獣の侵入(4.7%)」「雨漏りの発生(4.7%)」でした。
防災、防犯、建物のさらなる劣化や倒壊など、さまざまな不安が寄せられています。
老朽化によって倒壊や破損の可能性が高まるだけではなく、老朽化によって防犯力が下がってしまうと感じている人が多いと読み取れます。
また「崩れたり害虫・害獣が繁殖したりして、近所迷惑になるのが心配」という声もあって、周囲への影響を心配している人も多いとわかりました。
1位 災害の影響
- 大きな地震が来ると言われている地域なので、災害が来たときに崩れるなど、大きな事故につながるのではないかと不安です(30代 女性)
- 台風や竜巻で建物の屋根や壁のトタン板が吹き飛び、近所の家に損害を与えないか、不安です(50代 男性)
- 少し段差がある土地に建っているので、地震で下に倒れて、下の土地の所有者に迷惑をかけるのではという不安(50代 女性)
1位は「災害の影響」でした。
築年数が経ったり手入れが追い付かなくなったりして老朽化した空き家は、地震や台風などの災害に弱くなると考えられます。
そもそも建物自体の耐久性が低くなっているので、外部から大きな力が加わることで、壊れやすいのですね。
空き家が壊れることによって、周囲に影響を及ぼしてしまうことを心配している人が多くなりました。
とくに「台風による屋根瓦の飛散」や「地震による壁の倒壊」などで、隣家を壊したり隣人に怪我をさせたりしないかが、心配されています。
2位 空き家を狙った犯罪
- 空き巣や不法侵入が、知らぬ間に起きていないか不安(30代 女性)
- ガラスが割れているため、不法侵入の恐れがある(40代 男性)
- ところどころ鍵が閉まらなくなっているため、不法侵入されてもおかしくない状態であることが不安(40代 女性)
2位は「空き家を狙った犯罪」です。
空き家は人の出入りが少なくなるため、犯罪者に狙われやすい傾向にあります。
人が住んでいる家に比べると、侵入しても気づかれる可能性が低いからです。
気づかれるとしても、所有者が次にやってくるまで時間がかかります。
また老朽化していて「鍵がちゃんとかからない」「窓ガラスが割れている」などの状態になっていると、侵入されやすくなると考えられます。
具体的には、空き巣、不法侵入や住み着き、放火、不法投棄などが心配されていました。
3位 家屋の倒壊
- 外壁の劣化や塀の倒壊(30代 女性)
- 腐って建物が崩れてくること(40代 男性)
- 倒壊による近所への迷惑(60代以上 女性)
「家屋の倒壊」が3位です。
老朽化して建物の強度が下がることで、災害が起きなくても、建物が倒壊してしまうのではないかと心配している人もいました。
1位になった「災害の影響」とも共通する部分があって、「壊れることで近所迷惑になるのは困る」という意識が見えました。
建物が倒壊すると、家の建材などが隣家の敷地や道路に入ってしまいかねません。
結果として、大きな近隣トラブルになる可能性もあります。
4位 害虫による被害
- シロアリ被害にあうこと。被害に気づかないこと(30代 男性)
- 害虫の発生および繁殖が起きていないかが不安です。とくに糞便や木材を食い荒らすような、建物の劣化につながるようなものが住み着いてしまわないか気にしています(40代 女性)
- シロアリなど、見えない部分の傷み(60代以上 女性)
「害虫による被害」が4位です。
とくにシロアリの被害を心配している人が多くなりました。
シロアリは木造住宅の柱などを食べてしまい、建物の強度を下げてしまうからです。
結果として災害などが起きたときに、建物が大きく壊れてしまうリスクも高まります。
目に見えない部分で進む被害なので、被害に気づけないことを危惧している人もいました。
被害が進んでから駆除などの対策をしようとすると、駆除や補修の費用が高くなる可能性もあります。
5位 害獣の侵入
- クマなどの侵入被害(40代 女性)
- 野良猫などが住み着いて、近隣の迷惑になってしまうこと(40代 女性)
- 野生動物が住み着いてしまうこと(50代 男性)
5位は「害獣の侵入」でした。
老朽化している家では、ひび割れや、窓の建て付けの悪さなどによって、隙間ができやすくなります。
さらに空き家だと人の気配がないため、野良猫や野生動物が住み着きやすくなってしまいます。
アンケートでは「住み着かれている」という体験談もありました。
害獣が侵入したり住み着いたりしてしまうと、糞尿で衛生環境が悪化したり、臭いや鳴き声が近隣トラブルにつながったりする可能性があります。
同率5位 雨漏りの発生
- 天井の劣化による雨漏り(30代 男性)
- 屋根や外壁の劣化が進み、雨漏りや建物の損傷につながることが最も不安です(30代 男性)
- 外壁にかなり大きなクラックがあり、雨漏りとかが心配です(50代 男性)
もうひとつの5位は「雨漏りの発生」でした。
屋根や外壁が老朽化した家では、風雨から家を守る機能が低下します。
そのため雨が家に浸み込み、雨漏りにつながってしまう恐れがあるのですね。
雨漏りが起こると、壁や床、柱などが傷んで、建物の劣化が進みやすくなると考えられます。
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空き家の老朽化を防ぐために行っているメンテナンスは「定期的な点検」

「空き家の老朽化を防ぐために行っているメンテナンス」を聞いたところ、1位は「定期的な点検(43.6%)」でした。
2位「定期的な換気(23.3%)」、3位「庭の手入れ(21.5%)」と答えた人もそれぞれ2割以上いました。
- 定期的な点検と、近隣住民に迷惑がかかる場合のみ少し修繕(30代 女性)
- 定期的に空き家を訪れて換気や掃除を行い、建物の状態を確認しています。庭の草刈りや郵便物の整理も行い、屋根や外壁に異常がないか定期的にチェックしています(30代 男性)
- 入るとダニに刺されて大変なことになるので、内部については何もしていない。外部は草刈りをしている(40代 女性)
- 家のまわりの草刈り。除雪や屋根の雪下ろし。家の換気など(60代以上 男性)
- 一気に修繕できないので、一部をちょっとずつリフォームしています(20代 男性)
定期的な点検、換気、庭の手入れ、掃除などによって、老朽化を少しでも遅らせようとしている人が多いとわかります。
いずれも日常的な管理であり、体力と時間があれば、所有者本人でも実施できるメンテナンスです。
不具合が見つかったときには、リフォーム会社に相談するなどして、必要な修理やリフォームなどの修繕を行っている人もいます。
一方で「何もできていない」という人も10.5%と、1割ほどいました。
メンテナンスをできていない理由としては「メンテナンスをする余裕がない」などが挙がっています。
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老朽化した空き家の維持・管理におけるハードルは「空き家が遠方」

「老朽化した空き家の維持・管理におけるハードル」を聞いたところ、最も多かった回答は「空き家が遠方(33.1%)」でした。
2位「解体費用の高さ(24.4%)」、3位「維持費の負担(22.7%)」が続きます。
距離、費用、時間、労力など、さまざまな要素が挙げられました。
老朽化した空き家ほど、こまめな管理や「解体も含めた大がかりな対策」が求められます。
しかし実際には、距離や費用の問題から、十分な対策をするのが難しいと思っている人も多いことがうかがえました。
1位 空き家が遠方
- 空き家までが遠いので、頻繁に行けない(20代 女性)
- 一番のハードルは、現在住んでいる自宅から空き家までの距離が離れており、定期的に様子を見に行くための時間と交通費がかかることです(30代 女性)
- 空き家が自宅から離れているため、頻繁に様子を見に行けないことが一番の負担です。気になる箇所があってもすぐに確認できず、修繕の判断が遅れがちになります(60代以上 男性)
1位は「空き家が遠方」でした。
空き家が遠方にあると、移動するだけで時間も交通費もかかります。
時間とお金のハードルがあることで、頻繁に見に行くことが難しくなり、手入れの頻度が落ちてしまいかねません。
「気になることや異常があっても、訪問頻度が落ちてしまうことで、判断しにくくなる」というデメリットも挙げられました。
2位 解体費用の高さ
- 土地が広く、家屋が何棟もあるため、解体費が出せない(20代 女性)
- 早く解体したいのですが、なかなか費用を捻出できないこと(40代 男性)
- 解体費用が高すぎること(60代以上 女性)
2位は「解体費用の高さ」です。
空き家が老朽化して「災害による倒壊や、近隣への被害」などが現実味を帯びてくると、解体を検討し始める人もいます。
しかし解体にはまとまった費用がかかるため、なかなか踏み切れないケースも少なくありません。
解体費用は建物の大きさや構造によって異なり、「建物がいくつもあるので高額になる」という声もありました。
解体費用を抑える方法としては、「複数の業者から見積もりをとる」「自治体の補助金制度を調べてみる」などがあります。
ただ解体して更地にすると、住宅用地の特例から外れて固定資産税が高くなってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
3位 維持費の負担
- 想像していた以上に、雑草対策の除草剤などの費用がかさむ(30代 女性)
- 住んでいない老朽化した家の税金を払い続けること(40代 女性)
- 防水や外壁の修繕を定期的にしたいが、費用が高い(60代以上 男性)
「維持費の負担」が3位となりました。
空き家を維持する場合には、「固定資産税」「修繕費用」「保険料」「光熱費」などの維持費がかかります。
上記のような維持費が負担になっているという声が、多く寄せられました。
修繕費が高いために必要な修繕を先送りにしてしまうと、建物の耐久性が低くなったり、老朽化が進みやすくなったりする可能性があります。
4位 作業の大変さ
- 片付けが進まず中途半端で、ひとりで管理するには限界がある(50代 男性)
- 定期的に行って自分たちで管理するのが、億劫です。とくに大きく育ってしまった大木の枝切りは危険だし、かといって業者さんに頼むと高いし(50代 女性)
- 年齢とともにメンテ作業が億劫(60代以上 女性)
「作業の大変さ」が4位です。
庭木の剪定や炎天下での草抜きなどは、体力的に大変な作業です。
また大きな家財の片付けをする場合なども、重労働ですね。
とくに親族の協力がなくてひとりで作業するケースや、年齢を重ねて体力に自信がなくなってきたケースなどでは、大変さが増すと考えられます。
自分や家族だけでは無理と感じたときには、業者の手を借りるなどの対策が可能です。
5位 時間のなさ
- 家族みんな時間の確保が難しく、1か月に1回程度の頻度になってしまうこと(30代 女性)
- 仕事や自分の生活で手一杯なので、実家の管理まで手が回らない(40代 女性)
- メンテナンスや管理の時間がなかなか取れない(60代以上 男性)
5位は「時間のなさ」でした。
仕事や家事などで忙しいと、空き家の管理をするための時間を十分に確保できない可能性があります。
また空き家が遠方にある場合には、移動にも時間がかかるため、さらに時間の確保は難しくなりますね。
時間がないと「十分に点検や手入れができない」「そもそも空き家に行けない」という状況になり、結果として老朽化を早めてしまう可能性も考えられます。
払いますか?
固定資産税の支払いが
なくなります
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カンタン1分査定
まとめ
空き家の老朽化によって引き起こされる不安としては、「災害による損壊」や「空き家を狙った犯罪」が多く挙げられました。
「災害で壊れて、近隣に迷惑をかけるのが怖い」など、老朽化の結果として近隣住民に被害が及んでしまうことを心配する人も多くいます。
老朽化によるリスクは幅広く、影響の範囲も敷地内や所有者だけにとどまらないと言えます。
空き家の所有者の多くは、老朽化を食い止めようと、定期的な点検や手入れを行っていることがわかりました。
ただ日常的な管理を行うにあたっては、「距離」「時間」「費用」などが大きなハードルとなっています。
自分で管理できない場合には、「管理を業者や知人に委託する」「思い切って売却する」などの対応を検討してみてはいかがでしょうか。
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