【売却先別】借地権の買取相場
借地権の買取相場は、「誰に売却するか」によって異なります。
借地権は完全な所有権の土地とは異なり、土地を借りて建物を所有する権利であるため、買い手の立場や利用目的によって価値の評価基準が変わるためです。
売却先ごとの買取相場を以下にまとめました。
| 売却先 | 買取相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 借地人から地主へ買取を提案する | 更地価格の50%程度 | 第三者へ売却しにくい場合でも、高値での売却が期待できるが、地主側の購入意思や資金力が必要 |
| 地主から借地人に売却を持ちかける | 更地価格の60~70% | 地主側に購入動機があるため、有利な条件で交渉がまとまりやすい |
| 第三者に仲介で売却する | 更地価格の約60~70% | 住宅ローン審査や地主の承諾が必要となり、買い手を見つける難度が高い |
| 専門の不動産買取業者に売却する | 更地価格の50%程度 | 売却額は低めになるものの、手間をかけずに短期間での売却が可能 |
なお、借地権の売却方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:借地権は売却できる?売却方法別相場や地主に拒否された場合の対処法も解説
借地人から地主へ買取を提案する場合は更地価格の50%程度
借地人から地主へ借地権の買取を提案する場合、買取相場は「更地価格の50%程度」が目安となります。
借地権は、建物の利用制限や地代の支払い義務があるため、一般の第三者には買い手がつきにくく売却価格も低くなりがちです。
しかし、売却相手が地主であれば、更地価格の半分程度というまとまった金額での売却が期待できます。
地主への売却で相場が高くなりやすいのは、借地権を買い取れば土地を完全な所有権に戻せるため、地主にとって特別な付加価値(限定価格)が生まれるからです。
隣接地の買い増しや底地との併合など、特定の相手と取引することで互いに価値が高まる際に成立する価格
ただし、地主側に土地を買い戻す資金や意思がない場合は、買取を拒否されることも少なくありません。
断られた場合は無理に交渉を続けようとせず、一般の第三者や専門の不動産買取業者など、ほかの売却先を検討しましょう。
なお、以下の記事では、地主に借地権を買い取ってもらうコツについて詳しく解説しています。併せてご参照ください。
関連記事:借地権を地主に買い取ってもらう売却相場は?買取拒否されたときの対策も解説
また、借地権の買取を地主に拒否された場合の対応方法については、以下の記事で解説しています。
関連記事:借地権の買取を地主に拒否されたら?売却できる対処法と診断チャートを解説!
地主から借地人に売却を持ちかける場合は更地価格の60~70%
地主から借地人へ売却を持ちかける場合、買取相場は借地権割合に近い「更地価格の60~70%程度」が目安となります。
土地全体の更地価格に対する借地権の価値の割合
国税庁の「路線価図」「評価倍率表」で確認できる
借地人から提案するケースよりも相場が高くなる理由は、地主にとって「高い金額を支払ってでも買い取る経済的なメリット」が非常に大きいからです。
地主から買取を切り出してくる場合「土地を取り戻して自分で使いたい」「アパートを建て直して収益を上げたい」といった具体的な活用計画があります。
借地権を買い取って完全な所有権に戻せば土地全体の資産価値が大きく向上するため、更地価格の60〜70%の買取代金を支払ったとしても、地主は費用を十分に回収できるのです。
また、地主都合の提案であれば、借地人側は希望する売却条件を主張できるため、借地権割合に近い高値で交渉がまとまりやすくなります。
第三者に仲介で売却する場合は更地価格の約60~70%
不動産仲介会社を通じて不動産投資家などの第三者へ売却する場合、買取相場は「更地価格の約60~70%程度」が目安です。
不動産会社に買い手を探してもらい、売買契約を成立させる方法
成約時には仲介手数料が発生する
仲介によって広く買い手を募ることで、好立地な借地権には「安く良い場所を手に入れたい」という需要が集まります。
その結果、「更地価格の約60~70%程度」の高値での売却が期待できます。
ただし、仲介による売却には、以下のようなハードルが生じます。
- 住宅ローンの利用が難しい
- 借地権付き建物は担保評価が低く見られやすく、金融機関の融資審査が通りにくいため買い手が現金で購入できる人に限られる可能性がある
- 地主の承諾と費用が必要になる
- 第三者へ譲渡するためには地主の承諾が必須であるうえ「譲渡承諾料」を支払う必要がある
- 毎月の地代が買い手の負担になる
- 購入後、買い手には毎月の地代や更新料の負担が発生する
このように買い手側の制約や維持負担が大きいため、一般的な不動産と比べると買い手を見つける難易度は高くなるでしょう。
専門の不動産買取業者に売却する場合は更地価格の50%程度
専門の不動産買取業者へ売却する場合、買取相場は「更地価格の50%程度」が目安となります。
自らが買主となり、売主から物件を直接買い取って自社で再販や運用を行う業者
専門の不動産買取業者による買取価格は、仲介での売却相場より低くなるのが一般的です。
業者は買い取った後に、自社で建物の修繕や地主との権利調整を行ってから再販します。
その際にかかる費用をあらかじめ差し引いて査定するため、買取価格は低くなりやすいです。
ただし、専門の不動産買取業者の買取には以下のメリットがあります。
- 買主を探す期間が不要で短期間で売却できる
- 買取業者が直接買主となるため、販売活動の期間を待つことなくスピーディーに現金化できる
- 現状のまま買い取ってもらえる
- 築年数が古い建物や傷んだ状態であっても、解体や大規模な修繕を売主側で行う必要がない
- 地主との交渉や手続きを一任できる
- 譲渡承諾の取得や名義変更の手続きなどを業者が代行するため、地主とのトラブルを回避しやすい
また、専門の不動産買取業者へ売却すれば、「契約不適合責任」を免除してもらえる点も魅力です。
売却後に雨漏りやシロアリ被害といった契約書に記載のない不具合が発覚した際、売主が修理費用の支払いや損害賠償を負わなければならない責任
仲介で一般の個人へ売却する場合は、売主が契約不適合責任を負い続けるのが通例です。
一方専門の不動産買取業者は、物件の欠陥や将来の修繕リスクを事前に見抜いたうえで買い取るため、売却後に不具合が見つかったとしても、修繕費や損害賠償金を請求される心配なく安心して売却できます。
このように、専門の不動産買取業者への売却は、買取相場が控えめになる一方で売却にかかる金銭的・精神的な負担や時間を大幅に削減できます。
「古い建物の状態に不安がある」「売却後まで責任を背負いたくない」といった場合は、専門の不動産買取業者への売却が有力な選択肢の一つです。
アルバリンクが借地権を100万円で買取した事例
弊社アルバリンクは訳あり物件専門の買取業者として、地主と借地人がトラブルになっているなど、他社では断られるような借地権を多数買い取ってきました。
たとえば、弊社では以下のような借地権を100万円で買い取った実績もあります。
引用元:アルバリンクの買取事例
このように、地主の要望が厳しく、再建築もできず、建物の築年数も古い借地権であっても、弊社が100万円で買い取れる理由は以下の2つです。
- 弁護士と連携しており、権利問題を解決した上で運用・再販できるため
- 借地権の再販先が豊富であり、買取に際して費用がかかっても利益を生み出せるため
実際、弊社は借地権をはじめ、訳あり不動産の買取実績が4,500件以上(2025年12月時点)あり、これまで買取をおこなったお客様からも「相談できてよかった」といった好意的な評価を多数いただいております。
引用元:Google口コミ
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
参照元:PR TIMES
借地権を手間や費用をかけることなく、なるべく高値で売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料査定よりお気軽にご相談ください(地主様に知られないよう配慮しながら査定を進めますので、気兼ねなくご相談ください)。
借地権の買取相場を自分で計算する3ステップ
借地権のおおよその買取相場は、国税庁が公開しているデータなどを活用すれば自身で計算可能です。
事前に概算価格を把握しておくと、提示された査定額が妥当であるかを判断する基準になります。
借地権の買取相場を自分で計算する手順は、以下の3ステップです。
ただし、自力で算出した金額は、あくまで目安にすぎません。
実際の買取価格は、建物の状態や立地条件、残りの契約年数、地主への譲渡承諾料といった個別の事情によって変動します。
正確な買取価格を把握したい場合は、借地権の取り扱い実績の豊富な専門の不動産買取業者へ査定を依頼するのが有力です。
弊社アルバリンクでは、借地権をはじめとする訳あり物件の無料査定を実施しております。
創業以来蓄積した3万件におよぶ査定データをもとに、あなたの物件の魅力を正しく見極めた適正価格を提示いたします。
査定を依頼したからといって強引な営業活動を行うことはございませんので、まずはご自身の借地権の価値を確かめる窓口として、弊社の無料査定をご利用ください。
1.土地の更地価格を調べる
借地権の相場を計算するには、まず土台となる土地が「更地」であった場合の評価額を調べましょう。
借地権の価格は更地価格をベースに算出されるため、まずは国税庁が定めている「路線価」を用いて土地全体の評価額を算出します。
路線価から更地価格を算出する手順は、以下の通りです。
- 1.国税庁の「路線価図・評価倍率表」にアクセスする
- 国税庁の専用サイトへアクセスし、所有する借地権がある都道府県や市区町村を選択する
- 2.敷地に面している道路の数字を確認する
- 地図上で土地が接している道路に記載されている「数字(1平方メートルあたりの価格:千円単位)」を確認する
- 3.路線価に敷地面積を掛ける
- 確認した路線価に土地の敷地面積(平米数)を掛け合わせて、更地としての総額評価を計算する
引用元:国税庁「路線価図の説明」
たとえば、道路に「215」と記載されている場合、1平方メートルあたりの路線価は21.5万円となります。
敷地面積が100平方メートルであれば、「21.5万円×100平方メートル=2,150万円」が更地の評価額です。
2.路線価図から借地権割合を確認する
更地の評価額を算出した後は、路線価図から対象の土地に設定されている「借地権割合」を確認します。
土地全体の価値のうち「借地人が持っている権利の割合」を示した数値
借地権割合は、路線価図の道路上に記載された「数字のすぐ右隣にあるアルファベット記号(A〜G)」で判別します。
記号と借地権割合の対応関係は、以下の通りです。
| 記号 | 借地権割合 |
|---|---|
| A | 90% |
| B | 80% |
| C | 70% |
| D | 60% |
| E | 50% |
| F | 40% |
| G | 30% |
たとえば、道路上に「215D」と記載されている場合、数字の右隣にある「D」が借地権割合を示しているため、この土地の借地権割合は60%です。
自身の土地に設定されているアルファベット記号を確認できたら、次のステップで実際の評価額を計算します。
3.借地権の評価額を計算する
ステップ1で算出した更地価格とステップ2で確認した借地権割合を掛け合わせて、借地権の概算評価額を計算します。
借地権の評価額を求める計算式は、以下の通りです。
たとえば、以下の条件の借地権の評価額を計算してみましょう。
- 敷地面積:100平方メートル
- 路線価:1平方メートルあたり21.5万円(表記:215)
- 借地権割合:60%(記号:D)
借地権の評価額は1,290万円となります。
ただし、算出した借地権の評価額1,290万円は、買取額ではありません。
実際の売却では地主へ支払う譲渡承諾料が差し引かれるほか、建物の老朽化度合いなどによって、買取金額はこの数値を下回るのが一般的です。
そのため、現実の手残り金額を確かめたいなら、不動産会社や不動産鑑定士などの査定を受けることを検討しましょう。
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借地権の買取相場が下がる7つの要素
借地権の買取相場は、物件ごとの個別の事情や権利関係にマイナス要因があると、買い取った後の再販や活用が難しくなるため、査定価格は低くなる傾向にあります。
借地権の買取相場が下がる主な要素は以下の7つです。
土地の立地や形が悪い
立地条件や敷地の形状に問題がある借地権は、建物を再利用・再建築する際の制約が大きいため、買取相場が低くなります。
土地そのものを所有できる完全所有権の物件であれば、立地や形状に難があっても、相応に価格を下げれば買い手が見つかります。
借地権や底地などの制約がなく、土地を100%自分の意思で自由に利用・処分できる所有権
しかし、借地権は売却や改修の自由度が低いうえに毎月の地代支払いが発生するため、土地条件の悪さは通常の不動産以上に相場を下落させる要因です。
とくに以下の条件に該当する土地は、使い道が大きく制限されるため査定価格が低く抑えられます。
- 最寄り駅からの距離が離れている
- 駅から徒歩15分以上かかる物件は通勤・通学の利便性が低く、マイホーム需要や賃貸需要の双方から敬遠される
- 周辺地域における住宅需要が薄い
- 過疎化が進むエリアや、商業施設・病院などが近くにない地域は買い手がつきにくく、売却の長期化を見越して査定額が低く抑えられる
- 接道状況に問題を抱えている(再建築不可)
- 幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地は原則として建て替えができない
- 土地の形状が不整形である
- 旗竿地や三角地などは有効に使える敷地が限られ、希望通りの間取りで建物を建てられない
このように、使い道が限られていて人気のない土地は買い取った後に売却しにくいため、買取相場も低くなりやすいです。
借地契約の残存期間が短い
残存期間が短い借地権は、購入した買主が短期間で高額な費用の負担や地主との交渉リスクを負うため、買取相場が低く抑えられます。
借地権には「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類があり、以下のような違いがあります。
| 借地権の種類 | 契約更新 | 特徴 |
|---|---|---|
| 旧法借地権 | あり (原則更新) | 平成4年7月以前の契約に適用される 借地人の権利が最も強い |
| 普通借地権 | あり (原則更新) | 地主側に正当な事由がない限り、契約が更新される |
| 定期借地権 | なし (更新不可) | 期間満了で終了し、更地にして地主へ返還する |

「旧法借地権」や「普通借地権」は原則として更新が認められているものの、契約満了の前後には更新料の支払いや契約条件の改定を巡って地主とのトラブルが発生しやすいタイミングです。
具体的には、以下のようなリスクが査定額の減額要因となります。
- 更新時期が数年以内に迫っている
- 買い取って短期間のうちに数十万〜数百万円単位の高額な更新料が発生する
- 地主が契約更新を拒絶する恐れがある
- 建物の老朽化などを理由に地主から更新を断られ、立ち退きを巡る話し合いや裁判に発展するリスクがある
- 更新時の条件変更を求められている
- 契約更新のタイミングで、地主から地代の大幅な増額などを提示される可能性がある
更新時期が迫っている借地権や更新できるか不透明な借地権は、買い手側が引き継ぐ金銭的・法的なリスクが大きいため、買取相場は低くなります。
地代・更新料の負担が大きい
毎月の地代や更新料の負担が重い借地権は、買い手が将来にわたって維持費を支払い続けなければならないため、買取相場が下がります。
維持コストが高額な物件は、一般の買い手には生活費の負担となり、投資家にとっては利益を減らす要因となるためです。
とくに以下のような状況の借地権は、買い手から敬遠されやすくなります。
- 毎月の地代が周辺相場と比べて高い
- 周辺の借地相場を上回る地代が設定されていると、長期的なコストがかさむ
- 契約更新時に更新料の支払いが求められる
- 契約更新時に数百万円規模の更新料を支払う契約になっている場合、買主は将来的にまとまった資金を用意する必要がある
- 地主からすでに地代の値上げを求められている
- すでに地主から増額請求を受けている借地権は、購入直後から維持費が増加するリスクがある
購入後の維持費や一時金の負担が重い借地権は、買い手にとっての経済的リスクが大きいため、将来発生する負担分があらかじめ買取金額から差し引かれます。
地主との関係が悪化している
地主との人間関係が悪化している借地権は、売却手続きそのものが進まなくなるリスクが高いため、買取相場や査定価格が大幅に下がります。
借地権を第三者へ売却する際は、原則として地主からの承諾が必要です。
しかし、地主と借地人の関係がこじれていると、譲渡の承諾を拒絶されたり、不当に高額な承諾料を請求されたりして売却手続きが難航します。
とくに、以下のようなトラブルを抱えている場合、査定時のマイナス評価につながります。
- 地主との間で感情的な対立がある
- 過去の生活マナーや言動の食い違いによって関係が破綻しており、譲渡承諾の相談を受け付けてもらえない
- 地代の滞納を巡るトラブルを抱えている
- 未払い地代を巡って地主と対立している場合、契約解除を申し入れられて権利自体を失う危険性がある
- 譲渡を認める条件として契約条件の変更を求められている
- 承諾を出す条件として、法外な承諾料の要求や、次の買主に対する地代の大幅値上げなどを迫られる
地主との対立が残る物件を購入すると、買主自身が今後の地代支払いや契約更新などで直接やり取りを続けなければならないため、精神的負担を伴います。
そのため、将来のトラブルを警戒する買い手からは敬遠され、価格を下げて売り出さざるを得ません。
建物の老朽化が進んでいる
建物の老朽化が著しい借地権付き建物は、購入後の修繕費用や解体費用が多額になるため、買取価格が下がる傾向があります。
借地権を購入する一般の買主は、建物をリフォームして住むか解体して新築を建てることを目的としている場合がほとんどです。
しかし、建物の傷みが激しい場合は活用前の負担が重くなるため、通常の買取相場では買い手がつきません。
建物の基礎や骨組みといった構造部分に次のような劣化が生じている物件は、査定価格が下がりやすいです。
- 柱や土台の腐食やシロアリ被害
- 建物の耐久性が損なわれているため、大規模な補強工事や建て替えが必要になる
- 屋根や外壁からの雨漏りの放置
- 建物内部まで腐食が進んでいる可能性が高く、修繕費用が高額化する
- 基礎のひび割れや地盤沈下による傾き
- 通常の居住が困難であり、傾きを矯正するための大がかりな改修工事が必要になる
また、借地上の建物を解体して建て替えるには、地主から増改築の承諾を得たうえで「建替承諾料」を支払う必要があります。
地主との協議や承諾料の支払いが発生することも、老朽化した借地権付き建物の買取額が低くなる要因です。
地主からローン利用の承諾が得られない(抵当権設定)
地主が住宅ローンの抵当権設定に応じてくれない借地権は、買主が融資を利用できないため、買取相場が下がります。
借金の返済が滞った際に備え、金融機関が対象の不動産を担保として登記簿に登録する手続き
買主が金融機関で住宅ローンを組む際、銀行は債権を保全するために、借地上の建物だけでなく借地権そのものにも抵当権を設定します。
その際、地主が署名・押印した「抵当権設定承諾書」や印鑑証明書の提出を求められるのが一般的です。
借地上の建物や借地権に抵当権を設定することを、地主が正式に許可したことを証明する書類
しかし、地主から抵当権設定の承諾を得られない場合は金融機関から融資が下りないため、買主は買取費用を全額現金で用意しなければなりません。
その結果、マイホームを探している一般的な個人の買い手が手を出せなくなり、購入希望者は一部の富裕層や投資家に限定されます。
こうした買い手からは、融資を利用できないデメリットや購入希望者が極端に少ない状況を理由に値下げを要求されやすいため、通常の借地権の買取相場よりも安値で売却せざるを得ないのが実情です。
借地権の種類が定期借地権である
所有している借地権が「定期借地権」である場合、契約の残存期間が短いほど買取相場は低くなります。
契約の更新がなく、期間満了時に建物を解体して更地で土地を返還しなければならない借地権
借地を使い続けられる期限が決まっていると、残り期間が短くなるにつれて資産価値が減少するため、査定価格も下落します。
残存期間別の査定価格への影響は以下の通りです。
| 残存期間 | 買取相場への影響 | 理由 |
|---|---|---|
| 数十年以上 | 通常の相場に近い価格で 売却しやすい | 居住用や賃貸運用として 長く活用できるため |
| 10〜20年程度 | 大幅な減額要因となる | 解体費用や退去スケジュールを 考慮しなければならないため |
| 数年程度 | 売却は困難 | 短期間で更地返還が必要であり、 解体費用などの出費が上回るため |
契約満了が近づくほど買い手が見つかりにくくなるため、売却を検討している場合は早めの判断が重要です。
なお、借地権の売却相場や地主に売却を拒否された場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:借地権は売却できる?売却方法別相場や地主に拒否された場合の対処法も解説
払いますか?
固定資産税の支払いが
なくなります
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借地権の売却時にかかる費用・税金
借地権を売却する際は、各種手数料や税金が発生するため、事前に総額を把握しておくことが重要です。
あらかじめ発生する費用項目と目安金額を把握しておけば、手元にいくら残るかを見通したうえで売却計画を立てられます。
借地権の売却時に発生する主な費用や税金は以下の通りです。
| 項目 | 費用の目安 | 支払い先・納付先 |
|---|---|---|
| 譲渡承諾料 | 借地権価格の10%程度 | 地主 |
| 解体費用 | 木造:坪あたり約4万〜6万円 鉄骨造:坪あたり約5万〜7万円 RC造:坪あたり約6万〜8万円 | 解体業者 |
| 仲介手数料 (買取の場合は不要) | 売買価格が400万円超: (売買価格×3%+6万円)+消費税 | 不動産仲介会社 |
| 印紙税 | 契約金額に応じて数百円〜数万円 | 国 (売買契約書に貼付) |
| 譲渡所得税 | 譲渡利益に対して約20%〜39% (所有期間により変動) | 国・各自治体 |
譲渡承諾料
第三者へ借地権を売却する際は、地主へ支払う「譲渡承諾料(名義書換料)」が発生します。
借地権の譲渡には地主の承諾が不可欠であり、その合意を取り付ける対価として承諾料を支払う慣習が定着しているためです。
譲渡承諾料に関して事前に把握しておくべき重要なポイントは、以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 費用の相場 | 借地権価格(更地評価額 × 借地権割合)の10%程度 |
| 支払いの時期 | 売買契約の締結後、代金決済・名義変更を行うまでの間 |
| 支払い先 | 地主 |
たとえば、借地権価格が1,000万円の場合、地主へ支払う譲渡承諾料はおよそ100万円です。
ただし、譲渡承諾料の金額は法律で定められている明確な基準はなく、地主との話し合いによって決定します。
交渉が難航するリスクを避けるためにも、売却を検討し始めた段階で地主へ意向を伝え、譲渡承諾料の条件を確認しましょう。
解体費用
借地権を地主に売却する場合、建物を解体して更地で引き渡すことを求められるケースがあり、その際は売主側で解体費用を負担する必要があります。
地主が借地権を買い取る主な目的は、土地を更地に戻して自身で活用するか、完全な所有権の土地として第三者へ再販することです。
そのため、更地での返還を買い取りの条件として提示されるケースが少なくありません。
建物の解体工事にかかる費用相場や支払いの条件は、以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 費用の相場 | 木造:坪あたり4万〜6万円程度 鉄骨造:坪あたり5万〜7万円程度 RC造:坪あたり6万〜8万円程度 |
| 支払いの時期 | 解体工事の着工時(着工金)および工事完了後の引き渡し時(残金) |
| 支払い先 | 解体業者 |
たとえば、延床面積が30坪の木造住宅の解体費用は、120万〜180万円程度が目安です。
また、物件の立地や建物の状態によっては、基本の解体費用に加えて以下のような追加費用が発生するケースもあります。
- 家財道具などの残置物や庭木・ブロック塀の撤去費用
- 道路が狭く重機が進入できない立地での手作業での解体費用
- アスベスト含有建材の事前調査および除去費用
このように、更地での引き渡しを求められた場合は、まとまった資金が必要になります。
仲介手数料(買取の場合は不要)
仲介手数料は、不動産仲介会社を通じて借地権を売却した際に成功報酬として支払う費用です。
仲介手数料に関して把握しておくべき内容は、以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 費用の相場 | 売買価格×3%+6万円+消費税 (売買価格が400万円超の場合) |
| 支払いの時期 | 売買契約締結時に50% 決済・引き渡し完了時に残りの50% |
| 支払い先 | 不動産仲介会社 |
売却価格が800万円以下の物件は、特例により仲介手数料の上限は最大33万円(税込)となる場合があります。
参照元:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
売却価格に応じた仲介手数料の目安は、以下の通りです。
| 売却価格 | 仲介手数料の目安(税込) |
|---|---|
| 1,000万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 105.6万円 |
このように、仲介で売却が成立した場合は数十万〜百万円単位の仲介手数料が差し引かれ、売主の手残り金額が減少します。
一方で、専門の不動産買取業者への売却は、仲介手数料が差し引かれないため、売却金額がそのまま手元に残ります。
借地権の売却にかかる費用を抑えて少しでも多くの現金を手元に残したい場合は、仲介手数料が不要な専門の不動産買取業者への売却が有効な選択肢の一つです。
弊社アルバリンクは、借地権をはじめとする訳あり物件専門の不動産買取業者です。
自社で直接買い取るため、仲介手数料は一切かかりません。
4,500件を超える買取実績(2025年12月時点)から培ったノウハウを駆使し、物件の魅力を見極めて適正価格を提示いたします。
手残り金額を少しでも増やしたいとお考えの方は、弊社の無料査定フォームよりお気軽にお問い合わせください。
印紙税
不動産の売買契約書を作成する際は、契約書に収入印紙を貼り付けて消印することで「印紙税」を納めます。
借地権の売却契約書にかかる印紙税の相場や納付の条件は、以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 費用の相場 | 売買価格に応じる |
| 支払いの時期 | 売買契約書の作成・締結時 |
| 支払い先 | 国 (郵便局や法務局などで収入印紙を購入して貼付) |
借地権の売却の印紙税の主な税額は、以下のようになります。
| 売却金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 10万円超〜50万円以下 | 400円 | 200円 |
| 50万円超〜100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
| 100万円超〜500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
参照元:国税庁「印紙税額」
2027年3月31日までに作成される契約金額10万円超の不動産売買契約書には、一律で軽減税率が適用されます。
なお、売買契約書は2通作成し、売主と買主の双方が各自の契約書に貼る印紙代を負担するのが一般的です。
譲渡所得税
借地権の売却によって譲渡所得(売却益)が生じた場合は、税務署へ確定申告を行い、譲渡所得税を納める必要があります。
譲渡所得税の費用目安や納付時期などは、以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 費用の相場 | 売却で出た利益(譲渡益)の約20%~39% ・所有期間5年以下:39.63% (所得税30%+復興税0.63%+住民税9%) ・所有期間5年超:20.315% (所得税15%+復興税0.315%+住民税5%) ※親などから相続した借地権の場合は、被相続人の所有期間を引き継げる |
| 支払いの時期 | 売却した翌年の確定申告期間 (2月16日~3月15日) |
| 支払い先 | 国(税務署)および各自治体 |
譲渡所得税額は、以下の計算式で算出します。
課税譲渡所得=売却価格-(借地権の取得費+譲渡費用)
譲渡所得税額=課税譲渡所得×税率
たとえば、所有期間5年超の借地権を、売却代金1,000万円、取得費600万円、譲渡費用100万円で売却した場合の試算例は以下のようになります。
- 課税譲渡所得:1,000万円-(600万円+100万円)=300万円
- 譲渡所得税額:300万円×20.315%=60万9,400円(※1,000円未満切り捨て)
また、自身が生活の拠点として居住していた借地権付き建物を売却する場合は、「居住用財産の3,000万円特別控除(マイホームを売ったときの特例)」を利用できます。
本人が住んでいた物件であることや親族間売買でないことなどの要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円が控除されるため、売却益が3,000万円以下であれば譲渡所得税は発生しません。
なお、借地権売却時の税負担を軽減する方法や確定申告の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:借地権売却時の税金・費用・控除を解説!確定申告の流れもご紹介
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借地権を相場より高く買い取ってもらう5つのポイント
借地権を相場より高く買い取ってもらうには、売却を切り出すタイミングや売却先の選定などの工夫が必要です。
準備を怠ったまま売却を進めると、本来の相場より安く買い取られてしまう恐れもあります。
借地権を少しでも高く買い取ってもらうためのポイントは、以下の5点です。
地主から「売ってほしい」と言ってくるタイミングを狙う
借地権を相場より高く買い取ってほしい場合は、地主側から「土地を買い戻したい」と打診してくるタイミングを狙うのが効果的です。
地主から購入を希望してきた状況であれば価格の交渉で売主側が主導権を握りやすいため、好条件での売却が期待できます。
地主が借地権の買い取りを希望する動機は、主に以下の通りです。
- 自己利用
- 子どもや親族のための住宅を建てたい
- 土地の有効活用
- 土地を更地に戻してアパートやマンションなどの収益物件を建てたい
- 相続対策
- 底地と借地権を一本化して完全な所有権にし、資産価値を高めて相続させたい
借地人側から買い取りを申し出た場合の相場は更地価格の50%程度にとどまります。
しかし、地主側からの申し出であれば、更地価格の60〜70%程度での売却が成立する可能性があります。
このチャンスを逃さないためにも、日頃から地主と円滑な関係を築き、家族構成の変化や土地の利用意向といった地主側の状況をさりげなく情報収集しておくことが重要です。
借地権の更新時期を避ける
借地権を相場より高く売却したいのであれば、借地権の更新時期を避けて売却活動を進めましょう。
契約更新の時期が迫っている借地権は、購入した買主が直後にまとまった更新料を地主へ支払わなければならないため、敬遠されやすいです。
仮に購入希望者が現れた場合でも、更新料の支払負担を見越してその金額分を売却価格から差し引くよう値下げを求めてくるため、買取相場より安い価格で手放さざるを得なくなります。
借地権ごとの一般的な更新期間は以下の通りです。
| 借地権 | 最初の契約期間 | 更新後の契約期間 |
|---|---|---|
| 旧法借地権 | 堅固建物:30年以上 非堅固建物:20年以上 | 堅固建物:30年 非堅固建物:20年 |
| 普通借地権 | 30年 | 1回目:20年 (2回目以降:10年) |
| 定期借地権 | 50年以上 | 更新なし |
なお、借地権の更新料は、更地価格の5〜10%程度(または借地権価格の10%程度)のため、百万円単位のまとまった費用が必要になる場合も少なくありません。
たとえば、更地価格が2,000万円の土地の更新料の目安は100万~200万円です。
このように高額な費用負担が買取直後に迫っていると、買主から更新料相当分の値下げを要求されやすくなります。
更新時期まで余裕のある段階で売りに出せば、買主に金銭的な負担を意識させずに済むため、相場に近い適正価格で売却が期待できるでしょう。
借地権の相場を把握してから交渉する
借地権の売却交渉に入る前に、複数の不動産業者に査定を依頼し、適正な相場を把握しておくことが賢明です。
事前に相場を把握しないまま交渉を進めると、相手から提示された金額が妥当かどうか判断できず、相場より大幅に安く買い取られてしまうリスクがあります。
借地権の買取相場の目安は、路線価や借地権割合を用いてご自身で計算可能ですが、実際の買取価格は、建物の状態や契約の残り期間、地主との関係性といった個別事情に大きく左右されます。
そのため、自分で計算した金額だけで決めつけず、複数の不動産業者に査定を依頼して実際の相場を確かめておきましょう。
プロによる査定額を複数把握しておけば、価格交渉において不当に低い価格での売却を防ぎ、納得のいく条件で取引を進めやすくなります。
弊社アルバリンクは、借地権をはじめとする訳あり不動産を積極的に買い取っている専門の不動産買取業者です。
創業以来蓄積した3万件におよぶ査定データをもとに独自のノウハウを確立しているため、物件本来の価値を見極めた適正価格を提示いたします。
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地主に等価交換・同時売却を提案する
借地権を相場より高く売却したいのであれば、地主に対して「等価交換」や「同時売却」を提案するのも有効な選択肢です。
等価交換と同時売却の特徴は、以下の通りです。
| 方法 | 仕組み | メリット |
|---|---|---|
| 等価交換 | 借地権の一部と底地の一部を 同等の価値で交換する | 地主・借地人それぞれが完全所有権の土地を取得できるため、制限なく自由に売却しやすくなる |
| 同時売却 | 借地権と底地をセットにして 第三者へ一括売却する | 買い手が完全所有権の土地として購入できるため需要が高く、借地権単体よりも高値で売却できる可能性が高まる |
借地権単体では利用や処分の自由度が制限されるため評価が低くなりやすいですが、底地と組み合わせることで完全所有権となるため市場価値が高まります。
ただし、いずれの方法も地主の同意と綿密な話し合いが欠かせません。
条件のすり合わせや権利割合の調整で意見が対立し、交渉が難航するケースも珍しくないため、借地権の取引実績が豊富な不動産業者や弁護士などの専門家に間に入ってもらい、慎重に進めるのが賢明です。
なお、底地と借地権の同時売却について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
関連記事:底地と借地権を同時売却する際の流れを分かりやすく解説!
借地権専門の不動産買取業者に相談する
地主との交渉がまとまらない場合や、できるだけ早く手放したい場合は、借地権を専門に扱う不動産買取業者に相談するのが有効です。
借地権は地主と借地人の権利関係が複雑なため、一般的な不動産会社では取り扱いを断られるケースが珍しくありません。
また、対応してもらえたとしても、活用ノウハウを持たない不動産業者では再販のリスクを懸念し、相場より低い買取価格を提示される恐れがあります。
一方、借地権の取引実績が豊富な専門の不動産買取業者であれば、独自のノウハウをもとに物件の魅力を見極めて適正価格を提示できます。
一般の不動産会社と専門の不動産買取業者の違いを以下にまとめました。
| 項目 | 一般の不動産会社 | 借地権専門の不動産買取業者 |
|---|---|---|
| 取り扱いの可否 | 権利関係が複雑なため断られる恐れがある | 独自のノウハウがあるため 積極的に買い取れる |
| 買取価格 | リスクを考慮して相場より安くなりやすい | 本来の価値を見極めて 適正価格を提示できる |
| 地主との交渉 | 借地人が交渉を進める必要がある場合が多い | 地主との交渉を 代行・サポートできる |
借地権専門の不動産買取業者は、地主との話し合いや法的な手続きにも慣れているため、トラブルを防ぎながら円滑に売却を進めることが可能です。
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物件を再生・活用するノウハウと累計4,500件以上(※2025年12月時点)の買取実績を活かし、他社で断られた物件であっても適正価格でお買取り可能です。
弁護士をはじめとする各種専門家とも連携しているため、複雑な権利関係の整理や地主との交渉調整もスムーズに進められます。
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まとめ
借地権の買取相場は「地主」「第三者への仲介」「専門の不動産買取業者」といった売却先によって異なります。
借地権の買取相場は、路線価や借地権割合から目安を算出できます。
しかし、契約の残存期間や地代・更新料の負担、建物の老朽化、地主との関係性といった個別要因によって実際の査定額は下落しやすいのが実情です。
さらに、売却時には譲渡承諾料や解体費用、仲介手数料、譲渡所得税といった諸経費も発生するため、手元に残る金額を事前に見極めたうえで手続きを進める必要があります。
「地主との交渉が進まない」「借地権の更新時期が迫っている」「老朽化した建物をそのまま買い取ってほしい」とお悩みなら、借地権専門の不動産買取業者への売却が有力な選択肢です。
専門の不動産買取業者への売却であれば、仲介手数料がかからないのはもちろん地主との権利調整や各種手続きも一任できます。
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