共有持分の放棄は共有状態解消方法の一つ
「共有持分の放棄」は、共有不動産の管理負担や親族間トラブルから抜け出す有効な手段の1つです。
ここではまず、共有持分の放棄について以下のことを詳しく解説していきます。
共有持分の放棄とは権利を他の共有者へ帰属させる行為
共有持分の放棄とは、自身の共有持分を手放し、他の共有者へその権利を帰属させる行為です。
持分を放棄した場合、その権利は残りの共有者が持つ持分割合に応じて分配されます。
たとえば、A・B・Cの3人が均等に3分の1ずつ持分を所有している土地で、Aが自身の持分を放棄した場合は以下のとおりです。
| 共有者 | 放棄前の持分割合 | 放棄後の持分割合 |
|---|---|---|
| A (共有持分を放棄) | 3分の1 | 0 |
| B | 3分の1 | 2分の1 |
| C | 3分の1 | 2分の1 |
Aが放棄した「3分の1」の権利は、残されたBとCのもともとの持分割合(1:1)に応じて分配されます。
残された共有者の持分割合が異なる場合も同様です。
たとえば、Aが3分の1(6分の2)、Bが2分の1(6分の3)、Cが6分の1の割合で所有している土地で、Aが自身の持分(6分の2)を放棄した場合は以下のようになります。
| 共有者 | 放棄前の持分割合 | 放棄後の持分割合 |
|---|---|---|
| A (共有持分を放棄) | 3分の1 (6分の2) | 0 |
| B | 2分の1 (6分の3) | 4分の3 |
| C | 6分の1 | 4分の1 |
残されたBとCのもともとの持分割合は「3:1」です。
Aが放棄した「6分の2」の持分も3:1の割合で按分され、持分割合はBが4分の3、Cが4分の1となります。
このように、放棄された権利は均等に頭割りされるのではなく、残された人たちが「もともと持っていた持分割合」に比例して分配されます。
共有持分の放棄と相続放棄の違い
共有持分の放棄と相続放棄は、どちらも不要な不動産を手放す手段として用いられますが、手放せる対象や手続きのタイミングなどが異なります。
亡くなった方の預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含め、相続人として財産上の権利・義務を承継しないための手続き
それぞれの主な違いは以下のとおりです。
| 比較項目 | 共有持分の放棄 | 相続放棄 |
|---|---|---|
| 放棄できる対象 | 所有している共有持分 | 相続人としての地位 |
| 手続きのタイミング | 持分取得後いつでも可能 | 原則として相続開始を知った日から 3か月以内 |
| 不動産だけ手放せるか | 可能 | 不可 |
| 他の財産への影響 | 原則として影響なし | 預貯金など他の遺産も 一切引き継げなくなる |
相続放棄は亡くなった人の全財産を受け継ぐ権利を一切手放す手続きであるため、特定の不動産だけを選んで放棄することはできません。
一方共有持分の放棄は、預貯金などの他の財産を手元に残したまま不要な持分のみを手放すことが可能です。
手元に残したい財産がある状況で共有関係から抜け出したい場合は、相続放棄ではなく共有持分の放棄が適した選択肢といえます。
共有持分の放棄が「早い者勝ち」といわれる理由
共有持分の放棄が「早い者勝ち」といわれる理由は、他の共有者が先に持分を放棄して単独名義になってしまうと、残された人は放棄できなくなるためです。
たとえば、共有者が2人しかいない場合、相手が先に持分を放棄すると、残された1人にすべての持分が集約されて「単独名義」となります。
単独名義の不動産の所有権は、一方的に放棄することが認められていません。
そのため、最後に残された人は管理責任や固定資産税の負担をすべて背負い続けなければならないのです。
もし「所有者全員が共有持分の放棄を考えている」「すでに手続きの先を越されてしまった」といった状況なら、売却など他の選択肢も視野に入れて共有持分を手放す方法を検討しましょう。
詳しくは「共有持分の放棄以外に共有状態を解消する4つの選択肢」で解説します。
共有持分を放棄する4つのメリット
共有持分を放棄するメリットは、以下の4つです。
共有持分のみを手放せる
共有持分の放棄は、預貯金などのプラスの財産を相続したうえで、不要な共有持分のみを単独で手放せます。
相続放棄を選択した場合、不要な不動産だけでなく預貯金や有価証券といったすべての遺産を受け継ぐ権利を失ってしまいます。
一方で共有持分の放棄であれば、手元に残したい遺産を確保しつつ、維持管理や固定資産税の負担のかかる共有不動産の権利だけを切り離すことが可能です。
必要な遺産を守りながら不要な持分のみをピンポイントで手放せる点は、共有持分を放棄する大きなメリットといえます。
好きなタイミングで放棄できる
共有持分の放棄は、ご自身の好きなタイミングで手続きを進められます。
相続放棄のように「相続開始を知った日から3か月以内」といった期限は定められておらず、一般的な不動産売却のように、買い手が見つかるまで所有し続ける必要もありません。
そのため、毎年の固定資産税の負担が重くなったときや、親族関係の整理を行いたいときなど、ご自身の状況や生活環境の変化に合わせていつでも共有関係を解消できます。
ただし、共有持分の放棄は「早い者勝ち」の側面があります。
他の共有者に先を越されると共有持分の放棄自体ができなくなってしまうため、手放すと決めた場合は先送りにせず早めに手続きを進めることが大切です。
共有不動産の管理負担・トラブルから解放される
共有持分を放棄すれば、以下のような負担や親族間のトラブルから解放されます。
- 持分割合に応じた固定資産税や維持管理費用の支払い負担
- 建物の修繕や利用方針を巡る共有者同士の意見の対立
- 管理不全に伴う近隣からの苦情や損害賠償リスク
共有不動産の各共有者は、持分に応じて管理費用を分担する義務を負います。
そのため、固定資産税や修繕費用の負担割合をめぐって共有者同士の話し合いがまとまらず、親族間のトラブルへ発展するケースも少なくありません。
共有持分を放棄して所有権を手放せば、これらの税負担や管理義務がなくなるため、共有状態のストレスや将来的な揉め事を回避できます。
なお、共有不動産のトラブルに関して詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてお読みください。
関連記事:他の共有者の持分が競売にかけられたらどうする?4つの対処法を解説!
将来の相続で共有関係が複雑になるのを防げる
ご自身の代で共有持分を放棄しておけば、将来発生する相続で権利関係が複雑化するリスクを防げます。

不動産の共有持分は相続財産に含まれるため、手放さずに放置していると子や孫の世代へそのまま引き継がれます。
そのため、代を重ねるごとに相続人が枝分かれして共有者の人数が増えていくと、以下のような問題が発生します。
- 不動産を売却・処分する際の全員同意の取得が困難になる
- 面識のない遠い親戚まで権利者になり連絡や交渉に時間がかかる
- 固定資産税や維持費用の分担をめぐるトラブルが次世代に引き継がれる
共有名義の不動産は、共有者が増えるほど意見がまとまりにくくなり、売却も活用もできない状態に陥りやすくなります。
子どもや孫に管理の負担や親族間トラブルを残したくないとお考えなら、ご自身の代で持分を放棄して権利関係を整理しておきましょう。
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共有持分放棄時の3つの注意点
共有持分を放棄する際には、以下の3点に注意しましょう。
他の共有者の協力が必要
共有持分の放棄そのものは単独の意思表示で行えますが、名義を変更する登記手続きには他の共有者の協力が不可欠です。
共有持分の放棄による所有権移転登記は、権利を手放す人と権利を取得する他の共有者全員が共同で申請しなければなりません。
不動産の所有権が売買や相続などで元の持ち主から新しい持ち主へ移ったことを示す手続き
そのため、他の共有者から実印の押印や必要書類の提出などの協力を拒否されると、手続きを進められなくなります。
もし、他の共有者からの協力を得られない場合は、「登記引取請求訴訟」を起こして判決を得る方法もあります。
名義変更に協力しない相手に対し、不動産の登記名義を引き取るよう裁判所に求める訴訟
しかし、訴訟を起こすには弁護士費用や数か月以上の時間がかかるため、まずは他の共有者に対して放棄の理由を丁寧に説明し、事前に理解と協力を得ることが大切です。
どうしても他の共有者からの協力が得られない場合は、放棄以外の手段も視野に入れましょう。
具体的な解決策については「共有持分の放棄以外に共有状態を解消する4つの選択肢」をご確認ください。
他の共有者に贈与税が課される
共有持分の放棄を行うと、持分を引き継いだ他の共有者に対して贈与税が課される可能性があります。
個人から年間110万円を超える財産を無償で受け取った際に、もらった側に課される税金
参照元:国税庁「財産をもらったとき」
放棄した共有持分は「他の共有者へ持分相当額の財産を無償で分け与えた」とみなされ、贈与税の課税対象として扱われるためです。
贈与税の発生によって生じる具体的なリスクは、以下のとおりです。
- 引き継いだ共有者に想定外の納税負担が発生する
- 「勝手に税金を背負わされた」と反発され、登記手続きへの協力を拒絶される
- 親族間での感情的な対立が深まり、関係性が悪化する
資産価値の高い不動産の持分を放棄した場合、引き継いだ他の共有者に数十万円から数百万円単位の重い贈与税が課されるケースも珍しくありません。
事前に説明のないまま税負担が発生すると、相手からの反発を招き、登記手続きへの協力を得られなくなる原因になります。
親族間のトラブルや手続きの停滞を防ぐためにも、持分を放棄する際は「贈与税が課される可能性があること」を事前に他の共有者へ伝えておきましょう。
現金化できない
共有持分は単独でも売却できる資産です。
しかし、放棄を選択すると他の共有者へ無償で譲り渡すことになり、売却代金を受け取れなくなります。
「管理が面倒だから」「固定資産税を払いたくないから」といった理由で安易に持分を手放してしまうと、売却代金を得る機会を失ってしまいかねません。
そのため、共有持分の放棄を決断する前に、まずはご自身の持分にどのくらいの価値があるのかを確かめておきましょう。
もし持分に値段がつけば、売却することでまとまった現金を手にできる可能性があります。
弊社アルバリンクは、年間2,000件超の買取実績(2025年12月時点)を持つ訳あり物件専門の不動産買取業者です。
弁護士や税理士などの士業とも連携しており、複雑な権利関係の共有持分でも安全に売却までサポートいたします。
ご自身の持分の適正な価値を確認し、損をせずに手放したいとお考えの方は、まずは弊社の無料査定フォームよりお気軽にご相談ください。
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共有持分を放棄する手続きの流れ
共有持分を放棄する際は、意思表示を行うところから法務局で登記名義を変更するまで、手続きを正しく進める必要があります。
手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。
他の共有者へ「共有持分放棄」の意思表示をする
共有持分を放棄する際は、まずは他の共有者へ放棄する意思を直接伝えましょう。
共有持分を放棄すること自体は、他の共有者の同意がなくてもご自身の意思表示だけで効力が発生します。
しかし、所有権移転登記は、引き継ぐ側の協力がなければ進められません。
登記名義を変更しない限り、以下のような負担や責任がかかり続けます。
- 役所から毎年の固定資産税の納付書が自分宛てに届き続ける
- 建物の倒壊事故などが起きた際に、登記上の所有者として管理責任を問われる
しかし、説明もなく突然名義変更を求めると、管理責任や固定資産税の負担増を懸念した共有者に、登記手続きへの協力を拒否される原因になります。
さらに、持分を引き継ぐことで相手に贈与税が課される可能性もあるため、親族間での対立へ発展しかねません。
登記手続きへの協力を円滑に得るためには、事前に「持分を放棄する理由」や「引き継ぐ側に税金や管理の負担が生じる可能性があること」を伝えて理解を求めましょう。
なお、共有者との話し合いが難しい場合や言った・言わないの争いを防ぎたい場合は、意思表示を行った客観的な証拠を残すために「内容証明郵便」を送付するのが有効です。
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必要書類を揃える
共有持分の放棄による所有権移転登記を行うために、事前に申請に必要な書類を揃えましょう。
共有持分の放棄は、持分を放棄する側と引き継ぐ側の「共同申請」となるため、双方で書類を準備する必要があります。
登記手続きに必要な主な書類は、以下のとおりです。
| 書類 | 用意する人 | 概要 | 主な取得先 |
|---|---|---|---|
| 登記識別情報 (または登記済権利証) | 放棄する人 | 放棄する本人が不動産の真正な権利者であることを証明する書類 | 物件取得時に 法務局から交付 |
| 登記原因証明情報 | 放棄する人 引き継ぐ人 | 持分放棄によって所有権が移転した事実を証明する書類 (持分放棄証書など) | 自身で作成 (または司法書士へ作成を依頼) |
| 印鑑証明書 | 放棄する人 | 登記申請書や委任状に押印した印鑑が本人の実印であることを証明する書類 (発行後3か月以内) | 市区町村役場の窓口やコンビニ交付 |
| 住民票 | 引き継ぐ人全員 | 新たに持分を取得する共有者の現住所を確認する書類 | 市区町村役場の窓口やコンビニ交付 |
| 固定資産税評価証明書 | 放棄する人 (または引き継ぐ人) | 登記の際に納付する登録免許税の税額を算出するための書類 | 物件の所在地を 管轄する自治体 |
もし、登記識別情報を紛失してしまっている場合や、自分たちだけで書類を作成するのが難しい場合は、司法書士へ依頼して書類の準備を進めましょう。
法務局で登記手続きを行う
必要書類が揃ったら、共有不動産の所在地を管轄する法務局で「持分移転登記」の申請手続きを行います。
持分放棄による登記は、郵送やオンラインによる申請も受け付けています。
登記を申請する際は、「登録免許税」を納付しなければなりません。
不動産の所有権移転や担保設定などの登記手続きを行う際に、納める国税
持分放棄の登録免許税の算出式は以下のとおりです。
参照元:国税庁「登録免許税の税額表」
たとえば、固定資産税評価額が2,000万円の土地について、ご自身の持分「2分の1」を放棄する場合の税額は20万円(2,000万円×1/2×2%)となります。
法務局へ書類を提出してから名義の書き換えが完了するまでの期間は、1週間から2週間程度が目安です。
申請書の作成や税額計算など、ミスなくスムーズに名義を移転させたい場合は、司法書士への依頼を検討しましょう。
他の共有者の協力を得られない場合は登記引取請求訴訟を検討する
他の共有者が名義変更への協力を拒み続ける場合は、裁判所に「登記引取請求訴訟」を検討しましょう。
登記引取請求訴訟を起こすためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。
- 共有者全員に対して、内容証明郵便などで持分放棄の意思を確実に届けている
- 正当な理由なく他の共有者が登記手続きへの協力を拒絶している
訴訟を起こして名義を移転させるまでの具体的な流れは、以下のとおりです。
- 不動産の所在地を管轄する地方裁判所へ提訴する
- 口頭弁論で持分放棄が法的に成立している事実を主張・立証する
- 裁判所から相手へ登記の引き取りを命じる判決を取得する
- 判決に基づいてご自身のみで法務局へ申請し、名義を移転させる
ただし、裁判を起こすにあたっては、さまざまな金銭的負担が発生します。
費用の目安を以下にまとめました。
| 費用項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 裁判費用 | 訴状に貼る収入印紙代や裁判所からの書類郵送代 | 数万円程度 |
| 弁護士費用 | 訴訟対応を弁護士へ依頼する着手金・報酬金 | 50万〜80万円程度 |
| 登記費用 | 判決後に名義変更する登録免許税・司法書士費用 | 数万〜十数万円程度 |
裁判を起こせば相手の同意がなくても名義を移転できますが、数十万円単位の高額な費用がかかります。
また、判決が出るまでに半年から1年以上の長い期間が必要です。
金銭面・時間面での負担が重いため、訴訟に踏み切る前に共有持分の放棄以外の解決策も含めて慎重に判断しましょう。
詳しくは「共有持分の放棄以外に共有状態を解消する4つの選択肢」をご参照ください。
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共有持分の放棄にかかる費用
共有持分の放棄を行う際は、持分を放棄する側だけでなく、取得する側にもそれぞれ費用が発生します。
費用をめぐるトラブルを防ぎ、スムーズに手続きを進めるために、双方にかかる金銭的負担をあらかじめ把握しておきましょう。
共有持分を放棄する側にかかる費用
共有持分を放棄する側には、主に手続きに必要な書類の取得費用や、司法書士へ支払う報酬などの実費が発生します。
持分を放棄する側が負担する費用の目安は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 概要 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 印鑑証明書の発行費用 | 登記申請書類へ押印する実印の証明書 | 1通あたり300〜400円程度 |
| 住民票の発行費用 | 登記上の住所から移転がある場合等に現住所を証明する書類 | 1通あたり300〜400円程度 |
| 内容証明郵便の送付費用 | 他の共有者へ持分放棄の意思表示を書面で通知する費用 | 1通あたり1,500〜2,000円程度 |
| 司法書士への依頼費用 | 登記手続きの代行や登記原因証明情報の作成を依頼する費用 | 5万〜10万円程度 |
司法書士への報酬は持分を手放す側と取得する側のどちらが支払うかについて法律上の決まりはありません。
事前に共有者間でどちらが負担するかを話し合って決めておきましょう。
また、年の途中で共有持分を放棄した場合であっても、その年の固定資産税は持分割合に応じた金額を負担する必要があります。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して1年分の納税義務が発生するためです。
自治体から届いた納税通知書の金額は名義を放棄しても減額されないため、放棄した日以降の税負担については、引き継ぐ相手と日割りで精算するなどの取り決めをしておきましょう。
共有持分を取得する側にかかる費用
共有持分を取得する側には、以下のように名義変更の手続き費用に加えて各種税金の支払い義務が生じます。
| 費用項目 | 概要 | 費用・税率の目安 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 法務局で持分移転登記を行う際に納付する国税 | 固定資産税評価額×放棄持分×2% |
| 贈与税 | 対価を支払わずに持分を取得した際に課税される税金 | 年間110万円を超えた持分価格に対して課税 |
| 不動産取得税 | 不動産の持分を新たに取得した際に納める地方税 | 固定資産税評価額×放棄持分×3% ※不動産の標準税率は原則4%のところ、2027年3月31日まで住宅用地・住宅の共有持分を取得した場合、軽減税率3%が適用 |
| 固定資産税の精算金 | 放棄された持分に相当するその年分の固定資産税負担額 | 放棄日以降の日割り計算額 |
このように、持分を取得する側は登記費用の実費だけでなく、贈与税や不動産取得税、翌年以降の固定資産税の負担増といった金銭的負担がのしかかります。
円滑に登記の協力を得るためにも、共有者に発生する税額の目安を事前に伝えておきましょう。
あわせて「登記費用や司法書士報酬はこちらで支払う」といった負担を軽減する提案を行うと、承諾を得やすくなります。
共有持分の放棄以外に共有状態を解消する4つの選択肢
共有関係から抜け出す手段は、共有持分の放棄だけではありません。
状況に応じて以下の4つの選択肢を検討できます。
共有持分を売却する
共有持分は、他の共有者の同意を得ることなく単独で売却できます。
ただし、一般的な不動産仲介市場では、個人の買い手を見つけることは簡単ではありません。
仲介市場で物件を探す個人の大半は「自身が暮らすマイホーム」を求めています。
共有持分のみを購入しても、自由に住んだりリフォームしたりできないため、一般個人からの需要は見込みにくいからです。
一方、専門の不動産買取業者は、不動産を再生・活用する独自のノウハウがあるため、持分のみでもスピーディーに買い取ってもらえる場合があります。
共有持分を放棄する場合と異なり、売却によってまとまった現金が手に入る点もメリットです。
また、専門の不動産買取業者に共有持分を売却すれば、直接親族と協議や交渉をする必要がありません。
売却後の権利調整や他の共有者へのアプローチも不動産買取業者が行うため、親族間の揉め事に関わることなく、安心して共有関係から抜け出せます。
なお、共有名義不動産が未登記の場合の共有持分の売却方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
アルバリンクが共有持分を1,100万円で買取した事例
弊社アルバリンクは訳あり物件専門の不動産買取業者として、他社では断られるような複雑な権利関係を抱える共有持分を多数買い取ってきました。
実際、弊社は下記のように全国各地の共有持分を買い取っており、中には1,000万円以上で買い取ったケースもあります。
ただ、上記のような買取事例だけを見せられてもピンとこない方もいるでしょう。
そこで、弊社が共有持分を買い取ったお客様からいただいた、直筆のメッセージも紹介します。
引用元:お客様の声(Albalink)
このお客様は共有者である親族と折り合いが悪く、話し合いができる関係ではありませんでした。
そのため、弊社が共有持分を買い取ったことで「(共有者と)やり取りをしなくて済むようになり、気持ちが楽になった」というメッセージをお寄せくださいました。
上記のお客様以外にも、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価をいただいているだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
参照元:PR TIMES
信頼できる買取業者に安心して共有持分を売却し、共有関係から解放されたい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(売却前提の問い合わせでなくても構いません)
なお、共有持分の買取におけるトラブル回避方法やおすすめの不動産買取業者を、以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてお読みください。
関連記事:共有持分買取のトラブルと回避法を伝授!優良買取業者を一挙15社紹介!
他の共有者に共有持分を贈与する
他の共有者へ持分を無償で譲る「贈与」も、共有状態を解消する手段の一つです。
共有持分を放棄する場合と贈与する場合の主な違いを以下にまとめました。
| 比較項目 | 共有持分の放棄 | 共有持分の贈与 |
|---|---|---|
| 持分の取得者 | 他の共有者全員 (持分割合に応じて分割) | 特定の共有者に譲渡 |
| 相手の承諾 | 所有者単独の意思表示で可能 (名義変更には協力が必要) | 双方の合意が不可欠 (贈与契約の締結) |
| 適したケース | 相手を選ばず持分を 手放したいとき | 特定の親族に所有権を 集約したいとき |
贈与を活用すれば、特定の親族を選んでご自身の所有権を引き継いでもらえます。
ただし、贈与を受けた相手には「贈与税」が課される可能性があります。
事前の相談なしに実行すると、相手に予期せぬ金銭的負担を強いることになりかねません。
また、贈与を成立させるには相手の合意が不可欠です。
相手の承諾を得ずに一方的に共有持分を押し付けることはできないため、贈与税の発生も含めて事前に話し合っておきましょう。
他の共有者と協力して共有不動産全体を売却する
他の共有者も同様にそれぞれの共有持分を放棄したいと考えている場合は、全員で協力して不動産全体を売却するのが有効な手段です。
不動産全体を売りに出せば、購入した買い手は自由に住んだりリフォームしたりできます。
一般の個人から広く購入希望者を募ることができるため、持分単体で売り出す場合と比べて買い手が見つかりやすくなります。
市場相場に近い適正価格で売却しやすい点も大きなメリットです。
ただし、不動産全体を売却するには「共有者全員の合意」が不可欠です。
1人でも売却に反対している共有者がいる場合は手続きを進められません。
また、売却代金から仲介手数料などの諸経費を差し引いた利益は、持分割合に応じて公平に分配する必要があります。
売却方針や価格設定、代金の分配方法について事前にしっかりと話し合い、全員が納得したうえで売却活動を進めましょう。
なお、他の共有者の反対により共有名義不動産全体を売却できないときの対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:共有名義は売却できないは嘘!リスクやトラブル対処法も解説
共有物分割請求を起こす
共有者間での話し合いがまとまらない場合は「共有物分割請求」を起こす手段もあります。
複数人で所有する不動産の共有状態を解消するよう裁判所へ申し立てる手続き

共有物分割請求は、まず当事者同士の協議から始めますが、協議が成立しない場合は民事調停や地方裁判所での「共有物分割請求訴訟」へと進みます。
裁判手続きに進んだ場合、裁判所が決定する主な分割方法は以下の3種類です。
- 現物分割
- 土地などを物理的に分筆し、各自の単独所有にする方法
- 代償分割
- 共有者の1人が不動産全体を取得し、他の共有者へ持分に見合う金銭を支払う方法
- 換価分割
- 不動産全体を競売にかけて売却し、売却金を各自の持分割合で分配する方法
ただし、訴訟を起こしたからといって、必ずしも希望する分割方法になるとは限りません。
とくに、不動産が分筆できず代償金を支払える共有者もいない場合は競売による「換価分割」が命じられることがあります
競売では市場相場よりも大幅に安い価格で売却されるため、手元に残る現金が大きく減ってしまいかねません。
さらに、共有物分割請求訴訟には弁護士費用や裁判費用がかかるうえに、判決が出るまでに半年から1年以上かかる点も考慮する必要があります。
売却による損失や裁判費用の出費を避けたい場合は、訴訟を起こす前に持分のみを専門の不動産買取業者へ売却する方法も合わせて検討しましょう。
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共有持分の「放棄」と「売却」どちらを選ぶか判断するポイント
共有持分の「放棄」と「売却」のどちらを選ぶべきかは、ご自身の希望や他の共有者との関係性によって異なります。
判断に迷った際は、以下の基準を参考に適した方法を選択しましょう。
| 選択肢 | 状況 |
|---|---|
| 共有持分の放棄を選んだほうがよいケース | ・売却代金は必要ない ・他の共有者に手続きに協力してもらえる |
| 共有持分の売却を選んだほうがよいケース | ・まとまった現金を手にしたい ・他の共有者と話し合いたくない ・共有者に内緒で共有関係から抜け出したい ・短期間で共有関係から解放されたい |
共有持分の放棄を選んだほうがよいケース
共有持分の放棄を選んだほうがよいケースは、以下のとおりです。
- 持分を譲ることで親族に不動産をそのまま活用してほしい場合
- 売却代金としての現金を一切求めていない場合
- 他の共有者全員と連絡が取れ、登記手続きへの協力を得られる場合
放棄した共有持分は他の共有者に従前の持分割合に応じて帰属するため、親族間で不動産を引き続き維持・管理していきたい場合に有効な選択肢となります。
共有持分の売却を選んだほうがよいケース
以下の状況に当てはまる場合には、専門の不動産買取業者へ持分の売却を検討しましょう。
- 持分を手放す対価としてまとまった現金を手にしたい場合
- 他の共有者と一切関わらずに短期間で手放したい場合
- 他の共有者に知られないよう配慮しながら共有関係を解消したい場合
- 固定資産税や維持管理の負担から早期に解放されたい場合
とくに「一日も早く持分を手放したい」「親族と顔を合わせずに解決したい」とお考えであれば、専門の不動産買取業者への売却が有力な選択肢となります。
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まとめ
共有持分の放棄は、不要な不動産の権利を手放し、管理責任や固定資産税の負担から抜け出す有効な手段の一つです。
しかし、持分を放棄しても名義変更の登記手続きには他の共有者全員の協力が不可欠であり、関係性がこじれている場合や連絡が取れない共有者がいる場合は手続きをスムーズに進められません。
さらに、共有持分を引き継いだ相手に贈与税が課されるリスクや、売却代金としての現金を受け取れないといったデメリットもあります。
他の共有者と関わることなく確実に共有関係を断ち切りたい場合や、手元に現金を残したいとお考えなら、共有持分の「専門の不動産買取業者への売却」も有力な解決策となります。
ご自身の共有持分のみであれば、他の共有者の同意を得ずに単独で売却可能です。
弊社アルバリンクは、共有持分をはじめとする全国の訳あり物件の買取を行っている専門の不動産買取業者です。
東証上場企業としての社会的信用と年間買取件数2,000件超(2025年12月時点)の実績を活かし、複雑な権利関係の共有持分であっても本来の価値を見出して積極的な買取に取り組ませていただきます。
弊社から他の共有者へ知らせることはございませんので、他の共有者に知られることなく安全に持分を手放せます。
共有持分の処分にお悩みの方は、まずは弊社の無料査定フォームよりお気軽にご相談ください。
株式会社AlbaLinkは東証グロース市場に上場している不動産会社です。




