自然に囲まれたゆったりとした暮らしに憧れて、「田舎への移住」を考える人は少なくありません。
しかし実際に住んでみると、都市部とは異なる生活環境に戸惑う場面も。
今回は、田舎への移住経験がある458人を対象に「実際に移住してわかった、田舎暮らしで大変なこと」を調査しました。
「田舎暮らしの家に関する不満」や「移住前に戻れるならやっておきたいこと」についても聞いています。
- 調査対象:田舎への移住経験がある人
- 調査期間:2026年3月5日~11日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:458人(女性275人/男性183人)
- 回答者の年代:20代 20.1%/30代 36.9%/40代 24.0%/50代 14.0%/60代以上 5.0%
実際に移住してわかった田舎暮らしで大変なこと1位は「交通の便の悪さ」

田舎への移住経験がある458人に「実際に移住してわかった田舎暮らしで大変なこと」を聞いたところ、1位は「交通の便の悪さ(35.8%)」でした。
2位「人間関係の煩わしさ(29.7%)」、3位「商業施設の少なさ(21.2%)」も20%以上で多くなっています。
田舎暮らしで大変だと感じられる点としては、大きくわけて「生活インフラ」「地域コミュニティ」「気候の違い」があります。
とくに、日常生活の利便性に関わる不便さを挙げる人が多く、都市部との生活環境の違いを実感している様子が読み取れます。
「交通アクセス」「商業施設や医療機関の少なさ」「気温」などはネットでもある程度調べられますが、実際住んでみると想定以上だったと感じる人も多くいました。
1位 交通の便の悪さ
- 交通の便が悪く、車が必須になった(20代 男性)
- とにかく交通が不便。バスは1日数本で、タクシーも遠くてなかなか来ない。電車は残業すると30分以上待ちは当たり前。車を運転できる人しか住めない(30代 女性)
- 車がなくて、行動範囲が狭くなった。電車やバスの本数がとても少なくて、移住当初は慣れなかった(60代以上 女性)
1位は「交通の便の悪さ」です。
田舎では公共交通機関の本数が少なかったり、バス停や駅が近くになかったりして、外出のほぼすべてを車に依存するエリアも。
「通勤」「買い物」「通院」「習い事の送迎」など日常の移動が車前提になるため、運転できない人や車を所有してない人は行動範囲が極端に限られてしまいます。
また電車やバスが利用できても本数が少ないと、都市部のような「時間を気にしなくてもどんどん電車が来る」「一本逃しても大丈夫」といった自由な移動が難しく、負担になります。
移住前は「多少不便でも大丈夫」と考えていても、毎日の生活に大きく影響するため、想像以上に不便さを感じやすい要素です。
2位 人間関係の煩わしさ
- 噂話が近隣に伝わりやすい点。ありもしない話が地区全体に広がり、冷たい目で見られることが何度かあった(20代 男性)
- 地域の行事と、地域の人との距離の近さです。こんなに他人と密接に関わることになるとは思っていなかったので、なかなか辛いものがありました(30代 女性)
- 近隣住人との相性は大事だなと感じます。敷地内につかつかと入ってきて「子どもは今後産む予定なのか」とかプライベートなことを悪気もなく聞いてきます。何らかのハラスメントに属しそうな内容のことで、はじめは戸惑いが大きかったです。敵意があるわけではなく仲良くしようとしているのですが、気になる人はいるんじゃないでしょうか(40代 女性)
2位は「人間関係の煩わしさ」でした。
近隣の人間関係は、実際に住んでみないとわかりにくい要素です。
田舎では住民同士の距離が近く、イベントが盛んであるなど地域のつながりが強いこともあります。
人間関係が濃密になりやすく、地域行事への参加や近隣との付き合いが半ば強制的に求められる場合も。
そのため、あまり近所付き合いしたくない人にとっては負担になります。
住民の性格によっては「噂話が思わぬ形で広がる」「聞かれたくないことまで遠慮なく聞かれる」といったシーンに遭遇することもあります。
3位 商業施設の少なさ
- 近くのスーパーまで歩いて30分近くかかる(20代 男性)
- 北海道のド田舎に移住して、大きめのスーパーに行くために車で40分走ることが大変でした。毎週買い出しに行くだけでも労力を使います(30代 男性)
- コンビニなど24時間空いてる店が徒歩圏内にないこと(40代 女性)
「商業施設の少なさ」が3位でした。
田舎ではスーパーやコンビニなどの商業施設が少なく、買い物そのものに時間と労力がかかることもあります。
日用品や食料を手に入れるために、車や自転車で長距離を移動する必要があり、都市部では気軽にできていた「ちょっとした買い物」が大きな手間になるのですね。
また商業施設はあっても、「店の営業時間が短い」「品揃えが限られている」という声も。
「事前に商業施設があることを調べていたものの、移住してすぐ閉業してしまった」という回答もあり、想定外に商業施設が少なくなってしまう例もあるとわかります。
4位 想定以上の寒さ
- 東京から那須に移住し、冬の寒さに苦労しました。冬は強風と降雪で屋外はもちろん屋内も寒く、暖房器具や防寒具を何個も買い足しました。(30代 男性)
- 山の上にポツンとある1軒家に移住したので、夏は涼しくていいけど冬は相当寒い(40代 男性)
- 冬の寒さが想像以上で、暖房をいくら強くしても家全体が冷え、外出も億劫になりました(60代以上 女性)
「想定以上の寒さ」が4位に入りました。
山間部や寒冷地では、都市部よりも気温が低く、冬の寒さが生活に大きく影響します。
屋外だけでなく住宅自体が冷え込みやすい場合もあり、暖房を使っても家全体がなかなか暖まらないことも。
結果として外出や日常作業が負担に感じられることも、少なくありません。
移住前は「数字上の気温」で寒さをはかりますが、実際に住んでみると「想定以上に寒い」と感じる例も多々あるとわかりました。
5位 雪の量
- 雪かきです。移住前は「雪景色いいな!」くらいに思ってたんですが、実際は毎朝6時から30分かけて車を掘り出す日々で、体力的にも精神的にもきつかった。大雪の翌日は屋根からも落とす必要があるので、想像以上の重労働でした(30代 男性)
- 大雪。毎日のように危険を感じた。重さで屋根から滑り落ちてくる雪。溶けて凍った雪で転倒の危険。雪で視界が遮られて車から歩行者が見えない。朝雪かきしても、半日でまた積もることも普通にある(40代 女性)
- 雪に慣れていませんでしたので、雪が多すぎて出かけられない日があり困りました(50代 女性)
5位は「雪の量」でした。
雪の多い地域では、「通勤用の車を出庫するため」や「屋根がつぶれないため」に冬に雪かきの作業が発生します。
雪による視界不良や路面の凍結など、移動時の危険性も高まって「怖い」と感じる人もいました。
とくに雪に慣れていない地域から移住する場合には、積雪が生活に与える影響をしっかり理解しておく必要があるとわかります。
6位 医療機関の少なさ
- 離島に移住したとき、診療所しかなかったので病院に通うのに片道1時間弱を往復し、4千円弱の船代がかかった(40代 女性)
- 小児科が近くにないため、長男が2歳で初めて熱性けいれんを起こしたときは、慌ててしまい消防署に駆け込み助けを求めました(40代 女性)
- 普段の生活では何の不自由も感じないのですが、病気になったときにとたんに不自由を感じます。風邪やインフルエンザは対応できるのですが、「眼科」「耳鼻科」「内視鏡検査など専門的な外来」は月に1度の開設。あるいはとなりの大きな町まで行かないと受診できません(50代 男性)
6位は「医療機関の少なさ」です。
医師の偏在が問題となっている今、田舎では医療機関の数が限られています。
医療機関自体はあっても、自分が求める「専門的な診療」や「特定の診療科」は受診できないことも。
自分や家族の体調が悪いときに、長時間移動して病院に向かうのは大きな負担です。
健康であれば日常生活で大きな問題を感じにくいものの、急な病気やけがが起きたときには不便さが実感されていました。
7位 虫の多さ
- 夏の虫の数がすごく、家の中にまで入ってくる。とくに蚊の数が異常(20代 女性)
- 虫退治(30代 女性)
- 虫。とくにムカデが部屋の中に突然出てくることです。気持ち悪くていまだに慣れません(50代 男性)
7位は「虫の多さ」でした。
自然が豊かな地域では、虫の数も都市部より多くなりがちです。
夏場は虫が多くなりがちで、家の中や周辺に発生する蚊やムカデ、カメムシなどに悩んでいるという回答がありました。
「泣きそう」「ストレス」という声も多く、とくに虫が苦手な人にとっては大きな負担です。
田舎暮らしの家で最も不満を感じたことは「虫の侵入」

田舎暮らしの家で最も不満を感じたことの圧倒的1位は「虫の侵入(44.8%)」で、4割以上の人から票を集めました。
以下、2位「断熱性の悪さ(22.5%)」、3位「庭の管理(14.0%)」、4位「築年数の古さ(5.0%)」、5位「動物の侵入(3.1%)」の結果です。
「虫の侵入」が突出して多く、「動物の侵入」もランクインしていることから、自然との近さに戸惑う人が多いとわかります。
また田舎には築年数の古い住宅も多く、結果として断熱性も低くなりがちなので、「断熱性」「古さ」を挙げた人も目立ちました。
1位 虫の侵入
- 虫が多く、灯りが少ないため、灯りにかなり虫が集中してしまう(20代 男性)
- 虫は対策していても絶対に家に出ます。「急に蟻だらけ」なんてこともよくあります(20代 女性)
- 虫が多い。どんだけ虫対策しても、かならず家に入ってきます。虫が苦手な人は無理です(30代 男性)
1位は「虫の侵入」です。
田舎の住宅では周囲に自然が多く、虫の発生源となる草木や水辺も多いため、虫が家の中に入り込みやすくなります。
古い住宅では隙間から侵入するケースも。
網戸や防虫剤などの対策をしているのに防げない点が不満につながっていました。
虫は田舎の日常生活の中で頻繁に遭遇するため、大きなストレスになっていると考えられます。
2位 断熱性の悪さ
- 戸建て賃貸に住んでいます。不満は東北地方なのに断熱性がまったくないことです。窓が多いのにすべて1枚ガラス。玄関もガラスが入っており、勝手口もあるので、玄関やキッチンなど暖房設備が行き届かない場所は極寒です(30代 女性)
- マンションにしておけばよかったと今でも思います。借家の一軒家を選んだんですが、冬の寒さが尋常じゃなくて。隙間風が入るし、床が冷えるし、暖房費が毎月えげつない金額になりました(30代 男性)
- 断熱材が入っていなかったので、夏は暑くて冬は寒すぎる(60代以上 女性)
2位は「断熱性の悪さ」でした。
窓が1枚ガラスだったり、壁や床に十分な断熱材が入っていなかったりすることで、冬は室内が冷え込み、夏は熱がこもりやすくなります。
「隙間風」「床の冷え」というワードを挙げた人も多くなっています。
断熱性が低いことで暖房や冷房をガンガンに効かせる必要が生じ、光熱費が高くなることを不満としている人もいました。
3位 庭の管理
- 田舎なので土地が広いから、庭の管理が大変(20代 女性)
- 家が広いため庭に草が生えすぎてしまいます。除草剤を撒くにしても、結構なお金がかかります(30代 男性)
- 一戸建てが主流なので賃貸の一戸建てにしたのですが、土地が広く庭も借主管理なため、雑草取りや春先の虫の対策など、想像以上にお金がかかる。仕事をしながらだと、広い庭の草むしりや植木の剪定がおろそかになりがち(40代 女性)
「庭の管理」が3位でした。
田舎は都会に比べて地価が安いため、住宅の敷地も広くしやすいです。
広い家を購入できるのはメリットでもあるのですが、庭が広いと管理が大きな負担になります。
庭があると庭木の剪定に加え、定期的な草むしりや除草作業が欠かせないからです。
アンケートからは、手間や時間だけではなく、「除草剤の費用」や「剪定業者への支払い」といったコストも負担となっていることがわかりました。
4位 築年数の古さ
- 若い人が移住してこないので古い物件ばかりで、水回りなどの経年劣化がキツかったです(20代 女性)
- 築年数がかなり経っている物件が多く、現実的に住むことを考えると意外に選択肢が少ない(30代 男性)
- 家が古かったので傷みがすぐに出た(50代 女性)
「築年数の古さ」が4位です。
田舎で住宅を探したときに「築年数の古い物件が多いな」を感じた人も多くなりました。
新築や築浅に住みたい人にとっては、「移住しようにも、希望条件に見合う物件を見つけにくい」「古い物件の中から選ぶしかない」という悩みになります。
築年数が古いと「水回りや内装が劣化している」「住宅設備が古くて使いにくい」といったケースも多くなり、室内の快適性が新築に比べると劣ってしまいます。
また古い住宅は修繕が必要になる箇所も多いため、住み始めてからトラブルが発生したケースもありました。
5位 動物の侵入
- シカが敷地内に侵入し、庭の木の若芽を食べつくしたり糞をまき散らしたりするのがとても困った。シカはでかいので追い払おうにも怖い(20代 女性)
- 周辺地域に動物が多く、畑や田んぼなどに被害があることです。田舎では至極当たり前なことだと思いますが、「綺麗事だけでは生きていけない」ってことを移住してしみじみと感じました(20代 男性)
- 鳥が換気扇に巣を作ること(40代 女性)
5位は「動物の侵入」でした。
自然が豊かな地域では、野生動物が敷地内に入ってくることもあります。
とくに大型の動物が入ってくると「怪我をさせられるのではないか」「家を壊されるのではないか」と恐怖を感じる人も。
鳥など小型の動物でも、糞などから感染症にかかってしまう可能性もあり、心配はあります。
「怖い」「汚れる」「後始末が面倒」という問題だけではなく、動物対策の費用が必要になることもデメリットです。
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田舎暮らしの前にもっと時間をかけて準備すべきだったことは「念入りな情報収集」

「田舎暮らしの前にもっと時間をかけて準備すべきだったこと」として最も多かった回答は「念入りな情報収集(31.9%)」でした。
2位「お試しでの移住(26.4%)」と答えた人も多くなっていて、現地に関する情報をしっかり集めておきたい人が多くなりました。
- 近所付き合いの距離感や地域の慣習について、情報を集めておけばよかった。冬の時期に何度か滞在し、生活の大変さを確認しておくべきだった(20代 男性)
- ある程度の資金を持つように準備します。「田舎は安く生活できる」と言われますが、車などの購入費用がかかるので、初期投資費用にお金がかかりました(30代 男性)
- 「必ずあると信じてたものがなかった」が意外とたくさんあるので、一度体験移住は必須だと思います(40代 女性)
- もう少し時間をかけて不動産を探したい。自宅だけでなく、周囲の土地の管理状態などもちゃんと調べたほうがいいと思うので(50代 女性)
- 都会の団地から引っ越してきて、居住空間の違いに大きく戸惑ったので、リフォームをしっかりしたほうがよかったと思いました(50代 女性)
イメージだけで移住を決めず、実際の暮らしをより具体的に理解しておくべきだったという意見が多くなりました。
とくにネット情報だけではわかりにくい「地域の慣習」や「冬の生活環境」についての、リアルな情報収集をしておけばよかったという後悔やアドバイスが多く寄せられています。
リアルな情報を得るために「季節を変えてのお試し移住」や「口コミ収集」が効率的だという声も。
また「リフォームの検討や、リフォーム資金の準備」「物件選び」など、住まいに関する計画をより慎重に進めておけばよかったという声も目立ちました。
情報収集と資金計画が、移住の大きなポイントになるとわかります。
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まとめ
田舎暮らしでは、交通の不便さや人間関係といった、エリアやコミュニティの問題があります。
また家そのものに注目してみると、「自然環境と近いことで、虫が多い」「古い住宅が多くて寒い」といった不便さが指摘されています。
交通アクセスや自然との近さは移住前にわかってはいたものの、実際に住んでみて「想定以上」と感じた人もいました。
そのため、お試し移住や下見も含めた事前の綿密な情報収集を大切だと考えた人も多くなっています。
移住を考えるのであれば、実際の生活を具体的にイメージできるような準備が必要です。
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