一戸建ての購入で失敗したこと1位は「間取りが使いにくい」
一戸建ての購入経験がある419名に「一戸建ての購入で失敗したこと」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「間取りが使いにくい(161人)」です。
2位「住宅設備に不満がある(63人)」、3位「収納が少ない(28人)」、4位「周辺環境がよくない(21人)」と続きます。
「間取り」「設備」「収納」など、「家の使い勝手」で失敗したと感じている人が多数。
また「駐車場・駐輪場が使いにくい」など、建物外で失敗したと答えた人も相当数いました。
意外にも「立地」「周辺環境」を挙げた人は少なくなりました。
では具体的な回答を紹介します。
1位 間取りが使いにくい
- 部屋数が足りなくて子ども部屋がつくれない(30代 女性)
- 部屋を細かく区切ってしまったので、広く活用したいと思ってもできない(40代 男性)
- 建売を買ったので、間取りがちょっと使いにくいです(50代 女性)
1位は「間取りが使いにくい」でした。
「部屋数が足りない」「実際に住んでみると、動線が悪かった」などの意見が寄せられました。
「吹き抜け」「リビング階段」など、間取りにより空調が効きにくくなるケースも多いです。
また購入当時はよくても、家族構成が変わって「快適に過ごせる間取り」が変わることもあります。
2位 住宅設備に不満がある
- 雨の日に洗濯物を干せるので、サンルームを作っておけばよかったです(20代 女性)
- 2階にトイレを作らなかったこと(30代 男性)
- 立地や耐震に重きを置いていたため、「必要なものは後からでもいい」という気持ちで購入。しかし今思えば、電動シャッターにすればよかったし、コンセントももっと設置すればよかった(40代 女性)
「住宅設備に不満がある」が2位。
「購入時は不要だと思った」「予算が足りなかった」などの理由で住宅設備を削ったり安いものにしたりした結果、後悔しているという人も。
とくに目立ったのは「2階にトイレがない」「コンセントが足りない」という声でした。
設備の種類にもよりますが、建築後・購入後に設備を追加・交換するのは難しいケースも多いです。
3位 収納が少ない
- 収納スペースが狭く、物が収まらない(20代 男性)
- 子どもが生まれると収納スペースが全然足りなかったです。おもちゃやビニールプールなど大きいものが多いし、なかなか捨てられないものばかりなので困りました(30代 女性)
- 玄関は靴の収納しか考えていなかったが、ほうきや傘など長いものも収納できるようにすればよかった。ほうきが玄関に見えていると生活感が出てしまい、おしゃれにならない(40代 女性)
3位は「収納が少ない」。
「玄関にランドセル用収納スペースをつけたらよかった」「子ども部屋の押し入れを大きくすべきだった」など、子ども関連の荷物を収納する場所が少なく困っている人が目立ちました。
独身や夫婦二人だと荷物が少なくても、子どもが生まれると一気にモノが増えますからね。
欲しい場所に必要な量の収納スペースがないと、リビングや居室に物があふれてしまいスッキリ暮らせません。
「子どもが生まれたらどうなるのか」が想像できない人は、子育て中の友人などに「収納のコツ」「収納で困っていること」などを聞いてみるとよさそうです。
4位 周辺環境がよくない
- 幹線道路に面した土地に家を建てたので、車による土埃が凄いこと(30代 女性)
- 虫が大量発生するところ(40代 男性)
- ゴミ置き場が目の前で、ゴミの臭いがする(50代 男性)
4位は「周辺環境がよくない」でした。
「家周辺の交通量が多くてうるさい」「隣家が空き家のため虫や害獣が出る」といった回答が寄せられました。
大きな道路が近いと車通勤や車でのおでかけには便利ですが、「騒音」「土埃による汚れ」「子どもが安心して遊べない」といった問題が出てきます。
周辺環境はしっかり調査しておきましょう。
ただ購入時にしっかり調べても、「あとから隣に家やマンションが建った」といった例もあります。
5位 駐車場・駐輪場が使いにくい
- 駐車場に2台しか停められないので、お客さんが来た時、路駐になってしまう。庭を二割ぐらい狭くして、お客さん用の駐車場を作っておけば良かった(20代 男性)
- 車庫が3m×1.5mと狭すぎた(30代 女性)
- 駐輪場がなく各々適当に置いてるため、屋根つき駐輪場をつくればよかった(40代 女性)
5位は「駐車場・駐輪場が使いにくい」。
日常的に車に乗る方であれば、駐車場の使いやすさは大切です。
狭くて駐車しにくいガレージだと、毎日ストレスがかかってしまいます。
また意外に忘れがちなのが駐輪場。
据え置き型のサイクルポートは、台風のときなどに「飛ばされるかも」といった不安が出てくるので、大人と子どもの自転車が濡れずに駐輪できるスペースが整備されていると便利です。
6位 不要な住宅設備がある
- コンセントを作りすぎて、いらないコンセントがある(30代 男性)
- 2階にもトイレがあるものの、ほとんど1階で過ごすためあまり使用していない。1つだけでよかったと思う(30代 女性)
- 数ヶ所に床暖房を設置したこと。実際には思った以上に使用しなかった(40代 男性)
6位は「不要な住宅設備がある」です。
必要と思って設置したものの、実際にはあまり使っていないという例もあるとわかります。
「みんながつけているから」「営業担当者に勧められたから」など、あまり吟味せずに導入を決めたことが原因かもしれません。
設備がないよりは暮らす上での不便は少なそうですが、導入にかかった費用を考えると後悔してしまいますよね。
7位 庭の手入れが大変
- 広い庭が気に入って購入したけれど、草むしりが大変だった(30代 女性)
- 庭の手入れが大変です。せめて芝生は人工芝にすれば良かったと思います(40代 男性)
7位は「庭の手入れが大変」でした。
「一戸建てを買うなら、庭がほしいな」「花や木を植えて、いい雰囲気にしたい」と考える人も多いでしょう。
しかし素敵な庭を維持するには、草むしりなどの手入れが必須で、手間がかかります。
木の種類や大きさによっては、庭師さんへの依頼が必要になり、メンテナンス費用がかかることも。
庭をつくるなら「庭にどれだけ労力や費用をかけられるのか」を考える必要がありそうですね。
一戸建ての購入時にやっておけばよかったことは「多くの物件・メーカーを回る」
一戸建ての購入経験をもつ419名に「一戸建ての購入時にやっておけばよかったこと」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「多くの物件・メーカーを回る(99人)」です。
2位「物件・現地の念入りな下見(53人)」、3位「事前の勉強・情報収集(48人)」と続きます。
全体的に「もっと労力をかければよかった」と後悔する人が多数。
例えば妊娠中や出産直後の住宅購入ですと、家探しや家造りにかけられる時間・手間が限られてしまい、「大きな買い物なのに、十分に検討できなかった」と感じる人も多いのでしょう。
また「最初は頑張って調べていたが、だんだん面倒になってくる」という人もいそうです。
では具体的な回答を紹介します。
1位 多くの物件・メーカーを回る
- 購入した物件以外を見に行かなかったので、他の物件を見に行けばよかった(20代 女性)
- いろんなハウスメーカーのモデルハウスを回ればよかった(30代 男性)
- もっといろんな家を見ておいて、自分の理想の家を想像してから建てたかった(50代 女性)
1位は「多くの物件・メーカーを回る」でした。
物件やハウスメーカー・工務店の比較が不十分だったと感じている人も多いようです。
いろんな家やモデルハウスを見ることで、「このアイデアいいな」「今はこんな便利な設備があるんだ」といった発見があります。
「理想の家」「自分にとって使いやすい間取り」など、欲しい家のイメージも湧くでしょう。
手を広げ過ぎると大変ですが、建売や中古なら5件程度は見ておきたいですね。
注文住宅の場合、3社程度から見積もりを取る人が多いようです。
2位 物件・現地の念入りな下見
- 建売を購入した歳、コンセントの位置をちゃんと確認しておけばよかったと思いました(20代 女性)
- 近くにある駅周辺の治安を調べておけばよかった(30代 男性)
- 「時間帯」「平日・休日」ごとに現地を訪れて、交通量を確認すれば良かった(60代以上 男性)
「物件・現地の念入りな下見」が2位。
マイホーム購入にあたり、まったく物件や現地周辺を下見しない人は少ないでしょう。
しかし下見したものの「下見が不十分だった」と感じる人は多いようです。
内見や周辺環境のチェック時に見るべきポイントがわかっていなかったのかもしれません。
下見は時間帯や日を変えて複数回行い、日当たりや周囲の騒音・交通量をチェックしましょう。
また間取りをチェックする際には、家具をどこに置くとイメージしながら見ていくと、家事動線の想像がしやすくなります。
3位 事前の勉強・情報収集
- 業者に任せきりにするのでなく、自分も住宅に関する知識をつけておけばよかった(30代 女性)
- ローンや住宅保険について勉強しておけば良かった(40代 女性)
- 「物件の瑕疵を見つける方法」を学んでおけばよかった(50代 男性)
3位は「事前の勉強・情報収集」。
「マイホーム購入や家づくりの知識が足りなくて後悔した」という人も多くなっています。
知識が足りなかったために「業者に言われるまま設備を選んでしまった」「住宅の不具合を見つけられなかった」といった失敗をしたからでしょう。
またローンの組み方や保険の選び方によってトータルの費用を節約できるため、住宅購入にあたってはお金の知識も必要です。
4位 もっと設備にこだわる
- プラスで床暖房もつければよかったと後悔しています(30代 女性)
- 水回りはもっとお金をかけても良かったと思います(40代 男性)
- キッチンなどにコンセントをもっと多くつければよかったです(50代 女性)
4位は「もっと設備にこだわる」。
「住宅設備を削らなければよかった」「価格が高くても、高機能な設備を導入しておけばよかった」という人が多数。
とくに水回りの設備については「もっとこだわればよかった」「安い設備を選んだら短期間で壊れた」などのコメントが寄せられています。
導入費用が高くても、光熱費やメンテナンス性の面で、長い目で見ればお得になる設備もあります。
「本当に設備を削って後悔しないか」「設備の他に予算を削れるところはないか」は、一度立ち止まって考えてみるといいでしょう。
5位 生活をイメージする
- 実際に使うことをもっとリアルに想像しておけばよかった(30代 男性)
- 「自分が今後新しい家でどういう暮らしをしたいのか」というイメージを明確に持っておくこと(40代 男性)
- 物件を見にいったのですが、あまり実感が湧きませんでした。建ててみて子ども部屋に周囲の音が入ってきていたので、もっと防音など考えてあげれば良かったです(60代 女性)
5位は「生活をイメージする」でした。
新築の家やモデルハウスはキレイで広いので、家具を配置しての「実際の生活」がイメージしづらいことも多いです。
そのため購入してから、「家事動線が悪い」「家具・家電を置くと想像以上に狭い」と気づくこともあります。
また「室内で周囲の音がどう聞こえるか」「日当たりや室温変化のようす」も、時間帯を変えてシミュレーションしておかないとなかなか気づきません。
「家具の大きさ」「普段家の中で過ごす場所」「家にいる時間帯と周囲時の状況」を想定して見学や設計を進めましょう。
6位 エクステリアも重視する
- 駐車場の使いやすさの確認。とくに隣家との境にあるフェンスの幅など(20代 女性)
- 外構の打ち合わせをもっと早いタイミングでしておけば良かったと思っています(30代 男性)
- 屋外もいろいろな可能性をイメージすべきだった。例えば「電気自動車用の外部コンセントは必須になるだろう」とか「子どもが成長した時のことを考えて、2台分のサイクルポートがいる」など(40代 女性)
6位は「エクステリアも重視する」です。
建物に比べて検討がおろそかになりがちなのがエクステリアです。
エクステリアとは、玄関アプローチ、カーポート、フェンス、庭をはじめとした「建物外の空間」を指します。
中には「予算が足りないから、エクステリアはおいおいやっていけばいいや」と、エクステリア工事の予算を住宅ローンに組み込まない人も。
しかしエクステリアはオシャレな雰囲気の演出や、防犯面でかなり重要。
また「駐車場・駐輪場の使いやすさ」「庭のメンテナンス性」は住み心地の良さにも直結します。
そのため「エクステリアについても、建物と同じくらい重要視すればよかった」と感じている人が多くなりました。
7位 間取りを熟考する
- もっといろいろな間取りを作成してもらえばよかった(30代 女性)
- 冷暖房効率のよい間取りを調べれば良かった(40代 男性)
- 台所とお風呂など、水回りを近く配置すればよかった(50代 女性)
7位は「間取りを熟考する」でした。
「失敗したこと」では1位だった「間取りが使いにくい」が、「やっておけばよかったこと」では7位という結果に。
ふたつのアンケート結果に差があるように思いますが、「多くの物件・メーカーを回る」「事前の勉強・情報収集」により、間取りについて考える機会が増える人も多いからでしょう。
注文住宅であれば、間取りプランを複数作成してもらうと、さまざまな間取りを検討しやすくなります。
またチラシやSNSなどで多くの間取りに触れ、「リビング横に和室が欲しい」「パントリーが欲しい」など、希望する間取りのイメージを書き出しておくのもいいですね。
まとめ
戸建て購入経験者に「一戸建て購入で失敗したこと」と聞いたところ、「間取り」「設備」で後悔している人が多いとわかりました。
失敗を防ぐためには、物件やハウスメーカーをたくさん回って、戸建てに関する知識や「欲しい家のイメージ」を蓄積することが大切。
成功例や失敗例を知りたいなら、SNSで検索したり、マイホーム購入済みの友人に意見を聞いてみたりするのがおすすめです。
もちろん見学や情報収集には、労力も時間もかかります。
しかし家は高い買い物です。
「もう少し調べておけば…」と後悔しないよう、時間と労力をかけて検討しましょう。