近所に空き家が放置されていると気になる人は89.8%
「近所に空き家が放置されていると気になるか」を聞いたところ、「とても気になる」「やや気になる」と答えた人が合わせて89.8%にのぼりました。
空き家にはさまざまなリスクがあるからでしょう。
また、「誰のものか」や「今後どうしていくのか」が気になるという声も。
空き家の詳細がわからないことで、自分にとって「謎の空き家」となり、不安になる人もいるとわかります。
反対に、持ち主がわかっていて何かあったときにの連絡先なども知っていれば、不安は感じないという人もいました。
近所に空き家が放置されていると感じる不安1位は「治安が悪化する」
近所に空き家が放置されていると感じる不安の圧倒的1位は「治安が悪化する(45.2%)」。
2位「不衛生になる(30.6%)」、3位「火事のリスクがある(25.6%)」、4位「倒壊リスクがある(20.2%)」と答えた人も多くなっています。
治安悪化、不衛生、火事、倒壊など、空き家があることで近隣の安心や安全が脅かされるとわかりました。
実際に悪いことが起こらなくても、「起こるかもな」と不安な気持ちで過ごすのはストレスになってしまいますよね。
1位 治安が悪化する
- 近所に空き家が放置されていると、不審者の侵入や犯罪の温床になるのではないかと不安を感じます(20代 男性)
- 空き家を狙った空き巣に狙われそう。空き家の周辺も犯罪が増えそう(30代 女性)
- 空き家があると、犯罪の温床になりそうで大変気になります(50代 男性)
1位は「治安が悪化する」です。
空き家が放置されていると、犯罪者の隠れ家になったり、犯罪の拠点になったりする可能性があります。
人が住んでいないため、悪いことをしていても人目に付きにくいからですね。
「空き家が犯罪の温床になるだけではなく、周辺地域の治安や風紀も悪化するのでは」と心配する人も多くなりました。
2位 不衛生になる
- 野生動物が住みつきそう。実際に実家の隣に物置が放置されていて、今は野良猫のねぐらになっていて、近隣で糞の被害がだいぶ出ているらしい(30代 女性)
- 空き家に虫がわいたり、地域の犬猫が糞尿をする場所になる可能性があり、衛生面で気になります(40代 女性)
- 田舎なので、ハクビシンやアライグマなどが住みつくかもしれず、伝染病の心配があります(60代以上 男性)
2位は「不衛生になる」でした。
空き家にはハチなどの害虫が発生したり、野良猫やネズミが住みついたりします。
空き家を住処とする虫や野生動物は、近隣の家にも被害を及ぼす可能性があり、心配している人も多くなりました。
実際に近隣の空き家による害虫や害獣の被害に悩んでいる人もいました。
3位 火事のリスクがある
- 草がボーボーなので、火事になったら怖いなと感じる(20代 女性)
- 放火のリスクがある。自然な要因での火事のリスクもある(50代 男性)
- 誰かが空き家に入り込んで火をつけ、火事になってしまうのではないかと不安である(60代以上 男性)
3位は「火事のリスクがある」でした。
放置されていて侵入されやすい空き家は、放火犯に狙われやすいというリスクがあります。
空き家では人に見られる心配が少ないためです。
放火でなくても、ポイ捨てされたタバや古くなった電気設備からの出火なども考えられます。
手入れされていない枯れた雑草や放置されたゴミなど、燃えやすいものが空き家周辺にある場合は、近隣への延焼も心配です。
4位 倒壊リスクがある
- ド田舎なので木造住宅が多いです。空き家になると親族などが手入れなどしなければ劣化して、倒壊・崩壊につながるのでとても危険です(30代 女性)
- 放置され古くなると、台風や地震などで倒壊などが起こる(40代 女性)
- 空き家が崩れてそばの道路にいた通行人がケガなどしないかと、不安になります(50代 男性)
4位は「倒壊リスクがある」となりました。
空き家は老朽化が進みやすいので、木材が腐ったり、外壁や屋根が劣化したりして、倒壊のリスクがあります。
また地震などの災害時に、倒壊しやすいのではと心配している人も多くなっています。
空き家が崩れたとき、隣家や近くにいる人に被害を及ぼす可能性もあり、危険です。
5位 景観が悪化する
- 庭の草木が放置されているので、景観が気になる(30代 女性)
- 地域の雰囲気が暗く、寂れているように感じられてしまう(40代 男性)
- 2年前、栃木県の小規模な市に移り住んでからというもの、町を歩くたびに空き家を見つけます。しばらく放置されたままの物件が多く、町の景観に悪影響があります。崩れて家の中が丸見えの建物も多いです(50代 男性)
「景観が悪化する」が5位です。
空き家の窓ガラスが割れていたり、外壁の一部が崩れていたりすると、町全体の景観に悪影響を及ぼします。
外壁に落書きされてしまう可能性も。
また空き家の建物自体がきれいだとしても、庭で草が伸び放題になると、見た目がよくありません。
「景観が悪化することで、地価が下がるのではないか」「周辺にある家の資産価値も下がるのではないか」と心配している人もいました。
6位 不法投棄される
- ゴミを投げ捨てられる不安(30代 男性)
- 空き家だとわかると、庭や家の前に食べ物の袋や空き缶などのゴミを捨てられやすい(40代 女性)
- 雑草が生い茂って、ゴミのポイ捨てにつながっている(60代以上 女性)
「不法投棄される」が6位です。
実際に、空き家の敷地内にゴミがポイ捨てされている状態を目撃した人もいました。
生ゴミなどを捨てられると臭いが発生しますし、害虫や害獣を呼び寄せることにもつながります。
またゴミが敷地内に溜まってくると景観も悪化し、「モラルの低い地域」「治安が悪そうな地域」という悪いイメージにもつながります。
7位 気味が悪い
- お化けが出てきそう(20代 男性)
- 近くにボロボロの空き家があり、とても不気味で怖い(30代 女性)
- 夜に前を通りかかると少し怖く感じる(50代 女性)
7位は「気味が悪い」でした。
「空き家は怖い」と感じている人も多くなっています。
理由としては「不審者が住みついていそうだから」「暗い雰囲気になるから」などです。
実際に何か起こったわけではなくても、空き家があることで不安を抱える近隣住民が多いとわかります。
また、反対に気味の悪さをおもしろがり、空き家へ肝試ししにくる人も。
そのため周辺住民からは「肝試しがトラブルになりそうで嫌」という声も聞かれました。
近隣住民が望む空き家の活用法1位は「解体して更地」
近隣の空き家をどのように活用してほしか聞いたところ、ダントツは「解体して更地(47.2%)」、2位は「賃貸物件にする(31.0%)」となりました。
3位「駐車場として活用(12.0%)」、4位「売却してほしい(8.6%)」が続きます。
「活用方法はどうでもいいから、とにかく活用してほしい」という気持ちで、複数の活用方法を挙げた人も多くなりました。
空き家が空き家のまま残っている状態を避けたいという気持ちが伺えます。
また、賃貸や売却といった私的な利用のほか、公的な施設など周辺住民みんなが使える場所として活用してほしいという意見もありました。
1位 解体して更地
- ボロボロなら解体して更地にする(30代 女性)
- 適宜手入れができないなら、最低でも解体して更地にしてほしい(40代 男性)
- 新たに建物が建たなくても、更地や空き地になったほうが空き家の状態より良いと思う(50代 男性)
1位は「解体して更地」です。
のちのち公園や駐車場にしたり、新しい家を建てて売ったりするにしても、まずは解体して更地にしてほしいと考えている人が多数。
空き家がボロボロの状態である場合には、景観が悪くなり倒壊の危険性もあるからですね。
更地にしたあとは「そのまま空き地にしておいてほしい」という人もいれば、「農園や駐車場にすればいい」という人もいました。
2位 賃貸物件にする
- 大企業がある地域のため、遠方から引っ越してきた人が住む賃貸として利用してほしい(30代 男性)
- リフォームをして安く賃貸物件として貸し出せば、人口も増えると思う(40代 女性)
- 更地も更地で放火などが怖いので、賃貸物件にしていただけると助かります(50代 女性)
2位は「賃貸物件にする」でした。
空き家を解体してただの空き地になった場合、「放火」「不法投棄」「雑草が伸び放題になる」といったリスクがあります。
そのため、使える状態であれば賃貸にして誰かに住んでもらえると安心だと考える人も多くいました。
「戸建ての賃貸は少ないから、ファミリー層からのニーズもありそう」と、一軒家の空き家を賃貸物件にするメリットに注目している人も。
借り手がいる立地や物件であれば、賃貸物件化は有力な選択肢と言えそうです。
3位 駐車場として活用
- 「貸駐車場にすれば、誰も損しないんじゃないかな」と思っています(30代 女性)
- ガラガラでもいいからパーキングなどにして、何かに使われている様子があればいい(40代 男性)
- 駐車場として使えるといいです(50代 女性)
3位は「駐車場として活用」でした。
駐車場としての活用は、比較的初期費用やランニングコストが安く済む方法です。
また周辺に駐車場が少なかったり、古い住宅地で駐車場のある家が少なかったりする場合には、駐車場へのニーズも高め。
駐車場にすることで、不労所得も見込めます。
4位 売却してほしい
- リフォームして若い人向けの物件として売り出す(30代 女性)
- 解体して格安で売ってほしい(40代 男性)
- 空き家バンクに登録して人に住んでもらう。土地を有効活用してくれそうな人に売却する(50代 女性)
4位は「売却してほしい」となりました。
自分で住んだり使ったりしない家を所有していると、固定資産税などのランニングコストや管理の手間がかかり続けます。
また、こまめに管理できないと、近隣住民に不安を与えることにもなります。
一方新しい持ち主が住んだり、土地を買ってきれいな家を建てたりすれば、土地と建物が活きます。
そのため「自分で住んだり使ったりしないなら、更地でも家つきでもいいから、とにかく欲しい人に売ってほしい」と考える人も多くなりました。
5位 公共施設として使う
- 空き家を「大学生が小学生の宿題をサポートする教室」として活用している例を見て、いいなと思った(20代 女性)
- 公民館や託児所など、市民のために有効活用してほしい(30代 男性)
- 公民館や市民向けのカルチャーセンターなどを建築して活用してほしいです。コンビニや飲食店だと騒音や害虫の懸念があるため、日中時間帯のみ営業しているような施設がいいです(50代 男性)
「公共施設として使う」が5位です。
空き家を個人の住宅ではなく、公的な施設として使うのはどうかと考えている人もいます。
建て替えて、自治体が管理する施設にしてほしいという声もありますし、NPOなどが運営するコミュニティスペースのような場を想定している人もいました。
いずれにしろ、建物や土地が地域住民のために活用されるので地域全体のメリットとなります。
6位 公園にする
- 広い空き家の場合は、解体して更地にしたあと、公園など周辺住民の憩いの場として利用できるようになったらいいなと思う(20代 男性)
- 公園として整備してほしい(30代 女性)
- 行政に予算があるなら小さな公園とするのもいいですね(60代以上 女性)
「公園にする」が6位です。
公園や地域の緑化に貢献する活用方法です。
また子どもたちの遊び場になることから子育て世帯にも歓迎されます。
空き家を撤去して公園にする場合、補助金を出す自治体もありますね。
空き家の大きさや敷地の広さにもよりますが、建物を残しておくより、住民が憩う場にしてほしいと考えている人も多いとわかりました。
7位 店舗として活用
- 更地にするのは費用がかかりそうなので、建物をお店やカフェにするなどして、有効活用してほしいです(20代 女性)
- アートスペース・ギャラリーやカフェなどに利用(30代 男性)
- 倒壊の危険がなさそうなら、リノベーションして古民家カフェなどに再利用する(40代 女性)
7位は「店舗として活用」でした。
具体的には「古民家カフェ」を挙げた人が多くなっています。
建物をそのまま活用するなら、近年人気の古民家カフェは有力な選択肢のひとつです。
「古民家カフェが観光スポットになるのでは」と期待を寄せている人もいました。
飲食店以外では「一度更地にして、近隣住民が使いやすいコンビニにしてほしい」「クリーニング店」などの意見もありました。
まとめ
近所に空き家があると、治安の面などで不安になってしまいます。
そのため「売却や賃貸で誰かに住んでほしい」という希望を挙げた人が多くなりました。
また手入れされていないようなボロボロの空き家があると、景観が悪化して近隣住民の気分は落ちてしまいますし、倒壊の危険性もあります。
そのため「使わない古い空き家は、有効活用できないまでも、せめて更地にしてほしい」と希望する人も多くなりました。
空き家は時間の経過とともに劣化しリスクが増します。
空き家を所有していて手入れできない人は、早めに活用方法や安全に所有する方法を決めて動いたほうがいいと言えるでしょう。