少子高齢化やライフスタイルの変化により、空き家問題が日本全国で広がっています。
「実家が将来空き家になるかもしれない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
さらに、いざ空き家になったときには「売却」「賃貸」「自分や兄弟姉妹が住む」などさまざまな選択肢があり、判断に迷うことも。
今回は、実家が空き家になる可能性がある500人を対象に「実家が空き家になった場合に考えている処分・活用方法」についてアンケート調査を実施しました。
- 調査対象:将来的に実家が空き家になる可能性がある人
- 調査期間:2025年12月20日~22日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性342人/男性158人)
- 回答者の年代:20代 15.6%/30代 36.8%/40代 26.8%/50代 16.2%/60代以上 4.6%
実家が空き家になった場合の対応は「いずれ考えるがまだ具体的でない」

将来的に実家が空き家になる可能性がある500人に「実家が空き家になった場合の対応を考えるタイミング」を聞きました。
その結果、「いずれ考えるがまだ具体的でない(56.2%)」と答えた人が最も多くなっています。
以下、「すでに方向性はある程度決めている(17.4%)」、「空き家になってから考えたい(17.2%)」、「あまり考えたくない(9.2%)」の結果です。
対応の方向性を決めている人は少数派で、まだ具体化できていない人のほうが多数派でした。
すでに対応の方向性を決めている理由
- 空き家になったらすぐに対応したいから(20代 男性)
- いずれ自分の塾を開きたいと考えており、実家が空き家になったら活用して塾を開く予定です。その後は兄弟と相談して決めます(30代 女性)
- 誰も住まないとほぼ決まっているし、古いから(40代 女性)
- ある程度考えておかないと土壇場になって困るので、一応どうするかというのはおおまかに考えています(50代 女性)
- 誰も住まないので、残しておいても維持費ばかりかかるので、処分したいから(60代以上 男性)
「すでに方向性を決めている理由」を全体的に見ると、大きくわけてふたつの傾向があります。
まずは「いざ空き家になったときに慌てたくない」「急な変化があっても安心できるよう、あらかじめ考えておきたい」という備えの意識です。
いつか空き家になる可能性があるのなら、先延ばしにせず方向性だけでも決めておこうとする考え方ですね。
もうひとつは、「空き家になったらこう使いたい」「こう処分したい」といった具体的なイメージがあるケース。
誰も住まないことが明確だったり、活用したい目的があったりすることで、自然と方向性を判断できます。
まだ対応の方向性を決めていない理由
- 「空き家になる=親が他界する」なので、今具体的に考えたくはない。そのため方向性などはとくに決めておりません(20代 女性)
- 現在親が60代前半で、あと20年は生きられると考えている。まだ空き家になるまではかなり時間があると思っているため、深くは考えていない(20代 男性)
- 実家に住んでいる父はすごく頑固で、話がなかなか進まないとわかっているし、飛行機を使って帰る距離なので、とても面倒だから(30代 女性)
- まだ空き家問題を兄弟で話し合う機会がない(40代 女性)
- 現時点では考えたくない。多額のお金が要るので、悩みが甚大になるからです(60代以上 男性)
「空き家になるのは先の話」と捉えている人たちが多くいました。
親がまだ若くて元気だったり、親が他界したあとも同居している子ども世代が家を引き継ぐ予定になっていれば、すぐには空き家化しません。
当面は現実的な問題ではないと感じているため、今は深く考えなくてもよいと思えるのですね。
また、「空き家=親の他界」を連想させるので、気持ちの整理がつかなかったり親兄弟で話し合いにくかったりして、あえて考えないようにしているケースも見られます。
「考えるのが面倒」「お金がかかることを考えないといけないので、避けたい」など、心理的なハードルもあることが伺えました。
実家が空き家になったときに優先したいことは「金銭的な負担をできるだけ減らす」

「実家が空き家になったときに優先したいこと」を聞いたところ、「金銭的な負担をできるだけ減らす(43.0%)」と答えた人が最も多く、4割以上にのぼりました。
「手間や管理の負担をなくす(24.4%)」と答えた人も多く、金銭面や管理面の負担をできるだけなくしたいという意向が明確になりました。
また3番目に多かった「家族・親族の意向を優先する(21.8%)」という声からは、自分一人では決められないという気持ちも伺えます。
以下、「家や土地を何らかの形で残す(7.2%)」「対応にかかる時間やスピードを重視する(3.6%)」の結果でした。
「実家を残すこと」「早く問題を手放すこと」を重視する人は少数派となっています。
ただ対応にかかる時間やスピードを重視することで、金銭的な負担や管理の手間が続かないというメリットにはつながります。
カンタン1分査定
実家が空き家になった場合に考えている処分・活用方法は「売却する」

「実家が空き家になった場合に考えている処分・活用方法」の圧倒的1位は「売却する(58.0%)」で、6割近くの人から回答を集めました。
2位「人に貸す(16.2%)」も多くなっています。
3位「親族が住む(8.8%)」、4位「とりあえず解体する(5.4%)」、5位「自分が住む(5.2%)」が続きます。
今回の結果を全体的に見ると、「手放す派」が多数を占めています。
実家が空き家になった場合は、維持管理のコストや手間を抱え続けるよりも、早めに処分・整理したいと考える人が多いとわかりました。
1位 売却する
- そのまま売却したいが、現実的には崩してから土地のみ売却になると思う(20代 女性)
- おそらく売却するだろうと思います。どういう形で売却するかは、まだわかりません(30代 女性)
- 一旦は建物を残して売却を検討するが、無駄に大きいから買い手が見つからないと思う。買い手がいない場合は更地にして、分割して販売する(40代 男性)
1位は「売却する」でした。
空き家を維持するには固定資産税や管理の手間がかかります。
しかし売却してしまえば負担がなくなります。
アンケートでは「売却して現金化すれば、兄弟姉妹とわけやすい」という声もあり、相続するうえで楽になる点で、売却を選ぶ人もいるとわかりました。
ただし、建物をそのままで売るか、更地にして売るかは悩みどころ。
そのままで売るほうが手間やコストは抑えやすいです。
ただ、建物が古くて売れなさそうといった理由で、更地化してから売ることを考えている人も多くなりました。
2位 人に貸す
- できれば建物を残したまま、賃貸として活用したい。壊してしまう踏ん切りがつかない(20代 女性)
- 家の状態がよければ、最低限リフォームして賃貸に出す(30代 女性)
- 古民家を利用して、何かお店を考える人に貸し出したい(60代以上 男性)
2位は「人に貸す」でした。
実家に自分や親戚が住む予定はないものの、「思い入れがある」などの理由で売却する決心はつかない層もいます。
上記のような場合に、物件を所有しつつ有効活用する方法としては、賃貸物件として貸すことが考えられます。
物件所有には固定資産税などのコストがかかるものの、家賃収入があれば固定資産税を十分に賄ってプラスが出ることも。
賃貸物件として管理する手間はありますが、日々の換気や掃除は入居者に担ってもらえます。
スタイルとしては「そのまま賃貸」「リフォームして賃貸」「アパートに建て替えて賃貸」などが挙げられました。
3位 親族が住む
- 本家であり、祖父母の兄弟や親族が多いので、親族の意向に合わせて対応したい。一番考えられるのは、親族への贈与(30代 女性)
- いとこに活用してもらう(40代 女性)
- 売却自体は難しいので、親族に贈与することを考えてはいる(50代 男性)
3位は「親族が住む」でした。
「自分は住めない」「売却も難しい」などの理由で、兄弟姉妹やいとこなどの家族や親族に住んでもらう予定だという人もいます。
実家の近くに親族が住んでいて、関係も良好であれば、「住み継いでくれないか」という相談もしやすいと考えられます。
「賃貸」「有償で譲渡」「贈与」など、どのような形で引き継ぐのかは不明ですが、いずれにせよ身内が使うことで実家を手放す感は薄れやすいです。
そのため実家に愛着がある人も、納得感を得られると期待できます。
4位 とりあえず解体する
- 借りている土地なので、解体して更地に(30代 男性)
- だいぶ古い家なので、ご近所に迷惑をかけるのであれば、壊して更地にしたいと考えている(30代 女性)
- 気持ち的には建物を残したいが築年数はそれなりに長いので、解体はすることになると思われる。活用方法は考えていないです(40代 女性)
4位は「とりあえず解体する」でした。
「空き家になったら、活用方法が決まらなくてもとりあえず解体する」という人もいます。
老朽化した空き家が災害などをきっかけに倒壊するリスクや、防犯面でのリスクへの考慮が背景にあります。
建物がなくなってしまえば、換気や掃除の手間も少なくなりますね。
今後の活用が決まっていなくても、解体することで手間やリスクを減らせます。
ただし「解体費用が必要であること」や「更地にすると固定資産税が上がるケースも多いこと」には注意が必要です。
解体費用の補助金を出したり、空き家解体後の固定資産税を減免してくれたりする自治体もあるので、解体前に相談してみるといいでしょう。
5位 自分が住む
- 実家に帰省して暮らしたい(20代 女性)
- 空き家になる時期にもよるが、自分が仕事をリタイアするころになるのであれば、今住んでいる家を子どもに譲り、余生を過ごす場所として建て替えを考えている(30代 男性)
- 家族誰も住まなければ、私が移り住みます(50代 男性)
5位は「自分が住む」です。
実家に戻って住める環境にある場合には、実家を自分の住まいとして活用する意向をもつ人もいます。
生活拠点にすることで、空き家問題そのものを解消できますね。
ただ勤務先との関係ですぐには戻れないため、老後の住まいとして考える人もいました。
また古い空き家だとそのままの状態では住めないこともあるため、「建て替え」「リフォーム」を前提にしているケースも見られました。
6位 ひとまず残す
- 祖父から受け継いだ土地に家を建てているので、なるべくそのまま、どのような形であれ、親族で守っていきたいとは思っております(20代 女性)
- そのままの状態で、一旦放置(40代 男性)
- しばらくは空き家にしておいて、私が風を通しにいく(40代 女性)
6位になったのは「ひとまず残す」でした。
活用方法が決まっていないまま、ひとまず残す予定の人もいます。
今すぐ決断できない場合の応急処置的な扱いである点は、3位「とりあえず解体」と似ています。
背景には、思い出や先祖代々の土地への思いがありました。
思い入れがあるので、すぐに処分することへの抵抗感を抱くのですね。
気持ちの整理がつくまでの時間を得られるのはメリットですが、「管理を怠ると建物の劣化が進む」「時間が経つことで選択肢が狭まる可能性もある」という点には注意が必要です。
7位 駐車場にする
- 解体して駐車場として運営する(20代 女性)
- 利益のため、駐車場などにして経営(20代 女性)
- 更地にして月極駐車場にしたい(30代 女性)
「駐車場にする」が7位に入りました。
建物を解体してしまえば、倒壊などのリスクなどはなくなります。
駐車場経営であれば、賃貸マンションやアパートの経営よりも、管理にかかる手間やコストが少なくなるのもメリット。
月極駐車場で借り手がつけば、安定的な固定収入が入ると期待できます。
月極にするのかコインパーキングにするのかは、立地とニーズを見極めて決める必要があります。
まとめ
今回のアンケート結果からは、実家が空き家になった場合には「できるだけ負担を残さず整理したい」と考える人が多いとわかりました。
売却や賃貸といった現実的な選択肢が上位を占めた一方で、家族や思い出を大切にしたい気持ちから、住み続けたり親族に引き継いだりする予定の人も一定数見られます。
どの方法にもメリットと注意点があるため、空き家活用・処分の正解は人それぞれです。
すでに空き家の活用法を考え始めている人のコメントに見られたように、ある日突然空き家になってから考え始めると、慌ててしまう可能性があります。
「将来実家が空き家になるかもな」と思ったら、早めに選択肢を知っておいたり、親兄弟と相談しておいたりすることが大切です。
株式会社AlbaLinkは東証グロース市場に上場している不動産会社です。



