就職・転職活動中に本当は聞きたいけど聞けない質問1位は「給与・退職金について」
就職活動・転職活動をしたことがある449人に「就職・転職活動中に本当は聞きたいけど聞けない質問は何か」を尋ねたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「給与・退職金について(133人)」です。
2位「休暇・休日について(108人)」、3位「休日出勤・残業の頻度(58人)」と続きます。
給与・休日・福利厚生などは求人票にも記載されていますが、「質問もしたい」という人が多いようです。
「求人票の内容が正しいのか確認したい」という人もいるでしょうし、求人票の内容より詳しく聞きたいという人もいるのでしょう。
なぜ質問したかったのか、具体的な回答をもとに紹介します。
1位 給与・退職金について
- スタートの給料が低いので上がるのか気になり、昇給について質問したかった(22歳 女性)
- 募集欄には「年収◯万円以上」と書かれていたものの、具体的な金額の提示はなかったため(34歳 男性)
- 定年まで働いたらどれくらい退職金をもらえるのか知りたかった(45歳 男性)
1位は「給与・退職金について」でした。
各種手当も含め、もらえるお金について聞きたかったという人が多数。
収入を得るために働くのですから、お金について気になるのは当然ですね。
中途入社ですと「月収◯万円以上」「年収◯~◯万円」という求人票も多く、実際の給与は能力によって異なります。
そのため「具体的な額を確認したい」と思っていた人も多くなりました。
2位 休暇・休日について
- 長く働くにあたり、「プライベートの時間を確保できるか」はとても重要だからです(23歳 女性)
- 子どもが3人おり、急な休みが避けられない。前職では部署により対応や反応が異なり、働きやすさに差が大きかったため(30歳 女性)
- しっかりと休暇を取れる職場で働きたかったからです(44歳 男性)
2位は「休暇・休日について」でした。
具体的には「年間休日数」「利用できる休暇制度」「実際の休みやすさや有給消化率」などです。
休暇制度はあっても取得している人が少ない職場だと、休みにくいことも考えられます。
そのため制度の有無だけではなく、実際に休めるのかを聞いておきたいと考えている人も目立ちました。
3位 休日出勤・残業の頻度
- だいたいの時間や「見込み残業代」などで伝えられることが多く、本当はどうなのかが気になっていました。残業は基本したくないので(20歳 女性)
- 年間平均の残業は少なくても、繁忙期に極端に残業が増える職場は避けたかったため(36歳 女性)
- 前職がほぼ毎日残業だったため(49歳 男性)
3位は「休日出勤・残業の頻度」でした。
求人票には、残業時間の目安が記載されていることも多いです。
ただ「本当に記載通りなのか」「部署や時期によって違うのではないか」と考え、聞いておきたいと思った人もいました。
働き方を改善するために転職を考えている場合、残業や休日出勤の有無はとくに気になるでしょう。
4位 社風・人間関係のよさ
- 仕事をするうえで人間関係がいちばん大事だと思うから(27歳 女性)
- 過去、人間関係が理由で退職することが多かったから(36歳 女性)
- 現場第一主義の風通しが良いところで働きたかったから(39歳 男性)
「社風・人間関係のよさ」が4位でした。
人間関係に悩んで退職する人も多いため、職場の人間関係がいいかは気になるポイントです。
求人票からは社風や人間関係が読み取りにくいため、面接で「人間関係について聞いてみたい」と思う人も多いと考えられます。
5位 離職率の高さ
- 離職率が低い職場なら労働環境が整っていて働きやすいと思うし、逆なら過酷な環境である可能性が高いと考えたからです(28歳 女性)
- 離職率が高いと、何かしら問題があると思うから(36歳 男性)
- 会社の内情がよくわかるから(42歳 男性)
5位は「離職率の高さ」でした。
「離職率が高い会社は何か問題を抱えていそう」と考える人が多いとわかります。
反対に離職率が低い職場なら、長く働けそうだと思えますよね。
離職率は就職四季報などでも調べられます。
6位 福利厚生の充実度
- 福利厚生は会社により違いがあるから(26歳 男性)
- 家賃を少なくしたくて、寮があるかどうか聞きたかった(37歳 女性)
- 福利厚生の手厚い会社で働きたかった(44歳 女性)
6位は「福利厚生の充実度」でした。
福利厚生は企業によって異なり、会社によっては節約や貯蓄に役立つ制度が用意されているところも。
また「リフレッシュ休暇」「誕生日・記念日休暇」など独自の休暇制度があれば、休みやすい会社だと期待できます。
福利厚生が手厚いと「社員を大切にしている会社」というイメージもあるため、福利厚生の充実度を気にする人も多くなりました。
7位 コンプライアンス意識の高さ
- 前職では時間外労働が発生する際はタイムカードを切ってから作業しなければならなかったため、同じことが行われていないか確認したかった(37歳 女性)
- 残業や休日出勤をしたときの手当について。どのくらい法令順守できているかがわかると思った(51歳 男性)
7位は「コンプライアンス意識の高さ」です。
具体的には、残業代がきちんと支払われるかを気にしていた人が目立ちました。
前職でサービス残業を経験し、転職後は同じことがないよう用心していた人も多数。
コンプライアンス意識の低い企業は、残業代未払いのほかにも「ハラスメントの放置」などの問題がある可能性も考えられます。
聞きたい質問を聞けなかった理由1位は「イメージが悪くなる」
次に「聞きたい質問を聞けなかった理由」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「イメージが悪くなる(217人)」です。
2位「不採用になりそう(83人)」、3位「求めている返答がなさそう(34人)」、4位「失礼な質問だと思った(17人)」と続きます。
「イメージが悪い」「不採用になるかも」など、評価が下がることを恐れて質問できなかった人が多いとわかります。
「絶対に内定をもらいたい」「とにかく早く働きたい」と考えている場合は、知りたいことを聞けないまま自己アピールだけする人も多いのではないでしょうか。
では具体的な回答を紹介します。
1位 イメージが悪くなる
- お金の話は仕事内容とは直接関係ないので、印象が悪くなると考えたから(24歳 男性)
- 朝礼の有無を聞きたかったが、協調性がないと判断されそうだったから質問できなかった(30歳 女性)
- 働く前から残業のことを気にするのは印象が良くないと思ったため(49歳 男性)
1位は「イメージが悪くなる」でした。
「残業の有無を気にしていると、やる気がないと思われそう」「休暇について聞くと、頻繁に休むと思われそう」など、質問によって印象が悪くなることを心配した人が多数。
質問が多いと「面倒くさい人」と思われ、採用されても働きにくいのではと考えた人もいました。
しかし「どのような労働環境なのか知ったうえで覚悟してから入社したいので」と説明できれば、「やる気がない」「面倒な人」という印象は払しょくできるかもしれません。
2位 不採用になりそう
- 他の会社で残業時間について聞いたら落とされたから(20歳 女性)
- 連続休暇の取りやすさを聞きたかったが、質問したら採用されないかもと思ったため(30歳 女性)
- 遠方への転勤や出向を断れるか聞けませんでした。もし拒否したら落選しそうだったからです(45歳 男性)
2位は「不採用になりそう」でした。
「イメージが悪くなるだけではなく、内定がもらえないかも」と考えて、質問を控えた人も多くなりました。
面接官にネガティブと受け取られそうな質問をする場合には、質問する理由を添えたうえで最小限にとどめるのがいいでしょう。
なお残業時間や休暇の取りやすさは、口コミサイトなどでもある程度は調べられます。
3位 求めている返答がなさそう
- 実態がどうであれ、教科書的な回答しか返ってこないと思ったため(26歳 女性)
- 否定的な回答しか返ってこないと予測したからです(30歳 男性)
- 聞いても本当の離職率を教えてもらえるとは思わなかった(42歳 女性)
「求めている返答がなさそう」が3位でした。
「ネガティブな情報は事前に教えてもらえないだろう」「人間関係は部署によって違うので、面接官も答えられないだろう」と考える人も多いようです。
ただ望んでいたような答えが返ってこなかったとしても、質問に答える際の面接官の態度から実情を察することはできるかもしれません。
4位 失礼な質問だと思った
- いきなり仕事内容以外の質問をするのが失礼だと感じたため。ただ今思えば聞いておくべきだった(21歳 女性)
- 社内の雰囲気と風通しのよさについて聞きたかったが、受かってもないのに上から目線で失礼かと思った(36歳 男性)
4位は「失礼な質問だと思った」でした。
採用面接では、準備不足な質問や敬語がきちんと使えていない質問などは失礼にあたります。
「給料」「休暇」「社風」について聞く場合でも、聞く理由を説明して丁寧に質問すれば、失礼にはならないと考えられます。
5位 遠慮してしまった
- 休みや手当のことばかり聞くのは気が引けた(27歳 女性)
- 「急に休む必要があるとき、休みをいただけるか」と質問する勇気がなかった(30歳 男性)
5位は「遠慮してしまった」でした。
採用担当者に嫌がられることを懸念し、遠慮して質問できなかった人も。
入社してから「聞いておけばよかった」と後悔することになりかねないため、疑問や不安があれば遠慮せずに聞いてもOKです。
ただし失礼な聞き方にならないように注意しましょう。
同率5位 お金のことは聞きづらい
- ボーナスについて聞くのはいやらしいかなと思ったため(29歳 女性)
- なぜか明確な給料を公開しないで転職する業界なので、聞きにくかった(30歳 女性)
同率5位は「お金のことは聞きづらい」でした。
企業の給与体系はデリケートな情報なので、ストレートに質問しにくいと感じる人も多いです。
企業側から話が出ない場合は、「条件面の詳細は、いつご提示いただけますか」と聞いてみるとよいでしょう。
金額そのものではなく、「いつ詳細が聞けるのか」と質問するのがポイントです。
7位 聞きづらい雰囲気だった
- その場の雰囲気に飲まれて聞きづらかった(25歳 男性)
- 聞ける雰囲気ではなかった(39歳 女性)
7位は「聞きづらい雰囲気だった」でした。
面接で緊張してしまい、質問を用意していたものの聞けなかった経験がある方も多いでしょう。
面接官の雰囲気はもちろん、集団面接の場合はライバルたちの雰囲気によっても質問のしやすさが変わりそうです。
まとめ
就職活動・転職活動では、「給与」「休暇」「残業」「人間関係」などについて聞きたいと考えている応募者が多いです。
ただ「質問するとイメージが悪くなり、内定がもらえないのでは」と心配し、質問を諦めてしまう人も少なくありません。
しかし給与や休暇は、企業選びにおいて大切な要素です。
そのため事前準備したうえで失礼にならない聞き方をすれば、面接で気になることを質問しても問題ありません。
「どうしても気が引ける」「質問できる雰囲気ではない」といった場合には、転職エージェントやハローワークを通じて確認する方法もありますので、試してみてはいかがでしょうか。