賃貸住宅を選ぶ際に事故物件かどうかを気にする人は約9割
全国の男女500人に「賃貸住宅を選ぶ際に事故物件かどうかを気にするか」聞きました。
その結果、「とても気にする」「やや気にする」と答えた人が合わせて87.4%。
9割近い人が事故物件かどうかを気にしているとわかりました。
「心霊現象は信じないから、家賃が安いなら事故物件でもいい」あるいは「映画などで興味をもち、事故物件に住んでみたいと思っている」といった人以外は、できるだけ避けたいと思うのではないでしょうか。
事故物件に住みたくない理由ランキング
次に「事故物件に住みたくない理由」を聞いたところ、最も多かった回答は「とにかく怖い(128人)」でした。
次ぐ2位は「なんとなく気分がよくない(83人)」、3位「縁起が悪い(81人)」、4位「幽霊・心霊現象が起こりそう(78人)」となっています。
「怖い」「気分がよくない」など、心理的な原因を挙げた人が多くなっています。
実害はないと思うけれどイヤだと考える人が多いのでしょう。
1位 とにかく怖い
- シンプルに怖いから(20代 女性)
- 幽霊を信じてはいないけれど、怖い(30代 男性)
- 自分がとても臆病な性格なので(50代 男性)
1位は「とにかく怖い」でした。
「人が亡くなった部屋にいることが怖い」という意見が多数。
「幽霊が出るかもしれない」「怨念が残っているかもしれない」と少しでも考えてしまうと、小さな物音などにも怯えてしまいそうです。
2位 なんとなく気分がよくない
- 事件事故があったとわかっていて住むのは、単純に気持ち悪いと感じる(30代 女性)
- 家賃が安くても、なんだか気分が良くないから(40代 女性)
- 事故などは気にならないが、自殺や殺人は気味が悪いので嫌(50代 男性)
2位は「なんとなく気分がよくない」です。
人が亡くなった空間にいると思うと、実害はなくてもあまり気分のよいものではないでしょう。
亡くなった原因によって、気味悪さの度合いが変化する人もいるようです。
そのため「不慮の事故ならあまり気にならない」という人もいました。
3位 縁起が悪い
- 自分にも悪いことが起こりそうだから(20代 女性)
- 自分の運気が下がりそうだから(30代 女性)
- 根拠はないですが、縁起が悪そう(40代 男性)
3位は「縁起が悪い」でした。
「事故物件に住んでいることで、自分にも悪いことが起こるのでは」と心配する人も多いとわかります。
悪いことが起こったとき、「事故物件に住んでいるからかも…」と関連付けてしまう人もいるかもしれません。
4位 幽霊・心霊現象が起こりそう
- 呪われそうだから(20代 女性)
- 事故物件だと、お祓いが済んでいても霊的な現象が起こりそうだから(30代 女性)
- 心霊現象が起こりそう(40代 男性)
「幽霊・心霊現象が起こりそう」が4位でした。
事故物件に住んだことがある人からは、「誰もいないのに物音がした」「金縛りにあった」などの体験談を聞くことがあります。
物音は「設備や建物から出ている音」の可能性もあり、金縛りも心霊現象とは限りません。
しかし「幽霊を見た」などと言われると、さすがに怖いですよね。
5位 家でリラックスできない
- 自分が心から落ち着く場所を選びたいので(20代 女性)
- 毎日生活する場が「訳あり」だと落ち着かない(30代 男性)
- 穏やかに過ごせなさそう。気になって落ち着かない(40代 女性)
5位は「家でリラックスできない」でした。
事故物件について少しでも不安を感じる人は、家でリラックスすることが難しいでしょう。
「家はくつろぐための場所だから、いわく付きの物件は選びたくない」と考える人も多いとわかりました。
6位 体調に影響しそう
- 何かを感じ取ってしまい、身体が不調になると思うから(30代 女性)
- 霊感が強いので、不眠になるから(40代 男性)
6位は「体調に影響しそう」でした。
多かったのは「夜眠れなくて体調が悪くなりそう」という意見でした。
不安や恐怖で寝つきが悪くなると寝不足になり、仕事や学業にも悪影響がありそうですね。
また「偶然かもしれないが、瑕疵物件を見学したときに頭痛など体調の悪化を感じた」という人もいました。
7位 事件事故を想像してしまう
- 過去に事故があったと知ってしまうと、ふとした時に思い出して気になりそう(30代 女性)
- 現場をリアルに想像してしまいそうだからです(40代 女性)
7位は「事件事故を想像してしまう」でした。
事故物件に住んでいると、「部屋の中に小さなシミや汚れを見つけた」といった些細なことから、凄惨な事件事故の現場をイメージしてしまうこともあるかもしれません。
イメージが頭から離れず、つらくなってしまう人もいると想像できます。
事故物件でも住んでもいいと思える条件1位は「家賃が安い」
最後に「事故物件でも住んでもいい」と思える条件を聞きました。
その結果、1位は全体の4割以上が選んだ「家賃が安い(216人)」でした。
また、2位「リフォーム済み(175人)」、3位「特殊清掃済み(80人)」など、事故物件であることを感じさせない処置がされていることを条件に挙げた人も多くなっています。
1位 家賃が安い
- 家賃が3万円台。一人暮らしなら飛びつく(20代 男性)
- 家賃が相場より安く、かつ自分の経済状況が良くないなら(30代 男性)
- 家賃がほとんど無料であれば考える(50代 女性)
1位は「家賃が安い」でした。
「心理的瑕疵のある物件に入居するなら、相応の割引がほしい」と考える人が多いとわかります。
家賃のほか「初期費用が無料」「退去費用がかからない」といった回答も。
経済的なメリットがあれば事故物件も検討する人は多いようです。
2位 リフォーム済み
- ちゃんとリフォームをされていて、綺麗で清潔な状態(20代 女性)
- フルリフォーム済みで汚れなどがなければ、住んでもいいかなと思います(30代 女性)
2位は「リフォーム済み」です。
ただし、リフォームさえしていればいい人は少数派。
「リフォームされていて家賃が安い」「リフォームされているシェアハウス」などと答えた人が多くなっています。
リフォームを「最低限クリアすべき条件」と考えている人が多いとわかります。
3位 特殊清掃済み
- 特殊清掃済み(20代 女性)
- 殺人以外の場合においては、シミや血痕などを含めてすべて綺麗な状態に清掃済みであれば、とくに問題はないかなと思います(30代 女性)
3位は「特殊清掃済み」でした。
特殊清掃とは「遺体が発見された現場を原状回復する、特殊な清掃」を指します。
特殊清掃についても「特殊清掃されてさえいればOK」という人は少数派でした。
「特殊清掃したうえで家賃が安い」などと答えた人が多くなっています。
4位 お祓いされている
- 信頼できる方がお祓いをしていて、「大丈夫」と確定されていたら住むかもしれません(30代 女性)
- 定期的にお祓いをしてくれる(40代 女性)
「お祓いされている」が4位でした。
人が亡くなった物件でも、管理会社や大家さんの判断でお祓いしない場合もあります。
しかし「安心して住むためにも、お祓いはしてほしい」と考える人が多いとわかりました。
5位 シェアハウスなど同居人がいる
- シェアハウスで、管理人が同じマンションに住んでいること(20代 女性)
- 誰かと一緒なら住みたいです(30代 男性)
- シェアハウスなら怖くない(40代 女性)
5位は「シェアハウスなど同居人がいる」でした。
「ひとりになると怖いことを考えてしまう」という人は、同居人がいると安心です。
常に誰かが室内にいるシェアハウスや、友人とのルームシェアであれば、恐怖は和らぐでしょう。
6位 建て替えされている
- 建て替えられている場合は住んでもいいかなと思います(30代 女性)
- 建物を完全に解体して建て替えている(40代 男性)
6位は「建て替えされている」でした。
同じ部屋に住むのは無理でも、「建物自体が新しくなっているのであれば許容できる」という人も多いとわかります。
建て替えしてあれば、新しい設備が入って住環境も快適になるでしょう。
7位 事故物件になったあと入居者がいた
- 前住んでいた人がいたら、引っ越しの理由を教えてもらい、とくに変わったことがなければ住んでもいいと思います(20代 女性)
- 誰か住んでみて、何も起こっていなければいい(40代 男性)
- 5年ぐらい他の人が住んだあと、大丈夫そうなら住みたい(40代 女性)
7位は「事故物件になったあと入居者がいた」でした。
「誰かが住んでみて、悪いことや怖いことが起こらないと証明されたら、住んでもいい」というケースです。
「事件事故から何年か経ったら」というコメントもありました。
ちなみに賃貸物件の場合、「殺人」「自殺」「事故」といった心理的瑕疵の告知義務は、事件事故発生から約3年間となっています(国土交通省のガイドラインによる)。
そのため事件事故から3年超経ってから入居する場合には、事故物件であることを教えてもらえない可能性があります。
まとめ
事故物件では、家賃が相場より安く設定されているケースも多いです。
部屋によってはキレイにリフォームされており、事件事故の痕跡を感じさせないことも。
「心霊現象などが起こりそうで怖い」「自分も事件などに巻き込まれそうで不安」と敬遠する人が多いため、借り手がつきやすいように工夫されているのですね。
事件事故が起こったことを気にせず、心霊現象などを信じない方にとっては、相場より安く借りられるオトクな物件といえます。
ただ「家賃が安かったりリフォームしたりしていても、事故物件には住みたくない」という人も多数いました。
「住んでもいいけどちょっと不安」という方は、シェアハウスやルームシェアを選んだり、事故物件になったあと何人か入居者がいた部屋を選ぶとよいでしょう。