親の高齢化や空き家問題が身近になる中で、「実家じまい」を意識する人は年々増えています。
家族が集まりやすい年末年始は、実家じまいを家族間の話題にするチャンス。
一方でさまざまな理由から、気になってはいても実家じまいについて家族と話ができない人もいます。
今回は実家じまいに関心がある男女469人を対象に「年末年始に実家じまいについて話し合ったかどうか」を調査しました。
「実家じまいに興味をもったきっかけ」や「実家じまいについての不安」についても聞いています。
- 調査対象:実家じまいに関心がある人
- 調査期間:2026年1月5日~19日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:469人(女性306人/男性163人)
- 回答者の年代:20代 9.4%/30代 32.6%/40代 31.8%/50代 19.6%/60代以上 6.6%
年末年始に「実家じまい」について話し合った人は59.1%

実家じまいに関心がある469人に「年末年始に、実家じまいについて話し合ったか」を聞いたところ、「話し合った(15.4%)」「少し話した(43.7%)」と答えた人が合わせて59.1%でした。
多くの人が年末年始を機会に、実家じまいについて親や兄弟姉妹と話し合ったことがわかります。
一方で「話題に出なかった(出さなかった)」という人も4割ほどいました。
年末年始に「実家じまい」について話し合った理由

実家じまいについて話し合った理由を聞いたところ、最も多かった回答は「年末年始がいい機会だから(12.6%)」でした。
以下、2位「家族の意向を聞きたい(10.5%)」、3位「早めに話し合いたい(9.7%)」、4位「親から話があった(6.1%)」、5位「家の老朽化が目立つ(4.3%)」の結果となっています。
- しっかりと時間がある、年末年始の休みを利用したいと思ったから(20代 女性)
- 実家じまいに関して両親の考えを確認したかったので、多少話しました、軽い雰囲気で話したほうが両親に変なプレッシャーや寂しさを与えずに済むかと思い、軽いノリで話をしました(40代 男性)
- 親が終活を考えていて、「将来、実家をどうするのか悩んでいる」と聞いた(50代 男性)
- そろそろきちんと実家じまいについてのことを話しておくべきときだと感じた。年末年始で親と一緒に過ごす時間がまとまって取れたため(50代 女性)
- 建物も古くなり、維持コストがかさみ始めているからです。いつまで実家を維持すべきなのか、経済コストの部分から話し合う必要がありました(30代 男性)
年末年始という「家族が集まって時間にも少し余裕がある時期」を、実家じまいというやや重い話題を出す好機だと捉えている人が多くなりました。
実家じまいはひとりの判断ではできないため、親や兄弟姉妹の意向を聞く必要があります。
みんなで話し合うと問題意識や意向を共有しやすいので、家族が集まる年末年始はいい機会です。
また、家族が集まり機会に話し合っておきたいと思った動機としては、「家が老朽化している」「いつか来ることだから、慌てないよう早めに話しておきたい」などがありました。
普段から実家について問題意識をもっている人にとっては、家族の集まる年末年始は「いいタイミング」と捉えられやすいと考えられます。
年末年始に「実家じまい」について話し合わなかった理由

一方、「話し合わなかった理由」として最も多かった回答は、「話しにくい雰囲気がある(29.7%)」でした。
2位「今はタイミングではない(24.0%)」と答えた人も2割を超えていて、多くなっています。
3位以下は、3位「話すと親が嫌がる(12.0%)」、4位「話す機会がなかった(8.9%)」、5位「具体案をもっていない(4.7%)」の結果でした。
- 死を連想させる話なので切り出しにくい(20代 女性)
- まだ早いと思っている。年末年始に重たい話をしたくない(30代 女性)
- 以前実家じまいについて話し合いをしたとき、けんかになったから(40代 男性)
- 漠然とした話にしかならないと思いました。さらに親もまだひとりで生活できているので、話を出しませんでした(40代 男性)
- 話すきっかけやタイミングがなかったため。今すぐ実家じまいする状況ではなかったため。「実家じまい」について積極的に触れたくなかったので、話題をもちだせなかった(50代 女性)
回答からは実家じまいそのものを「まったく必要ない」と思っているのではなく、「今はまだ触れずにおきたい」という気持ちが表れています。
実家じまいというワードは「老い」「介護」「死」などを連想させやすいため、「親が嫌だと思うかも」など、親の気持ちに配慮する人ほど切り出しにくくなりますね。
実際に話をしかけたところけんかになってしまい、話しにくくなってしまった人もいます。
また「親がまだ元気」「兄弟が親と一緒に住んでいて、実家じまいはまだ先」など、差し迫った困り事や懸念がないために、今はまだ話していないケースも多くありました。
さらに、家の売却や税金など実家じまいに関する知識がないため、話し合いの基盤になるネタがなく、まだ話せていないというパターンもあります。
実家じまいに関心をもったきっかけは「親が高齢になった」

「実家じまいに関心をもったきっかけ」の圧倒的1位は「親が高齢になった(46.9%)」でした。
2位「実家が老朽化している(18.6%)」、3位「実家が空き家になりそう(15.6%)」が続きます。
実家じまいが、自分にとっても現実的な問題と感じられたことが、大きなきっかけになっています。
1位 親が高齢になった
- 親が高齢になり、実家じまいが身近に感じられたことが関心をもったきっかけでした(40代 男性)
- 親が高齢になってきて、健康の不安も増えてきた(50代 女性)
- 実家でひとり暮らしをしている母親が90歳を越え、実家の取り扱いについて気にするようになったため(60代以上 男性)
1位は「親が高齢になった」でした。
親が高齢になると健康や介護についての不安も増えます。
すると、親が施設に入ったあとや親が亡くなったあとのことにも自然と意識が向くようになり、実家じまいは急に現実味を帯びてきます。
さらに親が高齢になったことで、子どもだけではなく親自身が「自分の死後」や「家を離れて施設に移ること」について意識するようになり、親から相談を受けたという例もありました。
2位 実家が老朽化している
- 実家の建物が少しずつ古くなってきたことや、親も年齢を重ねて今後の管理が大変になりそうだと感じたことがきっかけです。帰省するたびに「修繕が必要な箇所」が増えているのを見て、「今のまま残しておいて大丈夫なのか」「いつか必ず向き合わないといけない問題だな」と意識し始めました(20代 男性)
- 老朽化が目立って、今後の管理が面倒になったから(30代 男性)
- 実家が崩れてきて、もう住みにくくなり困ったので(40代 女性)
2位は「実家が老朽化している」でした。
家の老朽化も、実家じまいを意識させる要因です。
帰省のたびに修繕箇所が増えたり住みにくさを感じたりすると、「今後、維持できるのだろうか」という疑問が自然と湧いてきます。
親が実家を管理しているうちは、子ども世代がメンテナンス費や管理の手間を意識することはあまりありません。
しかし将来的な相続などを考えると、「金銭的にも手間の面でも、自分にできるのかな」と不安になることも多いとわかります。
3位 実家が空き家になりそう
- 兄弟全員就職したが、地元に就職した者がいなかったから(20代 女性)
- 親以外に住む人間がいないため(30代 男性)
- 子どもである私たち兄弟が家を出た頃から、家を継ぐ者がいないので、いつかは「実家じまい」をしなくてはならないと意識はしておりました(40代 女性)
3位は「実家が空き家になりそう」でした。
「子ども世代が地元以外で持ち家を買って生活基盤を築いている」「仕事の関係上、地元には戻れなさそう」といった場合には、実家が将来空き家になる可能性は高まります。
空き家は、「防犯上の不安」「管理の手間」「住んでいないのにかかる維持費」といったデメリットをもつため、空き家になるなら手放したほうがいいという考え方が出てくるのも自然です。
実家を継ぐ人がいない場合には、実家じまいはかなり現実的な問題となります。
4位 親が亡くなった
- 父親が他界し、母だけで管理するのは難しくなった(40代 女性)
- 父親死去後に関心をもった。もし母親が老人ホームに入ることになれば、実家じまいが必要になるだろうと考えた(50代 女性)
- 母親が亡くなって、実家に住んでいる人がいなくなり、いつかは実家じまいをしないといけないのだろうと漠然と思うようになりました(50代 男性)
4位は「親が亡くなった」でした。
親の死は、実家の取り扱いについて考える契機となります。
両親ともに亡くなった場合には、子ども世代への相続や空き家化といった問題について考える必要が生じます。
どちらか一方の親が亡くなった場合にも、「高齢になった親のひとり暮らしが不安」「広い家をひとりで管理できるのか」といった懸念が出てきますね。
住む人が減ったりいなくなったりすることで、実家じまいが意識されるようになるとわかりました。
5位 周囲が実家じまいしている
- 職場の同僚が実家じまいしたと聞いたからです(40代 男性)
- 知り合いの実家が空き家になり(親が施設に入ったため)、処分を検討していると聞いたことがきっかけです(40代 女性)
- 職場の同僚が話していた。同僚の親は施設入所し、実家の管理などを考え込んでいた(50代 女性)
5位は「周囲が実家じまいしている」です。
身近な人の体験談は、実家じまいを自分事として捉えるきっかけになります。
同僚や知人の話を通じて、いずれ自分の家族にも起こる問題と実感しやすくなるからです。
身近な人の状況や困り事を具体的に聞いたり、悩みの深さをそばで感じたりすることで、現実味が増すと考えられます。
ネットやテレビで体験談を見聞きして関心をもったという人もいて、社会の中で実家じまいが珍しい話ではなくなりつつあることも、関心が広がる背景にあると考えられます。
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実家じまいについて感じる不安は「金銭的な負担が大きい」

「実家じまいについて感じる不安」を聞いたところ、ダントツは「金銭的な負担が大きい(56.1%)」で、全体の半数以上を占めました。
2位「家族間の意見がまとまらない(24.3%)」、3位「片付けに手間がかかる(11.9%)」が続きます。
金銭面や実務面といった、実際的な負担への心配が大きいとわかりました。
一方で「家族の意見がまとまるか」「実家が売却できないかも」といった、精神的な面での不安を抱える人も多くなっています。
1位 金銭的な負担が大きい
- 不動産の売却や解体にかかる費用・税金など、想像以上の出費が発生するのではないかという不安がある(20代 女性)
- 費用と、誰が費用負担するのかが気になっている(30代 男性)
- 田舎なので建物も大きく付随する土地も広いことから、実家じまいする際に費用が高い(40代 女性)
1位は「金銭的な負担が大きい」でした。
実家じまいには「家に残っている不用品の処分費用」「不動産売却の手数料」「実家に住んでいた人の引っ越し費用」などがかかります。
実家を解体してから売却する場合には、解体費用も大きな負担に。
つまり、費用が高くなりそうなことが、まず不安材料となるのですね。
大量の不用品処分や家屋の解体などはめったにやりませんし、家財の量や立地・家の大きさなどによって費用が変動します。
そのため費用の見通しが立ちにくいことも、不安要素となっていました。
関係者が複数いる場合には、誰がどう費用を負担するのかも不安になるポイントです。
2位 家族間の意見がまとまらない
- 親と気持ちが食い違うこと。思い出の詰まった家をどうするかについて、「親の思い」と「現実的な問題」の間で折り合いをつけられるかが不安(30代 女性)
- 実家は親にとって長年暮らしてきた大切な場所であり、思い出が詰まっています。そのため子ども世代が現実的な理由から実家じまいを考えても、親にとっては「居場所を失う」「人生を否定されるように感じる」のではないかという不安があります(40代 男性)
- 建物の処分についての意思決定。処分することには反対されないと思うが、処分のタイミングや方針の統一に時間がかかりそう(50代 男性)
2位は「家族間の意見がまとまらない」でした。
実家は家族それぞれの思い出や人生が詰まった、重要な場所です。
そのため、合理的な判断と感情がぶつかりやすく、家族でも意見が合わなくて、話し合いが難航するケースも少なくありません。
とくに親の感情に配慮している人が多数見られ、「実家じまい後に親の気持ちが落ち込まないか心配」という声も寄せられています。
実家じまいするという大きな方向性では一致しているとしても、どのタイミングで実行するのかといった実務レベルで意見が合わないことも考えられます。
意見が対立したまま進めると、後悔やわだかまりが長く残ることもあるため、十分な話し合いが必要です。
3位 片付けに手間がかかる
- 売却以前に、溜め込んだ物を処分する必要があること(30代 女性)
- 全部処分できるのだろうかという不安。親が元気なうちに一緒にすればいいという声もありますが、時間がかかって終わりそうにないし、荷物もあまり減りそうにない(40代 女性)
- 膨大な量の物をどうやって処分・管理していいかがわからない。思い出のある物を簡単に手放せそうにないし、だからといってしまっておく場所もないので(50代 女性)
3位は「片付けに手間がかかる」でした。
祖父母や両親が長年暮らした実家には、「こんなにあるの」と驚くくらい、たくさんの物が保管されているケースも少なくありません。
そのため解体前や売却前の片付けは、かなりの労力を必要とすることも。
さらに、物を単なるガラクタや不用品ではなく「思い出の詰まった大切なもの」と捉えると、片付けには精神的な負担もともないます。
片付けの手間を軽減する方法としては、「遺品整理業者などの力を借りる」「家財ありで買い取ってくれる買取業者に売却する」などがあります。
4位 手続きが難しい
- 両親の死去等で突然実家じまいをすることになった場合に、どのように手続きしたらよいかわからない(20代 女性)
- 手続きの複雑さに最も不安を感じています(30代 女性)
- 今住んでいるところから実家までの距離が離れているので、こまめな手続きが難しそう(50代 男性)
4位は「手続きが難しい」でした。
実家じまいには、「相続関係」「不動産関係」「税金関係」など複数の手続きがあります。
不動産や法律の仕事をしている人でないと、めったにやらない手続きばかり。
そのため「実家じまいをしたいが、何から始めればいいかわからない」という不安が生まれやすいのも当然です。
さらに実家と居住地が離れていると、煩わしさは増します。
不安を解消する方法としては、実家じまいに詳しい士業や不動産業者に相談する方法があります。
5位 実家を売却できるか
- 田舎なので、解体して更地にしたところで売れるのかわからない(30代 女性)
- 売りたいときに売りたい値段で家が売れるのか(40代 男性)
- 一括で買い取ってくれる業者があるかどうか、心配している(50代以上 男性)
5位は「実家を売却できるか」です。
実家じまいとは実家を手放すことですから、実家の売却が難航すると、実家じまい自体ができません。
一般的に古い家が残っているよりも更地化したほうが売りやすいといわれますが、「更地化しても売れないかも」と不安を抱えている人もいました。
売れないかもと思う理由としては、「立地が悪い」などが挙げられています。
また売却に関しては、「タイミングよく売れるのか」「希望の値段で売れるのか」といった不安も寄せられました。
売れそうにない不動産については、「条件の難しい不動産でも買い取る」と明言している買取業者に相談してみるのもおすすめです。
まとめ
今回のアンケートからは、実家じまいに関心をもつ人でも、家族での話し合いのタイミングや切り出し方に悩んでいることがわかりました。
年末年始を「実家じまいについて相談するよい機会」と捉える人がいる一方で、雰囲気や親の気持ちに配慮して話題に出せない人も少なくありません。
実家じまいについての考え方はひとつではなく、正解や結論も家族によってさまざま。
考え方が人それぞれであるからこそ、早めに相談して家族みんなの意向を確認し、すり合わせようとしておくことが大切だと言えるでしょう。
実家じまいについての相談をしたい場合には、困り事に合わせて「不動産会社」「士業」「遺品整理業者」に相談することをおすすめします。
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