家を購入する際に立地条件を重視した人は85.8%
家を購入したことがある455人に「立地条件をどの程度重視したか」を聞いたところ、「とても重視した」「まあ重視した」と答えた人が合わせて85.8%でした。
8割以上の人が立地を重視したとわかります。
建物はリフォームできても、立地は引っ越さないかぎり変更できません。
家を買うと気軽には引っ越せないため、立地を重視する人が多いのは当然でしょう。
ただ少数ですが「重視しなかった」という人も。
立地を重視しなかった理由としては、「実家の敷地内に建てたので、もともと土地は決まっていた」「建物を重視した」といった回答が寄せられました。
家を購入する際に重視した立地条件1位は「交通の便がいい」
次に「家を購入する際に重視した立地条件」を聞きました。
その結果、圧倒的1位は「交通の便がいい(214人)」でした。
また、3位には「買い物に便利(83人)」、4位には「幼稚園・学校が近い(61人)」がランクインしており、生活の利便性を重視して立地を検討した人が多いとわかります。
1位 交通の便がいい
- 駅やバス停が近くにあるかどうか(29歳 女性)
- 都心や職場へのアクセス(35歳 女性)
- 駅から徒歩10分以内(48歳 男性)
1位は「交通の便がいい」でした。
「公共交通機関が使いやすいか」「職場や都市部に出やすいか」などを重視した人が多数。
公共交通機関が使える場所なら、車を運転しない人でも安心して住めます。
また通勤時間が短く済む場所なら、通勤のストレスが減り、家族との時間を増やせるメリットがあります。
2位 日当たりがいい
- 全体的な日当たり(35歳 男性)
- 南からの日光が充分に入ってくる(50歳 女性)
2位は「日当たりがいい」です。
日当たりがいいと、洗濯物が乾きやすく家の中も明るくなります。
そのため、周辺に高い建物がない場所を探す方も多いですよね。
日本人は日当たりを気にしすぎるという声もありますが、日中家にいることが多い方にとって、日当たりは重要なポイントです。
3位 買い物に便利
- スーパーやドラッグストアなどが近いこと(38歳 女性)
- 徒歩圏内に大型スーパーマーケットがある(50歳 女性)
3位は「買い物に便利」でした。
徒歩圏内にスーパーがあることを挙げた人が目立っています。
日常づかいできる価格帯で品ぞろえも十分なスーパーが近くにあれば、便利ですよね。
4位 幼稚園・学校が近い
- 幼稚園、学校が近いこと(27歳 女性)
- 学校近辺の住宅地(35歳 男性)
- 小学校までの距離(42歳 女性)
「幼稚園・学校が近い」が4位でした。
とくに多かったのは「小学校から近いところがいい」という声でした。
子どもだけで通学する小学校が多いので、とくに低学年のうちは学校が遠いと心配になるからでしょう。
また「行かせたい学校がある」「子どもがすでに小学生以上で、転校させたくない」などの理由で、特定の学区に絞って家を探す人もいます。
5位 静かな環境
- 周辺が静か(38歳 男性)
- 比較的静かなところを選びました。騒音対策です(41歳 男性)
- 静かに暮らせるニュータウンであること(55歳 女性)
5位は「静かな環境」でした。
「騒がしいところと静かなところ、どっちに住みたい?」と聞かれたら、静かなところを選ぶ人が多いのではないでしょうか。
騒がしいと夜寝られなかったり、隣人とのトラブルに発展する可能性もあります。
落ち着いて暮らしたいなら、静かさは大切ですね。
6位 周辺道路の交通量が多すぎない
- 大通りに面していない(21歳 男性)
- 小さな子どもがいるので、車通りが少ない場所を重視しました(35歳 男性)
- 車通りが少ない(40歳 女性)
6位は「周辺道路の交通量が多すぎない」でした。
交通量の多い道路沿いではなく、「一本入ったところ」で家・土地を探した人も多くなっています。
交通量が多い道路に面していると、「子どもにとって危険」「車の走行音がうるさい」といったデメリットがあるからでしょう。
7位 災害のリスクが低い
- ハザードマップを確認して、災害が起きにくい地域を選択しました(33歳 男性)
- 高台で海や川が近くにない。地盤がしっかりしている(41歳 女性)
- できるだけ地盤の良いところで、水害の影響がないと思える場所を探しました(65歳 女性)
7位は「災害のリスクが低い」でした。
マイホームには安心して住み続けたいですから、災害のリスクを調べることは大切ですね。
災害の危険性が全くない土地を見つけるのは難しいかもしれません。
ただ自治体が提供しているハザードマップを参考にするなどして、災害リスクの低い土地を選ぶことは可能です。
8位 実家から近い
- 夫の実家近く(26歳 女性)
- 妻の実家に近いことが一番重要でした(44歳 男性)
- 実家に近いこと(50歳 男性)
8位は「実家から近い」でした。
実家の近くに住みたい理由としては、「親に子育てを手伝ってほしいから」「親に介護が必要になったとき、対応しやすいように」などが考えられます。
住み慣れた土地で暮らしたい人もいるかもしれません。
同率8位 自然・公園に近い
- 街中ではなくて、自然を感じられる場所であること(33歳 女性)
- 自然豊かな場所で子育てしたかったため、田舎を選んだ(40歳 男性)
- 子どもがいたので、公園が近くにあるか確認しました(54歳 女性)
同率8位は「自然・公園に近い」でした。
緑豊かな環境なら落ち着いて暮らせて、自然の中でのレジャーも楽しめそうです。
また公園が近くにあれば、散歩や子どもとのお出かけにも役立つでしょう。
10位 隣家と離れている
- 隣の住宅が近すぎない(35歳 男性)
- 住宅が密集していない(41歳 女性)
10位は「隣家と離れている」でした。
「プライバシーを確保したい」「お互いに生活音でストレスを抱えたくない」という気持ちの表れだと考えられます。
なお「建物は敷地境界線から50センチ以上離して建てる」のが基本的なルール(民法第234条)。
ただしエリアによっては、1~1.5メートル以上の距離をあけるよう決められています。
家の立地で後悔していること1位は「騒音がある」
続いて、立地に関して「家を購入した後に後悔していること」を聞いたところ、1位は「騒音がある(60人)」、2位は「日当たりが悪い(43人)」でした。
騒音や日当たり、また7位の「周辺の交通量」、8位の「害虫の発生」などは季節や時間帯などで変わるため、1回の内覧では把握できないことも多いです。
また、坂道や学校までの距離は、家族構成や年齢などによって、影響の大きさが変わってくる項目といえるでしょう。
1位 騒音がある
- 高校のすぐ横なので、目の前が通学路となっていてやや騒がしい(33歳 女性)
- 近くのレストランに出入りする車の音がうるさいので、後悔しています(43歳 男性)
- ショッピングモールと幹線道路が家の近くにあるので、一日中騒音がすごい(65歳 男性)
1位は「騒音がある」でした。
「隣人の出す音や声がうるさい」という意見もありましたが、目立ったのは「電車や車の音が気になる」という声でした。
昼間はあまり気にならなくても、周囲が静かになる夜だと走行音が気になることもあります。
病院・介護施設・消防署・警察署などの近くでは、サイレンが気になるケースも多いです。
2位 日当たりが悪い
- 日当たりが悪く、洗濯物が乾きにくい(32歳 男性)
- 大きい家に囲まれていて日当たりが悪く、家の中はカビや湿気が多いです。もっと考えて探せば良かったと後悔しています(47歳 女性)
- 購入当初南側は果樹園だったが、あとで家が建ったので日当たりが悪くなった(52歳 男性)
2位は「日当たりが悪い」です。
「夕方は日当たりが悪くて暗い」「冬はあまり日が入らない」といった声が聞かれました。
時間帯ごとや季節ごとの日当たりを考慮しないと、後悔することも多いです。
また購入当初は日当たりが良くても、周辺が開発されて住宅やマンションが建ち、日当たりが悪くなってしまうケースもあります。
3位 交通の便が悪い
- 駅からの距離は満足だが、駅にとまる電車の本数が日中は少ない(35歳 男性)
- 自動車がないと通勤にも通学にも不便なこと(46歳 女性)
- 駅までバスを利用しなければならない。バスが減便されて不便になり、失敗したなと思いました(54歳 女性)
3位は「交通の便が悪い」でした。
駅やバス停が遠いと、悪天候の日や体調が悪い日などは大変です。
また駅やバス停が近くにあっても、本数が極端に少なかったり、職場や学校まで時間がかかるなら便利とはいえません。
駅やバス停までの時間だけではなく、「駅・バス停から目的地までの時間」も調べておきたいですね。
4位 災害のリスクが高い
- 低地なので、ゲリラ豪雨の際に1回だけ自宅前の道路まで浸水してしまったこと(38歳 男性)
- 今のところ被害はないですが、大雨の時に少し心配になるので、もう少し高い場所にすれば良かったと思っています(43歳 女性)
- マンションの裏側がちょっとした斜面になっていて、災害の不安がある(53歳 男性)
「災害のリスクが高い」が4位でした。
水害・土砂災害などのリスクが高いと、台風や大雨の際に不安になりますね。
実際に、浸水や避難勧告を経験して、大きな不安を感じている人もいました。
晴れた日には気にならない小さな川や水路でも、大雨のときに増水すると危険や恐怖を感じることがあります。
5位 道が狭い
- ガレージ付きだが、前道が狭くて普通自動車だと駐車できない(30歳 女性)
- 道幅が狭く、駐車に苦労しています。もう少し考えればよかったです(35歳 男性)
- 家の前が細い道なので、車のすれ違いができない。前から車が来てしまうと、カーブの道を150メートルほどバックすることになる(40歳 女性)
5位は「道が狭い」でした。
車を所有しているご家庭にとって、家の前にある道が狭いのは大問題。
家のガレージに駐車しにくかったり、出庫に気を使ったりするためです。
大型車が駐車しにくいなど、購入できる車種(サイズ)が限られるケースもあるため、よく検討しないと後悔します。
6位 周辺に坂道が多い
- 坂が多く、冬場は車のスリップが不安(32歳 女性)
- 坂道が多くて自転車を使うのが難しく、日常的な買い物が重労働になった(46歳 男性)
- 環境は良かったが、丘陵地で駅から帰るときに坂を登るのが大変で後悔した(66歳 男性)
6位は「周辺に坂道が多い」でした。
高台は景色がいいですし、津波などのリスクも低いです。
一方で坂道が多いと「登るのが大変」「冬に車を運転するのが怖い」などのデメリットがあり、後悔している人も。
若いときは大丈夫でも、年齢を重ねると坂道が辛いと感じることも増えるでしょう。
7位 周辺の交通量が多い
- 思っていたよりも夜間の車通りが多い道沿いだった(29歳 女性)
- 家の前にある道の車通りが多いので、駐車しづらい(33歳 女性)
- メイン通りのひとつ内側の道なので、裏道として抜けていく車があること。裏道を抜ける車はたいてい急いでいるので、実はメイン通りよりも子どもにとっては危ないと感じた(44歳 男性)
7位は「周辺の交通量が多い」でした。
時間帯によって交通量が変わる道路も多く、朝の出勤時間帯は渋滞するケースもあります。
車通勤や家族の送迎などで日常的に車を使うなら、時間帯ごとの交通量も調べておくべきですね。
大通りでなくても交通量が多い道はありますので、「1本入っているから大丈夫だろう」という油断は禁物です。
8位 害虫・害獣が多い
- 近くに小さい川が流れていて、虫が多い。ハチやコウモリもきます(31歳 女性)
- 自然豊かな場所を選んだら、虫や野生動物がよく出て、住みにくいことが発覚(40歳 男性)
- 裏が山なので、夏になると虫が多いこと(62歳 女性)
8位は「害虫・害獣が多い」でした。
とくに自然豊かな場所では虫や動物がよく出ます。
季節によって害虫・害獣の発生や活動状況は違うので、周辺の人に「夏は虫が出ますか」などと聞いてみるとよいでしょう。
なお都市部であっても、「ゴミ捨て場が近くてカラスが来る」「ハトが多く、ベランダにフンをされる」などと悩む方は多いです。
9位 買い物に不便
- スーパーが近くにないので不便に感じています(27歳 男性)
- 山の上なのでコンビニもスーパーも遠く、老後が心配(31歳 女性)
- 家の近所にコンビニがないこと。こんなに不便だと思わなかったです(50歳 女性)
9位は「買い物に不便」でした。
車がないと買い物に行きにくい環境で、不便さを感じたり老後を心配したりしている人もいるとわかりました。
また近所にスーパーがあっても「駅やバス停からの帰り道にはない」という立地だと、仕事帰りに買い物できず不便なこともあります。
「マイホーム購入時には商業施設が近くにあったものの、のちに閉店してしまった」という体験談もありました。
10位 学校が遠い
- 近くに高校がない(32歳 女性)
- 小学校や中学校が遠いので、子どもに負担をかけてしまった点は後悔している(39歳 女性)
- 購入当時は子どもがいなかったのでまったく考えていませんでしたが、学校が遠く、子どもの足で登下校するのは大変でした(45歳 女性)
10位は「学校が遠い」でした。
学校が遠いと「通学で体力がつく」「早起き習慣ができる」などのメリットもありますが、親として心配が勝る方も多いでしょう。
習い事をしている場合は、学校から徒歩で帰っていると間に合わず、車での送迎が必要になることも考えられます。
「小学校は近いが中学校は遠い」という声もありましたので、長い目で見て検討したほうがよさそうです。
まとめ
家を購入する際には「交通の便」「日当たり」「生活の利便性」を重視している人が多数。
一方で後悔していることとしては、1回の内覧だけでは把握しづらい「騒音」などが多く挙がりました。
なお日当たりや商業施設の有無は、購入後に周辺の開発・衰退が進むことによって変化します。
「今後周りに高い建物が建つ可能性はあるのか」や「今後も発展して人口が増えていきそうなエリアなのか」などを調べておくとよいでしょう。
購入前によく調べたつもりでも、住んでみてからわかることもあり、後悔する人も多いです。
あとから「しまった」と思わないよう、検討している立地のメリットだけではなくデメリットについても情報収集して、納得できる立地を選びましょう。