【空き家を相続して困ったことランキング】経験者90人アンケート調査

空き家を相続して困ったことアンケート調査
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空き家を相続したものの、「思っていたより大変だった」「困った」という人も少なくありません。

では実際に空き家の相続を経験した人たちは、どんな点で困り、どこに負担を感じたのでしょうか。

今回は空き家を相続したことがある90人にアンケートを実施し、「空き家相続後の困りごと」や「予想外だったこと」をランキング形式でまとめました。

【調査概要】
  • 調査対象:空き家を相続した経験がある人
  • 調査期間:2025年11月4日~18日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:90人(女性48人/男性42人)
  • 回答者の年代:20代 11.1%/30代 32.2%/40代 28.9%/50代 18.9%/60代以上 8.9%

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空き家を相続して困ったこと1位は「なかなか売れない」

空き家を相続して困ったこと

空き家を所有したことがある90人に「空き家を相続して困ったこと」を聞いたところ、圧倒的1位は「なかなか売れない(44.4%)」でした。

2位「維持費がかかる(16.7%)」、3位「管理が大変(13.3%)」が続きます。

相続した空き家を活用できずに持て余してしまって困った人が多数。

活用どころか手放すことすらできない状態で、維持費や管理の手間だけがかかるのは、大きなストレスになります。

1位 なかなか売れない

  • 解体したはいいものの、土地が売れなかった(20代 女性)
  • 現在も困っています。母が相続した実家が売れないまま、母が亡くなり兄弟で相続。兄に任せていますが、まだ売れません。買い叩かれるのが嫌で安くは売りたくありませんが、隣の家との共同部分が問題で、売りにくいと業者に言われています(30代 男性)
  • 離れありの古い二世帯住宅だが、田舎で交通の便も悪く、敷地は大きな道路に面していない。土地も家屋も資産価値は低く、売却しようにも需要がなく、買い手もいない。低価格でも誰も買わない(50代 女性)

1位は「なかなか売れない」でした。

売りたいのに空き家がなかなか売れないことで、ストレスを抱えている人も多いとわかりました。

空き家が売れない理由としては、「立地が悪い」「建物が古い」「権利関係が複雑」などの理由が考えられます。

一般的には、更地のほうが売れやすいと言われますが、費用をかけて建物を解体したのに売れていない例もありました。

空き家を使わないから手放したくても、実際には手放せないケースも多いのですね。

2位 維持費がかかる

  • 固定資産税などの維持費がかかり、「早めに売却や活用方法を考えなければ」と強く感じました(30代 女性)
  • 火災保険料や固定資産税を払う必要があること(40代 女性)
  • 固定資産税などの支払い義務が発生する(50代 男性)

2位は「維持費がかかる」でした。

空き家の維持やメンテナンスのためにかかるとしては「固定資産税・都市計画税」「火災保険料」「水道光熱費」などがあります。

水道光熱費は止めることも可能ですが、掃除などのメンテナンス時に使うため、止めずに基本料金を払い続けているケースも見られました。

空き家のままだと活用できていないのにコストだけかかる状態になってしまうので、経済的な負担があることで、精神的にストレスを感じやすくなります。

3位 管理が大変

  • 庭の草木が生い茂り、横の家に迷惑かけた(30代 女性)
  • 相続後、家の管理が想像以上に大変だったことです。遠方に住んでいるため、定期的な換気や草刈り、郵便物の整理などを自分で行うのが難しく、放置するとすぐに荒れてしまいました(30代 女性)
  • 庭の手入れを怠ると、気が付けばジャングルになっている(50代 男性)

3位は「管理が大変」でした。

空き家が放置されると建物の劣化スピードが早まります。

また庭がある場合には雑草や庭木が茂って近隣に迷惑をかけてしまったり、野生動物の住処になったりするリスクも。

遠方に住んでいると空き家に行くだけでも大変で、建物や外構の管理にはかなりの手間がかかります。

ただ、劣化や近所迷惑を放置することはできないので、とても大変なのに放置もできないという状況がストレスになります。

4位 使う予定がない

  • 住むにも築50年を過ぎていて、人が住めないこと(30代 男性)
  • 使用する予定がまったくないこと(40代 男性)
  • 相続しても誰も住む予定がないこと(50代 女性)

「使う予定がない」が4位でした。

空き家を相続したときに、相続人や親族で「使いたい」と手を挙げる人がおらず、困った例もあります。

活用できない空き家は、誰も使わないのに手間とコストだけが続くからです。

誰も使う予定がない理由としては「築年数が古くて、とても住めない」「相続人がみんな空き家から遠いところに生活拠点を築いている」などが考えられます。

また活用したいと思ったものの、売却や活用の手続きが複雑で動けなかったという声もありました。

専門家への相談や準備ができず、何とかしたいと思いながら行動できないままになっている人もいるのですね。

5位 片付けが大変

  • 前住居者が残していった物が多く、どうしようか悩みました(30代 男性)
  • 家具や家電が残ったままで、すぐに貸し出したり売却したりできない状態だったこと(30代 女性)
  • 空き家の中にある家具の処分方法(40代 男性)

「片付けが大変」が5位。

空き家の相続時、片付けに困った人もいました。

長く誰かが住んでいた家の場合、生前整理などで荷物が減らされていないと、かなりたくさんの物が残っている状態になるからです。

自力で処分しようと思うと、種類別に処分方法を調べるところから始める必要があり、かなりの手間がかかります。

遺品整理の業者を探すにも、信頼できる業者を見つけるための手間が発生します。

空き家を賃貸に出したり解体したりするためには片付けが必要となりますが、活用前の準備段階で困難を感じるケースも多いとわかりました。

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空き家の相続で予想外だったことは「解体費が高い」

空き家の相続で予想外だったこと

「空き家の相続で予想外だったこと」として、最も多かった回答は「解体費が高い(26.7%)」でした。

2位「維持費が高い(18.9%)」と答えた人も20%近くと、多くなっています。

空き家を相続すると、想像以上にお金と手間がかかる点に驚いた人が多いとわかりました。

維持費や管理の手間といった「所有し続けるための負担」に驚いた人もいます。

さらに思ったより価値が下がっていたり、片付けが大変だったりと、相続したからといってすぐに資産として活かせるわけではないという現実も浮き彫りになりました。

「意外に高く売れた」など予想外のプラス要因を挙げた人はほとんどおらず、予想外の負担のほうが大きかったという結果でした。

1位 解体費が高い

  • 壊すために解体費の見積もりを3社で取ったら、400万円から600万円程度だった(30代 男性)
  • 建物を解体して更地にして売却することも考えたが、解体に予想以上に高額な費用がかかること(40代 女性)
  • すごいボロ家なのに、解体費が普通の家並みにかかると知ってびっくりした(50代 女性)

1位は「解体費が高い」でした。

更地にして土地だけ売ったり、倒壊リスクをなくしたりするために、空き家を相続して解体を考える人も多くいます。

しかし見積もりを取ってみるなどした結果、多くの人が「解体費がこんなに高いなんて」と驚いていました。

ボロボロの家だから安く壊せるだろうと思っていたら、意外に高かったといった事例も。

「工事の難しい立地」「建物の構造」「アスベスト対策など特殊な処理が必要」など、家の状況によって解体費用が高くなることもあります。

2位 維持費が高い

  • 維持費が意外とかかる(50代 女性)
  • 一応は管理をしているのですが、普段住んでいなくても水道光熱費は結構かかる(50代 男性)
  • 草取りなどの管理費用がかかること(60代以上 男性)

2位は「維持費が高い」でした。

空き家を所有しているだけで、固定資産税やメンテナンス費用といった維持費が継続的に発生します。

維持費が思っていたよりも高くて、驚いた人も多くなりました。

例えば自分で管理をしない場合には、管理を外部に委託することになり、委託費用が発生します。

3位 管理に手間がかかる

  • 台風のときなどは、被害が出ていないかチェックしに行く必要があること(30代 女性)
  • 家そのものの管理だけじゃなく、草を刈るなどやることがたくさんあるのが盲点だった(30代 女性)
  • 北海道で、冬の積雪に対する対応が予想以上に大変でした(60代以上 男性)

3位は「管理に手間がかかる」でした。

空き家も適切に管理する必要があります。

適切な管理が思った以上の手間で、びっくりした人も多くなりました。

庭の草抜きや風通しなどに加えて、自然災害時の対応も必要となるからです。

「台風のたびに状態確認」「空き家の塀に車が衝突し、確認に行く必要があった」など、突発的な対応が必要になる難しさがあります。

4位 価値が下がっている

  • 土地の値段が安いこと(20代 女性)
  • 思ったより相場の値段が下がっていたこと(40代 女性)
  • 先代がこだわり抜いて建てた家だが、二束三文(50代 女性)

「価値が下がっている」が4位でした。

相続した家の価値が想像以上に下がっていたことに、ショックを受けた人もいました。

築年数が経っていると、こだわって建てた家でもかなり価値は下がります。

土地の価値は下がりにくいとされますが、立地によっては予想より安くなっているケースもありました。

相続人が家に感じている価値と市場価格との差、つまり期待と現実の差が、驚きにつながっています。

5位 片付けが大変

  • 家の中に物が多くて、整理をするのが大変であった(20代 女性)
  • 家具などを捨てるのに、想像以上にお金がかかりました(30代 男性)
  • 空き家の片付けが大変だった。二度としたくないと思った(40代 女性)

「片付けが大変」が5位。

家の中にある大量の荷物や家具の処分が、想像以上に大変だったという声が多く聞かれました。

ただ片付けるだけと言うと簡単に聞こえますが、実際には残された物が多かったり大きかったりすると、想像以上に大変です。

物を処分するのにお金がかかったというコメントもありました。

空き家の相続に当たっては、片付けには想像以上に時間と費用がかかると認識しておく必要があります。

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相続した空き家の現状1位は「売却済み」

相続した空き家の現状

空き家を所有したことがある90人に「相続した空き家の現状」を聞いたところ、1位は「売却済み(33.3%)」で、3割以上の人がすでに空き家を手放していました。

一方で2位「空き家のまま(25.6%)」という人も多くなっています。

空き家を相続して困ったこととしては「なかなか売れない」が多かったのに、実際には「売却済み」という人が1位に。

「なんとか売れた」「更地にしたうえで、譲渡に近いような低価格で売った」といった体験談が寄せられました。

また全体として「売却済み」「売却活動中」など、空き家を手放すことを志向する人が多いとわかります。

空き家から離れた場所に住んでいたり空き家が古かったりして活用できない場合には、手放して管理のストレスや維持費から解放されたいと考える人も多いと推測できます。

ただ実際には「空き家のまま」という回答も多く、「売れないので放置」「管理が行き届かず住めない状態になりつつある」というコメントからは、空き家所有者の苦しい状況が読み取れました。

一方「親戚が住んでいる」「賃貸に出している」は不動産を所有したまま活用する方法ですが、手放す人に比べると少数に。

「借り手が見つかったら貸しているが、ほとんど空き家のまま」という声もあり、一応賃貸にしたものの実際にはあまり稼働していない例も見られました。

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まとめ

アンケート結果からは、空き家相続には想像以上の手間や費用がかかり、困りごとにつながるとわかりました。

「ただ所有しているだけで、手間もお金もかからない」という状態にはならないのですね。

手間もお金もかかりそうと予想はしていたけれども、解体費や維持費などが予想以上にかかるという体験談も多く寄せられています。

「空き家は解体したほうがいい」「使わないなら売ってしまえばいい」と言いますが、費用などのハードルがあり、なかなか進められない現状も浮き彫りになりました。

思った方向になかなか進まないケースも多いので、早めに信頼できる不動産会社などに相談することをおすすめします。

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