実家が空き家になったらどうする?第1位はダントツで「売却する」
実家が空き家になった場合、「売却する(48.9%)」と答えた人が圧倒的に多く、全体の半数を占める結果となりました。
次いで、「そのままにする、空き家のまま管理する(29.0%)」、「賃貸に出す(14.3%)」、「更地にする(7.7%)」と続きます。
では、世代別、年収別に違いはあるのでしょうか?
【世代別の傾向】所有から共有の時代はまだ来ない?世代間での傾向は大差なし
世代別の結果は全体の結果と大きな差はなく、60代以上を除くすべて年代で「1位:売却する」「2位:空き家のまま管理する」「3位:賃貸に出す」「4位:更地にする」という結果になりました。
また、それぞれの割合もほぼ似通った数値となっています。
調査前は「若い人ほど所有欲はなく、実家を手放すのでは?」と予想していましたが、そのような傾向はありませんでした。世間では「所有から共有の時代」と謳われることが多くなってきたものの、実際はまだまだそうした時代はきていないようです。
【年収別の傾向】ある一定の年収を超えると「実利」を追い求める傾向が出てくる
年収別の結果は、「ある一定の年収を超えると、実利を追い求める傾向」が見受けられました。
「売却する」と「賃貸に出す」を合計した数値(%)は、
- 199万円以下…59.7%
- 200〜399万円…61.0%
- 400〜599万円…68.7%
- 600〜799万円…58.5%
- 800〜999万円…88.0%
- 1,000万円以上…82.3%
と、年収が800万円を超えた辺りでその傾向は顕著になっています。あくまで推測に過ぎませんが、稼いでいる人ほど「思い入れ」などの感情ではなく、数値を見て合理的な判断をしているのかもしれません。
空き家のまま管理する理由は「解体費用の問題」「思い入れ」「将来的に使用する可能性」が大半
「空き家のまま管理する」と回答した理由の中では、
- 解体には費用がかかるから(124票)
- 思い入れがあり、売却や賃貸には出したくないから(120票)
- 将来的に使う可能性があるから(116票)
の3つが特に票を集めました。
結果を見ると、空き家のまま管理すると答えた人には、大きく分けて
- 売却や賃貸には出したくない層
- 売却や賃貸に出したいが、手続きや金銭的な問題で出来ない層
の2つがいることがわかります。
なお、その他には以下のような回答が寄せられました。
- 実家が田舎にあるので、正直、有効活用できる選択肢があると思えない。(20代)
- 姉兄が多いので、相続や名義、管理のことなど、意見がまとまらないと決められないと思うから。(20代)
- 本当は更地にした後売却したいが、道が狭すぎて重機が入らず取り壊しが難しい。(30代)
- 親族間で意見の相違があり結局そのままになっている。(30代)
- 建物の名義は私ですが土地は亡くなった親族の物になっております。亡くなった当人やその親族とも仲が悪かったので今も空き家状態が続いております。(30代)
- さっさと片付けてしまいたいけれど、空き家に対する権利を持つ人間が複数おり、自分の裁量だけでは決定ができない為。(30代)
- 超ド田舎の山奥の土地に有り売却はニーズが無いと感じています。そんな価値の内容な家ですがこの家を巡り親族ともめた経緯が有るので空き家のまま管理するしかないと考えています。(40代)
- 本当は、売って現金にしたいけれど、家は古くて価値もないだろうし、土地の価格も田舎で低いだろうと思う。買ってくれる人がいないだろうという今、じゃどうする・・と聞かれたら、そのままにするしかないという回答しかない。TVで倒壊とかニュースになっているが、更地にするにも現実情けないが現金はない。その町に寄付するという考えもあるけれど、それも受付してくれるか判らないのが実情である。(60代)
- 実家は、家自体は親の持ち家ですが、土地は借地です。もし親が無くなった場合、どの様に家を処理してよいか未だはっきりと分かっていません。ですから、一旦相続することになると思います。家をどうするか決めつつ、実家の家財などの整理を同時にすることになると思う為。(60代)
その他の理由では、「親族間での人間・権利関係の問題」に関する悩みが非常に多く見られました。「本当は空き家にしておきたくない、けど諦めてしまっている」そんな人が多いようです。
また、「どうせ需要もなく売れないから」という理由でそのままにしている人も一定数いることがわかります。
売却する理由は「現金化」「固定資産税の問題」「使用する可能性がない」が大半
「空き家のまま管理する」と回答した理由の中では、
- 固定資産税を払うのは無駄だから(243票)
- 今後、使用する可能性はないから(240票)
- 現金化できるから(237票)
の3つが特に票を集めました。
一方、「特に思い入れはないから」は45票と少なく、これは「本当は手放したくないけど、背に腹は変えられない」と考えている人が多いと言えるでしょう。
なお、その他には以下のような回答が寄せられました。
- 本当は不動産所得等に活用したいが、改装費用等を準備することもできないため。(20代)
- 家や土地はそこそこ良い場所にあるのだが、病院やスーパーなどが遠いので老人になると住むこと自体が困難になると思われるため。(30代)
- 値段はほとんどつかないとおもうが、なるべく手間をかけたくないから。(30代)
- 実家の地域は年々高齢化が進み新しい人は中々引っ越してこない。今後の値上がりや賃貸需要もないのに加え固定資産税は毎年かかるため、処分できる早い段階で処分したい。(30代)
- 実家の建設年数、使用状況、立地条件が良い事と、私の都合上、一人で家の管理が無理な事と、今後の私の計画として実家より遠方の地域に移住予定なので実家売却の予定を視野に考えてます。(40代)
- 既に抵当に入っているため、親の死後は貸主にお渡しし、すみやかに売却して借金の返済に充てることになるのだろうと思う。(40代)
- 別に住むところがあり、複数管理維持するのが、面倒だから。(50代)
多くの人が、「管理が手間、面倒」という考えているようです。
更地にする理由第1位は「管理する手間が大幅に省けるから」
「更地にする」と回答した理由の中では、「管理する手間が大幅に省けるから(40票)」が第1位という結果に。
たしかに、更地(=土地だけの状態)にするだけで、不動産関連の管理を大幅に省くことができます。
なお、その他には以下のような回答が寄せられました。
- 所有権を持つものが複数おり、小規模住宅の範囲からも外れているので更地にしたあとで売却した方が面倒が少ないから。(30代)
- 更地にする。建物は家族の所有ですが、土地は借地なので更地にして返すことになると思います。(40代)
- 思い入れもあり置いて置きたい気持ちが強いが、すまない家はすぐにいたみ、周囲にも迷惑なので放置することはできない。寂しいが、住まない限りは処分するしかない。(40代)
- 災害時に倒壊やご近所への被害が心配ですし、不法侵入なども心配なので。(40代)
- 更地にする。駐車場にして自宅のローン返済に充てる。(50代)
少数派ではありますが、「権利関係の問題」や「不法侵入などの犯罪対策」などの回答もいくつかありました。
賃貸に出す理由第1位は「家賃収入が欲しいから」
「賃貸に出す」と回答した理由の中では、「家賃収入が欲しいから(70票)」が第1位という結果に。次に、「将来的に自分もしくは家族が住むかもしれないから(56票)」と続きます。
全体的に「手放したくはないけど、使わずそのままにしておくのはもったいない」と考える人が多いようです。
なお、その他には以下のような回答が寄せられました。
- 「思い入れがある」というのが一番の理由だが、だれかに家を貸したとしても、最終的には自分の資産として持っておきたいから。(20代)
- 実家の周りの戸建ても、賃貸に出してすぐ入居者が入っているし安定して家賃収入を得ているため。(20代)
- 自分が現在住んでいる場所とは離れているので直接管理するには難しいので。(30代)
- 自分が生まれ育った家や地域を他の人が好きになってくれたらうれしいから。(30代)
- 固定資産税とか、細かい手続を他人がやるわけにはいかないから親が生きていたら成年後見人をたてないと何もできないから、いったん賃貸でかしだす。(30代)
- 築100年以上の家で縁側が長くて梁が入り組んでおり、屋根の大きな家で土間もあり、日本昔話に出てきそうな佇まいです。敷地内には井戸もあります。最近は古民家をリフォームして暮らす人もいるので、簡単に壊したくはない貴重な住居だと思っています。現在は陶芸家の方にお貸ししています。(40代)
- 実家の地域は地価が下がり気味で、売却は損だと思うから。(50代)
- 修理に費用が掛かりすぎるようであればしかたなく売却するかも。(60代)
「入居者が集まらないこと」は空き家を賃貸に出す際の大きなリスクですが、「賃貸に出す」と答えた人は、そうしたリスクもしっかり考慮しているようです。
諦めるのはまだ早い?実は空き家でも訳あり物件でも売却できる
今回のアンケートでは、「本当は売却したいが、手続きや権利、人間関係のトラブルで仕方なく空き家にする」という回答が非常に多く見受けられました。
たしかに、築ウン十年の廃墟同然の空き家、事故物件、権利者が複数いる物件などは、一般的には買い手がつかないことがほとんどです。
しかし、実はそうした物件にも買い手がつくケースは珍しくありません。
例えば、以前当メディアで取材させていただいた「家いちば」では、
- ボロボロの廃屋
- 壁に穴が開いた家
- 使い道のない森
など、普通の不動産会社では間違いなく買い手がつかないような不動産の契約が数多く成立しています。「0円でも売れない」という物件でお悩みの方は、まずこちらのサービスを利用してみるのも1つの手です。
【関連】
「家いちば」は空き家問題の救世主となるか?事故物件から廃墟まで、何でも売れるその仕組みに迫ってみた!
また、当メディア「訳あり物件買取PRO(運営:株式会社AlbaLink)」でも、
- 古アパート
- 再建築不可物件
- 事故物件
- 違法物件
- 相続や権利関係で揉めている物件
などの、訳あり物件を専門に買取・再販しています。訳あり物件の処理に困っている方は、ぜひお電話もしくはメールでご相談ください。
まとめ
アンケートでは「実家が空き家になったら売却する」という答えが約半数を占めました。
この結果は、「本当は売却したいが、さまざまな事情によりできない人」を含めると、さらに顕著なものになるでしょう。
そうした「本当は売却したいが、手間やトラブルがあるので空き家のまま管理する」という人は、ぜひ私たち訳あり物件買取PROまでお気軽にご相談ください。
あなた不動産売買を、徹底的にサポートさせていただきます。