「住むなら郊外」が58.4%
全国の男女500人に「住むなら、都会・郊外・田舎のどこがいいか」を聞いたところ、もっとも多かったのは「郊外(58.4%)」でした。
以降、2位「都会(27.6%)」、3位「田舎(14.0%)」の結果となりました。
「田舎だと不便だけれど、都会だとせわしないし物価も高い」と考える人が多いのではないでしょうか。
「都会ほどではないけれど便利で、田舎ほどではないけれど自然があり土地や家賃も安い」ことから、郊外を選択している人が多いと考えられます。
郊外に住みたい理由ランキング
「郊外に住みたい」と答えた292人に理由を聞いたところ、1位は「バランスがよくて住みやすい(108人)」でした。
「交通アクセスがいいのに自然豊か」「静かだけど便利」など、都会と田舎のいいとこどりができる点を魅力だと感じている人が多いとわかります。
「ほどよく◯◯」「◯◯すぎない」といった回答も目立ち、「ちょうどよさ」を評価した人が多かったのも印象的です。
「都会は便利だけど人が多すぎる」「田舎は自然豊かだけど不便すぎる」などと感じている人が多いことの表れかもしれません。
次ぐ2位は「交通の便が良い(86人)」、3位「買い物に困らない(62人)」、4位「静かで落ち着いている(41人)」でした。
1位 バランスがよくて住みやすい
- 郊外は都会よりも静かで落ち着いた環境であり、田舎と比べると商業施設が充実している。都会と田舎の良さをどちらもバランスよくもっていると感じるため(24歳 男性)
- 都会すぎず、田舎すぎないため(36歳 女性)
- 「治安」「環境」「利便性」のバランスを考えると、郊外がベストなので(48歳 男性)
1位は「バランスがよくて住みやすい」でした。
「都会も田舎も住みにくそうだから、中間の郊外がいいと思った」という人も目立っています。
静かで落ち着いた環境とほどよい便利さを両立しているのが、郊外の良さだと考える人が多いようですね。
「本当は田舎に住みたいけれど、不便すぎると将来困りそうなので郊外を選んだ」という人もいました。
2位 交通の便が良い
- 仕事のことを考えると、都会にアクセスしやすいところがいいから(30歳 男性)
- 都市部へのアクセスがよく、移動がラク(48歳 女性)
- 年を取ってくると、公共交通機関の発達している場所が住みやすい(59歳 女性)
2位は「交通の便が良い」でした。
都市部ほどではないものの、都市に近い郊外では公共交通機関が発達しています。
とくに「郊外は都市部に出やすいのが魅力」と考えている人が目立ちました。
乗り換えなしで主要駅に行けるなど都市部へのアクセスが良ければ、通勤・通学や休日のお出かけに便利です。
3位 買い物に困らない
- 自宅近くに徒歩で行ける商業施設があり、生活に便利だと思うから(28歳 女性)
- スーパーやコンビニがあるので生活に困らない(46歳 女性)
3位は「買い物に困らない」です。
比較的土地が安い郊外には、大型のショッピングモールが出店していることも多いです。
近くにショッピングモールがあれば、食品や日用品だけではなく「服」「子ども用品」なども買えるため、日常の買い物には困らないでしょう。
そのため、田舎だと商業施設が少なくて不便だけど郊外なら大丈夫と考える人も多くなりました。
4位 静かで落ち着いている
- 騒音などが気にならずに住める(36歳 女性)
- 深夜の時間帯が静かで落ち着けるため(45歳 男性)
- 都会ほど便利ではないが、落ち着いた環境で生活できる(52歳 女性)
4位は「静かで落ち着いている」でした。
夜遅くまで騒がしい環境では落ち着いて生活できないと考える人も多いのではないでしょうか。
子育て中で、子どものために静かな環境で暮らしたいと考えている方もいるかもしれませんね。
都市の中心部だと夜遅くまで開いているお店があるなど、騒がしい環境になりがち。
そのため「静かな環境がいいので郊外に住みたい」という声も多くなりました。
5位 生活するうえで不便が少ない
- 田舎にも都会にも郊外にも住んだことがあり、一番便利だと思ったのが郊外です(27歳 女性)
- 人が住みやすいようにつくられているので、便利さと快適さが兼ね備えられていると感じます(38歳 女性)
- 都市部に移動しなくても日常生活が完結する適度な便利さ(57歳 男性)
「生活するうえで不便が少ない」が5位でした。
郊外の中でも比較的人口の多いエリアであれば、周辺に「商業施設」「医療機関」「教育機関」「駅・バス停」などが揃っているケースが多いです。
生活に必要な施設やモノが近所に揃っていれば、不便なく暮らせますね。
6位 物価が安い
- 都心部よりは家賃が安く、他のことにお金が使えそう(25歳 女性)
- 郊外であれば比較的住居費が安い(42歳 男性)
- 交通の便は都会に比べて劣っていますが、物価など支出面では都会に比べてかなり少なくすむため、経済的な面で住みやすいと思うからです(65歳 女性)
6位は「物価が安い」でした。
郊外であれば、都市部よりは土地や家賃が安くなります。
住居費は生活費の中で大きなウエイトを占めますので、メリットは大きいでしょう。
7位 ほどよく自然がある
- 公園など、自然のある場所が点在しているため(28歳 女性)
- 自然が十分にありウォーキングに最適です(50歳 女性)
- ベッドタウンならば緑にも恵まれているだろうから(69歳 男性)
7位は「ほどよく自然がある」でした。
「田舎ほどではないにしても、郊外には自然と触れ合える場所が多い」と考えている人も多いようです。
自然に触れるとストレスホルモンが減少したり、リラックス効果を得られたりすると言われています。
家の近くに自然があることで、リフレッシュしやすくなり穏やかな生活が送れそうですね。
都会に住みたい理由ランキング
次に「都会に住みたい」と答えた138人に理由を聞きました。
1位になったのは「買い物に困らない(53人)」です。
2位「交通アクセスが良い(51人)」、3位「何をするにも便利(35人)」、4位「遊ぶ場所やイベントが多い(16人)」と続きます。
買い物や交通アクセスなど、生活する上での便利さを挙げた人が多数。
また商業施設や医療機関が多いと、「自分が好きな施設を選びやすい」というメリットがあります。
就職や進学の選択肢も広がりそうですね。
インフラが整備されており選択肢も多いのが、都会の大きなメリットだといえるでしょう。
1位 買い物に困らない
- 商業施設が多くて充実しているから(23歳 女性)
- コンビニやスーパーなどに徒歩で行ける(35歳 女性)
- 欲しいものがすぐに手に入る(68歳 男性)
1位は「買い物に困らない」でした。
都会にはスーパーやコンビニ、ドラッグストアが多いので、日常の買い物に不便しません。
例えば「足りない調味料がある」「買い忘れたものがある」というときに、すぐ買いに行けると助かりますよね。
またデパートやファッションビルもあるため、特別なアイテムやオシャレな商品も手に入りやすいでしょう。
2位 交通アクセスが良い
- 交通の便がよく、通勤・通学の時間を短縮できる(34歳 女性)
- 車を運転できないので。都会以外は車が必須になってくるので(49歳 女性)
2位は「交通アクセスが良い」でした。
都市部ですと公共交通機関が発達しており、複数の鉄道路線にアクセスできる場所も少なくありません。
通勤・通学がラクになるほか、遊びに行くときにも便利です。
公共交通機関が使いやすいと車なしの生活も可能なので、「運転免許をもっていないから」という回答も目立ちました。
3位 何をするにも便利
- 生活全般で便利だから(33歳 男性)
- 何をするにも便利だからです(40歳 男性)
- 便利で楽(54歳 女性)
3位は「何をするにも便利」です。
アクセスしやすい範囲に商業施設や医療機関が揃っている都会なら、快適な日常生活が送れるでしょう。
また職場や学校が近ければ、通勤・通学時間が減って余暇が増え、生活の満足度もあがるのではないでしょうか。
4位 遊ぶ場所やイベントが多い
- アニメ・ゲームが趣味なので、イベントが多い都会に憧れる(26歳 男性)
- エンターテインメントが充実している(30歳 女性)
- 遊ぶ場所が多い(40歳 男性)
4位は「遊ぶ場所やイベントが多い」でした。
都市部には「映画館などのアミューズメント施設」「ライブ・イベント会場」などが豊富で、遊ぶ場所に困りません。
また、大きなイベントや注目度の高いイベントは都市部で行われることが多いですよね。
そのため、都市部なら趣味や遊びを存分に楽しめそうと考える人も多くなりました。
5位 医療機関が充実している
- 医療レベルの高い病院があるから(35歳 男性)
- 歳を取ると病院選びが大切になってくると思います。しかし田舎では病院を選ぶ余地がなく、相性の良くないお医者さんでも診てもらうしかありません(56歳 女性)
「医療機関が充実している」が5位でした。
医療機関が多いと、病院を選ぶ選択肢が広がるメリットがあります。
また近くに医療機関があれば、急病やケガの場合もすぐ診てもらえるので、安心できますね。
6位 刺激的で楽しい
- 活気があって楽しいから(38歳 女性)
- 賑やかで刺激があります(52歳 男性)
6位は「刺激的で楽しい」でした。
都会に住んでいると、話題のお店やイベントにいち早く触れられます。
そのため、都会の方が楽しいと感じる人も多いようですね。
「都会から郊外に移ったとき、郊外はつまらないと感じてしまった」という人もいました。
7位 働きやすい
- 仕事がたくさんある。田舎は働く場所がなかなか見つからない(48歳 女性)
- 職場に近いから(37歳 男性)
7位は「働きやすい」でした。
企業は都市部にオフィスを構える傾向にあるので、都市部だと求人が多く、通勤もしやすくなります。
また、都市部の方が最低賃金も高くなっています。
田舎に住みたい理由ランキング
続いて「田舎に住みたい」と答えた70人に理由を聞きました。
その結果、もっとも多かったのは「自然に囲まれて暮らしたい(35人)」でした。
2位「のんびり暮らせる(17人)」、3位「静かで落ち着いている(16人)」と続きます。
半数の人が「自然」を理由に挙げています。
また田舎は人口が少ないため、のんびり落ち着いた雰囲気もありますよね。
「せわしない暮らしが苦手」「リラックスして過ごしたい」という人が、田舎暮らしを求めているようです。
1位 自然に囲まれて暮らしたい
- 山に囲まれた祖母の家がとても心地よく感じます。不便な立地が私にとっては最高の環境です(19歳 女性)
- 商業施設より自然環境を重視したいから(39歳 男性)
- 自然を感じながら生活してみたいからです(50歳 男性)
1位は「自然に囲まれて暮らしたい」でした。
多少不便でも自然豊かな環境で暮らしたい、と考えている人も多いとわかります。
自然に囲まれているとリラックスできて心穏やかに過ごせる人にとっては、田舎に住むメリットは大きいでしょう。
2位 のんびり暮らせる
- のんびりできるから(30歳 女性)
- 田舎の方がスローライフを楽しめるから(34歳 男性)
- 都内に約25年間住んでいるので、田舎でのんびり暮らしたい(51歳 男性)
2位は「のんびり暮らせる」でした。
せかせかした生活を嫌って、田舎暮らしを希望している人もいるとわかります。
都会で生活して「せわしないな」「仕事や満員電車に疲れたな」と感じている人は、ゆったりしたイメージのある田舎への憧れが強くなるのではないでしょうか。
ただ田舎はのんびりしている分、刺激は少ないです。
田舎でも退屈せず過ごせるような趣味や楽しみがあるといいかもしれませんね。
3位 静かで落ち着いている
- 今は都会に住んでいて、都会の喧騒にストレスが溜まりうんざりしているから(34歳 男性)
- 静かだからです(40歳 女性)
3位は「静かで落ち着いている」です。
都会は便利だけど騒がしいと感じている人も多数。
自宅周辺が夜まで騒がしいような場所だと、「都会に疲れた」「静かな田舎に住みたい」と考える人も多いでしょう。
4位 人が少ない
- 人混みが嫌いなためです(31歳 男性)
- 人が多いのにうんざりだから(48歳 女性)
4位は「人が少ない」でした。
「人の多い場所が苦手だから、田舎に住みたい」という回答が目立っています。
都会の人混みで気分が悪くなるという人もいますよね。
田舎暮らしを希望する人の回答を見ていると、都会が苦手だから田舎に住みたいという人が多い印象です。
5位 周りを気にしなくていい
- 家と家が離れているイメージなので、周りを気にせず生活できそう(27歳 女性)
- 犬がいても近所に気をつかわなくていい(50歳 男性)
「周りを気にしなくていい」が5位でした。
田舎では都市部のように住宅が密集しておらず、ぽつりぽつりと家同士が離れて建っているケースも多いです。
家同士が離れていると、生活騒音やペットの鳴き声が気になりにくいといったメリットがあります。
「家の周りで隣人に合わないなら、服装に気をつかわなくてよさそう」というコメントもありました。
6位 物価が安い
- 物価が安いから(23歳 女性)
- 住居にかけるお金が少なくてすむため(55歳 男性)
6位は「物価が安い」でした。
田舎は土地が安く、都市部よりも安くマイホームを購入できます。
家を借りる場合も、家賃は都市部より安い傾向がありますね。
そのため住居費を安くしたい人には、田舎がおすすめ。
ただし車必須のエリアだと、車の購入費・維持費などのコストはかかります。
7位 田舎出身で慣れているから
- 育ってきたのが田舎なので(35歳 女性)
- 生まれた環境が一番落ち着く(52歳 女性)
7位は「田舎出身で慣れているから」でした。
慣れた環境で暮らすのが一番落ち着くという人も多いです。
進学・就職や結婚をきっかけに一度都会で暮らしたものの、「やっぱり田舎の方が合っているなあ」と感じる人も多いのかもしれません。
現在住んでいる地域への満足度
現在、都会・郊外・田舎に住んでいる人たちは、今のエリアに満足しているのでしょうか。
アンケートをもとに、実際に住んでみて感じた「満足度」や「メリット・デメリット」を紹介します。
都会に住んでいる人の満足度は85.1%
都会に住んでいる107人に「住んでいるエリアに満足しているか」を聞いたところ、「とても満足(25.2%)」「まあ満足(59.9%)」が合わせて85.1%という結果になりました。
- ほとんど徒歩で行動できるので、交通費がかからないうえに健康にも良い。自治体に財政的余裕があるので、公園などもしっかり整備されている(38歳 女性)
- 通勤がラク。買い物の時間もかからず、効率的に生活できる(41歳 男性)
- どこに行っても混雑していて、生活するうえでのストレスが大きいと感じる。また街に自然が少なく、リフレッシュできる場所が少ない(29歳 男性)
都会ならではの「生活の便利さ」に満足している人が多数。
都会には商業施設やレジャーの選択肢が多いため、休日をアクティブに過ごしたい人も満足できます。
またインフラに力をいれている自治体なら、都会でも自然を感じられるよう公園などが整備されています。
一方で人が多いため、「人疲れする」という人には向いていないかもしれません。
郊外に住んでいる人の満足度は87.4%
郊外に住んでいる293人の満足度は、「とても満足(23.9%)」「まあ満足(63.5%)」が合わせて87.4%。
都会に住んでいる人と同様に、満足している人が多いことがわかりました。
- 自然や眺めのいい場所が残っています。一方で大型スーパーやレジャー施設が近くにあるので、買い物や遊びに困りません(43歳 男性)
- 住宅街で公園が多く、自然が豊か。かつ生活に必要な商業施設や病院が近くにあり生活しやすい。電車で10分あれば都市にも行ける(62歳 女性)
- 都市部へのアクセスはいいのですが、商業施設に不満があります。若者向けのお店がほとんどないので、自分の買い物は都市部まで行くようになりました(24歳 女性)
郊外については「便利さと自然環境のバランス」に満足している人が目立ちました。
静かで落ち着いた環境でありつつ、買い物や医療機関にかかるときは便利なら、日常生活で困ることは少ないでしょう。
一方で「車がないと不便」「都会と田舎の悪いところを合わせたような環境」という声もありました。
郊外ならどこでも同じというわけではありません。
郊外への引越しを検討するなら「交通アクセス」「周辺の商業施設に入っているテナント」「インフラの整備状況」などをしっかりチェックする必要がありそうです。
田舎に住んでいる人の満足度は44.0%
田舎に住んでいる100人に住んでいるエリアに満足しているかを聞いたところ、「とても満足(10.0%)」「まあ満足(34.0%)」が合わせて4割強という結果に。
田舎暮らしの満足度は都会や郊外に比べてかなり低く、不満を感じている人の方が多いとわかりました。
- 交通の便が悪く、車が必須。給料が安い(26歳 女性)
- とにかく買い物が不便で、自家用車が必須。あってほしい店舗が遠いか、存在しない。病院も限られていて、何かあった時に頼れる場所が遠い(45歳 男性)
- 里山の一軒家で、夜はまったく音がしません。生活音を気にしなくてよく、豊かな時間を過ごせます。徒歩圏内に店はありませんが、自転車で行ける場所にショッピングモールと図書館があり生活には充分。(54歳 女性)
「交通の便が悪い」「商業施設や医療機関が少ない」など、生活に不便を感じている人が多数。
また最低賃金が安く設定されていたり求人が少なかったりと、仕事・収入面での不満を抱えている人もいました。
一方自然に囲まれた環境でゆったりした暮らしを楽しんでいる人も。
「ある程度の不便を許容しつつ、ネット通販なども活用しながら田舎暮らしを楽しめる」という人には、良い環境なのでしょう。
まとめ
全国の男女500人に、都会・郊外・田舎のどれに住みたいか尋ねたところ、最も票を集めたのは郊外でした。
住んでいる人の満足度がもっとも高かったのも、郊外です。
都会と田舎のいいとこどりができる点、自然豊かかつ静かでありながら生活に不便がない点に魅力を感じている人が多いとわかりました。
ただし郊外については「都会と田舎の悪いところを寄せ集めた感じ」という不満も寄せられています。
郊外と言っても「新しく開発され、活気がある街」「開発から時間が経ち、高齢化が進んでいる街」などさまざまです。
そのため引っ越しを検討する際には、それぞれの街の特徴までしっかりチェックする必要がありそうです。