【二世帯住宅の間取りはどうしたい?】男女499人アンケート調査

二世帯住宅にする際の間取り アンケート調査

「親が高齢になってきて、健康状態が心配」「共働きで忙しいので、親に子育てを手伝ってほしい」などの理由で、二世帯住宅を検討している人もいるでしょう。

しかし二世帯で同居するとなると、トラブルにならないか不安もありますよね。

二世帯住宅には「完全分離型」「一部共有型」「完全同居型」などのタイプがあり、間取りを工夫することで防げるトラブルも。

そこで今回は既婚男女499人を対象にアンケートを実施。

「二世帯住宅にするなら、間取りはどうしたいか」について聞きました。

【調査概要】

  • 調査対象:結婚している人
  • 調査期間:2024年4月4日~9日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:499人(女性377人/男性122人)
  • 回答者の年代:20代 12.8%/30代 41.5%/40代 26.7%/50代 15.8%/60代以上 3.2%
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二世帯住宅にするなら「実両親」が51.1%

二世帯住宅にするならどちらの親と同居するか

「二世帯住宅にするならどちらの親と同居するか」を聞いたところ、「実両親(自分の親)」と回答した人が51.1%で半数以上となりました。

一緒に過ごしてきた時間が長く、性格や生活スタイルをわかっているのは実両親ですから、「実両親のほうが気軽」と考える人が多いのは納得です。

義理の両親よりも実の両親の面倒を見たいと考える人もいるでしょう。

一方「どちらも無理」と考えている人も4割近くいます。

「どちらか選べと言われたら実の両親だけど、本音ではどちらとも同居したくない」という人も多いと推測できます。

二世帯住宅にするなら実両親がいい人の理由

  • ずっと暮らしてきたので慣れているから(20代 男性)
  • 実家は土地も家も自分のものなので、建て直すだけでいいから。また実家のほうがいざというときに頼りやすいから(30代 女性)
  • 義両親が近くにいると思うだけで落ち着かない(40代 女性)

「実両親のほうが気をつかわない」という意見が多数。

お互いに性格や暮らし方をよくわかっているからですね。

また家事や子育てで困ったことがあるときに頼りやすいのは、義両親より実の親でしょう。

実家で二世帯同居する場合は、「土地勘がある」「近所に地元の友人がいる」といったことも、暮らしやすい理由になるかもしれません。

二世帯住宅にするなら義両親がいい人の理由

  • 実親が毒親な一方、義両親は常識的な人だから。実親は私の話を一切聞かないが、義両親は夫の意見を聞いている(30代 女性)
  • パートナーに気をつかわせるぐらいなら、自分が気をつかうほうが楽だと思う(40代 男性)
  • 実両親は後継ぎがいるし、義両親にはよく世話になっているのでお返しの意味も込めて(50代 男性)

「義理の母(父)が一人暮らしだから」「実両親はすでに兄弟と同居済み」など、さまざまな回答が寄せられています。

男性からは「妻に気をつかわせるのが嫌だ」という声も複数寄せられ、嫁姑問題を心配している人が多いことも伺えました。

子どもが義両親になついているなど、子育てや子どもへの影響を考え、義両親を選択した人もいます。

どちらも絶対に嫌な人の理由

  • 義両親とは別居していて適度な距離感なので仲良くできていますが、同居してお互い気をつかいすぎて仲が悪くなってしまったら嫌です。また実の母とは家事について意見が合わないため、ストレスが溜まると思います(20代 女性)
  • 今は両親とも義両親とも良い関係を築けているが、距離が近づくと関係が崩れそう(30代 男性)
  • 親元を早く離れたくて、かなり早く家を出て結婚したので、そもそも親と生活したくないです。義両親とは結婚当初から考え方や生活スタイルが合わないと感じていたので、同居どころか近居も考えられません(50代 女性)

「どちらと暮らすにしても気をつかうから」という人が多数。

家事のやり方や価値観が違う相手と一緒に住むと、相手が実の両親であっても、ストレスが溜まることは多いです。

二世帯住宅にすることで、親との良好な関係や平穏な生活を失いそうだと考えている人が多くなりました。

二世帯住宅の間取りは「完全分離型」を希望する人が約8割

二世帯住宅にする際の間取り

「二世帯住宅にするなら間取りはどうするか」を聞いたところ、共有部分がなく、各世帯が完全に独立している「完全分離型」が79.8%と圧倒的多数。

完全分離型であれば各世帯の独立度が高く、近くにいながらもプライバシーは守りやすくなります。

なお「一部共有型」には、「玄関だけ一緒」「水回りも共有」などさまざまなタイプがあり、タイプによって独立性の度合いが異なります。

共有部分が少ないタイプなら、完全分離型と同じとまではいかなくても、プライバシーは守りやすいでしょう。

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完全分離型を希望する理由1位は「適度な距離とプライバシーを保てる」

完全分離型がいい理由

「二世帯住宅にするなら完全分離型がいい」と答えた398人に理由を聞きました。

その結果、1位は「適度な距離とプライバシーを保てる(157人)」、2位は「ストレス少なくリラックスして過ごせる(115人)」でした。

完全分離型で適度な距離を保てるからこそ、ストレスが減ってリラックスしやすくなりますよね。

暮らしやすさのメリットは大きいでしょう。

親の死去や子ども世帯の転居で1世帯分が空き家になったときも、空いたほうを賃貸などとして活用できます。

一方、水回り設備をそれぞれにつくり、必要なスペースも広くなるため、建築コストが大きくなりやすいのはデメリットです。

1位 適度な距離とプライバシーを保てる

  • お風呂やご飯など、それぞれのプライバシーはしっかりと守りたいから(30代 女性)
  • プライベートな空間がほしいから(40代 男性)
  • お互いにプライベートが保たれる(50代 女性)

1位は「適度な距離とプライバシーを保てる」でした。

別居に近いかたちの完全分離型だと、世帯間に適度な距離ができます。

日常生活において「監視されている」「干渉されている」という感覚がなく、近くにいながらもお互いにプライバシーを確保しやすいのがメリットです。

2位 ストレス少なくリラックスして過ごせる

  • 共有スペースが多いと気をつかうので(20代 女性)
  • 日々の生活はお互いストレスフリーで過ごせるよう完全分離で、何かあればすぐに会える距離がいい(30代 女性)
  • 共有部分があるとストレスが溜まると思うので(40代 男性)

2位は「ストレス少なくリラックスして過ごせる」です。

完全分離型なら、親世帯・子ども世帯に気をつかうことが減ります。

自分の家という感覚が大きく、リラックスできるともいえるでしょう。

一方共有部分があるタイプだと「使いたいときに順番待ちができる」「一人でいたいのに、共有部で顔を合わせる」などのストレスが発生します。

3位 生活リズムを守りたい

  • お互いの生活スタイルがあるので、しっかり分けたい(20代 女性)
  • 生活リズムが違うので。それぞれのリズムで生活したい(40代 女性)
  • 自分たちの生活のペースを維持できるから(50代 男性)

3位は「生活リズムを守りたい」でした。

完全分離型なら世帯が完全に分かれているので、それぞれの生活リズムを守れます。

「起きる時間や寝る時間が違う」「食事したいタイミングが違う」「帰宅が遅いので、音で家族を起こしてしまいそう」などと気にする必要がなくなるのがメリットです。

「夜勤する家族がいる」などの場合も、メリットが大きいでしょう。

4位 トラブルを防ぎやすい

  • 共有スペースが少しでもあると「使い方」「時間帯」などで揉める原因になるから(30代 男性)
  • ひとつでも共有してしまうと、金銭トラブルなどに発展しやすいため(30代 女性)
  • 完全に分離していないと、すぐに破綻すると思うから(40代 女性)

4位は「トラブルを防ぎやすい」でした。

共有部をつくると、使い方や費用負担を巡ってトラブルになりやすいと考えている人が多いとわかります。

一方、完全分離型でメーターをそれぞれの世帯用に設置しておけば、光熱費は別に請求されることになり、費用負担のトラブルは防ぎやすくなります。

生活スタイルや価値観の違いも目につきにくいので、意見の衝突も少なくなるでしょう。

5位 顔を合わさない日がほしい

  • 毎日顔合わせたくないので、やるのであれば完全独立型(30代 女性)
  • お互い、会いたくない日もあると思うから(40代 女性)

「顔を合わさない日がほしい」が5位でした。

毎日顔を合わせて、密にコミュニケーションをとるのはしんどいと考える人も多くなっています。

顔を合わせるだけでも、「探られている」「見られている」という感覚になってしまうのかもしれません。

親の顔すら見たくない日があるという人は、そもそも同居したくない気持ちが大きいのかもしれませんね。

一部共有型がいい理由

一部共有型がいい理由

  • プライベートが守られて、なおかつ完全分離より料金を抑えられると思ったので(30代 女性)
  • お互いの生活習慣を守りながら、コミュニケーションが取れるから(30代 女性)
  • お互いのプライバシーに配慮しつつ、無駄なく使えるところは共同で使いたいから(30代 女性)
  • 最低限、個人の空間は確保したい(40代 男性)
  • 常にべったりよりも、適度に顔を合わせられる程度のほうがいいからです(60代以上 男性)

「プライバシーは確保しつつ、二世帯住宅ならではのメリットを享受したい」という回答が多数。

同居ならではのメリットとは「コミュニケーションが取りやすい」「親の健康状態を把握できる」「生活費を節約しやすい」などです。

一部共有タイプだと、完全分離型より建築コストが安くなることも多いです。

完全同居型がいい理由

完全同居型がいい理由

  • 家族なので、分ける必要がない(30代 女性)
  • いつでも話ができる(40代 女性)
  • 義両親との仲も良好なので、別々にする理由が見当たらない。子どもの面倒も見てくれるので完全同居型のほうがメリットが多い。個別の部屋さえあれば、プライベートは保てる(40代 男性)
  • どちらの親とも仲が良いのであまり問題ないと思います。介護や「親がいなくなってから」を考えると、完全同居型で多少工夫しながら住んだほうが楽だと思います(40代 女性)
  • 結局顔を合わせるし、分離しているとかえって気疲れすると思う(50代 女性)

家族仲がいいから分ける必要性を感じないという人もいます。

完全同居型には「コミュニケーションがとりやすい」「介護しやすい」「間取りが特殊な二世帯住宅よりは売りやすい」などのメリットもあります。

ただし「個室」など、プライバシーを守れる空間は必要でしょう。

二世帯住宅をするにあたり不安・心配なことは「生活リズムが違う」

二世帯住宅で不安・心配なこと

二世帯住宅で不安・心配なことの1位は「生活リズムが違う(149人)」でした。

僅差の2位は「金銭の負担割合をどうするか(139人)」、3位は「適度な距離を保てるか(129人)」と続きます。

「生活リズムが違う」「適度な距離を保てるか」「生活音」などは、間取りに工夫すればある程度解消できる不安だといえます。

「金銭の負担割合をどうするか」「相続・家の売却で揉めそう」などは、家族間でしっかり話し合うことが重要だといえるでしょう。

1位 生活リズムが違う

  • 「両親の生活スタイルに合わせないといけない」という空気がありそう(30代 女性)
  • 同じ空間の中で、別の生活スタイルが成立するのか(40代 男性)
  • 生活スタイルがまったく違うこと(50代 女性)

1位は「生活リズムが違う」でした。

完全同居型や一部共有型だと、生活リズムの違いを気にする場面が多そうです。

「食事は一緒にとろう」「お風呂は続けて入ろう」などのルールが課されると息苦しく感じる人もいるでしょう。

義両親と同居する場合は、まったく馴染みのない生活リズムやスタイルに違和感を抱くこともあるはずです。

ただし完全分離型なら、生活リズム・スタイルが違ってもあまり気になりません。

2位 金銭の負担割合をどうするか

  • 生活費をどう分担するかで揉めそう(20代 女性)
  • 電気代や水道代などの支払い方法がどうなるのか心配です。「自分達はあまり電気・水道を使っていないのに、大金を払うことになったら嫌だな」と思います(40代 男性)
  • 水道光熱費の支払いを完全に分けられるか知りたい(50代 女性)

2位は「金銭の負担割合をどうするか」です。

完全同居型や一部共有型だと、生活費の負担割合を「使用分」に応じてきれいに分けることは難しくなります。

実際の負担割合は「親世代が現役だから、親が多めに負担」「親が年金生活なので、子どもが多めに負担」など、ご家庭によって異なります。

負担割合の決め方に正解はありませんが、話し合ってお互いに納得することが大切。

また、決めたルールを守るのも大切です。

なお、完全分離型でも「建物がひとつでメーターもひとつ」だと水道光熱費の請求はまとまってしまいます。

メーターを2つつけると請求は分かれますが、基本料金が2世帯分になるのはデメリット。

そのため「子メーターを設置して、負担割合を決める参考にする」という方法もおすすめです。

3位 適度な距離を保てるか

  • 面倒を見てもらうなど安心できる一方、「距離が近すぎると子どもの教育や家事のやり方などに口を出してくるのではないか」と心配(30代 女性)
  • たまに訪ねたときにも細かな指導めいたことを言われて嫌。同居したら毎日何か指図されるのではないかと心配になる(40代 男性)
  • とても働き者の母なので、完全分離型にしても普通に入ってきてあれこれやってしまいそうな気がします(50代 女性)

3位は「適度な距離を保てるか」でした。

一部共有型や完全同居型だと、親との距離感がとくに気になりそうです。

完全分離型でも、コミュニケーションの頻度や深さによっては「距離が近すぎてツラい」と感じることもあるでしょう。

とくに子ども側からの「親側の過干渉が気になる」という意見が多数。

親世代の価値観で家事や子育て、仕事などに口を出されると、「時代の変化を理解していない」「おせっかいが過ぎる」と感じ、カチンときそうですね。

4位 相続・家の売却で揉めそう

  • 二世帯同居が上手くいかなくなったあと、売却等が難しそう(30代 女性)
  • 両親が亡くなったときの相続がどうなるのか気になります(40代 男性)
  • 相続する場合の分け方が難しい(60代以上 男性)

4位は「相続・家の売却で揉めそう」でした。

二世帯住宅は間取りが特殊ですし、二世帯同居する家庭も減っているため、「二世帯住宅は売れにくい」「貸しにくい」とされます。

そのため、「同居を解消して大きな家が不要になったらどうしたらいいのか」と不安を抱えている人も多数。

また二世帯住宅の名義人が複数人になっている場合、相続トラブルが起こることも。

住宅以外の相続財産(現金など)が少ない場合も、「二世帯住宅に住んで家を相続する人」と「家を相続しない人」の間に不公平感が生まれ、トラブルに発展する可能性があります。

5位 家族と不仲になりそう

  • 今のいい関係性が壊れてしまいそう。仲が悪くなってしまいそう(30代 女性)
  • いざ一緒に生活するとなると、「今までは感じなかったこと」「わからなかったこと」も見えてきて、ケンカが増えそう(40代 女性)
  • 嫁姑や義理の親子関係が上手くいかなければ、実の親子の関係もおかしくなる可能性がある(50代 男性)

「家族と不仲になりそう」が5位でした。

仲のいい親子や義理の家族でも、一緒に暮らし始めると「今まで知らなかった嫌なところ」が見えてくるもの。

実親であっても、大人になってから一緒に暮らしてみると「昔は疑問をもたなかったけど、実は我が家のルールって理不尽じゃない?」と感じることもあるでしょう。

親の考え方が変化している可能性もありますね。

「離れて暮らしているからこそ、いい関係を保てている」と感じていて、同居に抵抗感を抱いている人も多いとわかりました。

6位 気をつかってストレスが溜まりそう

  • お互い気をつかうから、家にいるのにストレスが溜まってしまうのではないかと心配(20代 女性)
  • 「妻が気をつかってしまうのではないか」が一番不安(40代 男性)
  • 義両親との同居だと精神的ストレスや緊張感があるので、精神面をもっとも心配しています(50代 女性)

「気をつかってストレスが溜まりそう」が6位でした。

とくに、義両親と同居する場合や、両親が気難しい人の場合は、気をつかいそうですね。

また「親の前ではきちんとしないと」「親の目があるとダラダラできない」と感じる人もいます。

家の中でもリラックスできないと、ストレスがどんどん溜まりそうです。

同率6位 生活音が気になりそう

  • 生活スタイルが違うので、騒音トラブルなどが心配(20代 女性)
  • 二階建ての場合、若い世代のほうが就寝も遅いし、音が気になる(30代 女性)
  • 生活のリズムがまったく違うので、音などが気になりそう(40代 女性)

「生活音が気になりそう」がもうひとつの6位でした。

例えば二階建てで自分たちが上階に住んでいる場合、足音などを気にすることが多いでしょう。

時間帯によっては、玄関を開ける音や水回りを使う音が気になることも。

家族だから気にならないという人もいますが、早朝や夜間帯は気兼ねする人も多いのではないでしょうか。

8位 介護の負担が大きい

  • 親に介護が必要となったとき、ちゃんと面倒が見られるのかは不安(30代 女性)
  • 介護の負担が生じるのではと思い、不安を感じます(50代 男性)

8位は「介護の負担が大きい」です。

親と一緒に住んでいる子どもが介護を担うケースは多いです。

もちろん介護サービスは利用できますが、同居している子どもに何らかの負荷がかかることは避けられません。

近くに兄弟がいない場合には、同居している子どもだけに負担が偏り、不満をもつことも多いでしょう。

また二世帯住宅がバリアフリーでない場合、改修の費用負担なども発生する可能性があります。

まとめ

二世帯・三世帯同居をする場合には、「生活リズムの違いによるストレス」や「プライバシーの確保」を気にする人が多くなっています。

一部共有型や完全同居型だと「プライベートな空間・時間が少ない」と感じてしまいがちですが、完全分離型ならお互いのプライバシーを守れます。

また完全分離型で電気・ガスメーターの設置を工夫すれば、光熱費の負担割合を不公平感なく決められるメリットも。

ただし完全分離型は完全同居型などと比べて建築コストが高くなりやすいことには注意しましょう。

コストと生活の快適性を考慮して、間取りタイプを選ぶ必要があります。

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