庭を有効活用している人は67.4%
庭付きの戸建て住宅にお住まいの499人に「庭を有効活用していますか」を聞いたところ、「している」「まあしている」が合わせて67.4%にのぼりました。
家を購入する際に「庭のある戸建て」を選んでいる時点で、「庭を活用したい」「庭が欲しい」という思いが、多少なりともある人が多いと考えられます。
なんとなくでも庭の活用イメージがあれば、専門家に相談することで庭を活用しやすいように作れます。
専門家とは、例えばハウスメーカー、工務店、エクステリア業者、造園業者などです。
一方、有効活用できていない人の中には費用やスペースの関係でできていない人も多いと思われます。
また「子どもが小さかった頃は遊び場として活用していたけれど、子どもが独立したので使い道がなくなった」というケースも考えられます。
庭の活用方法1位は「ガーデニング」
庭の活用方法の1位は「ガーデニング(214人)」で、全体の4割強を占めました。
2位は「家庭菜園(129人)」となっています。
庭は「身近な自然」なので、庭があるなら植物を植えたくなる人も多いのではないでしょうか。
また、「庭=花や野菜を育てる場所」であり、他の使い方はあまりイメージできないという人もいるかもしれませんね。
十分な広さがあれば、「子どもの遊び場」「ドッグランなどペットが遊ぶスペース」にもできます。
庭を複数の用途で活用している人も多くなりました。
1位 ガーデニング
- 日本庭園風に砂利を敷いて、松や紅葉を植えています(30代 男性)
- ガーデニングで好きなバラを育てています(40代 女性)
- 庭木や紫陽花などの草花を植えています(60代以上 男性)
1位は「ガーデニング」でした。
「庭があるなら植物を育ててみたい」と思う人は多いでしょう。
四季折々の花がきれいに咲いている庭は素敵ですよね。
地面に植物を植える「地植え」もあれば、プランターや鉢を置いて花を育てている人もいました。
「庭があるなら地植え」と思いがちですが、土の性質によってはうまく植物が育たないこともあります。
また鉢植えなら、寒い時期には耐寒性の低い植物を室内に移動させることもできます。
2位 家庭菜園
- 「トマト」「ナス」「じゃがいも」など、小さなスペースですが家庭菜園をしています(30代 女性)
- 子どもが小さいときは庭で遊んでいましたが、5年前から、庭の半分くらいは家庭菜園用にしました(40代 女性)
- 空いたスペースは自家用の野菜畑として活用しています(60代以上 男性)
2位は「家庭菜園」です。
家庭菜園で野菜を育てている人も多数。
自分で野菜を育てるのは楽しいですし、食べる喜びもあります。
子どもと一緒に野菜を育てると、食育にもなりそうです。
「ミニトマト」「枝豆」「ナス」「ブロッコリー」「ベビーリーフ」など、初心者でも育てやすい野菜も多いですよ。
3位 子どもの遊び場
- 子ども用の遊具を置いて、公園に行かずとも遊べるスペースにしている(30代 女性)
- 子どもが遊ぶスペースとして使っている。「ハンモック」「鉄棒」「トランポリン」を置いて、自由に遊べるようなスペースにしている(30代 男性)
- ウッドデッキと子どもの遊具を置いている。夏はプール(40代 女性)
3位は「子どもの遊び場」でした。
天気が怪しくて外遊びに出るのが不安なときでも、庭で遊べるなら、すぐ家に戻れて便利ですね。
広いスペースがあれば、子ども用の遊具も設置できます。
夏にビニールプールで遊ぶのも、子どもは喜びそうですね。
4位 駐車場
- 駐車場と車のスペアタイヤを置く場所として使用しています(30代 女性)
- 車2台の駐車場(40代 男性)
- 一部を車庫代わりにしています(60代以上 男性)
4位は「駐車場」でした。
庭の一部を駐車場としているご家庭も多数。
「1人1台車を所有するのが当たり前」といった車社会の地域であれば、庭に車を置けると便利ですよね。
ただし、新たに庭を駐車場にする場合には「庭を舗装する」「塀・フェンスを撤去する」といった手間と費用がかかります。
子どもが成長したら必要な駐車場が増えると予測できる場合は、あらかじめ「庭兼駐車場」として作っておくのもおすすめです。
5位 バーベキュー
- 焼肉をするために庭を利用しています(20代 女性)
- 年間を通してバーベキューや焚き火をします(40代 女性)
- バーベキュー施設にして使っています(60代以上 男性)
「バーベキュー」が5位でした。
庭でバーベキューができるなら、わざわざバーベキュー施設に出かける必要がありません。
日よけなどがあると、より快適にバーベキューを楽しめます。
ただ庭と隣家が近い場合は、話し声や煙・臭いが原因でトラブルになることもあるので注意しましょう。
6位 駐輪場
- 駐輪場として使用している(20代 女性)
- ガーデニングを楽しむためのスペースとして確保していたが、家族が増えてからは自転車を置くためのスペースとして活用している(40代 男性)
「駐輪場」が6位でした。
お子さんが小中高生になると、複数台分の駐輪スペースが必要になることが多いです。
そのため庭を駐輪スペースにしているご家庭も多数。
ただし道路と庭の位置関係やフェンスの設置場所によっては、自転車を押しながら入りにくいことも。
将来的に駐輪スペースが必要になりそうな場合は、「自転車の置きやすさ」も考えておくほうがよさそうです。
7位 倉庫・物置スペース
- 倉庫や荷物置き(30代 女性)
- 物置をふたつおいて、収納スペースとして活用(50代 男性)
「倉庫・物置スペース」が7位でした。
屋外の収納を設けるメリットとしては、「収納力が大きい」「屋外で使う道具を収納しやすい」などがあります。
「屋外で使うものを家の中に置きたくはないけれど、雨ざらしだと劣化する」などの場合に、屋外収納があると便利でしょう。
最近ではおしゃれな物置も多いですし、新築時に家の外観に合わせて作ってもらうことも可能です。
8位 ペットのためのスペース
ペットのためのスペース」が8位でした。
とくに愛犬用のスペースとして活用している人が目立ちました。
大型犬を飼いたいから庭付きの家が欲しいという人も多いですよね。
庭をペットが走り回る場所として使うなら、水栓やトイレスペースも設けておくと便利です。
建築段階で、ペットが家から庭に出るときの動線も考えておくとよいですね。
9位 洗濯物干し
- 洗濯物を干すスペースとして活用しています。日当たりが良く、風が通り抜けるので、洗濯物がよく乾きます(20代 男性)
- 洗濯物を日当たりのいい環境で干せる(30代 女性)
9位は「洗濯物干し」です。
布団などの大きなものを干すとき、庭に干せると便利。
1階に洗濯機がある場合には、濡れた洗濯物を2階に運ぶよりも、庭に干す方が楽なこともあるでしょう。
雨を気にせず干したい場合は、テラス屋根があると便利です。
洗濯物を干すスペースの周りに目隠しフェンスを設ければ、視線も気になりません。
10位 憩いの場
- 天気の良い日には、庭で読書をしたりお茶を飲んだりして、リラックスしています(20代 男性)
- イスとテーブルを置いて、気分を変えて外でティータイムを過ごす(50代 女性)
「憩いの場」が10位。
庭に屋外用のテーブルやイスを置いて、くつろぎスペースにしている方もいます。
例えば在宅勤務の合間に外でお茶休憩すると、かなり気分転換になりそうですね。
屋外に置くテーブルやイスは、持ち運びしやすいものや、耐久性の高いものを選ぶのがおすすめです。
庭の悩みは「庭木・草の手入れが大変」
庭に関する悩みの圧倒的1位は「庭木・草の手入れが大変(316人)」でした。
2位は「動物が侵入する(65人)」、3位は「虫が発生する(60人)」と害獣・害虫被害が続きます。
庭のメンテナンスで悩んでいる人が圧倒的に多いとわかります。
メンテナンスを外注すれば手間は減りますが、お金がかかってしまいますから「大変でも自力でやる」という人も多いのではないでしょうか。
1位 庭木・草の手入れが大変
- 広いので、雑草が生い茂ると手入れが大変です(30代 女性)
- 木があるので、落ち葉の掃除が大変です。集めるのもゴミとして出すのも大変(50代 女性)
- 雑草を抜いたり刈ったりするのが大変。先週刈ったのに今週にはまた伸びています(60代以上 男性)
1位は「庭木・草の手入れが大変」でした。
砂利を撒いたりシートを敷いたりして対策しても、雑草が生えてくることはあります。
暑い季節や広い庭だと草抜きが大変で、「年齢が高くなってくるととくに大変だと感じる」という声もありました。
また木を植えている場合は、剪定や葉が落ちたときの掃除も必要です。
手入れを怠っていると、隣家の敷地まで枝が伸びたり、雑草や落ち葉が隣家の敷地内に入ったりして、苦情を言われてしまうこともあります。
2位 動物が侵入する
- 野生動物が花壇に植えた球根を食べてしまいます(20代 女性)
- 地域猫がフンをしていく(30代 女性)
- 猫が庭に入って池の鯉に悪さをします(40代 男性)
2位は「動物が侵入する」です。
「野良猫や野生動物に庭を荒らされる」「庭にフンをされる」という被害が多数報告されました。
大切に育てた花や野菜を荒らされてしまうと、ガックリしてしまいますね。
猫や鳥のフンに悩んでいる人も多くなっています。
動物対策としてトゲのついたマットなども売られていますが、「置くと見た目が悪くなるから嫌だなあ」と悩んでいる人も多いようです。
3位 虫が発生する
- ハチが多く、巣ができる(30代 女性)
- ムカデが繁殖しやすい(40代 女性)
- カメムシが発生しやすくて、毎年駆除が大変です(60代以上 男性)
3位は「虫が発生する」でした。
庭には「アリ」「カメムシ」「ハチ」などの虫が集まってきます。
雑草や落ち葉が虫の住処になったり、水たまりが産卵場所になったりするからですね。
スズメバチやヒアリなど、人にとって危険な虫が発生すると、怖いですね。
対処法としては殺虫剤などがあるものの、「子どもやペットが遊ぶ場所でもあるので、あまり殺虫剤は撒きたくない」と考え、対応に苦慮する人も多いようです。
4位 日当たりが悪い
- 日当たりが悪いので、ゴーヤを植えたときは全然育たなくて収穫できなかった(30代 女性)
- 秋冬になると日当たりが悪くなるので、作物が育たない(40代 男性)
- 玄関側の日当たりが悪く、きのこが生えてくる(40代 女性)
4位は「日当たりが悪い」でした。
建築時に建物の日当たりを優先すると、庭の日当たりが悪くなってしまうこともあります。
日当たりが悪いと家庭菜園をしていても作物が育ちにくく、芝生も定着しにくくなります。
日当たりの悪い庭に植物を植えたい場合は、ヒューケラやシダなど、耐陰性の高い植物を選びましょう。
ただし悩みとして「日当たりが良すぎて暑いし、雑草が伸びやすい(13人)」も9位に入っているので、日当たりは良すぎても悪すぎても悩みの種になるようです。
5位 水はけが悪い
- 水はけがあまり良くなくて、水がずっと溜まっている(30代 女性)
- 水はけの悪い部分があって、水たまりができます。雨が長く降った日は、ジメジメとした感じが残り、心地が悪いときもあります(40代 男性)
- 水はけが悪く、芝生が定着しない(50代 男性)
「水はけが悪い」が5位でした。
水たまりが残ると、蚊をはじめとした虫の発生が気になりますね。
また水はけが悪いことで湿気が抜けず、庭が心地よい空間にならないケースもあるようです。
水はけが悪い原因は「排水システム・排水先がない」「庭が平らではない」「土が粘土質」などさまざまです。
原因がわかればDIYで対処できることもありますが、深刻な状況なら造園業者・エクステリア業者などに相談しましょう。
6位 狭くて使いにくい
- 狭いので子どもが遊びづらいことです(30代 女性)
- もう少し広ければ、もっと野菜を作れるのに…(60代以上 男性)
狭くて使いにくい」が6位でした。
庭が狭くて、思ったように活用できていないご家庭も多いようです。
例えば「子どもやペットが遊ぶには狭い」「駐車したら、他のスペースが残らない」などですね。
また形についても「縦長なので、駐車するにしても使いにくい」などの声がありました。
庭のスペースをとるときに、庭をどう使いたいのかをしっかり考えておく必要がありそうです。
7位 プライバシー面で不安
- 近所から丸見え(20代 女性)
- 塀が低いので、隣家や道路からすぐ見えること(30代 男性)
- 道路に面しているので、車に乗っている人から見られている気がする。けれどフェンスで完全に見えなくすると空き巣に入られやすくなると思い、悩んでいます(30代 男性)
「プライバシー面で不安」が7位でした。
「フェンス・塀」「カーポートの位置」なども含めたエクステリア全体のお悩みといえますね。
「フェンスが低い」「オープン外構」などの場合、周囲からの視線が気になることもあります。
木で目隠しすることも可能ですが、「目隠し用の木が理想の状態に育つまで時間がかかる」というケースもあるでしょう。
開放感を残しつつプライバシーにも配慮したい場合は、見せる場所と見せない場所を作る「セミクローズ外構」も検討してみることをおすすめします。
まとめ
庭の活用方法としては、パッと思いつく「ガーデニング・家庭菜園」のほか、「子どもやペットの遊び場所」「駐車・駐輪スペース」などがあります。
動線によって庭にアクセスしにくくなったり使いにくくなったりするので、建築時に庭をどう使いたいかを考えておきましょう。
また植栽がきれいだと素敵ですが、「草抜きや剪定」「植物に寄ってくる虫・動物の対策」も必要であることは考慮しておきたいですね。
なおアンケートからは、ライフステージによって庭の活用方法が変化していくこともわかりました。
「車を手放したら、スペースが余る」「犬を飼い始めたから、ドッグランが欲しい」などのケースもあるでしょう。
上記のような場合に必要に応じて庭をリフォームすることで、より使い勝手の良い庭になります。
家族構成やライフステージが変わるときには、建物だけではなく庭のリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。