引っ越し中のトラブル1位は「荷物の破損・傷」
引っ越し経験者521人に「引っ越し中に経験したトラブル」を聞いたところ、1位は「荷物の破損・傷(148人)」、2位は「時間が予定通りに進まない(101人)」でした。
3位「旧居・新居に傷がついた(49人)」と4位「搬出入できない荷物がある(35人)」は、主に大型家具・家電の搬出入に関わるトラブルです。
引っ越し作業のメインである荷物の搬出入に関わるトラブルが多数。
また「近隣住人からクレームが入った」「追加料金の請求」など、業者や隣人とのトラブルが起きた人もいました。
1位 荷物の破損・傷
- 引っ越し業者に頼まずに、家族のみで引っ越しをしました。テレビを運び入れる際、手が滑ってしまい、液晶が割れて壊れてしまったことがありました(30代 女性)
- 業者がこたつを落とし、天板が割れた(40代 男性)
- ガラステーブルが粉々に割れた(50代 女性)
1位は「荷物の破損・傷」でした。
引っ越し業者が落としたなど業者に責任があるケースも、自分で引っ越ししていて破損してしまったケースもありました。
破損の理由は「手が滑って落とした」「梱包が甘かった」「大型家具の分解に失敗した」などです。
「ガラス製の家具や食器が割れた」というケースが多く見られたほか、電子ピアノやビデオデッキなど家電の破損・故障の体験談も複数寄せられました。
2位 時間が予定通りに進まない
- 午前中に終了する予定でお願いしていたのに、予定の時間に遅れられた。さらに話が長かったので、「午後から仕事なんです」と告げて急いでもらった(20代 女性)
- 業者さんが時間より早く来てしまい困った(30代 男性)
- 引っ越し業者が掛け持ちで、自分たちの前の引っ越しがスムーズに進まず、トラックが遅れてやってきたことがあった(50代 男性)
2位は「時間が予定通りに進まない」でした。
多かったのは「引っ越し業者が時間通りに来ない」という体験談です。
繁忙期や土日の場合、引っ越し業者は1日に何件も搬出入作業を行うため、前の作業が遅れると到着時間が遅くなります。
また引っ越し業者の作業ペースが遅かったり、道が混んでいたりして、予定通りの時間に引っ越しが終わらなかったケースもありました。
3位 旧居・新居に傷がついた
- 引っ越し業者が壁に汚れをつけた(30代 男性)
- 家財道具を家に搬入する際、床を家具で傷つけられてしまいました。業者さんからは「家の荷物搬入口が狭いから」と言われてしまいました(40代 女性)
- 引っ越し業者さんが新居に掃除機を運んだときに、床に落とされました。掃除機は無事でしたが、床が少し傷つきました(50代 女性)
3位は「旧居・新居に傷がついた」です。
搬出入時に家具家電が床・壁にあたると、傷や汚れがつくことがあります。
傷の原因になった家具家電としては、冷蔵庫・洗濯機・ソファ・ピアノ・ベッドなど大きなものが多くなりました。
その場で気づいた人もいましたが、なかには業者からの申告がなく、引っ越し業者が帰ってから気づいたという声も寄せられています。
4位 搬出入できない荷物がある
- 玄関の広さなどは確認していたけれど、実際には家具が玄関から入らなかった(20代 女性)
- 玄関の大きさを考慮していなかったため、冷蔵庫が玄関から搬入できなかった(30代 男性)
- 引っ越し先のエレベーターが思いのほか狭く、マットレスが入らなかった(40代 男性)
「搬出入できない荷物がある」が4位でした。
「玄関やエレベーターが狭い」「階段を通れない・踊り場で回れない」などの理由で、大型の家具家電を搬入できなかったケースも多数。
搬出入できなかった家電としては、冷蔵庫・洗濯機・ベッドが多く挙げられました。
玄関から搬出入できない場合には、窓やベランダなどから搬出入することがあります。
また室内には入れられたものの、予定していた場所に設置できなかったケースもありました。
5位 荷物の紛失
- ベッドを一度分解して新居で組み立て直してもらったときに、業者さんがネジを1本紛失してしまった(30代 女性)
- 預けたはずの荷物の一部が行方不明になったことです。家具のひとつが行方不明になってしまい、見つかりませんでした(40代 男性)
- 引っ越した後になって、私の荷物から高価なアクセサリーだけがなくなっていることに気が付いた。しっかりケースに入れていて、かつケースは残っていたので、落としたのではないと思う(40代 女性)
5位は「荷物の紛失」です。
「分解した家具の部品がひとつなくなり、再組み立てできなくなった」という体験談が目立ちました。
一方で「夏服がごっそりなくなった」「段ボールが一箱ない」など、比較的大きなものがなくなってしまったケースもあります。
高価なゲーム機やアクセサリーが紛失し、手伝ってくれた知人や、玄関前に置いていた荷物に触れる機会があった隣人を疑っている人もいました。
6位 近隣住人からのクレーム
- 引っ越しの足音などがうるさかったらしく、階下の住人からクレームが入りました。防音シートを引くなどのオプション対策を行ったことで、費用がかかりました(20代 女性)
- マナーの悪いバイトさんが大声でゲラゲラ話したため、マンションの管理人から注意された(30代 女性)
- 引っ越し業者の車の駐車場所が悪いと、近隣からクレームがあった(50代 男性)
6位は「近隣住人からのクレーム」でした。
クレームの内容は「音がうるさい」「引っ越し業者の態度が悪い」「トラックが邪魔」など。
搬出入にともなって音はどうしても出てしまうものですが、防音シートを敷くなどの配慮は可能です。
7位 追加料金を請求された
- 契約時に提示された値段とは別に、当日に高速道路代をプラスで請求された(30代 女性)
- 「部屋内にある全ての荷物を運ぶ」という条件で見積もりしてもらったのに、当日集荷にきたスタッフから「見積もりに入っていない荷物がある」と言われ、追加で3万円請求された(30代 男性)
「追加料金を請求された」が7位です。
契約や見積もりにはない料金を請求されたと、不満を覚えた人もいました。
追加料金がかかった項目は「高速代」「荷物が予定量を超えている」「養生マットは別料金」「家電の設置料金」「ゴミ捨て代」などです。
数万円単位で追加料金がかかった人もいて、釈然としない気持ちを今も抱えていることが伺えました。
引っ越し中のトラブルへの対処法は「引っ越し業者に連絡・対応依頼」
引っ越し中のトラブルへの対処法としてもっとも多かったのは「引っ越し業者に連絡・対応依頼(206人)」です。
荷物の破損・紛失や遅刻など、引っ越し業者とのトラブルが多いことから、引っ越し業者に連絡を入れる人が多いのは納得です。
一方で、2位「何もしない・そのまま(107人)」、3位「自力で対応(103人)」もそれぞれ100票以上を集めていて、トラブルがあっても業者に連絡しない人も多いとわかります。
1位 引っ越し業者に連絡・対応依頼
- 退去する物件の壁紙に傷をつけられた。引っ越し業者へ連絡し、修繕費用を負担してもらった(30代 女性)
- 業者が引っ越しの日を間違えていて、スタッフが来ませんでした。何度も連絡して、今日中に来てほしいと伝えました。業者のミスなので、早急に手配しますとの返事でした(40代 女性)
- 引っ越し業者側のトラブルで荷物の到着が1日遅れた。違約金を支払ってもらったのと、ホテルに一泊する費用を払ってもらった(50代 男性)
1位は「引っ越し業者に連絡・対応依頼」でした。
荷物の破損・紛失や室内の傷、作業の遅れなどについては、引っ越し業者に連絡する人が多数。
「破損や傷について、弁償してもらったケース」「作業開始が遅くなったので、スタッフを増員して作業してもらったケース」もありました。
一方で連絡したのに対応してもらえず、泣き寝入りになった人もいました。
2位 何もしない・そのまま
- 仕上がりが適当だった。スタッフが威圧的だったので怖くて何も言えず、「もう二度と頼まない」と思った(30代 女性)
- 追加料金を請求されたが、当日のことで時間がなかったため、泣き寝入り。後日クレームを入れようかとも考えたが、遠方になり「担当者に連絡つきません」と言われるのがオチだろうと思い、そのままにした(30代 男性)
- 食器の破損があり、壁に薄い傷がつきました。知り合いの業者さんだったので、何も言いませんでした(50代 女性)
2位は「何もしない・自力で対応」でした。
何もしなかった理由は「クレームを入れるほどのことでもないと思った」「梱包が不十分で破損したなど、自分にも責任があった」などです。
また「急いでいたので」「面倒だった」という理由も目立ちました。
引っ越しでバタバタしているときなので、少しの傷なら「まあしょうがないか」と諦める人も多いようです。
3位 自力で対応
- 「契約と違うから」と運んでくれない荷物があった。業者はいくら言っても聞いてくれなかったので、自ら何回も往復して運んだ(30代 女性)
- 養生せずに搬出され壁紙に傷がついた。搬出時以外の傷もあったので、敷金を断念(40代 女性)
- 家具輸送用の防護板が外れ、大雨にさらされてしまい、かつ泥が付着した。家具の表面だけだったので、クリーナーを使用して汚れを落としてコーティングもしておきました(40代 男性)
3位は「自力で対応」です。
自力で対応した理由は「自分でも対応できる範囲だったから」「自分にも責任があったから」などでした。
また、自力での引っ越しで発生したトラブルであれば、自分で対応するしかありません。
4位 その場で指摘
- 「午後から仕事を入れているから午前中に終わるようにお願いしていたのですが」と正直に告げて急いでもらった(20代 女性)
- 非常識なスタッフさんがいた。業者のリーダーさんに話した結果、彼女は先に帰りました(30代 女性)
- 梱包していたお皿が割れていました。その場で引っ越し業者に見せました(50代 女性)
「その場で指摘」が4位でした。
引っ越し作業に立ち会っており、トラブルを見つけたときに即引っ越し業者に伝えた人も多くなっています。
その場で対応案を提示してもらえて、安心できた人もいました。
5位 家族・友人に頼る
- 荷物を全部運んだつもりだったけど、引っ越し先で箱を開けたら欠品が何点かありました。宅配便で両親に送ってもらいました(30代 男性)
- 引っ越し直前に子どもが入院、その後私自身もインフルエンザになり、当日はほぼ動けずの状態。他の家族に当日の引っ越し対応を行ってもらった(40代 女性)
- 荷造りの時間が足りませんでした。親戚に手伝ってもらい、かろうじて荷物集荷には間に合わせました。手伝った親戚は私の持ち物の数に呆れていた模様でした(40代 女性)
5位は「家族・友人に頼る」です。
「時間がずれてしまい、業者の対応ができない」「荷造りや荷解きが間に合わない」といった場合に、家族や友人の力を借りた人もいます。
ファミリーでの引っ越しや、近隣に親戚や友人がいるときに使える方法です。
引っ越し中のトラブルを避けるためにしたほうがいいことは「業者とのこまめな連絡」
ご自身のトラブル経験から学んだ「引っ越し中のトラブルを避けるためにしたほうがいいこと」を聞きました。
その結果、圧倒的1位は「業者とのこまめな連絡(130人)」でした。
2位「引っ越し前後の状態をチェックする(62人)」、3位「余裕あるスケジュール(60人)」、4位「慎重な業者選び(57人)」が続きます。
トラブルを予防するためには、「業者とのこまめな連絡」「梱包」「採寸」「養生」などが重要となります。
またトラブルをスムーズに解決するためには、「引っ越し前後の状態を記録に残す」「補償制度がしっかりしている業者を選ぶ」といった工夫が有効です。
1位 業者とのこまめな連絡
- しっかりと事前に時間や作業内容を確認しておくことです(30代 男性)
- 絶対に壊してほしくないものは、念入りに扱い方を含めて伝える(30代 女性)
- 営業担当者と、引っ越し当日のことについて、お互いに細かくすり合わせ、チェックすることが大事だと思います(40代 女性)
1位は「業者とのこまめな連絡」でした。
より具体的には、「契約内容をよく読み、わからないことがあれば事前に聞く」「作業開始が遅れたときの対応を決めておく」などの回答が寄せられました。
契約内容をよく確認して不明点を潰しておけば、予期せぬ追加料金発生などのトラブルを防ぎやすくなります。
またトラブルが起きたときの連絡方法や対応を決めておくと安心です。
当日の作業開始時に、「新築なので壁に傷をつけないよう、気をつけてください」などの注意喚起をすることで、トラブルを予防できるのではと考えている人もいました。
2位 引っ越し前後の状態をチェックする
- 箱に入れる前に、物の写真を撮っておくこと(20代 男性)
- 業者が入る前に、傷がつきそうな角や壁の写真を撮っておくこと(30代 女性)
- 業者が帰る前に、大型家電や家具の破損がないか、確認することを忘れない(50代 女性)
2位は「引っ越し前後の状態をチェックする」でした。
「荷造り時の荷物の状態」「搬出入前の壁や床の状態」を写真などで残しておくことをおすすめしてくれた人が多数。
破損や傷があったときの証拠になるからです。
また「業者が帰る前に、傷や破損がないか一緒にチェックする」という工夫も寄せられました。
荷物を紛失した経験がある人からは、「段ボールの数をメモしておく」という回答も寄せられています。
3位 余裕あるスケジュール
- 何があるかわからないので、時間に余裕をもっておくことは大切だと思う(30代 男性)
- 早めに動くことです(40代 女性)
- 時間に余裕をもっておくことです。トラブルになったときの挽回策を想像しておくのがいいと思います(60代以上 男性)
3位は「余裕あるスケジュール」です。
朝一番の引っ越し作業でない場合は、引っ越し業者の作業開始時間がずれることも多々あります。
そのため、時間に余裕をもっておくことが重要だと感じている人も多くなりました。
当日だけではなく引っ越しに向けて余裕のあるスケジュールを組んでおけば、荷造りなどで焦ることもありません。
4位 慎重な業者選び
- 口コミとかをよく調べて比較して、信頼できるところにお願いする(20代 女性)
- 安いからと便利屋みたいな業者に頼んだら失敗したので、慣れた引っ越し会社に頼むべき(50代 男性)
- 最低限2社以上の見積もりはすべきだった。相手の言い値で決めたかたちとなり、後になって詰めが甘すぎたことを反省した(50代 女性)
「慎重な業者選び」が4位でした。
口コミなどで評判を調べて、引っ越し作業に慣れている業者を選ぶことがポイントだと考えている人も多くなりました。
口コミのほか、見積もり担当者の人柄を比較ポイントに挙げた人も。
また相手の言い値で決めたことを後悔していて、「相見積もりして選んだほうがいい」と答えた人もいます。
「パソコンは、引っ越し業者とは別の専門業者を使ったほうがいい」という人もいて、荷物によって業者の使い分けを検討する必要もあるとわかります。
5位 丁寧な梱包
- 梱包材を多めに詰めること(20代 男性)
- 簡単に開け閉めできる衣装ケースは、ガムテープなどで開かないように固定しておく(30代 女性)
- 緩衝材を多めに用意して、割れて困るものは業者用の梱包材を使ったほうがいいと思います(50代 女性)
5位は「丁寧な梱包」でした。
梱包材や緩衝材を惜しみなく使って、荷物の破損を予防することをおすすめしてくれた人も多数。
また衣装ケースなどは、運搬中にケースが開かないようテープでとめておくのも大切です。
割れ物については「お皿が割れにくい専用運搬ボックス」を提供してくれる引っ越し業者もありますので、利用を検討してみるのもいいでしょう。
6位 家具家電・搬入経路の採寸
- 事前に収納スペースを測ったうえで、引っ越し前にシミュレーションしておくべきだったと反省しました(20代 男性)
- 大型の家具家電がある場合には、設置場所を測るだけではなく、扉を通せるかも測っておく必要があると思いました(30代 女性)
- さまざまな寸法を正確に測り、メモしておくことは重要だと思いました(50代 男性)
6位は「家具家電・搬入経路の採寸」です。
家具家電そのものだけではなく、搬入経路の幅や高さを採寸しておくことも重要だという意見が多数。
玄関を通れそうにない場合には、ベランダや窓のサイズも測っておくといいですね。
7位 段ボールに行き先・内容をメモ
- ガムテープの色分けや段ボール箱への記載などで、各荷物をどの部屋に置くのかわかるようにする(20代 男性)
- 段ボールの外側に、中身を詳しく書いておく。「その他」と書くと、開けるまで何が入っているかわからなくなって、探すのに時間がかかります(60代以上 女性)
「段ボールに行き先・内容をメモ」が7位です。
段ボールがたくさんあると、どれに何が入っているかわからなくなることもあります。
新居で必要なものを探し回った経験があり、「段ボールに中身や行き先(部屋)をメモしておくのが大事」と感じた人もいました。
例えば中身は「本」で、行き先は「寝室」といった書き方ができます。
まとめ
引っ越しでは「荷物の破損」や「旧居・新居の傷」といったトラブルが起きやすくなります。
引っ越し業者を利用した場合は補償を受けられるケースがありますので、破損や傷に気づいたら、早めに業者へ連絡しましょう。
また時間に関するトラブルも多く寄せられましたので、引っ越し当日や翌日は、余裕をもったスケジュールにしておくのがおすすめ。
トラブルが起こることを想定して、トラブル発生時の対応を事前に確認しておくことも大切です。