賃貸物件を決めるまでに内見した件数は平均3.0件
自分の生活の拠点となる物件を選ぶなら、なるべく自分の希望条件に合致した住み心地のいい物件を選びたいものです。そんな心理を裏付けるように、アンケートの結果で最も多かった内見件数は「3件」と、全体の35.4%、3人に1人にあたります。
第1希望、第2希望の物件を押さえつつ、比較材料としてもう1件保険として見ておこうという意識が働いているようです。
3人に1人は2件以下
次いで「2件」が72人(17.5%)、「1件」が69人(16.7%)と、ある程度候補を絞った上で内見している人も多いようです。
自分の希望に添った物件が見つかり、その確認のため内見するケースの他、時間が限られた中で内見するため、物件を絞る傾向もあるようです。
3人に2人は3件以上を内見
一方で、なるべく多くの物件を内見したいという方も一定数いて、「4件」が55人(13.3%)、「5件」が35人(8.5%)、中には「6件以上」という猛者も35人(8.5%)いました。
実際、3人に2人(65.8%)は3件以上内見したということから、内見の手間をかけてでも、希望に合う物件を探したいという心理がうかがえますね。
内見の際、住居を選ぶ決め手となったポイントは「間取り」が6割強
物件を選ぶ際、様々な条件の中からみなさんはどんな点を重視しているのでしょうか。
今回のアンケートでは、物件選択の決め手となったポイントを3つ答えてもらいました。
最も多かった意見は「間取り」
決め手となったポイントとして最も多かった意見は「間取り」で、全体の62.9%の259人が重視していました。「部屋の広さ」や「部屋数」「バス・トイレが別」であることなどを重視している人が多いようです。
それぞれのライフスタイルに合った「間取り」の物件を選ぶことは、快適な暮らしの実現に直結しますので、特にポイントが高かったようです。
「立地条件」「家賃」も高ポイント
2番目に多かった意見が「立地条件」で、半数の213人(51.7%)が決め手として挙げています。「駅からの近さ」や「職場への距離」など、特に交通の利便性を重視する傾向があるようです。
今回は回答者の居住エリアについては回答項目に含めていませんが、比較的大都市部に居住する人が多い印象があります。
3番目に多かったのが「家賃」で、148人(35.9%)が重視しています。間取りや立地、築年数などの条件に見合った家賃か、そのバランスを強く意識しながら、より理想に近い物件を決めている傾向があるようです。
「周辺環境」という回答も136人(33.0%)から寄せられました。スーパーやコンビニなど買い物の利便性、公園や保育園が近いなど、生活のしやすさにポイントを置いている人が多いようです。
「設備」と答えた人は117人(28.4%)。キッチンの使いやすさやオートロックなどの防犯設備、浴室乾燥など、設備関係には女性の強いこだわりが垣間見える意見が多かったようです。
同様に、「清潔さ」80人(19.4%)や「日当たり」60人(14.6%)、「収納スペース」29人(7.0%)なども、女性の意見を強く反映しているものに見受けられます。
その他、「ペット可」25人(6.1%)や「駐車場」25人(6.1%)、「庭付き」5人(1.2%)、「戸建て」5人(1.2%)などは、特定の条件を満たす物件を探していた方の意見と考えられます。
1件あたりの内見時間の平均は27.7分
内見に行った時は、どのくらいの時間をかけて物件をチェックしているのでしょうか。アンケートの結果で最も多かったのは、「30分以内」で、215人(52.2%)とほぼ半数にあたります。
さらに「15分以内」という方も145人(35.2%)で、なんと9割近い人が30分かからずに内見を終えていました。1件あたりの平均内見時間は27.7分で、やはり複数の物件を見て回るとなると、ある程度の時間で切り上げないという心理が働くのかもしれません。
1時間以上はごく少数
アンケートでは、第一印象や雰囲気で物件を決めたという声も寄せられました。
短い内見時間で物件を決めると、見落としも多くなりがちですので「実際に住んでからこんなはずじゃなかった」ということも起こりがちです。
ごく少数ですが、1時間以上かけて徹底的に内見している方もいました。
実際に住んでからわかった不満は「住居設備」と「騒音」が約3割
「設備」は内見でチェック漏れ多し
大恋愛の末、永遠の愛を誓って結婚。でもいざ一緒に住み始めて生活を共にしてみると、それまで見えていなかった相手のアラが見えてきて幻滅…なんて話、結婚あるあるでよく聞きますよね。
実は住居物件も同じなんです。気に入った物件への入居が決まり、家財道具を部屋に運び込んでいざ住み始めてみて初めて「あれ?ちょっとイメージと違うぞと。」と感じることもあるようです。30分程度の短時間の内見だけでは、結構見落としも多いものです。
また、内見する際は日中の時間帯に行うケースが多いと思いますが、日中は仕事や学校などで他の入居者が不在だったり、周辺の環境も昼と夜とでがらりと表情が変わったりするので注意が必要です。
アンケートで最も多かったのが「設備」で、131人(31.8%)が不満を訴えています。
いろんな不満が寄せられましたが、ぱっと見ではなかなか気付きにくい部分が多いようです。
機能や使い勝手など重視する設備については、しっかりと確認することがトラブル防止のカギとなりそうです。
内見の時間帯ではわからない「騒音」
次いで多かったのが「騒音」で、110人(26.7%)が不満を感じています。
壁が薄く、隣人の生活音が気になるという不満が多かったようです。隣だけでなく、上階や下階の音が気になるという意見も一定数ありました。
内見は基本的に日中の時間帯ですので、他の入居者が仕事や学校などで不在なことが多く、実際に住んでみてから“音”に気付くケースが多いようです。
「周辺環境」も見落としがち
「周辺の環境」と答えた人は67人(16.3%)。
やはり内見の時間帯ではわからない“夜”の街の表情や、生活してみて不便さに気付くケースが目立ちます。「隣人トラブル」に悩まされた人も60人(14.6%)で、こちらも事前にはわかりにくい部分です。
入居前にはなかなかチェックしにくい部分ですが、気になる人は時間帯を変えて、夜の時間帯の物件周辺の様子を確かめたり、個人的に再チェックしてみることも必要かもしれません。
また、その他の意見で意外と多かったのが「日当たり」で23人(5.6%)。日当たりが悪いという不満はもちろんですが、そのうち10人は「日当たりが良すぎて暑い」という不満を訴えています。
日当たりがいい物件は好条件ですが、場合によってはマイナス面にもなりかねないため注意が必要です。
その他、「湿気・カビ」のトラブルや、「虫」が出て困ったという苦情など、ある程度長い期間住んでみないとわからない不満もあるようです。
内見でチェックできる部分には限界がありますが、自分にとってこれだけは譲れない、これが特に気になるという点については、不動産業者への問い合わせや周辺の住民の評判など、情報を積極的に収集しておくことが、後々のトラブルを防止するためのポイントとなります。
まとめ
今回は「内見」の際にきちんとチェックすべきポイントについて、アンケートの結果をもとにご紹介しました。物件を探す際は、平均3件内見し、1件あたり平均30分弱の時間をかけていることがわかりました。
また物件を選ぶ決め手となったポイントとして、6割強の人が「間取り」を挙げていました。立地や家賃などの条件がある中、少しでも快適に暮らせる物件を選びたいという意識が、感じられる気がします。
また、カップルや夫婦、単身、ファミリーなど、居住形態は様々ですが、アンケート結果全体を通して改めて感じたのは、物件を選ぶ際に大きな権限を持っているのは「女性の意見」だということです。
キッチンの使い勝手や収納スペースへのこだわり、虫発生への拒否感などなど。世の男性のみなさん、女性の意見をきちんと聞かず、勝手に物件を決めてしまうことこそが、後々最大のトラブルになりかねませんのでくれぐれもご注意を。
このアンケート結果を参考に、皆さんが満足できる「一期一会」の物件に巡り会えることを願っています。