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私道持分がない土地を売る際にトラブルを避ける為に知っておきたいこと

私道持分がない土地を売る際にトラブルを避ける為に知っておきたいこと 再建築不可

2019年10月に長崎県で私道閉鎖の話が話題に上がりました。
テレビで大々的に報道されましたので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

長崎県内の古い分譲地内で、新たに道路所有者になった不動産管理会社が地域住民に対して私道の通行料を求め、支払いを拒絶されたことで私道の入り口を閉鎖するというものでした。

私道・立ち入り禁止

住民側は通行妨害の禁止と妨害物撤去を求める仮処分の申し立てを行い、不動産管理会社との間で係争中となっています。

私道の問題は法律的にも複雑で論点が多いトピックですので、この記事では私道持分について、特に私道持分とは何か?売買する際のポイントなどについて解説していきたいと思います。

私道持分について理解を深めていただき、土地売買時にトラブルなく進められるようにしましょう。

私道の基礎知識

私道は個人や団体等が所有している道路で、通行許可の権限も原則、私道の所有者にあります。

一方、国や各自治体が所有・管理を行っている道路が公道です。

公道と私道

この私道ですが、建築基準法で以下の3種類が定められています。

①42条1項3号(既存道路)
②42条1項5号(位置指定道路)
③43条2項(2項道路)

ここでは、3種類の私道について解説していきます。

①42条1項3号(既存道路)

既存道路とは、建築基準法上の道路と規定されているもので、幅員4m以上の道路です。
公道・私道に関わらず適用されます。

建築基準法が施行された1950年当時、都市計画区域内および準都市計画区域内に存在したものに加えて、施行後に都市計画区域に編入された地区では、編入された日に所在している幅員4m以上の道路も含みます。

国や都道府県・市町村が認定・管理している国道や県道はここには含まれません。

42条1項3号

②42条1項5号(位置指定道路)

位置指定道路は一定の基準適合する私道で、土地の所有者が築造する幅員4m以上の道を指します。

土地の所有者は、特定行政庁(都道府県知事や市町村長等)に申請し、位置の指定を受けることとなります。

建築基準法上の道路として、敷地接道義務、道路内建築制限などの規定が適用されます。

道路の築造後に公道へ移管された位置指定道路もありますが、その場合は私道ではなく行動扱いとなります。

42条1項5号

 

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③43条2項(2項道路)

2項道路は、建築基準法施行時にはすでに建築物が建っており、接している道路が幅員4m未満のものです。

同法規定によって「道路とみなす」とされているため「みなし道路」とも呼ばれます。

建築基準法第43条では、建築物の敷地は「建築基準法上の道路」に2m以上の長さで接していなければならないと定められており、建築確認申請が必要な増築・建て替え時に中心線から2mの位置までセットバックする必要があります。

43条2項

私道持分とは何か?

私道持分とは、道路(私道)に接している土地所有者が、各々その道路に対しての持分がある状態を指します。

私道は、その所有者および所有者が認めた人のみが利用できる道路のため、私道持分が無い者は通行することができません。

一方、対象地に接する道路が公道ではなく私道であり、接する私道の持分が付随していない場合をいわゆる「私道持分なし」と呼びます。

住宅と外部の往来には、第三者の所有地を経由する必要があります。

 

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私道持分の有無の確認方法

私道持分の調べ方は、公図を利用します。

公図とは、土地の大まかな位置や形状を表した図面で、登記所もしくはインターネットで申請することで閲覧が可能です。

私道であれば公図に地番が記載されていますので、その地番の登録事項証明書(登記簿謄本)を取得して私道持分に関する内容(私道の所有者や持分割合など)を確認することができます。

 

公図とは

共有私道の種類

所有者が複数いる共有私道は、その権利の分け方で以下の2つに分類されます。

①共同所有型
②分割型

以下、それぞれについて解説していきます。

①共同所有型

私道全体を複数人で所有する方法で、建物の共有名義のように、所有者はそれぞれ持分割合を持ちます。

1つの私道を8戸の住宅で共有している場合、それぞれの敷地面積に応じた私道持分となります。

共同所有型私道は民法第249条の共有規定が適用され、保存・管理・変更(処分)などについての内容や要件が細かく定められています。

例えば、8戸の住民が当該私道を通行することは、保存(現状を維持する行為)にあたり、他の所有者の承諾を得ることなく可能となります。

この中で特に係争事案になりやすいのが、「変更(処分)」で、上下水道管やガス管などの工事を行うためには私道所有者全員の掘削承諾が必要となります。

1人でも反対がいると工事はできないため、係争になることがしばしばありますので注意が必要です。

②分割型

分割型は、私道を所有者の数で分筆する方式で、敷地の目の前の私道部分を共有するのではなく、離れた位置にある敷地を所有します。

というのも、敷地とつながっていると、私道部分に駐輪・駐車し、通行の邪魔となることがありますので、通行妨害を予防するための措置です。

分割型の場合、公道に出る際に第三者の土地を通ることになりますので、通行料(無料であっても)などを明確に定める必要があります。

分割型は敷地の所有者が明確になりますので、トラブルに発展しやすい傾向にあります。

開発業者によっては、公道に近い宅地は付随する私道の所有権を公道と離れた場所の道路の所有権とするなど、トラブルを未然に防ぐ工夫をしていたりします。

共同所有型と分割型

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私道持分なしの特徴

ここまで、私道持分についてまとめてきました。

ここからは私道持分なしの場合の特徴について解説していきます。

通行の承諾が必要

私道持分なしとは、その土地に接する道路が公道ではなく、接する私道の持分が付随していない状況を指します。

住宅と外部の行き来の際は、第三者の土地を経由する必要がありますが、その際、通行の承諾を得る必要があります。

基本的には、前面道路が位置指定道路の場合、道路には公共性がありますので通行を拒否することはできません。

しかし、所有者が道路の整備負担などを理由に自動車の通行を制限するといったことを主張した場合、役所は容認する可能性があります。

道路の公共性から歩行の拒否は難しいですが、自転車や自動車などになってくるとケースバイケースになりますので、注意が必要です。

通行承諾書

工事許可の承諾・承諾料が必要

ガスや水道などのインフラ工事を行うにあたっての掘削は、地主の承諾が必要となります。

所有者が掘削を承諾しない場合、その土地・建物はガス・水道の使用ができないということになりますので、不動産としての価値に影響が出る可能性があります。

更地であれば建築不可、建物付きであれば再建築不可となるリスクがありますので、資産価値への影響は大きいと言えるでしょう。

また、掘削の承諾を得るために承諾料が必要になるケースもありますので確認が必要です。

掘削承諾書

相続発生時の承諾の承継

私道の地主に相続が発生した場合、相続人から通行や掘削に関する各種承諾が承継されるか否かを確認する必要があります。

ポイントになるのは相続人が複数いる場合、すべての相続人から承諾を得ることが難しい点に注意が必要です。

というのも相続人の把握も難しいのですが、さらに相続人が海外に居住している場合なども考えられますので、かなりの時間と労力を割かないと解決できない可能性があります。

土地を売買する場合には注意が必要

私道持分がある物件を購入する場合、買主は私道の共有名義部分も取得することになります。

私道部分が飛び地になっている場合、買主は私道部分を購入しないことを選ぶことも可能ですが、他の所有者とトラブルになることを避けるためにも購入しておいたほうが無難です。

その場合可能であれば購入前に持ち合っている所有者全員に通行の自由や掘削の自由などを定めた承諾書に捺印してもらえるとトラブル回避につなげることができるでしょう。

まとめ

ここまで、私道持分について、特に私道持分とは何か?売買する際のポイントなどについて解説してきました。私道については、「思うように売れない」「相場よりも評価価格が低い」といったケースが多いかと思います。

ここまで解説してきたように、私道持分は法律的な制約があり、リスクやデメリットが潜んでいるケースがあります。しかし、私道についての理解を深め、リスク・デメリット対策を事前に講じておけば回避することができます。これらの事前準備は専門知識が問われるため、一般消費者はもとより、街場の不動産会社でも対応しきれないケースがあります。私道持分に関する取り扱いにノウハウのある、実績・事例が豊富な不動産会社に相談することがおすすめです。

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