再建築不可物件を相続すると起こり得る5つのリスク
再建築不可物件を安易に相続すると、思わぬ不利益を被るリスクがあります。
再建築不可物件を相続する際のリスクは以下の5つです。
あらかじめリスクを把握したうえで、相続するかどうかの判断をしましょう。
老朽化しても建て替えができない
再建築不可物件は、いまある建物を壊して更地にした場合に、新しく家を建て直せません。

これは、地震や水害などの自然災害によって建物が倒壊した場合も同様です。
建物が再建築不可となる主な要因となるのは、建築基準法第43条の「幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していないといけない」といった接道義務を満たしていないケースです。
参照元:建築基準法第43条
十分な道幅が確保されていない土地は、消防車や救急車といった緊急車両が通れません。
消火活動や救助活動の妨げになるエリアであるため、原則として建物の新設が禁止されているのです。
もし、相続した再建築不可物件に住んでいた場合、災害によって住居を失っても元の場所に家を建て直せないため、別の場所へ引っ越しするしかありません。
たとえ住んでいない場合でも、更地にするしか選択肢はなく、活用方法は以下のように限定されます。
- 畑
- 家庭菜園
- 駐車場
自ら保有し続けるか、売りに出すかの2択となりますが、土地の使い勝手の悪さから買い手が付きにくいのが実情です。
ただし、建て替えは不可能でも、必要最低限の範囲でリフォームを行って家屋を補強することは可能です。
詳しいリフォームの範囲や方法については、「リフォームして活用する」で解説いたします。
管理を怠ると近隣トラブルや損害賠償リスクがある
相続したまま放置された再建築不可物件が、倒壊して損害賠償請求をされる可能性があります。
再建築不可物件の多くは、建築基準法が制定された1950年頃に建築された築古物件です。
そのため、地震・台風などの自然災害をきっかけに倒壊し、周辺住民に危害をもたらす可能性があります。
日本住宅総合センターによる、過去の判例などを基に算出した損害賠償請求のシミュレーションでは、2億円を超える試算が公表されています。
過去には築40年ほどの住宅が豪雪により倒壊した事例もあり、築古物件の所有者にとって家の倒壊は他人事ではありません。
参照元:公益財団法人日本住宅総合センター|積雪による空き家の倒壊・道路閉塞事例
深刻な近隣トラブルや賠償リスクを未然に回避したいなら、リフォームで家屋を補強するか、売却して手放すかを検討しましょう。
解体すると固定資産税が最大6倍になる可能性がある
前述したような倒壊リスクを回避するために、再建築不可物件に建っている老朽化した家の解体を考える方もいるでしょう。
ただし、再建築不可物件を解体すると、固定資産税が最大6倍になるリスクがあるため、更地にするか否かについては慎重な判断が必要です。
通常、宅地に対しては税の軽減措置である「住宅用地の特例」が適用されています。

この特例により、建物が建っている間は土地の固定資産税が低く抑えられています。
しかし、建物を解体して更地にすると住宅用地の特例から外れるため、特例の適用が解除されて翌年からの税負担が増額します。
| 再建築不可物件の状態 | 固定資産税の目安(評価額2,000万円の土地の場合) |
|---|---|
| 建物あり(特例適用) | 約4万6,666円 / 年 |
| 建物なし(更地) | 28万円 / 年 |
繰り返しお伝えしているとおり、再建築不可物件は建物を一度壊すと二度と建て直せません。
建物が残っていれば「リフォーム前提の古家付き物件」として売れる可能性がありますが、更地になると用途が限られるため、買い手を見つけることが一段と難しくなります。
高額の税金を払いながら買い手を待ち続けるリスクを避けるためにも、建物は解体せず、そのままの状態で専門の不動産買取業者へ相談することが大切です(買取に関する詳細は「現状のまま専門の不動産買取業者に売却する」で解説します)。
通常の不動産より売却しにくい
不動産を売却する方法には大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類がありますが、一般的な不動産会社に依頼する「仲介」では、再建築不可物件は売れ残りがちです。
なぜなら、仲介は一般個人をターゲットに売却活動を行いますが、購入希望者の大半は、自由に建て替えやリフォームができて、将来的に資産として残せる物件を探しているからです。
また、再建築不可物件は購入時に「住宅ローン」の審査に通りにくい点も、仲介で売れない大きな要因です。
銀行は住宅ローンの融資を行う際、物件に「担保」を設定します。
借入金の返済や契約の履行が果たされない場合に備え、あらかじめ回収の元となる資金や資産を確保しておく仕組み

しかし、再建築不可物件は活用方法に制限があり市場で売れにくいため、金融機関からの担保評価が低く、一般的な銀行では融資を断られるケースが少なくありません。
住宅ローンが使えないとなると、買い手は「キャッシュで一括購入できる一部の人」に限られてしまうため、売却の機会を逃す原因となります。
ただし、仲介では売却が難しい再建築不可物件であっても、専門の不動産買取業者の「買取」であれば、現状のままスムーズに売却できる可能性があります。
売れないと諦める前に、専門の不動産買取業者に相談してみましょう。
子や孫に負の遺産を相続させることになる
再建築不可物件を相続したものの、活用・管理などの対処を怠っていると、子や孫に負の遺産を遺すことになります。
再建築不可物件が倒壊したり、維持費を支払い続けたりして、金銭的・精神的な負担を背負わせ続けてしまうからです。
親の代で処分しなかった負の遺産は子の世代へ受け継がれ、子が放置すれば孫世代へと相続を繰り返します。
こうした負の連鎖を断ち切るために、活用予定のない再建築不可物件は自身の世代で処分を完結するのが最善策といえます。
なお、弊社アルバリンクは、再建築不可物件に強い専門の買取業者です。
再建築不可物件の所有・相続でお悩みの方はいつでもご相談ください。
もちろん、無料相談・無料査定のみの問い合わせも歓迎しております。
再建築不可物件を相続すべきか判断する4つの基準
実家などが再建築不可物件だとわかったとき、物件の状況や他の財産などを考慮せずに相続すると、後悔につながる恐れがあります。
相続の意思決定を行うための重要な判断基準は以下の4つです。
他の相続財産と合わせてプラスになるか
再建築不可物件を相続すべきか迷う場合、まずは故人が遺した財産の全体像を確認しましょう。
後ほど詳しく解説する「相続放棄」は、特定の不動産だけを選んで手放すことができません。
相続放棄をすると、現金や預貯金などプラスの財産もすべて失うため、財産全体のトータルで相続するかどうかを判断する必要があります。
財産の状況に応じた判断基準の目安は以下の通りです。
| 財産の状況 | 判断基準の目安 |
|---|---|
| 預貯金などプラスの財産が多い | 相続したうえで活用や売却を検討する |
| 再建築不可物件以外に財産がほぼない | 売却の見込みが立つなら相続 売れないなら相続放棄を検討する |
| 借金などマイナスの財産が多い | 相続放棄を検討する |
相続放棄は原則として撤回できないため、上記の判断基準を参考にして慎重に検討することをおすすめします。
固定資産税・維持費を払い続けられるか
「毎年の税金や管理コストを払い続けられるか」は、相続するかどうかを決める重要な判断基準です。
相続後、たとえ空き家であっても所有している限りは、毎年固定資産税や都市計画税がかかるだけでなく、建物の修繕や敷地の草刈りなど、適切な管理を続けるためのコストや労力が発生し続けます。
さらに、相続物件から遠方に住んでいる場合、定期的に通うための交通費や時間がかかるだけでなく、管理を外部の業者へ委託する追加費用も発生します。
空き家を維持していくために発生する一般的な費用の目安は、以下の通りです。
| 費用の項目 | 年間の費用目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 約5万〜15万円 | 所有しているだけで毎年課税される税金 |
| 火災保険・地震保険料 | 約3万〜6万円 | 放火や災害リスクに備えるための保険料 |
| 敷地の草刈り・清掃費 | 約4万〜10万円 | 近隣クレームを防ぐため、年2〜3回業者へ外注する費用 |
| 水道光熱費(基本料金) | 約3万〜5万円 | 通水掃除や換気、防犯灯のために契約を維持する電気・水道代 |
| 建物の小規模な修繕費 | 約5万〜20万円 | 雨漏りや外壁のひび割れなどの応急処置費用 |
もし「維持費を払い続けるのが難しい」「自分で管理していく自信がない」のであれば、相続はせずに、事前に専門の不動産買取業者へ相談して売却できるか見込みを立てておくといいでしょう。
建物の老朽化・倒壊リスクは高くないか
「建物の老朽化が進んでおり、倒壊やトラブルのリスクが高くなっていないか」も、相続を判断するうえで外せない基準です。
築年数が経過した再建築不可物件は、雨漏りや外壁の落下、建物の倒壊、さらには放火による火災といったリスクがあります。
しかし、リスクを回避しようとして安易に建物を解体すると、二度と新しい家を建てられない土地になってしまうため、更地化はおすすめできません。
また、倒壊の危険がある空き家を放置し続け、自治体から「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定されると、住宅用地の特例が解除され、固定資産税の負担が最大6倍に跳ね上がる恐れもあります。
放置すれば倒壊や保安上の危険がある「特定空き家」の手前の状態の空き家
倒壊の危険や衛生上の問題、景観の悪化などにより、周辺の生活環境に深刻な悪影響を及ぼしていると自治体が指定した空き家

こうした老朽化に伴うリスクや税金のペナルティから解放されたい場合は、ご自身の状況に応じて以下の選択肢を検討しましょう。
- 相続を開始する前の場合: 相続放棄を検討する
- すでに相続している場合: 売却して手放す、あるいはリフォームして活用する
売却できる見込みがあるか
「その物件を売却できる見込みがあるか」を事前に確認しておくことも、相続するかどうかを決める判断基準になります。
「通常の不動産より売却しにくい」で解説したように、再建築不可物件は一般の買い手を対象とする市場では非常に売れにくい不動産です。
しかし、訳あり物件の扱いに長けた専門の不動産買取業者であれば、仲介で断られるような物件であっても問題なく買い取ってもらえるケースが多々あります(詳しくは、再建築不可物件の専門買取業者に「現状のまま」売却する、で解説します)。
自分自身で活用するつもりがない物件であっても、事前に売却できる見込みさえ立っていれば、将来的な維持費や管理の手間に悩まされる心配がなくなるため、安心して相続手続きを進められるでしょう。
訳あり物件専門の不動産買取業者である弊社アルバリンクは、全国の再建築不可物件を対象に無料のスピード査定を実施しております。
「まだ相続するかどうか迷っている」という段階であっても、大歓迎です。
事前に売却の可能性を確かめておくだけで、損をしない選択をしやすくなるでしょう。
まずは弊社の無料査定にて、あなたの物件の価値をお確かめください。
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相続前にできる再建築不可物件への3つの対処法
まだ相続が発生していない段階で、再建築不可物件の将来の負担を未然に防ぐための対処法は、以下の3つです。
家族間で方針を話し合い、適切な準備を進めておきましょう。
相続放棄を検討する
再建築不可物件を相続する前であれば、相続放棄するのも一つの手段です。
亡くなった人の財産または負債を相続する権利を放棄すること

相続放棄をすれば、はじめから相続人でなかったとみなされるため、物件の維持管理や税金の負担から解放されます。
ただし、相続放棄は手放す財産を「特定の不動産」に限定して選ぶことはできません。
現金や預貯金、その他の不動産といった「プラスの遺産」もすべて同時に手放す必要があります。
預貯金など他の遺産を相続したい場合は、再建築不可物件をいったん相続したうえで売却を検討するのは一つの手です。
相続放棄の選択期限(相続開始を知ったときから3ヵ月以内)が切れる前に、売却できそうか不動産業者に相談してみましょう。
相続放棄の手続きや注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

被相続人の生前に売却してもらう
親などの所有者が存命で、かつ明確な意思能力がある状態なら、生前のうちに物件を売却してもらうのが有効な対策です。
実家などの不動産が残った状態で相続を迎えてしまうと、いざ遺産を分ける段階になって「誰が引き継ぐか」「どう分けるか」で相続人同士の意見がまとまらず、トラブルに発展するケースが少なくありません。
生前のうちに専門の不動産買取業者などに売却して「現金」に換えておくことで、遺言や話し合いの内容に応じて1円単位まで分け合えるようになるため、将来の遺産分割がスムーズになります。
相続財産を相続人全員で話し合い、誰が何をどれだけ相続するかを決定し、単独所有とする手続き
将来の負担を根本からなくすために、所有者である親の同意を得ながら生前売却を進めておきましょう。
家族信託や遺言書で管理・売却方針を決めておく
「今はまだ売却したくないが、将来親の認知症が進んだり、亡くなったりしたあとの管理が心配」といった場合は、生前のうちに「家族信託」や「遺言書」を活用して、あらかじめ方針を明確にしておきましょう。
親の「生前の認知症対策」として有効なのが家族信託です。
財産を信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる仕組み

親の認知症が進行して意思能力が低下すると、不動産の売却や大規模なリフォームなどの契約は難しくなります。
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
親が元気なうちに家族信託の契約を結び、物件の管理・処分権限をあなたに移しておけば、万が一親の認知症が進んだあとでも、子の判断だけでスムーズに売却や修繕の手続きを進められます。
また、遺言書は親の「死後の遺産分割トラブル」を防ぐのに有効な手段です。
親が亡くなったあとに「財産を誰がどのように引き継ぐか」を指定しておく書面
あらかじめ遺言書で「再建築不可物件は長男が相続し、その代わりに預貯金は次男が相続する」など明確に示してもらうことで、親の死後に「誰が負の不動産を引き継ぐか」の押し付け合いや揉め事が防げるでしょう。
ただし、家族信託や遺言書は、記載内容や手続きに1箇所でも不備があると、使えなくなってしまうリスクがあります。
相続トラブルを確実に防ぐためにも、司法書士や弁護士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
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相続後にできる再建築不可物件への7つの対処法
すでに「相続が完了している」「相続することが確定していて引き継ぐしかない」といった状態でも、適切に対処すれば、再建築不可物件の維持費の負担や管理の手間を手放せます。
ここでは、相続後にできる再建築不可物件の7つの対処法を詳しく解説します。
リフォームして活用する
相続後にリフォームをして、相続人の誰かが住む、あるいは賃貸として人に貸すといった活用方法もあります。
ただし、再建築不可物件は大規模な改修工事を行うのが難しいため、老朽化が進行している場合はおすすめできません。
なぜなら、再建築不可物件はリフォームを行える範囲に限りがあり、建物の中で最も重要な基礎部分の改修工事が行えないからです。
再建築不可物件がリフォームを行えるのは、建築確認申請が不要な範囲に限られており、施工内容を以下のボリュームに収める必要があります。

- 壁、柱、床、はり、屋根、階段など主要構造部の1/2以内の修繕と模様替え
- 防火・準防火地域外での10平方メートル以内の増改築と移転
老朽化している再建築不可物件は基礎部が弱っている可能性もあるため、適切なリフォームを行えない状態で賃貸活用をおこなうのは安全面からおすすめできません。
もし、入居者がいる状態で倒壊して入居者が亡くなってしまったら取り返しがつきません。
また、「管理を怠ると近隣トラブルや損害賠償リスクがある」で解説したように、損害賠償も高額になるため、金銭的リスクの観点からも避けたほうがよいでしょう。
建築基準法の改正で再建築不可物件の大規模リフォームは事実上不可能に
2025年4月に施行された建築基準法の改正により、再建築不可物件の大規模なリフォームは事実上不可能になりました。
それまでは、木造2階建てなどの一般的な古い家であれば、建築確認申請をしなくても大がかりな工事を行うことが実質的に可能でしたが、法改正によってルールが以下のように厳しくなっています。
建築物の安全性や環境基準を守るために工事着工前に行う法的手続き
| 項目 | 法改正の前(〜2025年3月) | 法改正の後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 柱や梁などの骨組みを半分以上直す大がかりな工事 | 建築確認申請が不要 | 建築確認申請が必須 (木造2階建て以上など) |
| 再建築不可物件への影響 | 新築同様に蘇らせる大工事が可能 | 役所に書類を出しても審査に落ちる可能性が高いため、大規模な工事は事実上不可能 |
再建築不可物件は、そもそも「接道義務を満たしていないから建て替えができない家」のため、役所へリフォームの許可を求めても審査に落ちてしまいます。
つまり、再建築不可物件でできるのは、以下のような「役所の許可がいらない、簡単なリフォーム」だけです。
- 壁紙(クロス)の張り替えや、床板の重ね貼り
- キッチン、お風呂、トイレなどの最新設備への交換
- 外壁の塗り替えや、屋根の塗装
- 柱や梁などの骨組みを「半分より少ない範囲」で直す軽微な補修
土台がシロアリに食べ尽くされていたり、雨漏りで柱が腐っていたりしても、家の安全性を高める「大規模な工事」は法令違反となる恐れがあり、実施できないことがあります。
しかし、適切な補強ができないまま、見た目だけを綺麗にして放置したり、賃貸に出したりするのは非常に危険です。
万が一、地震などで建物が倒壊して近隣や通行人に被害が出た場合、建物の所有者であるあなたが多額の損害賠償を背負うリスクがあります。
老朽化が進んだ再建築不可物件を、表面的なリフォームだけで無理に維持・再生させようとするのは避けるべきです。
再建築不可のリフォーム可能な範囲については、以下の記事で詳しく解説しています。

自治体への寄付を検討する
自治体に申出をすることで、再建築不可物件を寄付できるケースがあります。

ただ、基本的には自治体が空き家・空き地を引き取るケースは稀です。
自治体が空き家・空き地を引き取ると、本来得られていた固定資産税が徴収できなくなるからです。
固定資産税は地域の公園・学校・道路を整備するなど、地域の利便性を高める目的で、毎年徴収されています。
そのため、自治体への寄付は「固定資産税が徴収できなくなるデメリット」を「空き家・空き地を受け取るメリット」が上回っていなければなりません。
寄付を受け入れてもらえやすいのは、ポケットパーク・防災広場用地・住民の交流場所など、公共的な利用見込みがある土地です。
実際に、神戸市では道路用地をはじめ、自治体が必要と判断した土地を平成29年度に8件引き取っています。
参照元:一般財団法人 国土計画協会|神戸市における土地の寄附受けの現状
ただ、同年度に寄付を断ったケースは24件であるため、寄付で処分する方法を期待しすぎてはいけません。
自治体によって対応は異なるため、空き家・空き地が所在する役所の担当窓口に相談してみましょう。
自治体に寄付を断られたときの対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。

相続土地国庫帰属制度の利用を検討する
相続した再建築不可物件を処分する方法として、「相続土地国庫帰属制度」の利用を検討するのも手段の一つです。
相続によって引き継いだ土地を、一定の条件を満たしていれば国に引き取ってもらえる制度
ただし、相続土地国庫帰属制度には厳しい条件が設けられており、国に引き取ってもらうのは困難なのが実情です。
以下のような特徴が1つでも当てはまる土地は、申請しても却下されたり、審査で不承認となったりする可能性があります。
- 建物が建っている
- 隣の土地との境界がハッキリしていない
- 所有権をめぐって親族間などで揉めている
- 他人の担保(抵当権)が入ったままになっている
- 急な斜面(崖地)がある、または土壌汚染がある
- 地中に古いゴミやコンクリート片、レンガなどが埋まっている

土地に建物がある場合は、まず数百万円の費用をかけて解体し、更地にしなければ申請できません。
さらに、承認後には、10年分の土地管理費相当額として算定される負担金(原則20万円)納める必要があります。
つまり、相続土地国庫帰属制度は「多額の費用(解体費+負担金)を自分で支払って、国に引き取ってもらう」仕組みなのです。
そのため「解体費や負担金などの手出しを1円もしたくない」「建物が建ったままの状態でスピーディーに手放したい」といった方は、国への申請を検討する前に現状のまま買い取ってくれる専門の不動産買取業者へ相談するのが現実的な方法といえます。
空き家バンクを通じて売却する
再建築不可物件を処分する手段として、空き家バンクを利用した売却も挙げられます。
空き家バンクとは、全国的に増加傾向にある空き家の利活用を促進する制度です。

自身の空き家情報を空き家バンクで公開してもらうことで、中古物件が欲しい方・移住したい方とマッチングできる可能性があります。
空き家バンクの登録は無料なので、自治体の担当窓口で登録の申請を行っておくことをおすすめします。
ただし、空き家バンクに登録されている物件は、再建築できる不動産も多く登録されている点は留意しましょう。
すでに築年数が経過した空き家で、かつ再建築不可物件だと空き家探しの候補から除外される可能性も高めです。
空き家バンクのみの利用で売却できる可能性は低いため、一つの方法として念頭に置いておきましょう。
空き家バンクについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてお読みください。

隣地所有者に売却する
一般市場では売れにくい再建築不可物件でも、隣の土地の所有者であれば、買い取ってくれる可能性があります。
第三者にとっては使い道のない土地であっても、隣地所有者にとっては「自分の土地とつなげることで敷地を広く使える」だけでなく、「接道義務をクリアして、自由に建て替えができる土地へ変えられるメリットがある」ためです。
ただし、隣地所有者と良好な関係であっても、個人間で直接交渉してしまうと、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 売却価格の折り合いがつかない
「再建築不可物件だから安く買いたい隣人」と、「少しでも高く売りたいあなた」との間で、希望額に差が生まれる - 境界線でもめる
「どこからどこまでが自分の土地か」をめぐって意見が対立し、交渉が進まなくなる
一度交渉が決裂してしまうと、有力な買い手である隣地所有者に売却するチャンスを失ってしまいます。
そのため、隣地所有者へ売却を打診する際は、自分で直接話さず必ず不動産業者を間に入ってもらい、客観的な査定書をもとに交渉を進めましょう。
再建築可能にして売却する
再建築不可物件は、ほとんどのケースでは建築基準法の定める接道義務に違反していることが原因で建て替えを制限されています。
つまり、接道要件を満たす状態にすれば、建て直しができるようになるので、建物を再建築可能にして売却するという対策もとれます。
たとえば、
- 隣地を買い取って公道と接する面積を2m以上確保する
- 建築基準法第43条第2項に基づく認定を受ける
などです。

(敷地等と道路との関係)
第四十三条
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの引用元:e-Gov法令検索|建築基準法第43条第2項
要件が厳しく、すべての人が行えるわけではありませんが、該当する人は検討の余地があるでしょう。
詳しくは以下の記事で解説しておりますので、参照ください。

再建築不可物件の専門買取業者に「現状のまま」売却する
専門の不動産買取業者へ現状のまま再建築不可物件を売却する方法は、比較的現実的な選択肢の一つです。
不動産売買には、「仲介」と「買取」の2つの業者があります。

不動産仲介は、売主の仲介業務のみを手伝う業者です。
一方で、不動産買取は物件を売主から直接買い取る業者で、買い取った物件を運用・再販することで利益を得ています。
両者の違いを以下の表にまとめました。
| 仲介 | 買取 | |
| 買主となる対象 | 一般の個人 | 買取業者 |
| 売却までの期間 | 買主が見つかり次第 | 1週間〜1ヶ月 |
| 売却の価格 | 相場価格程度 | 相場価格の7〜8割程度 |
| 売主の販売活動 | あり | なし |
| 修繕にかかる費用 | 売主が負担 | 業者が負担 |
仲介業者は相場価格で売却できるので、少しでも高値で売りたい人には向きますが、あくまで「相場価格で売れるほどの価値がある家」に限られます。
たとえば、駅から徒歩10分以内、築20年以内といった形です。
実際弊社がおこなったアンケート調査でも、マイホームの購入に際して「立地を優先する」と回答した方がもっとも多い結果となっています。
買取業者は、相場価格の7〜8割程度の売値にはなります。
なぜなら、本来売主が売り出し前に負担する修繕費用などを代わりに負担するからです。
そのため、比較的売れにくい物件も利益を見込めると判断されれば、そのままの状態で買取ってもらえます。
ただし、再建築不可物件のような特殊性のある物件を売却する場合は、買取業者のなかでも「再建築不可物件専門の買取業者」に相談することが重要です。
というのも、一般的な買取業者と専門の買取業者では物件の活用方法が異なります。
一般的な買取業者は、通常の中古物件の買取・再販・運用を行っているので、再建築不可物件のような特殊な物件の取り扱い経験がありません。
そのため、一般的な買取業者に売却を依頼しても買取を断られるか、買い取ってもらえたとしても安価になりやすい傾向にあります。
しかし、再建築不可物件の扱いに長けた専門の買取業者であれば、適正価格でスピーディーに買い取ってもらえます。
弊社アルバリンクでも、再建築不可物件の買取を積極的に行っております。
年間20,000件のご相談(2025年12月時点)に対応している実績から、全力で金額をご提示させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
アルバリンクが再建築不可物件を600万円で買取した事例
弊社アルバリンクは訳あり物件専門の買取業者として、他社では断られるような再建築不可物件を多数買い取ってきました。
たとえば下記は弊社が買い取った千葉県富津市の再建築不可物件です。 この物件は前面道路の幅員が2m未満で接道義務を果たしていませんでした。
また、下の写真の「BEFORE」を見てもらえばわかる通り、室内も老朽化が進んでいましたが、弊社はこの物件を600万円で買取り、リフォームを施したのち、提携している不動産投資家へ再販いたしました。
このように弊社は再建築不可物件の再販先や運用方法を豊富に持っているため、老朽化が進んだ再建築不可物件であっても買い取ることができます。
実際、再建築不可物件をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「売れずに困っていたが買い取ってもらえてホッとした」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
ですから、「再建築不可物件の売却など初めてで不安なことばかり」という方こそ、弊社にご依頼いただければと思っております。
これまで培ったノウハウをフル活用し、あなたの再建築不可物件をできる限りスピーディーかつ高値で買い取らせていただきます(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
払いますか?
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再建築不可物件を相続する際の手続きの流れ
再建築不可物件を相続する際の手続きの流れは、以下の4ステップで行います。
それぞれ解説します。
遺産の種類と相続人の人数を確定させる
まずは、遺産の種類を明らかにし、相続人の人数を確定しておきましょう。
ここを決めておかないと、後々になって、相続税の修正申告や遺産分割協議のやり直しなど、新たな手間が発生してしまう可能性があるからです。

故人の財産は、利用していた金融機関を特定し、残高証明書の発行を依頼しましょう。
残高証明書では、預貯金や利用状況を確認できます。
そのほか、故人の家宛の郵便物やメールなどを調べて、すべての財産をリストアップしましょう。
次に、相続人の人数を確定します。
民法上、亡くなった人の財産を相続できる人の範囲・優先順位は定められており、範囲内にいる人を「法定相続人」と言います。

法定相続人になれる人物と、相続できる権利の優先順位は、以下のとおりです。
| 第1順位 | 配偶者と子ども |
|---|---|
| 第2順位 | 配偶者と親 |
| 第3順位 | 配偶者と兄弟姉妹 |
上位の順位者がいる場合、下位の順位者は相続人になることはできません。
亡くなった人に「配偶者」と「子ども3人」がいる例を挙げると、4人のみが相続人となり、故人の両親や兄弟姉妹は相続人ではなくなります。
相続人のなかで、誰も相続放棄をしないのであれば、このまま相続人の人数は4人で確定します。
遺産分割協議を行い誰が相続するのか決める
次に、遺産分割協議を行って被相続人の遺産を誰がどのように相続するかを決めていきます。
遺産分割協議とは、相続人同士で遺産の分け方について話し合うことです。
遺言書がない場合、あるいは遺言書に遺産の配分が記載されていない場合は、遺産分割協議で相続人同士が自由に配分を決められます。
この際に注意したいのは、しっかりと分配方法を決めておくことです。
遺産分割の方法には、以下の4種類があります。

| 現物分割 | 相続財産をそのままの形で分配する |
|---|---|
| 換価分割 | 相続財産を売却して現金で分配する |
| 代償分割 | 相続財産をもらった人が、差額を現金で支払う |
| 共有分割 | 相続財産を共同で所有する |
上記のうち、不動産相続でトラブルになりやすいのは「共有分割」です。
共有分割により共有名義となった不動産は、誰か1人の意見では売却を決められません。
売却する場合には全員の同意が必要となるため、意見がまとまらず、売りたいときに売れない、といった可能性が出てきます。
不動産は、単独名義にした方がトラブルを避けやすいでしょう。
相続登記を行う
遺産分割協議が終わって再建築不可物件を相続する人が決まったら、相続登記を行います。
相続登記とは、被相続人から相続人に名義変更する手続きです。

自分で相続登記をすると、費用を抑えられます。
しかし、遺産分割協議書や登記申請書の作成、各種証明書の提出など、労力と時間を大いに要するため、司法書士に依頼するのが賢明です。
くわえて、相続登記は令和6年4月より義務化されているため、相続を知った日から3年以内に手続きを完了する必要があります。
参照元:東京法務局|相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)
書類の訂正などがあると、その都度、不動産の所在地を管轄している法務局まで足を運ぶ必要があるため、手続きがスムーズに進みにくいでしょう。
司法書士であれば、10万円ほどの費用で相続登記を依頼できます。
手間をかけたくない方は、司法書士に依頼するとスムーズに相続登記が行えます。
相続税の申告・納付を済ませる
最後に、相続した財産に対して課される相続税を納めます。
相続税の申告期限は、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」です。
上記の期間内に、故人の住所地の税務署に、相続人それぞれが納付を済ませる必要があります。
相続税の納付は、税務署の窓口以外では、郵送・e-Tax・金融機関・コンビニ・クレジットカードなどの方法でも納付可能です。
申告期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税などが加算されるので、すみやかに納付を済ませておきましょう。
再建築不可物件を相続する際にかかる3つの税金
再建築不可物件を相続する際にかかる税金は以下の3つです。
寝耳に水で慌てないためにも、再建築不可物件の税金面についても相続する前に把握しておきましょう。
相続税
相続税とは、被相続人から受け継いだ相続財産に対して課せられる税金です。
相続した遺産が再建築不可物件のみのときに発生する「相続税」は以下の計算式で算出します。
再建築不可物件の相続税評価額の計算方法
再建築不可物件の相続税評価額は、土地と建物を分けて算出します。
| 土地 | 土地の評価額を「路線価方式」と「倍率方式」のどちらかで算出する |
|---|---|
| 建物 | 「固定資産税評価額」を採用 |
再建築不可の土地の評価額は、不整形地に適用される「間口狭小補正率」があるため、通常の土地より「最大40%」ほど減少する傾向にあります。
※2:基礎控除額
※3:税率・控除額
最後に、再建築不可物件の「相続税評価額」から「基礎控除額」を差し引いた金額に、税率・控除をくわえて算出します。
相続税の税率は、遺産の額に応じて高くなる「累進課税制度」が適用されます。
そのため、再建築不可物件の評価額が高く、かつ相続人が少なかった場合には税額が高くなります。
相続税の速算表は以下のとおりです。
引用元:「相続税の税率」国税庁
たとえば、再建築不可物件の相続税評価額が3000万円・相続人が配偶者と子が2人だった場合の相続税は下記のとおりです。
このように、再建築不可物件の相続税評価額が基礎控除額を下回った場合、相続税は発生しません。
相続税が発生するか否かは、国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」で、法定相続人の数・相続財産を入力すれば判定できます。
登録免許税
登録免許税とは、不動産の名義変更をするときに課せられる税金です。
相続登記の登録免許税の金額は、以下の計算式で算出されます。
固定資産税評価額は、市区町村から4月〜6月に送付される固定資産税納税通知書で確認できます。
【固定資産税納税通知書の見本】
たとえば、土地の評価額2,000万円・建物の評価額1,000万円と記載があれば、下記が登録免許税です。
- 土地:8万円
- 建物:4万円
固定資産税評価額は、3年ごとに評価を見直す「評価替え」があるため、直近の固定資産税納税通知書で評価額を確認しましょう。
固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税は、再建築不可物件を相続した翌年から毎年発生します。

上記は両方とも、毎年1月1日時点で不動産を所有する者に対して課せられます。
固定資産税・都市計画税の算出方法は以下のとおりです。
- 固定資産税:固定資産税評価額 × 1.4%
- 都市計画税:固定資産税評価額 × 0.3%
固定資産税評価額が2,000万円の場合、固定資産税は28万円・都市計画税は6万円となります。
上記の例では2,000万円で算出しましたが、固定資産税・都市計画税は土地・家屋で別々に計算が必要です。
どちらも固定資産税納税通知書に評価額・税額の記載があるので確認しましょう。
なお、土地の固定資産税は「住宅用地の特例」の適用があれば、上記の金額よりも減額されます。
もし、被相続人が固定資産税を滞納していた場合、相続人は支払い義務を承継するため、滞納の有無を確認したうえ相続するか否かを検討しましょう。
まとめ
今回の記事では、再建築不可物件を相続するリスクや対処法、相続手続きの流れについて解説しました。
「実家が再建築不可物件だけど、活用する予定がない」
「相続したけど、やはり手放したい」
こういったお悩みをお持ちの方は、弊社をはじめとする、専門の不動産買取業者にご相談ください。
弊社アルバリンクは、再建築不可物件に強い専門の買取業者です。
過去には、一般の不動産業者が取り扱わない訳あり物件専門の買取業者としてフジテレビの「newsイット!」にも取り上げられました。

市場で安価に取引されたり、買取を断られたりしがちな再建築不可物件でも、適正価格での買取が可能です。
相続した再建築不可物件の所有・活用にお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
株式会社AlbaLinkは東証グロース市場に上場している不動産会社です。








