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囲繞地通行権の通行料はいくらが相場か

囲繞地通行権の通行料はいくらが相場か 再建築不可

「相続した土地が囲繞地通行権を行使する必要のある土地だった」
「囲繞地通行権を行使する際にどれくらい費用がかかるか知りたい」
「囲繞地通行権に費用が発生するケースはある?」

囲繞地に囲まれた袋地に土地や建物を所有していたり、袋地で生活していると囲繞地通行権の行使を行う場合があります。囲繞地通行権を行使する場合、一般的には使用料が発生しますがその相場がどれくらいの金額なのかをご存知の方は少ないでしょう。

そこで今回の記事では囲繞地通行権の通行料はいくらが相場なのか、囲繞地通行権が無償になるケースがあるのかをご紹介していきます。

囲繞地通行権とは

囲繞地通行権とは、他人が所有する土地や河川・崖など地形障害に囲まれて公道に出ることができない土地から、日常生活に必要な公道まで移動する権利のことです。

日常生活を営む上で、どこかの場所に移動するためには必ず道路を使用します。しかし、他品が所有する土地や河川・池・崖などの地形障害に囲まれている場合、道路に出るためには必ず誰かの土地を通行しなければなりません。

囲繞地と袋地

囲繞地と準袋地

このように他人が所有する土地に囲まれた土地が「袋地」と呼ばれています。また、袋地を囲んでいる土地のことを「囲繞地」といい、他人の所有する土地と河川や崖など地形に囲まれている土地のことを「準袋地」といいます。

袋地の所有者は他人の土地を通行しないと公道に出ることができないので、法律によって公道に移動する権利が定められています。これを「囲繞地通行権」といいます。

囲繞地通行権は法律で定められた権利で、民法210条から213条に規定されています。

<民法第210条:公道に至るための他の土地の通行権>

1、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通  行することができる。

2、池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道と  に著しい高低差があるときも、前項と同様とする。 民法第210条

<民法第211条>

1、前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、  他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。

2、前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる 民法第211条

<民法第212条>

第210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。 民法第212条

<民法第第213条:公道に至るための他の土地の通行権>

1、分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所  有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。

2、前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。民法第213条

袋地と準袋地

囲繞地通行権の通行料について

囲繞地通行権を行使する場合には、一般的に通行料(償金)を支払うことが民法第212条に規定されています。
しかし、民法上では通行料に関する具体的な規定がありません。通行料の算出はどのような基準で行なっていくと良いのかをご紹介していきます。

囲繞地通行権の契約

囲繞地通行権の料金を決定するためには袋地所有者と囲繞地所有者が通路の位置や幅などの条件に関して合意します。

契約は
・賃貸借契約
・使用貸借契約
などの形態で行われます。

通行権の内容は
・通行する範囲、幅や位置
・通行時間帯
・通行の方法(徒歩・自転車・自動車など)
・期間
・通行料
など、囲繞地を通行するために必要な諸条件を記載します。

囲繞地通行権の契約・承役地と要役地

 

囲繞地通行権と通行地役権の違いについては以下にまとめています。

囲繞地通行権と通行地役権の違い
「住んでいる住宅が袋地になっていて、難しい不動産用語に困っている」 「囲繞地通行権と通行地役権の違いがわからない」 「囲繞地通行権と通行地役権はどのように使い分けたら良いか悩んでいる」 道路に接していない土地を保有していたり、道路...

 

この中で通行料に関しては規定がないことから、一定の基準に従って算出します。

近隣の相場から算出

最も一般的な通行料の算出方法は近隣の相場から算出することです。通行料を囲繞地の所有者と袋地の所有者で協議しても同意に至らずに裁判所に金額の算出を依頼した場合でも、相場を元に金額を算出する手法が採られます。近隣の相場を算出するためには大きく2通りあります。

一つ目の方法は、近隣の囲繞地通行権の使用料から算出するケースです。最も参考にしやすい算出方法ですが、実際に囲繞地が近隣にあるかは一見すると分からないので、基準とする土地を探し出すことは非常に難しいでしょう。宅地建物取引士や土地家屋調査士などの専門家に依頼することも一つの手段ですが、その場合は次にご紹介するもう一つの方法を検討しても良いでしょう。

もう一つの方法は不動産鑑定士に土地の鑑定評価を依頼し、その金額を通行料の基準とすることです。この場合、鑑定額は基本的に地価に連動するので、地価が高い土地では通行料も高くなる傾向にあります。
不動産鑑定士に依頼する場合は30万円前後の費用が発生することと、約2週間の時間が必要です。

特に費用の面での負担が大きいことから当事者同士で合意する場合は、その他の方法で算出することもあります。

近隣の駐車場から算出

ご紹介した通り、近隣の相場から金額を算出する方法は専門家によるサポートが必要です。費用の負担も大きいことから、もっと簡易的な方法で金額を算出することがあります。それは、近隣の駐車場の相場から算出する方法です。近隣にある月極駐車場などの駐車場の使用料を基準とし、通行頻度や使用する道路幅によって金額を選出します。

多くの場合、囲繞地を通行するための通行幅は接道義務を満たす幅2メートルが一般的です。多くの月極駐車場の幅は2.3m~2.7mなので、金額を算出する基準に適しています。

 

通行料算出方法

囲繞地通行権が無償となるケース

一方で、囲繞地通行権の行使に伴う利用料が無償になるケースがあります。いくつかある条件に合致していると利用料が発生しない場合があるので順にご紹介していきましょう。

元から無料の通路として使用していた

従来から袋地の所有者が無料で通路を使用していた場合、引き続き無料で通行することができます。この場合は囲繞地通行権ではなく通行地役権という解釈となります。通行地役権は口頭での合意や黙字での既成事実が成立するので、元から無料の通路として使用していた場合は引き続き無償で利用することができます。

分筆や譲渡により袋地となった

元々、公道に面していた土地が分筆や譲渡によって袋地になった場合または袋地の所有者が囲繞地通行権を主張した場合、囲繞地の所有者は利用料を徴収することはできません。これは民法第213条第1項に規定されています。

ただし両者の協議によって通行料を支払う場合は、両者の合意が優先とされます。

<民法第第213条:公道に至るための他の土地の通行権>

1、分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所  有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。

2、前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。民法第213条

ここでいう「分割」とは、一般的にいう分筆のことです。このケースは分筆によって人為的に発生した袋地なので、囲繞地通行権に関する問題が発生するのは当然に想定できます。

このことから分筆や譲渡によって発生した袋地から公道へ通行する場合の通行料は発生しません。

共有物分割によって袋地となった

共有物分割によって袋地が発生した場合も通行料は発生しません。
共有物分割とは2人以上で共同所有していた土地を分割することです。共有物分割によって囲繞地が生じた場合は、分割前の土地の範囲内で囲繞地通行権が発生します。この場合の通行料は無償となることが民法第213条第2項によって定められています。

ただし両者の協議によって通行料を支払う場合は、両者の合意が優先とされます。

<民法第第213条:公道に至るための他の土地の通行権>

1、分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所  有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。

2、前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。民法第213条

競売により袋地となった

競売によって袋地が生じた場合も囲繞地通行権に伴う通行料は発生しません。競売の場合も民法第213条が適用されるので、競売によって発生した袋地から公道へ移動する場合の通行料は発生しません。

 

通行料が無償のケース

まとめ:囲繞地通行権の通行料は専門家による鑑定か、近隣の駐車場の相場を基準に決定する

ご紹介した通り、囲繞地通行権の通行料の相場は近隣の囲繞地通行料か駐車場の金額を基準に決定します。
囲繞地通行権による通行料を設定する場合には、囲繞地の所有者と袋地の所有者が納得できる金額を算出するためにも専門家による算出をおすすめします。

お互いの土地を行き来する重要な契約ですから、合意した内容は通行する敷地の面積や期間・金額などと共に契約書として残しておき、トラブルの無いように対応していきましょう。

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