【中古住宅の購入はあり?】男女500人アンケート調査

アンケート調査

「あなたがマイホームを買うとしたら、中古住宅はありですか?」

これまでは「家を買うなら新築」と考える人が大半でした。

しかし近年は、リノベーションブームや空き家問題への関心の高まりもあり、中古住宅の購入を選択肢に入れる人も増えています。

そこで今回は、「中古住宅購入のありなし」やその理由について、全国の男女500人にアンケート調査を行いました。

また、「どのような中古住宅なら買いたいと思うか」についても聞いてみました。

【調査概要】

  • 調査対象:全国の男女
  • 調査日:2021年11月10日~11日
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査人数:500人(女性342人/男性158人)

調査や調査データについて

データご利用の際の注意点

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中古住宅の購入が「あり」な人は75.8%

マイホームを購入するとしたら、中古住宅はありかなしか聞いたところ、「あり」と回答した人が75.8%という結果に。

日本には長い間「新築志向」があり、2015年に内閣府が行った世論調査では、住宅を購入するとしたら新築がよいと思う人(73.0%)が、中古がよい人(9.9%)を圧倒的に上回っています。
参照:住生活に関する世論調査

しかし当アンケートでは、7割以上の人が「中古住宅はあり」と回答しており、時代の流れとともに新築志向の考えから変わってきたことが伺えます。

中古住宅がありの理由1位は「安く購入できる」

ではなぜ「中古理由はあり」と思うのか理由を聞いたところ、ダントツの1位は「安く購入できるから」でした。

住宅は人生で1位・2位を争う高額な買い物ですから、「できるだけ費用を抑えたい」「借り入れを少なくしたい」と思うのは当然かもしれません。

2位以下には「リフォームすればよい」「新築にこだわっていない」「築浅なら問題ない」などがランクインし、従来ほど新築にステイタスを感じていない人も多いことが伺えます。

では5位までの回答を見ていきましょう。

1位 安く購入できる

  • 安い価格で家を購入できるなら他のことにお金をまわしたり、貯金などもできて助かる(20代 女性)
  • 立地条件が良い場所の空き地となると、高い場合がほとんどだが、中古物件なら比較的安く買える(30代 男性)
  • 同じものが中古という理由で数百万円も値段が違うなら断然、中古を選択する(30代 女性)

新築に比べて「安く購入できる」点を挙げた人が最も多くなりました。

場所や築年数にもよりますが、中古住宅は新築の6~7割ほどで購入できるケースも。

新築住宅には、庭・駐車場・塀などの「外構工事費」、水道・ガス・電気の「引き込み工事費」、CM・住宅展示場の「広告宣伝費」など、中古住宅にはない費用が発生します。

一方、中古住宅は純粋な建物の評価価格のみ。

そのため、駅近、広い土地、有名なハウスメーカーの住宅、といった好条件の住宅を新築よりも割安で手に入れることが可能です。

「中古住宅があり」と答えた人のなかには、「新築に手が届かないから妥協して…」という人もいましたが、

  • 新築では買えないような場所の物件を安く手に入れられる
  • 同じ金額でも新築より広い土地が手に入る

のように、良い条件の家を安く手に入れられる『お得感』を感じている人も目立ちました。

2位 リフォーム・リノベーションすればよい

  • 古民家をリフォームしたり、リノベーションしたり自分の好きな家にできるから(20代 女性)
  • 中古物件を購入して、リフォームすれば新築のようになるから(40代 男性)
  • 夫婦でDIYを趣味としているので、手を加えて良い家にしていく喜びが味わえそうだと思う(30代 女性)

「気になるところがあればリフォームやリノベーションすればいい」という意見が2位でした。

昨今はリノベーションがブームで、ネットには「これが中古だったの?」と思うような素敵な施工例がたくさん紹介されています。

壁を取り払って間取りを変えることもできますし、床や壁紙・水回りなどをリフォームすれば、内装は新築と変わりません。

ですから、リノベーションすることが前提なら、間取りや室内のデザインを気にせず、立地を優先して家選びができる点もメリットですよね。

また、「SDGs」の一つであるサスティナブル(持続可能)な社会や、空き家問題への関心の高まりから、古いものを活かすリノベーションやリフォームを好意的に捉える人も増えているようです。

3位 新築にこだわっていない

  • 新古にこだわりなく、子どもがいるのでどうせ汚れるため(30代 女性)
  • 中古車が人気なように、中古住宅も悪くないと思っているから(20代 男性)
  • 新築も生活した瞬間に中古物件になるので、特に中古住宅でも気にならない(30代 男性)

「新築にこだわっていないから」が3位に入りました。

立地・間取り・金額などが条件と合えば、中古でも新築でもどちらでもいいという考えの人も多いようです。

「新築でも住めば中古になるから」「どうせ子どもが汚してしまうから」といった理由も。

また、「賃貸アパートに住んでいたため、中古住宅に対して抵抗はない」という声も複数寄せられました。

4位 築浅orキレイなら問題ない

  • 築年数もあまり経ってなくて、使い勝手がよさそうなら気にしない(40代 女性)
  • 中古住宅でもきれいな状態なら全然住むには問題ない(50代 女性)

築年数が浅い、キレイ、リフォーム済みなど、状態や見た目がよければ中古でも構わないという回答が4位。

築浅であれば見た目の中古感はないですし、壁紙や床材・デザイン・仕様などの古さも感じないでしょう。

また、リフォームやリノベーション済みであれば、内装は新築と変わりません。

見た目の古さを感じないなら、中古でも全く問題ないという人は多いようです。

5位 中古でもよい物件はある

  • 中古住宅でもデザイナーズや個性的な住宅など、新築ではなかなかできない建物もあるから(30代 女性)
  • 新築の状態に近い中古住宅が買えるかもしれないから(30代 男性)
  • 中古住宅でも最近は本当に外装も内装もきれいな家が多いので(20代 女性)

中古でも良い物件はあるからという理由が5位。

好みのデザインだったり、間取りが希望通りだったり、立地がよかったりと「当たり物件」に出会う可能性もありますよね。

実際に、「(中古は)なしと思っていたけど、築浅で1組しか入居していない物件を見つけてとてもきれいで気に入って購入した」という体験談も寄せられています。

「新築一択」にしないことで、予想外のよい物件に出会えるかもしれません。

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中古住宅がなしの理由1位は「誰かが住んだ家はイヤ」

一方、「中古住宅はなし」の理由1位は「誰かが住んだ家はイヤ」、次ぐ2位は「せっかく買うなら新築がいい」でした。

中古住宅の購入を許容する人が増えているとはいえ、「マイホーム=新築」という考えが根付いている人も少なくないようです。

では、5位までの理由を見ていきます。

1位 誰かが住んだ家はイヤ

  • 前に住んでいた人の色々な思いが詰まっていそうなので(50代 男性)
  • 前住んでいた人の名残がありそうで住めない(30代 女性)
  • 潔癖症なとこがあるので知らない人が使用した場所を使うのは抵抗ある(20代 男性)

中古住宅がなしの理由1位は、知らない人が住んでいた家は抵抗がある、という意見でした。

具体的には、「前の住人がどんな人かわからないから」「ネガティブな引っ越し理由だとイヤだから」など。

具体的な何かが理由なのではなく、「心理的になんとなくいや」という人が多数を占めました。

「賃貸なら前の住人は気にならないが、持ち家の場合は気になる」という人も複数いました。

2位 せっかく買うなら新築がいい

  • せっかくのマイホームなので新しい方が気分が違うから(30代 女性)
  • ローンが組めない状況であれば中古住宅でもいいが、やはり家という大きな財産は最初から自分のものであったという意識がほしい(20代 女性)
  • 明確な「なし」の理由はないが、できれば新築の家がいい。車と同じです(30代 男性)

中古がなしの理由2位は、「せっかく買うなら新築がいいから」でした。

「高いお金を払うなら新築を買いたい」「新しいほうが気持ちいい」「新品がすきだから」といった声が寄せられました。

絶対NGではないけれどもあえて中古は選ばない、という人が多い印象でした。

3位 劣化が気になる/修繕費用がかかる

  • 家はどんどん悪くなっていくので少しでも新しい方がいいと思うから(30代 女性)
  • いとこが中古住宅を購入したのだが、給湯器が壊れたりなど毎年のようにあちこち修理していて新築を買った方が安いのではないかと思っているから(20代 女性)
  • 築年数が経過している物件だと、安く購入できても外装・内装の修繕やリノベーションをした場合の金額を考えると結局安く収まらない(20代 女性)

劣化が気になるため、中古住宅は避けたいという人も多いようです。

年数とともに建物は痛みますし、設備にも不具合が出てきます。

ですから、できるだけ新しい状態、よい状態で購入したいと思うのは当然かもしれません。

また、「安く購入しても修繕費用がかかれば新築を買うのと変わらないのでは?」という懸念をもっている人もいました。

4位 自分好みの家を建てたい

  • 自分の使いやすい間取りにしたいので、可能なら注文住宅で一から決めたい(40代 女性)
  • 自分で部屋などのレイアウトを決めて後悔ない買い物にしたい(20代 男性)
  • 自分の細かな要望を叶えた家を買いたいから。大きな買い物になるので、妥協はしたくない(30代 女性)

自分好みの家を建てたいため、中古住宅はなしという意見が4位でした。

中古住宅でもリノベーションやリフォームはできますが、100%希望どおりにするのは難しいかもしれません。

「家族に合った間取りにしたい」「自分好みの家を建てたい」など、家造りにこだわりがある人は、中古ではなく新築住宅にしたい思いが強いようです。

5位 欠陥や安全面への不安

  • 外見からはわからない躯体の部分に欠陥がある可能性があるため(30代 男性)
  • 地盤の状態や設計具合がわかりにくいところがあると思うから(30代 女性)
  • 建てる時を見れるわけではないので、構造上問題がないか心配だから(30代 女性)

欠陥や安全面への不安から、中古住宅は避けたいという人も。

とくに、中古住宅は建築現場を見られないため、欠陥に対する不安を感じている人が多いようです。

また、築年数によっては耐震性や耐久性が心配という声もありました。

買いたいと思うのは「キレイで築浅」の中古住宅

「どのような中古住宅なら買いたいと思うか」を聞いたところ、1位は「キレイ/状態がよい」、2位は「築年数が浅い」という結果に。

中古とはいえ、できればキレイで新しい方がいいと思っている人が多いことがわかります。

ただし「キレイ」や「築年数」の基準は、もともと「中古住宅はあり」と考えている人と「なし」の人とで差があるようです。

【中古住宅がありの人の意見】

  • ハウスクリーニングなどの清掃をきちんとしていれば問題ない(20代 女性)
  • きちんとリノベーションされており、築20年以内であれば比較的綺麗だと思うので購入を検討したい(30代 女性)
  • 値段の割に状態が良ければ(40代 男性)
  • 水回りがきれいで、築年数が10年未満の住宅(20代 女性)
  • 出来るだけ経年劣化が少なく、傷んでいない築年数の新しい住宅なら購入したいと思う(40代 男性)

「中古住宅があり」の人は、「見るからに古くなければよい」「修繕が必要なほどの不具合がなければよい」のように、住宅の状態に対して寛容な人が目立ちました。

築年数に関しては「希望は築浅」としながらも、10年程度ならOKという人が多く、なかには状態がよいなら築20年でも問題ないという人も。

【中古住宅はなしの人の意見】

  • 新築に近い状態で自分の理想にかなう物件(30代 女性)
  • リフォーム・清掃が徹底して行われている状態。新築の時くらいに綺麗なとき(20代 女性)
  • 築年数が2年以内であれば許せる(20代 女性)
  • 誰もまだ入居してなければいい(20代 男性)
  • 完璧に外観や内装がリノベーションされていている住宅(40代 女性)

一方、基本的に「中古住宅はなし」と考えている人は、中古住宅に対する条件が厳しめの傾向に。

築年数に関しては、未入居もしくは2~3年が許容できる限界という人が多め。

また、「フルリノベーションやフルリフォームされていることが必須条件」という人も目立ち、新築同様でなければ中古住宅は買わないという意見も複数寄せられました。

まとめ

今回のアンケートでは、7割以上の人が「中古住宅はあり」と回答。

「マイホームを安く手に入れられる」「立地条件のよい住宅をお得に購入できる」など、中古住宅の価格に魅力を感じている人が多いとわかりました。

リノベーションブームによって、「中古住宅を自分好みの家に変える」という新しい考えが浸透してきたことも、「中古はあり」が増えている一因と言えそうです。

新築志向が強いと言われる日本ですが、景気の変化やエコへの興味、新しい価値観が生まれたことなどから、中古住宅に対する考えも変わりつつあるのかもしれません。

一方で、知らない人が住んでいた家への抵抗感、劣化や欠陥への不安から「中古住宅はなし」と考える人も一定数いることがわかりました。

監修者
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

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