地目とは
地目とは、土地の用途を示す分類のことです。
地目は土地の利用状況と現況によって決められ、不動産登記規則にて定められている23種類に分類されています。
家を建てられる土地の地目は、「宅地」「山林」「原野」「雑種地」の4種類です。
所有している土地の地目は、法務局のサイト内にある「登記・供託オンライン申請システム」にて、調べられます。
原野とは
原野とは、人の手が加えられておらず、雑草や2~3m程度の低木が生えている土地を指します。
税制上、原野は以下の3種類に分類されます。
- 純原野
- 中間原野
- 市街地原野
純原野は、市街化区域外に存在する原野のことです。
一方、市街地原野は市街化区域内に存在する原野のことです。
なお、中間原野は、市街化区域外の原野であるが、宅地開発が進み、土地の価値が純原野よりは高くなっている原野を指します。
原野といっても、分類ごとに周辺環境の宅地開発状況や土地の価格に差があります。
原野商法とは
原野商法とは、利用価値のない原野や山林などの土地を「将来値上がりする」などと勧誘して、売りつける1970~1980年代に流行した悪徳商法のことです。
最近では、原野商法の被害にあった人たちに、「土地を高値で買い取る」といった話をエサに、巧妙な手口で新たな土地を売りつける二次被害も多発しています。
原野商法の詳細と売りつけられた土地の処分方法について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
地目が原野のデメリット4選
原野の特徴として、土地に人の手が加わっていないことが挙げられます。
そのため、以下の4つのデメリットがあります。
- 建築費用が高くなる
- 立地が悪い
- インフラが整っていない可能性が高い
- 買い手が見つかりにくい
建築費用が高くなる
原野に家を建てる場合、通常の住宅地に建てる場合と比較して、建築費用が高くなります。
原野は、人の手が加えられておらず、雑草や低木が生えたまま放置されている土地です。
そのため、建物を建てる場合は、草木の除去や土地を平らにする作業などの造成工事をする必要があります。
また、地盤が弱い土地の場合、地盤改良工事も必要になるため、工事費用がさらに上乗せされます。
造成工事が必要となる場合にかかる費用の目安は以下のとおりです。
工事項目 | 金額 |
---|---|
整地 | 800円/㎡ |
伐採・抜根 | 1,000円/㎡ |
地盤改良 | 2,000円/㎡ |
土盛 | 7,500円/㎥ |
土止 | 82,000円/㎡ |
原野に家を建てる場合、通常の住宅地に建てる際には生じない費用が上乗せされるため、建築費用が高くなる傾向にあります。
地域ごとの造成工事の費用、具体的な造成工事の費用の算出方法について、知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
立地が悪い
宅地開発が進んでいない原野の場合、立地が悪い可能性が高いでしょう。
たとえば、純原野のような宅地開発が進んでおらず、市街化区域外に所在する原野の場合、周辺にスーパーをはじめとした商業施設がないことがあります。
また、利用できるバスや鉄道などの公共交通機関が少なく、車以外の移動手段がない可能性が高いでしょう。
原野の中には、開発が進んでいない都市部から離れた場所にあるため、住みづらい土地といえるでしょう。
インフラが整っていない可能性が高い
人がすでに住んでいる住宅地とは違い、原野は人が住むためのインフラが敷地内に整備されていないことがほとんどです。
各インフラを引き込むための工事費用の目安は以下のとおりです。
インフラ設備 | 工事費用 |
---|---|
水道 | 30~60万円 |
電気 | 10~20万円 |
ガス(都市ガス) | 10~20万円 |
原野に家を建てる場合、建築費用だけでなく、インフラ整備として数十万円以上もの費用が上乗せされます。
なお、土地周辺にインフラが整備されていない場合、配管等を引き込む距離が長くなるため、工事にかかる費用が上記の目安より高くなります。
買い手が見つかりにくい
原野の土地の買い手は、住宅の建築目的で土地購入を希望する人からは現れないことがほとんどです。
前述したとおり、立地の悪さなどがあるため買い手は原野の土地購入を控えるでしょう。
それに加えて、住宅ローンが組めないことも買い手が見つかりにくくしている要素の1つです。
金融機関は地目が宅地以外の場合、借入を受け付けないケースがあります。
上記の場合、地目を原野から宅地に変更しなければ、住宅ローンを組めません。
ただし、住宅が建っていない状況で原野から宅地に地目の変更はできません。
そのため、原野から宅地に地目変更する場合は、建物を建てた後にする必要があります。
もし、住宅ローンを借りられない場合、自己資金で建築費用を賄う必要があります。
住宅の建築費用を自己資金で賄える人は限られるため、買い手は見つかりにくいでしょう。
地目が原野のメリット3選
原野は開発されていない土地であることから、以下のメリットが挙げられます。
- 土地が安く購入できる
- 固定資産税が安く抑えられる
- 自然環境が豊か
土地が安く購入できる
地目が原野の土地は、安く購入できる傾向にあります。
住宅地と異なり、住宅を建てるには造成工事をはじめ土地の整備をする必要があります。
また、交通の便が悪い、商業施設が近くにないといった立地が悪いことも原野の特徴の1つです。
上記の特徴から、原野は通常の住宅地より人気が低くなる傾向にあります。
原野は、土地として需要が低くなっているため、土地の価格も低くなります。
固定資産税が安く抑えられる
原野は土地の価値が低くなる傾向から、固定資産税の税額も安く抑えられます。
固定資産税の税額は以下の計算式で算出可能です。
税額の算出に使われる固定資産税評価額は、土地の価格が安いほど、低くなります。
そのため、原野は固定資産税の税額が安く抑えられます。
また、固定資産税評価額が30万円未満の場合は課税されません。
原野は、利用価値が低く、土地の価格が安くなる分、固定資産税の負担が軽くなります。
自然環境が豊か
地目が原野の場合、自然環境が豊かであるのがメリットです。
原野は、人の手が加えられていない土地であるため、敷地内は自然が豊かなケースがあります。
とくに、宅地開発されていない純原野は、周辺地域も自然環境が豊かなままの状態で残されている可能性が高いでしょう。
都市部から離れて、静かに過ごしたい人にとっては、原野の環境はうってつけといえます。
原野から宅地へ地目変更する3つの手順
原野から宅地へ地目変更する際は、土地に家が建っている状態にすることが必要です。
土地の用途を変えた際に、必要な手続き
地目変更する手順は、以下のとおりです。
- 法務局に必要書類を提出
- 法務局による現地調査
- 登記完了証の受け取り
必要書類は、「土地地目変更登記申請書」のみです。
「土地地目変更登記申請書」は記載例とともに、法務局のホームページに掲載されています。
なお、上記の手続きは、土地家屋調査士に申請の代行を依頼することも可能です。
土地家屋調査士に代行を依頼する際の費用は1つの土地あたり5~6万円程度が相場です。
地目が原野の土地の使い道
原野は住宅地として、開発が進んでいない土地であるため、自然環境が豊かな立地といえます。
自然環境が豊かさを活かして、キャンプ場をはじめとしたレジャー施設としての活用が可能です。
また、周辺に住宅が少ないことを活かし、資材置き場や太陽光発電事業として、土地活用もできます。
原野は開発されていないため、利便性が悪い土地といえますが、活用次第では収益をあげることも可能です。
原野の使い道について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
ただし、定期的な管理が必要なケースが多く、土地が遠方にある場合は原野の土地活用は難しいでしょう。
土地活用が難しいときは、需要がない土地を専門に扱う不動産会社に相談しましょう。
専門の不動産会社は、収益化できる土地の活用ノウハウがあるため、土地処分の相談に応じてくれる可能性が高いからです。
アルバリンクは、需要がない土地を買い取っている不動産会社の1つです。
他社が断るような扱いが難しい土地でも、買い取ってきた実績があります。
いらない土地の処分にお困りの方は、アルバリンクにぜひご問い合わせください。
まとめ
この記事では、地目が原野であることのデメリットとメリットについて解説しました。
原野は、開発されていない土地のため、建物を建てられる土地の状態に整備する必要があるほかに、インフラを整備する必要があります。
周辺地域も開発が進んでいないこともあり、利便性が悪いこともデメリットの1つです。
一方、開発されていない土地であることから土地の価値が低くなるため、土地を安く購入できます。
また、開発が進んでいないことから自然環境が豊かな状態が残っているというメリットもあります。
上記の特徴から、原野は、レジャー施設や太陽光発電事業など住宅地として開発されている土地ではできない土地活用が可能です。
なお、土地活用ができない、または、するつもりがない方は、需要がない土地を取り扱う不動産会社に相談しましょう。
上記のような不動産会社は、需要がない土地でも収益化できるノウハウがあるため、取り扱いを断られる可能性が低いからです。
アルバリンクは、需要がないといわれている土地を買い取っている不動産会社です。
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また、全国対応のため、土地の所在にかかわらず査定の対応が可能です。
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