一般的にゴミ屋敷とは、ゴミや不用品が処分されないまま大量に蓄積し、日常生活や衛生面に支障をきたしている家のことを指します。
ゴミ屋敷の中を片付けたいと思っても、ゴミの量が多いので、通常の片付け作業よりも大変になることが予想されます。
では実際、ゴミ屋敷の片付けでは何が大変なのでしょうか。
今回は実家がゴミ屋敷化した経験をもつ253人を対象に、「片付けで最も大変だったこと」についての調査を実施しました。
「処分に困った物」や「自力で片付けたか、業者を使ったか」などについても聞いています。
- 調査対象:実家がゴミ屋敷化した経験がある人
- 調査期間:2026年7月30日~8月5日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:253人(女性147人/男性106人)
- 回答者の年代:20代 18.6%/30代 32.0%/40代 26.5%/50代 15.8%/60代以上 7.1%
ゴミ屋敷化した実家の片付けで最も大変だったことは「片付けにかかる費用」

「ゴミ屋敷化した実家の片付けで最も大変だったこと」の1位は「片付けにかかる費用(19.0%)」でした。
2位「家族の反対(15.4%)」、3位「荷物の仕分け(11.9%)」、4位「生ゴミの処理(11.1%)」が続きます。
「金銭的な負担」「家族との衝突による精神的な負担」「作業にかかる手間や時間」などが、最も大変だったこととして挙げられています。
ゴミ屋敷の片付けにおける負担には、さまざまな種類があるとわかりました。
根底にあるのはゴミの多さと考えられます。
ゴミが多いことで、仕分けなどの作業量は多くなり、分別方法がわからないゴミも出てきて、処分費用はかさむからです。
1位 片付けにかかる費用
- 普通の燃えるゴミや燃えないゴミとして出せない物は業者に依頼して回収してもらったので、お金がかなりかかった(30代 女性)
- 長年溜め込んだ大量のゴミや不用品の処分費用が、想像以上に高額だったこと(40代 男性)
- 処分の費用が大変(60代以上 男性)
1位は「片付けにかかる費用」でした。
ゴミ屋敷には大量のゴミが溜まっているため、自力での作業が難しいことも少なくありません。
ただ仕分けから運搬や清掃まで業者に任せてしまうと、ゴミの量や家の大きさによっては、かなりの費用がかかることもあります。
またできるだけ自分や家族で作業する場合も、大型家具など運搬や処分が難しい物については、業者に依頼するほうが楽になることも。
専門業者への依頼が必要になると、やはりまとまった出費が発生します。
そのため粗大ゴミの処分や業者への依頼費用について、「思っていた以上にお金がかかった」と感じる人も多くなりました。
2位 家族の反対
- 親が物を捨てられない人で、10年前に買ってそこら辺に投げられた雑誌を捨てようとすると、「まだ読むから捨てちゃダメ!」と言われました(20代 男性)
- いらない物を「まだ使うから」と言い張る本人を、「ただのゴミなんだ」納得させること(50代 女性)
- 親の説得と意識改革。長年溜め込んだ物を財産と思い込んでいて、「まだ使える」「もったいない」と捨てることを強く拒絶された。説得するたびに口喧嘩になり、作業以上に精神的な疲弊が大きかった(60代以上 男性)
2位は「家族の反対」でした。
周囲から見ればゴミでも、本人にとってみればゴミではないということもあります。
「ゴミの中で暮らしていて不衛生だし、危ない」と周囲が説得しようにも、住んでいる本人が納得できないこともあるのですね。
片付けへの理解を得られずに喧嘩になってしまい、精神的に疲弊してしまったという人も多くいました。
片付けたいのに反対される状況だと手をつけられず、状況が悪化していくのを見ているしかなくなるので、大きなストレスになると推測できます。
3位 荷物の仕分け
- 必要な物と不必要な物の仕分けがとても大変だった(30代 女性)
- 一番きつかったのは、物を運ぶより「残すのか捨てるのか」を決めることでした。押し入れを開けるたびに昔の写真や親の思い出の品が出てきて、手が止まってしまいます。片付けより考える時間のほうが長かった日も何度もありました(40代 男性)
- 重要な物も混じっているので、より分けるのが大変(50代 女性)
「荷物の仕分け」が3位となりました。
ゴミ屋敷には明らかなゴミだけでなく、「貴重品」「重要書類」「思い出の品」「未使用品など、まだ使える物」が残っていることも珍しくありません。
「必要か不要か」「残すか捨てるか」を判断するのが難しいケースも多いため、大変だと感じた人も多くいました。
まとめて処分できず、ひとつずつ確認しながら進めると、時間がかかります。
また捨てにくい物を捨てるという判断を下すときには、感情面での負担も大きく、精神的に疲れてしまいかねません。
4位 生ゴミの処理
- 放置したジュースなどが膨張していて処理が大変でした。生ゴミの処理も大変でした(20代 男性)
- 腐った野菜の処分。冷蔵庫の中で腐ってしまい、取り出す際にも汁がしたたって周りが汚れました。汚れた冷蔵庫を掃除するために庫内のパーツを取り外す羽目になってしまったのも、大変でした(20代 女性)
- 最も大変だったのは、生ゴミや腐敗した食品の処理。臭いと虫の多さに精神的な負担が大きく、作業が思うように進まなかった(40代 男性)
「生ゴミの処理」が4位です。
日常的なゴミ出しができていないゴミ屋敷だと、生ゴミが残っていることもあります。
生ゴミが長時間放置されていると、腐敗して嫌な臭いを発したり、害虫を引き寄せたりします。
処理を進めようとすると、強烈な臭いで気分が悪くなったり、触ると手や周囲が汚れたりして、ストレスです。
不快感から作業が中断しやすかったり、そもそもやりたくないと思ってしまったりすると考えられます。
5位 不衛生な環境での作業
- 潔癖症なので、その空間にいること自体が苦痛で大変でした(30代 女性)
- 換気をしていないと粉塵が舞うこと、ネズミの糞が大量にあったこと。環境を踏まえ、それなりの装備をすることが大変でした(40代 男性)
- 衛生面。息を止めてしまうほどの悪臭、目のヒリヒリ感、体の痒みとの戦いでした。コバエが湧く劣悪な環境に、精神面での消耗が激しかったです(40代 女性)
5位は「不衛生な環境での作業」でした。
ゴミ屋敷ではゴミが室内を埋め尽くし、日常的な掃除ができていないケースも多々あります。
長期間掃除されていない室内は不衛生で、ホコリが舞ったり、カビや虫が発生したりしている可能性があります。
健康面に影響が出ることも考えられるため、大きなストレスを感じる人も少なくありません。
またアレルギー反応などから自分を守ろうと思うと、マスクなどが欠かせず、装備の準備が手間にもなります。
6位 ゴミの分別
- ゴミの分別です。ゴミが多すぎることによって、ひとつずつ分別するのがすごくめんどくさかったです(20代 男性)
- 自身の知識不足もあり、ゴミの分別が一番大変でした(40代 男性)
- ゴミの分別。衣類でも素材によってはボタンをはずす必要があるので(50代 女性)
6位は「ゴミの分別」でした。
ゴミの分別ルールは自治体によって異なっており、片付けにあたってはゴミ屋敷がある自治体のルールを調べておく必要があります。
またゴミ屋敷では片付けに伴って出るゴミの量が多くなるため、分別を考える回数も増えます。
確認や判断を何度も繰り返すことになり、単調な作業でも精神的に疲れてしまいかねません。
丁寧な作業が続くため、時間も手間もかかります。
7位 作業量の多さ
- ゴミ屋敷を片付ける中で最も大変だったのは、物の量が多すぎてどこから手をつければいいのかわからなくなることでした(30代 女性)
- 長年放置されて溜まった大量のゴミや不用品の量は想像以上で、分別から搬出までのすべての作業が、肉体的にも精神的にも非常に過酷でした(30代 女性)
- ゴミの量が多くて、全然片付かないこと(40代 男性)
「作業量の多さ」が7位です。
ゴミ屋敷には長年にわたって積み重なった物があります。
その作業量の多さは想像以上で、どこから手をつければよいかわからないと感じた人もいました。
最初の一歩を踏み出す前に、躊躇してしまうのですね。
また量が多ければ、仕分けやゴミの分別、運搬などの作業も増えて、大変になります。
作業量に、終わりが見えないという精神的な負担が重なることで、ストレスになると考えられます。
ゴミ屋敷化した実家の片付けで処分に困った物1位は「思い出の品」

「ゴミ屋敷化した実家の片付けで処分に困った物」のダントツは、40%以上の人が挙げた「思い出の品(43.5%)」でした。
2位「大きな物(13.8%)」、3位「食品(12.3%)」が続きます。
「大きくて運びにくい物」や「触るのが嫌な物」を抑えて1位になったのは、「思い出の品」。
まだ使えそうな物も含めて、気持ちの整理が必要な物に困ってしまう人が多いとわかります。
判断に迷う物と作業しにくい物が大きなハードルになっているのですね。
1位 思い出の品
- 写真や写真のフィルムが頭を悩ませました。思い出は一番処分しにくいです。フィルムなんてとっておいても見にくいですし、焼き増し予定もないのでなくてもいいと思うのですが、思い出の処分は胸が痛いです(40代 女性)
- 会社からの賞状やトロフィーなど、思い出の記念アイテム(50代 男性)
- 子どもの自分達にとっても思い出深い物を捨てるのは、精神的に辛かった。人形などは自分が引き取りたかったものの、自分の家も狭いので処分せざるを得なくて、捨てにくかった(60代以上 女性)
1位は「思い出の品」でした。
ゴミ屋敷にはゴミだけではなく、大切な思い出も残っていることがあります。
実用品として使うことはなくても、思い入れがある物は捨てにくいですね。
具体的には「写真やアルバム」「賞状」「プレゼントやお土産」「人形」などが挙げられています。
家族写真などは、家族全員に関わる思い出の品なので、自分だけでは捨てていいか判断しにくいことも、ハードルになっていると考えられます。
2位 大きな物
- 布団。粗大ゴミとして捨てなければいけないので、費用がかかってしまう点で苦しかったです(20代 女性)
- 大きい物です。布団くらいあるクッションやマットはかなり捨てにくかったです(30代 男性)
- 昔のタンスは大きい上に頑丈で、処分しにくかったです(50代 女性)
2位は「大きな物」でした。
具体的には、大型の家具や家電、寝具、バイク、機械類などが挙げられました。
大きな物の処分に困る理由としては「運搬が大変」「お金を払って処分する必要がある」などがあります。
現実的な負担が大きいので、困ってしまうのですね。
3位 食品
- 中身が残ったまま放置されていた大量の「ペットボトル」「缶詰」「賞味期限切れの調味料」です。異臭に耐えながら中身を出し、容器を洗って乾かしてから処分するのは、心理的にも非常にハードルが高く頭を悩ませました(30代 女性)
- 生ものは腐っていたり、虫が湧いていたりして、触るのが嫌でした(50代 男性)
- 食べ物がたくさん出てきて、異臭はするしドロドロだし、まとめて捨てるのが恥ずかしかった(60代以上 男性)
「食品」が3位となりました。
多くの食品は放置されると生ゴミとなり、腐敗による臭いや液漏れを起こします。
害虫の発生にもつながるため、処分するにあたって「触りたくない」「恥ずかしい」などの不快感を抱いた人も多くいました。
しかしきちんと分別して捨てようと思うと、「ペットボトルから中身を出して、容器を洗う」などの準備が必要です。
嫌だと思いながら作業することに、大きなストレスを感じた人も多いと推測されます。
4位 まだ使えそうな物
- まだ使えそうな家電や衣類は、もったいないという気持ちがあり、処分するかどうか最後まで悩みました(20代 男性)
- まだ使えるけれど今後使う予定がない雑貨や衣類も「もったいない」という気持ちが強く、処分するまで時間がかかりました(30代 女性)
- 未使用品を捨てるかどうか悩んだ(60代以上 男性)
「まだ使えそうな物」が4位です。
具体的には、未使用の日用品や着られそうな服、壊れていない家電などが挙げられています。
「誰かが使えるのでは」「いつか必要になるかもしれない」という気持ちで、捨てるのが難しくなってしまうとわかりました。
アンケートでは「まだ使えそうなのでフリマアプリで売ろうかと思ったが、ゴミ屋敷から出てきた物を売る勇気がなかった」という声も。
ゴミ屋敷にあった物は、活用したくてもしにくいという心理があることもうかがえます。
5位 汚れている物
- 汚れたままや割れてそのままになっている食器類は、触りたくないという意味で頭を悩ませました(20代 女性)
- カビだらけの衣類(40代 男性)
- とにかく物を溜め込みすぎていて、中にはカビが生えた物や、汚れたままの物などあって、処分が大変でした(60代以上 女性)
5位は「汚れている物」でした。
ゴミ屋敷の中には、湿気や水分のせいでカビてしまった布類や、汚れたままの食器が放置されていることもあります。
見た目や臭いが不快ですし、衛生面への不安もあって、触りたくないという気持ちになり、困った人もいました。
「カビの生えた布団は、運ぶときにどうしても体に密着するので嫌だった」という声も寄せられています。
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ゴミ屋敷化した実家の片付け、約6割が自力で対応

「ゴミ屋敷化した実家の片付けはどのように行いましたか」と聞いたところ、「自力で作業した(60.1%)」が圧倒的1位となりました。
以下5位までは、2位「一部を業者に頼んだ(16.2%)」、3位「すべて業者に頼んだ(12.3%)」、4位「途中までやって放置した(6.3%)」、5位「放置している(2.8%)」でした。
- 兄弟で集まって片付けました。一人じゃ絶対に無理でした(40代 女性)
- こつこつ時間をかけて、ほぼ一人で片付けしました。処分する物は母に確認したり、大きな家具を廃棄しに行くときは、夫に頼み車で持って行ってもらったりもしました(40代 女性)
- できるところまで自分たちで片付けて、最後は業者さんにお願いしました(60代以上 女性)
- 自分たちだけでは到底すべてを片付けきれないと判断し、専門の不用品回収・片付け業者へ依頼して、一括して作業を代行してもらいました(30代 女性)
- 始めたものの予想より進まないことがストレスで、放置している(40代 男性)
自分や家族を中心に対応した人が、全体の6割にのぼりました。
業者に頼むと費用がかかることから、まずは自分たちで何とかしたいという意識が強いのだと考えられます。
ただ実際に作業を進めていくと、物の多さや大きな家具の搬出などが難しく、自力では対応しきれないと感じることもあります。
そのため「大きなゴミは業者に頼んだ」など、必要に応じて専門業者の力を借りるケースもありました。
自分や家族だけでできることには限りがあり、抱え込んでしまうと、途中で作業が止まりかねません。
費用はかかりますが、ゴミ屋敷を解消するなら「できる範囲は自分たちで進めつつ、難しい部分は周囲や専門家の力を借りる」という対応をおすすめします。
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まとめ
ゴミ屋敷化した実家の片付けにおいては、大量のゴミを処分する作業が大変なのはもちろん、「費用」「家族との交渉」「気持ちの整理」といった困難もあるとわかりました。
ゴミ屋敷を解消したいという思いがあっても、実際に作業を始めてみると、思い出の品やまだ使えそうな物については「捨てる」という判断が難しくなることもあります。
また大型の家具や家電は、素人が自力で運搬しようとすると危険なことも。
自力では難しいと感じたら、ゴミ屋敷の片付けに慣れている専門業者への依頼も、有効な選択肢になりえます。
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