シロアリ被害があった家を売却する時の注意点・想定されるトラブル
過去にシロアリ被害があった家を売却する場合、どんな注意点やトラブルが想定されるでしょうか。この章でご紹介していきましょう。
シロアリによる被害とは?
シロアリはアリという名前がついていますが、実際にはゴキブリの一種です。資産活用の面では家屋の価値を毀損する天敵ですが、自然界では最も数の多い昆虫とも言われており、倒木を食べることで森を守っている益虫でもあります。
シロアリは湿度が高く暖かい環境に多く発生し、木造住宅は格好の餌食ですので定期的なシロアリ対策が必要です。シロアリはコンクリートにも被害を与えるので鉄筋コンクリート住宅でも油断はできません。
シロアリ被害の問題点は、建物の耐久性を下げて耐震性を損なうことです。シロアリ被害が直接的に家屋を損壊させることはありませんが、シロアリ被害にあった家屋は耐震性能が大幅に低下するため、資産価値を大きく損なってしまいます。
このことから、物件を維持する場合には建物の構造を問わずシロアリ対策を行うことをお勧めします。
絶対に隠してはいけない
不動産の取引において注意しなければならないのは、家屋のシロアリ被害は売却時に必ず告知しなければならないことです。シロアリの被害は住宅を売買する場合の「瑕疵(かし)」にあたります。
瑕疵とは、目に見えない欠陥や不具合を指しており、物理的な不具合だけでなく心理的な問題も含めて「瑕疵」に該当しています。瑕疵の内容には他にも「雨漏り」「木部の腐食」「配管の故障」「建物の傾斜」「地盤沈下」「軟弱地盤」「浸水被害」「漏水」なども含まれます。
他にも、自殺、殺傷事件や悪臭の発生といった心理面での瑕疵も含まれます。
物件の瑕疵が判明した場合、買主は契約の解除や損害賠償の請求が可能となります。瑕疵を隠しており、後から隠れた瑕疵が発生した場合でも売主の瑕疵担保責任は民法第570条に定められており、隠れた瑕疵に対しても売主は瑕疵担保責任を問われることになります。
一般的な売買契約では「雨漏り」「シロアリ」「木部の腐食」「配管の故障」に関して売主の修復義務を定めているため、シロアリの被害があったことは絶対に隠してはいけません。
この事実が売却後に明らかになると、次の章でご紹介する瑕疵担保責任を問われるばかりでなく、民事裁判による損害賠償請求に発展するリスクもあります。シロアリ被害が発生した場合は正直に申告しましょう。
告知しなかった場合のリスク
シロアリ被害を告知せずに家屋を売却した場合、事実が明らかになると「瑕疵担保責任」を問われる場合があります。
瑕疵担保責任とは、その名の通り「建物の瑕疵(欠陥)があった場合、売主が買主に対して負う責任」のことを指します。
根拠となる法律は民法570条で「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、契約の解除をすることができる。契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる」と規定されています。
つまり、告知を行わずに売却をしてシロアリ被害が発覚すると売主は瑕疵担保を負うことになります。
多くの売買契約では瑕疵担保責任の期限を定めており、買主は建物の欠陥を見つけてから1年以内でないと、売主に責任を追及し損害賠償を請求することができなくなりますが、最大10年間は瑕疵担保責任が発生するという判例もあることから、売却の場合の告知は非常に重要です。
家屋を売却する場合は、瑕疵担保免責にしてもらえるように、買主側と交渉することが重要です。
不動産会社が売主となる場合には瑕疵担保責任を企業が負うので損失は許容できる場合が多いですが、個人売主となると数百万単位で発生する瑕疵担保責任は許容できる範囲を超えています。
瑕疵担保責任を負うことになると、その期間中については常にリスクを抱える事になるため、売却して引渡した後もリスクに怯える日々が続きます。そのため、売買契約において買主側に瑕疵担保責任の免責を条件として提示することも重要です。
買主側が不動産業者であれば、ほとんどの場合、瑕疵担保免責によって売却できるため、瑕疵担保責任のリスクを免れることができます。
売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
民法 第五百七十条(売主の瑕疵担保責任)
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。民法566条
売却方法のポイントについてご紹介
シロアリ被害の発生した土地家屋を売却する場合、どんな方法があるでしょうか。
この章ではシロアリ被害の発生した家屋の売却方法についてご紹介していきます。
解体して更地で売る
最も確実に売却する方法は建物を解体して売却する方法です。売却後も瑕疵担保責任のリスクを抱え続けなければならない場合、解体して更地にしてから売却する方が心理的にも瑕疵担保責任した場合の時間的・金銭的リスクを考えても負担軽減につながる場合があります。
建物を解体する場合の費用は地域や立地、物件内容によって異なりますが、基本的には以下のような目安を持つことが可能です。
30坪の解体費用
- 木造 :100〜150万円
- 鉄骨造:150〜200万円
- RC造 :180〜300万円
ただし、解体の場合には現地調査・配管撤去・足場組立・建物解体と多くのプロセスが生じ、1ヶ月近い期間が掛かります。

駆除してから売却
建物をそのまま売却したい場合は、シロアリ駆除を行ってから売却するのが一般的です。
この章では、シロアリ駆除についてご紹介していきましょう。
駆除費用の相場について
シロアリ駆除は大きく分けて「薬剤散布」と「駆除」 に分かれます。「薬剤散布」は、「ベイト剤」と「バリア剤」による駆除が一般的です。ベイト剤を使った駆除はシロアリに薬剤を混入させた餌を巣に持ち帰らせ、巣にいるシロアリごと駆除する方法です。
シロアリがベイト剤を食べた後に効果を発揮する薬剤なので、駆除までにはある程度の時間が掛かります。しかし、餌を食べたシロアリだけでなく巣にいるシロアリも一網打尽にできることから効果の高い駆除方法と言えるでしょう。
バリア剤を使った薬剤散布は家屋の基礎にあたる土壌へ薬剤を散布したり、薬剤をシロアリの通る道や壁、支柱へ注入することでシロアリを駆除する方法です。ベイト剤での駆除に比べて即効性がありますが、巣にいるシロアリを駆除することができないので、可能であれば両方の薬剤によって駆除を行うと効果的です。柱や壁などに穴をあけることから既にシロアリ被害が出ている家屋での対策に有効です。
ベイト剤散布の費用は30坪の建物で30万円〜40万円程度、バリア剤散布の費用は20万円程度が相場です。解体に比べると安価ではありますが、売却予定の建物に対して投資するに見合うコストかどうかは検討する必要があるでしょう。
そのまま買い取ってくれる専門の買取業者に相談する
上記の通り、シロアリ被害に見舞われた建物を、個人の買手に売り出すためには、シロアリの駆除費用や建物の解体費用を要します。
ですが、売主が一切の費用負担をせずに、物件をそのまま売却する方法もあります。
それは、シロアリ被害があるような「訳あり物件」を専門にする買取業者に、直接物件を買い取ってもらう方法です。
不動産買取とは、不動産業者が直接買主となり、売主(あなた)の物件を買い取る売買の仕組みです。
通常の不動産売買では、買い手がつくまで数ヶ月から数年単位の時間を要するところ、買取業者であれば、最短数日で現金化してもらえます。
買取業者であれば、通常売主に課せられる「契約不適合責任」も免責の状態で、買い取ってくれるので不安要素がありません。
もしも、
- シロアリの駆除費用や建物の解体費用を負担したくない
- そもそも業者を呼んだり面倒な手続きはしたくない
という方でしたら、専門の不動産買取業者を利用するよう強くおすすめします。
弊社「Albalink」は、シロアリ被害はもちろん、どんな訳あり物件でも買取可能です。査定のみの依頼も大歓迎ですので、お気軽にご連絡ください。
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まとめ
シロアリ被害の怖さは、「気づいたときにはもう手遅れなこと」です。
床がきしんだり、壁が変色したり、雨漏りが起きたり、居間でシロアリの群れを見かけた日には、すでに建物は基礎からやられています。
シロアリに建物の基礎からやられてしまえば、一般の買主相手に売却するのも一苦労で、多額の費用を売主負担で支払わなければならなくなります。
ですが、ご安心ください。
繰り返しにはなりますが、シロアリ被害を始めとする「訳あり物件」を専門に取り扱う買取業者なら、そのままの状態で物件を買い取ってもらえます。
弊社でも数多くの訳あり物件買取実績がございます。もちろん、複数の買取業者に査定依頼をお出しいただき、比較検討してもらうのがベストです。
ですが、弊社スタッフも売主様にご納得いただけるよう、金額や条件には全力を惜しみませんので、ぜひ判断材料の一つとしてご活用ください。