未登記建物の所有者の確認方法
自身が相続した建物が未登記建物どうかを確認する方法は、以下の2つです。
詳しくは後述しますが、登記以外で建物の所有者であることを証明する方法もあります。
まずは、オーソドックスな未登記建物の所有者の確認方法を見て行きましょう。
法務局で土地の謄本を調べる
法務局で登記事項証明書を取得すると、該当する物件や土地が誰の名義なのか調べることができます。
「登記事項証明書」は登記事項の「すべてが」記載されたデータを印刷したものであり、「登記簿謄本」とほぼ同義の用語として使われます。
従来「登記簿謄本」とよばれていたブック式の書類は、法務局がオンライン化されコンピュータ上にデータが移されたことにより、横書きの「登記事項証明書」になりました。
法務局では誰でも登記事項証明書の請求申請が可能で、所有者・不動産の情報について記載された、以下のような公的書類です。
他の市町村や都道府県にある土地の登記でも最寄りの法務局で取得することができます。
登記事項証明書の見方については以下の記事で詳しく解説しています。
登記事項証明書を取得するのに必要な資料はありませんが、土地であれば地番、建物であれば家屋番号が分かるとスムーズに登記事項証明書を取得することができます。
参照元:法務局|登記事項証明書等の請求
ただし、登記事項証明書に記載された名義人が現在の土地の所有者であるとは限りません。
例えば、土地を相続した人が登記を行わずに、過去の所有者の名義のままになっていると言うケースはよくあります。
これは、名義変更の義務がないために起こることです。
なお、2024年4月1日より相続登記が義務化され、違反すると過料が科される恐れがあるため注意しましょう。
相続登記について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
相続人へのヒアリング
法務局で登記事項証明書を取得し、名義人が判明した場合にはその名義人に登記の状況を確認しましょう。
名義人が相続人と違う場合には相続人に現状を確認し、物件の登記をどのように扱うかをヒアリングが必要です。
ヒアリングにあたり、相続人が不明な場合は、被相続人の「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」を収集すると、相続人が特定できます。
なお、被相続人のすべての戸籍謄本は「被相続人の本籍地の役所」で1通450円〜750円で取得可能です。
未登記建物が及ぼすリスク
未登記建物の所有者を調べる方法について解説しました。
では、具体的に土地や建物の登記がなされていないと、どのような不都合があるのでしょうか。
この章では、未登記建物が、所有者や相続人に及ぼす以下4つのリスクを解説します。
なお、相続した未登記建物の放置するリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
相続時に問題になる
未登記不動産が問題になるのは不動産の所有者や権利関係が変更になる場合です。
特に相続の場合、遺産の所有者(被相続人)を正確に把握できなければ、誰が相続人かがわかりません。
誰が相続人か不明瞭なままでは、遺産の分け方について話し合うことすらできませんので、未登記建物は相続時に非常に厄介です。
仮に相続人を特定できたとしても、面識がない相続人から突然遺産の分け方について提案されるので、トラブルに発展する可能性があります。
実際に、弊社が行ったアンケート調査では、相続に関して「相続人同士と揉めないか」に不安を感じている方が多数派であることがわかります。
このように、人関係以外でも費用・手続き・相続割合に不安を感じている方は多く、実際に相続人同士がトラブルに発展するケースは珍しくありません。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では、所有者が不明瞭な不動産も相談・買取に対応しております。
「所有者が不明瞭でどうすればいいかわからない」「未登記建物を巡って相続人とトラブルになった」というケースもお任せください。
未登記建物をはじめとした数多くの訳あり不動産を取り扱ってきた弊社スタッフがお悩み解決できるよう、全力でサポートすることをお約束します。
未登記建物を相続した場合、固定資産税は徴収される
未登記建物を相続した場合、登記手続きをしていなくても固定資産税は相続人から徴収されます。
建物の登記は国の管轄・固定資産税は市区町村の管轄です。
固定資産税は、市区町村の職員が現地調査をして、相続人の代表者を特定して徴収する仕組みになっています。
市区町村の職員により相続人の代表者に選ばれた場合、毎年相続人から持分割合に応じた固定資産税を徴収し続けなければならないので、トラブル回避のためにも事前の話し合いが重要です。
所有権が証明できず売却ができない
未登記建物のままでは物件の売却が難しくなります。
売りに出すこと自体は可能ですが、買手からすると売主が本当に所有者かわからないまま、売買契約を結ばなければなりません。
また、物件が未登記のままでは、金融機関も担保価値を認めませんので、買手は住宅ローンを利用できません。
以上から、未登記建物は買手にとって大きなリスクがあり、基本的に売買成約には至りません。
ですが、過度に心配する必要はありません。未登記建物でも売却する方法はあります。
詳しくは以下の記事で解説しておりますが、売却に難のある不動産を専門に取り扱っている買取業者に直接売却すれば、売主は余計な手間も売れ残りリスクも背負う必要がありません。
弊社ではどんなに状態の悪い未登記建物でも、積極的に買取を行っております。
強引な営業活動などは一切いたしませんので、お気軽にご相談ください。
第三者が権利を主張してくる場合がある
建物が未登記の場合に考えられる最悪のケースは第三者が権利を主張してくるケースです。
不動産の権利は登記によって決定します。
契約や代金の支払いが済んでいたとしても、第三者が登記を済ませてしまうと買主であっても権利を主張できなくなる可能性があります。
これは民法第177条に記載されており、不動産を登記することが第三者に対抗する要件として重要な要件とされています。
例えば1つの建物を2人の被相続人に相続した場合、正式な所有権は先に登記した側に渡ります。
第三者の権利主張を防ぎ所有している建物を守るためにも、未登記建物の登記を行うことをお勧めします。
所有者が不明になる
建物の登記をしないまま放置していると、所有者が不明になるケースがあります。
とくに、未登記の状態で相続の代替わりを迎えると、共有者となる相続人もネズミ算式に増えるため、所有者を特定してコンタクトをとるのが難しくなるのです。
また、前述したように、建物の固定資産税は持分割合に応じて各共有者が負担し合うため、税金の徴収の難易度も上がります。
将来的な金銭的なリスクを抱えないためにも、建物の登記はすみやかに済ませたほうがよいでしょう。
なお、共有名義で不動産を相続するリスクは以下の記事で詳しく解説しています。
登記以外で建物の所有者であることを証明する方法
登記以外で、何があれば建物の所有者であることを証明できるのでしょうか。
登記以外の方法で建物の所有者を証明できる以下3つの方法をご紹介していきます。
固定資産税明細通知書
固定資産税明細通知書は、地方自治体から建物の固定資産税を課税された場合に発行される明細書です。
固定資産税を請求されるということは、自治体からは所有者の物件であると認知されて、以下のような納税通知書が届くということです。
【固定資産税納税通知書の見本】
固定資産税納税通知書があれば公的機関からの通知を持っているということで、建物の所有者としての権利を主張できる一つの証明となります。
紛失した場合は、役所で固定資産課税台帳を閲覧する・固定資産評価証明書を取得する方法でも代用可能です。
売買契約書
住宅の売買契約書を所持していることも所有者としての証明の一つです。
売買契約書とは、売主・買主が売買契約を締結する際に取り交わす、契約内容の詳細が記載された以下のような書類です。
【売買契約書の見本】
売買契約書の作成は不動産会社が売買を仲介する場合には記載内容が宅地建物取引業法第37条で定められており、売買の対象物に関しても所在地や家屋番号が記されています。
建築確認申請書
建築確認申請書は物件を建築する際に特定行政庁に提出する書類です。
建築確認申請が通らないと建物の建築を開始することができません。
竣工後には建築主に引き渡される書類で、改築の際にも必要になる書類です。
建築確認申請書を所有しているということは、売買や相続において正当な所有者としての権利を持っている証明の一つといえるでしょう。
建物の未登記が発覚した際の相談先
入手した建物が未登記建物だった場合、内容によって相談する専門家が異なります。
この章では、建物の未登記が発覚した際の以下3つの相談先をご紹介します。
土地家屋調査士に相談する
土地家屋調査士は、不動産の登記に必要な調査や測量を行う専門家です。
物件の現地の状況を確認し、隣接所有者の立会い等を経て筆界を確認したり、境界を確定させるための地積測量図を作成するなどの業務を行います。
一般的に登記は所有者が登記申請をする義務を課されていますが、土地家屋調査士は所有者に代わって登記を行うこともできます。
土地家屋調査士に未登記建物をどのように取り扱うかを相談すれば、現地調査や所有者証明に関して案内してくれますので、現地の調査に関する資料などが不足している場合には土地家屋調査士に相談すると良いでしょう。
司法書士に相談する
司法書士は依頼によって裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成したり、登記手続きに関して業務を行うことができます。
土地を売買したり、子供や孫などの相続人に贈与した場合の所有権移転登記や、建物を建てた時の所有権保存登記など、登記に関する業務を行います。
未登記物件の権利移転を行う場合には、司法書士にどのような対応が必要かを相談すると良いでしょう。
不動産買取業者に相談する
未登記建物を売却してしまいたいのであれば、専門の不動産買取業者に相談するのが得策です。
そもそも未登記のままで一般の個人に売却することは不可能に近く、売却するためには売主が面倒な登記手続きを行わなければなりません。
対して、未登記などの問題を抱えた不動産を専門に取り扱う専門の買取業者であれば、手続きを全て業者側で負担してくれます。
つまり、売主側で土地家屋調査士や司法書士に相談する必要はありません。
当サイトを運営する「株式会社Albalink」でも、未登記建物の買取を積極的に行っております。
未登記建物のようにそのままの状態で売却が難しい不動産にも積極的に対応しており、Google口コミでも売主様よりたくさんのお喜びの声を頂戴しております。
相談だけという方も大歓迎ですので、お気軽にご連絡ください。
なお、共有名義の未登記建物を売却するまでの流れと注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、登記がなされていない未登記建物の所有者を調べる方法について解説しました。
未登記建物は、相続時にトラブルに発展したり、売却時に買手探しが困難になったりと厄介な存在です。
未登記を解消するためには、所有者を調べて登記手続きを済ませなければならない場合があります。
未登記建物の所有者を調べる方法は以下の2つです。
- 法務局で土地の謄本を調べる
- 相続人へヒアリングをする
なお、未登記建物を売却したいのであれば、専門の不動産買取業者を利用するのが賢明な判断です。
というのも、物件を市場に売出し、一般の買手を見つけるためには、建物の未登記状態を解消しなければならず、売主に専門家への相談料や、手続きの時間がかかります。
たいして、専門の不動産買取業者であれば、一切の手続きや面倒事を業者が負担してくれます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)でも未登記建物の積極的な買取を行っております。
未登記建物をはじめとした訳あり不動産を数多く買い取ってきた実績があり、2023年にはフジテレビの「イット」でも紹介されております。
無料相談・無料査定は随時受け付けております。
強引な勧誘等は一切ありませんので、お気軽にお問い合わせください。