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未登記建物は売買できるのか?注意点や売買契約書の書き方まで徹底解説

未登記建物は売買できるのか? 違法物件
道下真
道下真
1991年生まれ。信州大学卒業。2015年に(株)クロダハウスに入社し、営業として賃貸、売買の仲介業務に従事。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタントの資格を取得して、2016年から金沢営業所の立ち上げに携わり、同年店長に就任。得意分野は不動産の売買全般。4年間不動産業界に勤めて、3年間支店長として実務を経験。ネットで調べた知識ではなく、現場の活きた情報提供していきます。

結論から言うと、未登記の建物でも売買自体は完結することができます。

ただ、未登記のまま売買を進めてしまうと買主にとって多くのリスクが残ってしまうため、売買そのものが成立しにくくなってしまいます。

この記事では、未登記建物になってしまう経緯と、未登記建物の売買をする際の注意点や具体的な流れについて解説していきます。

そもそも未登記物件とは?

登記とは、物や事柄の権利を社会に示す(公示する)ための制度で、企業などの法人の権利や後見人の権利、債権を譲渡する権利などの権利の保証や、土地や建物などの権利関係を明らかにする制度です。法務省が所管する登記所(法務局)が事務を行い、登記を行う事で公に権利が認められて権利の行使や保護を受けることができます。

簡単に言うと、会社や土地などの持ち主が誰かを明確にするための制度です。

不動産登記

登記の種類には

  • 不動産登記
  • 商業登記
  • 法人登記
  • 動産譲渡登記
  • 債権譲渡登記
  • 成年貢献登記
  • 船舶登記

などが存在しますが、申請件数としては不動産登記が多く、登記といえば不動産登記をイメージする方も多いでしょう。

不動産登記は、土地や建物の現状について公示し、所有権や抵当権などの権利を示すための登記です。不動産登記を行うと、土地の利用に関する効力や対抗要件を得ることができます。

登記を行うと登記簿謄本(登記事項証明書)が取得できるようになり、公示されている情報が確認できます。登記されている情報は以下の通りです。

  • 所在地
  • 面積
  • 地目や建物の種類、構造や床面積
  • 登記の日付
  • 所有者情報
  • 取得日や取得原因
  • 所有権以外の権利(抵当権・地上権・地役権・囲繞地通行権など)

登記簿に記載されている内容は公に認められている権利なので、例えば地上権については他人の土地の上に工作物を所有する権利なので、これを土地の持ち主が勝手に侵害することはできません。

登記を行なっていない未登記建物は、これらの権利が公に示されていない建物であるといえ、権利を第三者に主張された時に対抗する要件を持っていない建物といえるでしょう。

未登記になってしまう理由

本来登記するべきはずの建物(不動産)が、未登記になってしまうのは、下記のようなケースです。

  1. 現金で不動産を購入している場合
  2. 築年数が古い場合
  3. 増改築を行ったが増築登記をしていない場合
  4. 相続登記をしていない場合

このように、登記は建物を建築する上で重要な概念ですが、実際には未登記の建物は数多く存在します。続いて、なぜ未登記建物が発生するのかをご紹介していきましょう。

現金で不動産を購入している場合

不動産を購入する際、多くの方が住宅ローンを組んで融資を受けますが、昔は現金で一括購入する人も多く、住宅ローンを組む際に必要な抵当権の設定も必要ありませんでした。抵当権の設定が必要ないということは、そもそも登記をする必要性も乏しかったため、現金一括で購入する場合には費用や手間を惜しんで不動産登記を行わない場合があります。(違法です)

現金購入→未登記

築年数が古い場合

建物の築年数が古い場合、建物の登記を行なっていない場合があります。特に、昭和25年から土地台帳法が改正され、それまで別々に管理されていた不動産登記簿と家屋台帳が統一管理される改革の中で、更新手続きを行わず未登記の建物が数多く存在することになりました。

土地台帳法改正前の物件

増改築を行なったが登記していない場合

登記している建物でも、増築部分や建物の床面積が変更になる改築をした部分を登記していない場合があります。特に増築は建物の面積が増えることになるので、登記事項と建物の現況が異なるということになります。

本来は増築時に登記を行う必要があり、増築工事の完了から1ヶ月以内に「建物表題変更登記」を行う必要があります。しかし何らかの理由で登記が行われていない場合があります。

増築に関するトラブルを解消するためには、売買契約の時点で増改築部分が未登記の場合、売買契約書に「売主の責任と負担で建物表題変更登記を行う」と明記しておくことで、契約成立後のトラブルを防ぐことができます。

増改築→建物表題変更未登記

相続登記をしていない場合

相続によって財産を得た場合に、把握していない相続財産の固定資産税の納税通知書を見て未登記建物があることが発覚することはよくあることです。

本来は相続登記を済ませておくのがベストですが、相続登記せずに相続人が亡くなってしまった場合に遺産分割協議を行うと、手続きが非常に煩雑になります。

特に、相続した不動産の売却を考える場合には、必ず相続登記を行う必要があります。亡くなった人の名義のまま不動産を売却することはできません。まずは、相続人名義に相続登記を済ませてから売買を行う必要があります。

相続登記を行なっていない場合のデメリットは他にもあります。相続が発生した不動産の相続登記を行わないと、同じ土地や建物を相続する際に相続税を余分に支払う必要があります。

相続→登記変更未完

未登記建物でも売却可能です、ご相談はアルバリンクへ

未登記建物は売買できるけどデメリットに注意

ここからが本題となります。

結論から言うと、未登記建物は未登記のままでも売買自体を成立させることは可能です。ただし、未登記のまま売買をしてお金を支払ってしまうと、買主は多くのリスクを背負うことになります。

未登記建物は登記している建物と比べてリスクやデメリットがあるのでしょうか。この章では未登記建物の主なデメリットをご紹介していきます。

第三者に所有権を主張できない

未登記建物を売買する上での大きな問題点は、第三者に対して所有権を公示できない点です。例えば、中古車であれば車そのものに所有権が設定されているので、売買契約が成立して車を引き渡した時点で所有権が転移します。

しかし、土地や建物は売買契約や代金の支払いではなく登記によって所有権が転移します。つまり、未登記の建物は所有権を公示できないので、融資を受けることができなかったり、土地や建物に付随している権利を主張できないことになります。

当然、土地や建物を売買する場合にも未登記建物は権利関係が明らかになっていない物件として認識されます。第三者に所有権を公示できないことは買主にとっては購入した土地が担保に充てられることができない点や、売買が難しい点からリスクが大きいため、売却が難しいのも大きな問題点です。

所有権を主張できない

金融機関から融資を受けられない

未登記建物の大きなデメリットの一つに金融機関からの融資を受けられない点があります。不動産を所有している場合、融資を受ける際に所有している物件を担保として融資を受けることができます。担保は融資を受ける上で重要な要件で、担保の内容によって融資の金額が大きく変わります。

金融機関から融資を受ける際に設定する担保には抵当権を設定する必要があります。抵当権を設定するためには所有権が必要です。しかし未登記建物は所有権を主張できず抵当権を設定することができません。従って融資を受けることができません。

融資を受けられない

法律違反となる

そもそも未登記建物は法律違反の状態であるということもデメリットです。

不動産登記法では第47条で「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない」とされており、「申請すべき義務がある者がその申請の怠ったときは、十万円以下の科料に処する」と定められています。

ただし未登記の物件を保有していることで逮捕されることもなく、前科がつくこともありません。未登記で過料を請求された事例も出回っていないことから、未登記建物を所有していることで不利益を被ることはありませんが、法律違反の状態を容認していることに変わりはありません。

法令遵守が重要な場合は、未登記建物の存在がデメリットになることは間違い無いでしょう。

法律違反となる

悪意の第三者が現れる可能性がある

未登記建物の最も大きな問題は悪意の第三者が現れる可能性です。

建物の所有権は売買契約や費用の支払いではなく登記によって発生します。未登記建物の場合は、売買契約が済んで支払いが完了したタイミングでも、悪意の第三者によって未登記建物の登記を行われてしまった場合には、その悪意の第三者に所有権が移行します。

最悪の場合、購入代金を支払ったのに建物の権利が別所有者に移ってしまい、購入物件の所有やしようができないというリスクがあります。

動産では起こり得ないような問題ですが、土地建物については登記が所有権を認める上での必要事項だとされているので、未登記建物を売買する上で最も大きな問題が悪意の第三者の存在です。

未登記不動産を売買する具体的な方法

リスクの多い未登記建物の売買ですが、実際に売買する方法を3つのケースでご紹介します。

未登記のまま売買する場合の売買契約書

上述しているデメリットやリスクを飲んででも未登記で売買を進める場合は、その内容で売買契約を締結する必要があります。

その場合は、特約事項にて「土地上に建っている未登記建物も売買対象とする。」という趣旨の文言を書き、平米数や構造などは固定資産税通知書に記載のある内容を反映させましょう。

固定資産税の請求もされていない未登記物件については、想定の平米数を記入して進めるしかありません。

売主が登記をしてから売買取引する

最もスムーズに売買が進むのは売主が登記をしてから売買取引をすることです。

そもそも相続した物件であれば、相続登記を行わなければ売買はできません。また、増築した物件などで登記が売買のタイミングに間に合わない場合には、契約書で「建物表題変更登記を売主が行う」という一文を追加することで売買契約時のトラブルを防止しましょう。

買主が取引後に登記する

どうしても入手したい物件の場合や、売主との関係性を重視したい場合には買主が未登記物件の購入後に登記を行うのも一つの方法です。

不動産登記は場合によっては測量を行う必要もあり、表示登記と権利登記を行う場合には土地家屋調査士と司法書士に依頼が必要になるなど、労力も費用も掛かります。しかし、後々の建物の活用を考えると、売主が登記を行わない場合には買主が不動産登記を行うのも一つの方法です。

未登記建物は売買できるのか?:まとめ

未登記建物の登記をする方法

未登記の建物を登記するには、

  1. 土地家屋調査士
  2. 司法書士

の両方に依頼をする必要があります。

具体的には表題登記を土地家屋調査士に依頼し、保存登記を司法書士に依頼するのですが、まずは表題登記と保存登記とはいったいどういう登記なのかを見て行きましょう。

表題登記と所有権保存登記とは

不動産登記にもいくつかの種類があります。表題登記と所有権権利登記は登記の種類を分類する上でも重要な概念の一つです。

表示登記は不動産の概要が記載されており、所在地や用途、面積や取得の経緯といった土地建物の概要が理解できる情報が記載されています。
一方の権利登記には、誰がどのような権利を持っているかという情報が記載されています。

不動産登記は「どこに」「どんな権利」が設定されているかが重要なので、表示登記が「どこに」を、所有権保存登記が「どんな権利」を記載していることになります。

両者一体に見える二つの概念ですが、それぞれの登記は取り扱う専門家が異なります。表題登記をしていないのか、所有権保存登記のみがなされていないのかによって、どの専門家に依頼するかが変わってきます。

表題登記と権利登記

表題登記に関しては土地家屋調査士が、権利登記に関しては司法書士が行うのでどのような登記が行われているかを把握しておくことは非常に重要です。

表題登記は土地家屋調査士へ

表題登記は土地家屋調査士に依頼をします。

土地家屋調査士は、実際に依頼された建物に出向いて平米数や建物の構造などを調査します。一般的な住居用不動産であればその費用は15万円~20万円くらいを想定しておくと良いでしょう。

表題登記だけがされている謄本

所有権の保存登記は司法書士へ

続いて、所有権の保存登記は司法書士に依頼をします。

保存登記は登記する物件の評価額にもよりますので一概には言えませんが、新築から30年以上経過しているような建物であれば登録免許税などを含めても5万円~10万円で想定しておけば問題ないでしょう。

まとめ

未登記建物をそのまま売却するのはリスクが多いので、買い手がつかないケースが大半です。売主として未登記物件を売却するためには登記するのが有効な方法ですが、不動産の買取専門業者に相談してみると、未登記のまま売却できる可能性もあります。

未登記建物を相続などで所有した場合には、その活用を買取専門の業者に相談してみるのも一つの選択肢です。未登記建物の活用に迷った場合には一度相談してみることをおすすめします。

未登記建物でも売却可能です、ご相談はアルバリンクへ

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