あなたの空き家は本当に解体すべき?目的に合わせた空き家処分の最適解

空き家

「相続してしまった空き家の解体を検討しているけど、費用っていくらくらいかかるの?」
「解体費用を少しでも抑える方法は?」
「そもそも本当に解体すべき?もっと良い方法があるのでは?」

空き家の解体を検討し始めた所有者にとって、何より気になるのは費用ではないでしょうか。

平均的な空き家(30坪)の解体相場は、木造であればおよそ120万、鉄筋コンクリートであれば180万ほどで、決して安い金額ではありません。

空き家の解体を検討し始めるキッカケは人それぞれかと思いますが、結論から言うと、解体自体が大きなリスクであるため、ほとんどの空き家は、解体の前に売却を検討するべきです。

今回は、

  • あなたの空き家は本当に解体するべきか否か
  • 空き家の条件によってどんな売却方法が適しているのか

を解説します。

記事を読み終えるころには、自身の空き家に最適な処分方法が見つかっているはずです。

また、解体費用を抑えるポイントなどにも言及しているので、ぜひチェックしてください。

弊社は空き家専門の買取業者です。様々な空き家処分の現場に立ち会ってきた経験と知識を活かし、あなたの空き家に最も適した処分方法をご提案します。

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  1. 空き家解体の相場
  2. 空き家解体のメリット・デメリット
    1. 空き家解体の唯一のメリットは管理の手間が抑えられること
    2. 空き家解体の大きな2つのデメリット
      1. デメリット①土地の固定資産税が6倍になる
      2. デメリット②高額な解体費用がかかる
  3. 空き家解体は安易にしてはいけない
  4. 空き家を解体する前に売却を検討するべき理由
    1. 固定資産税から永遠に解放されるから
    2. 管理義務から完全に解放されるから
    3. 高額な解体費用をかけずに空き家所有の負担から完全に解放されるから
  5. 空き家のニーズに合わせて売却か仲介を選ぶ
    1. 「仲介」と「買取」の違い
      1. 仕組みの違い
      2. 価格の違い
      3. 売却経費の違い
      4. 売却スピードの違い
      5. 契約不適合責任の有無の違い
    2. 空き家のニーズに合わせて「買取」「仲介」を選択
      1. ニーズが高い空き家は仲介業者に売却依頼
      2. ニーズが低い空き家は買取業者に直接売却
  6. 目的別!空き家を解体するべきか否か正しく見極めよう
    1. 売却しやすくするために解体する必要はない
      1. 方法①仲介で売却する場合
      2. 方法②買取で売却する場合
    2. 空き家の老朽化問題を解決するために解体するべきではない
    3. 収益目的の解体は安易にするべきではない
    4. 自身の新居に建て替えるために解体
      1. 空き家が再建築不可物件でないか注意
      2. 解体~新築を来年の1月1日までに終わらせられるか
  7. 解体業者の選び方&流れ
    1. 解体業者をピックアップする
    2. 解体工事業登録がされているか確認する
    3. 複数の解体業者に解体見積もりを依頼する
    4. 依頼する解体業者を決める&契約
  8. 解体費用削減のポイント
    1. 空き家所在地から近い解体業者を選ぶ
    2. 繁忙期や天候が不安定な時期を避ける
    3. 自治体の補助金を使う
  9. 解体費用が高くなるケース
    1. 地中埋設物が見つかった場合
    2. 現在使用禁止の部材が使われている場合
    3. 建物の周辺環境が解体に適していない場合
  10. まとめ

空き家解体の相場

平均的な空き家(30坪)の解体相場は、木造であればおよそ120万、鉄筋コンクリートであれば180万程度です。

一般家庭にとって、空き家の解体にこれだけの費用をかけるのは、決して安い出費ではありません。

また、空き家の条件によっては解体費用が高くなるケースもあります。

詳しくは、記事後半の「解体費用が高くなるケース」にて説明します。

空き家解体のメリット・デメリット

空き家解体は、高額な出費になるということを理解していただけたでしょうか。

空き家解体を検討し始めるキッカケや目的は人それぞれかと思いますが、目的によっては、解体が全く意味をなさず、費用がすべて無駄になってしまう最悪なケースもあります。

高額な解体費用を無駄にしないためにも、まずは解体の唯一のメリットと大きな2つのデメリットを正しく理解することが重要です。

空き家解体の唯一のメリットは管理の手間が抑えられること

空き家解体の唯一のメリットは、定期的な空き家管理の手間が抑えられることです。

たしかに、空き家の定期的な清掃や点検等の管理は所有者の義務で、怠った場合は以下のようなリスクがあります。

  • 破損や倒壊した空き家が第三者に被害を及ぼし損害賠償請求される
  • 空き家に害獣や害虫が住みつき近隣住民からクレームや損害賠償請求される
  • 行政により「特定空き家」に指定される

特定空き家とは、管理不足により「著しく危険な状態になっている」と行政に判断された空き家のことです。

具体的には、以下4項目のいづれかに当てはまる空き家を指します。

・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空家等

引用元:国土交通省「空家対策特別措置法」について

特定空き家に指定されてしまうと、所有者には具体的に以下のような罰則が科されます。

  • 「住宅用地の特例」から外れるため土地の固定資産税が最大6倍になる
  • 50万以下の罰金が課せられる
  • 行政代執行が行われ、所有者は解体費用を請求される

 

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空き家を解体してしまえば、上記したリスクに追われながら管理する必要がなくなり、精神的にも体力的にも所有者の負担は少なくなります。

ただ、管理の手間を抑えられるという唯一のメリットも、実は完全にメリットとは言い切れないので要注意です。

なぜなら、空き家ほどではないにせよ、解体後の更地にも管理は必要だからです。

更地に不法投棄されないように定期的に様子を見に行き、不法投棄されていたら更地の所有者自ら片付ける必要があります。夏場は害虫が発生しないように草むしり等の手入れもしなければなりません。

更地であっても、管理を怠って近隣に被害を及ぼせば、苦情や損害賠償請求に繋がることには変わりないのです。

空き家解体の大きな2つのデメリット

更地にしても管理は必要なので、解体したところでメリット(管理義務からの解放)を100%享受できるわけではありません。

そのため、これから説明する大きな2つのデメリットを背負ってまで空き家を解体する必要はないと言えます。メリットとデメリットが全く見合っていません。

【空き家解体の2つのデメリット】

  • 土地の固定資産税が6倍になる
  • 高額な解体費用がかかる

デメリット①土地の固定資産税が6倍になる

住宅用地の特例が外れると、固定資産税が6倍になると前述しました。

この特例は、住居、アパート等が建っている土地や庭、居住用駐車場の土地(住宅用地)の固定資産税を減税する特例です。

つまり、解体したところで、特定空き家に指定された場合と同様に、固定資産税が6倍になることには変わりないのです。

空き家の管理を怠り、特定空き家に指定されると、住宅用地の特例が外れるため、土地の固定資産税が6倍になると先述しましたが、実は空き家を解体して更地にした場合も、住宅用地の特例の対象外になります。つまり、固定資産税が6倍になることは変わらないのです。

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たしかに、解体すれば建物(空き家)の固定資産税はゼロになりますが、空き家が立っていた土地の固定資産税は6倍になってしまうため、固定資産税のトータルがかえって高くなってしまうのです。

デメリット②高額な解体費用がかかる

先述したように、平均的な空き家(30坪)の解体相場は、木造であればおよそ120万、鉄筋コンクリートであれば180万程度で、高額な出費になります。

だからと言って、空き家を放置しておくわけにもいきません。

老朽化した空き家を放置したままにしておけば、先述した通り、特定空家に指定され、固定資産税が6倍になったり、行政代執行の解体費用を請求されてしまったりするからです。

つまり、放置し続ける選択をしても、自ら解体する選択をしても、高額な解体費用を負担しなければならないことは変わらないのです。

解体を「する」or「しない」で処分方法を検討していること自体が、間違っていると言えます。

空き家解体は安易にしてはいけない

空き家解体の唯一のメリット(管理義務からの解放)と、大きな2つのデメリット(固定資産税6倍と高額な解体費用)がわかっていただけたと思います。

お察しの通り、空き家の解体は安易に行ってはいけません。

だからと言って、老朽化した空き家をこのまま所有し続けるわけにもいかないのではないでしょうか。
ここからは解体よりはるかに最適な空き家の処分方法をお伝えします。

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空き家を解体する前に売却を検討するべき理由

空き家解体のデメリット2つを払拭し、なおかつメリット(管理から解放)を完全に享受できる処分方法は、空き家の売却です。

空き家解体の目的は人それぞれかと思いますが、ほとんどの場合、解体ではなく売却を先に検討するべきです。理由を解説します。

固定資産税から永遠に解放されるから

空き家を売却すれば、空き家所有者は土地と建物両方の所有権を手放せるので、固定資産税の負担から完全に解放されます。

当然、解体して更地にした場合の、土地の固定資産税が6倍になるリスクもありません。

管理義務から完全に解放されるから

解体した場合は、更地の管理義務だけ残ってしまいますが、売却すれば、空き家所有者は土地と建物両方の所有権を手放せるため、両方の管理義務から完全に解放されます。

高額な解体費用をかけずに空き家所有の負担から完全に解放されるから

解体せずに売却すれば、当然に高額な解体費用はかかりません。

「こんなに老朽化した空き家、解体せずに売れるの?」と疑問に思うかもしれませんが、老朽化した空き家が建っている状態のまま売却できる方法はあります。

詳しくは、記事の後半の「方法①仲介で売却する場合」からチェックしてください。

空き家のニーズに合わせて売却か仲介を選ぶ

空き家は、解体する前に売却を検討するべき理由を理解していただけたでしょうか。

具体的に、空き家の売却方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。

それぞれどちらを選ぶかは空き家のニーズで決まります。

ニーズに合わせた売却方法を紹介する前に、買取と仲介、それぞれの違いを簡単に説明するので、ぜひ理解してください。

「仲介」と「買取」の違い

買取と仲介には大きく4つの違いがあります。

  • 仕組みの違い
  • 価格の違い
  • 売却経費の違い
  • 売却スピードの違い

仕組みの違い

仲介
仲介業者が、空き家を売りたい所有者と空き家の購入希望者をマッチングさせ、両者をサポートしながら売買契約を目指す方法です。
所有者から売却依頼を受けた仲介業者は、SUUMOやアットホームなどのポータルサイト等を使い、一般に広く買手を募集します。
仲介の特徴は、買手は一般の方で、購入目的は住居用である点です。
買取
空き家を売りたい所有者から、不動産買取業者が直接空き家を買い取る方法です。
買取の特徴は、買手は言葉の通り買取業者であり、購入目的は事業目的であることです。

価格の違い

仲介で売却する場合は、市場価格通り売却できます。

市場価格とは、多くの購入希望者が購入を検討する中で、最終的に売主と買主の間で契約成立した価格です。

先述したように、仲介は一般に広く買手を募る売却方法であるため、ほぼ市場価格通りに売却できます。

一方、買取業者は、市場価格から再販する際のリフォーム費用や、諸経費(再販までにかかる人件費や会社の利益等)を差し引いた金額で買い取る必要があります。

なぜなら、買取業者は買い取った空き家を再販することで利益を出しているため、市場価格通りで買い取れば、再販費用が赤字になってしまうからです。

買取相場=市場価格-リフォーム費用-諸経費

そのため、仲介に依頼した場合より、買取に依頼した場合の方が、買取価格は安くなってしまいます。

売却経費の違い

仲介は以下のような売却経費が必要です。

  • 仲介手数料
  • 残置物処理費用
  • 補修費用

仲介手数料

仲介 仲介業者は、買手や売手から仲介手数料を受けることで利益を出しています
買取 買取業者は、仲介業務ではなく、直接買取なので当然に仲介手数料はかかりません

残置物処理費用

仲介 住居用として購入を検討する一般の買手は、内見を希望します。内見の際に所有者の家具や荷物が放置されていると、汚い印象が残るだけです。そのため、所有者自ら費用をかけて、残置物を処理しなければなりません
買取 プロが事業用として直接買い取るため、残置物がない状態での内見は必要ありません。残置物処理まで、買取業者が引き受けることがほとんどです

補修費用

仲介 大掛かりなリフォームをする必要はありませんが、仲介は、一般の個人が住居用として購入するため、最低限の生活が始められるように修繕する必要があります
買取 先述しているように、買取は、プロが事業用として買い取ります。リフォームして再販する前提で買い取っているので、所有者が売却前に修繕する必要はありません

売却スピードの違い

仲介は、不動産情報を広く拡散し、一般の買手が現れるのを待つ必要があります。一般の個人にニーズがある空き家でも、売却に3~6カ月かかりますし、老朽化が進んでいたり、一般の方が住みたいと思わない空き家なら、買手が現れないため、永遠に売却できません。

一方、買取は事業目的で買い取るので、利益が見込めて金額感さえ合えば、基本的にほとんどの空き家を即日買取することが可能です。

契約不適合責任の有無の違い

買手が安心して購入できるよう、売主には、基本的に契約不適合責任が課せられています。

契約不適合責任
売却後、契約書にない不具合(シロアリや雨漏り等)が、空き家に見つかった場合、売主が負わなければならない責任。売主は、損害賠償請求や、場合によっては契約の取り消しに応じなければならないこともある。

仲介の場合、不動産知識がない一般の買手が安心して購入できるよう、売主には契約不適合責任が課せられています。

もし売主に契約不適合責任が課されていなければ、売却後に空き家に不具合が見つかった場合、一般の買手は自己負担で修繕や、再度引っ越ししなければならず、安心して購入できません。

一方、買取であれば、ほとんどの場合、契約不適合責任免責の特約がついています。

免責
普通なら負うべき責任を問わずに許すこと

買取業者は不動産のプロなので、空き家の不具合を買取前に見抜き、リフォームする前提で買い取っています。

そのため、売主は、売却後に空き家に不具合があっても、契約不適合責任を負う必要がありません。
先述した

空き家のニーズに合わせて「買取」「仲介」を選択

買取と仲介の違いを理解していただけたでしょうか。

ここからは、あなたの空き家が、買取と仲介、どちらに適しているか判断しましょう。

判断基準は、一般の買手にニーズがあるか否かです。

そして、ニーズの有無を決める主なポイントは「立地」と「築年数」になります。以下で解説します。

ニーズが高い空き家は仲介業者に売却依頼

一般の方が「住みたい」と思えるような、ニーズが高い空き家は、仲介に依頼しても十分に買手がつく可能性があります。

ニーズが高い空き家の目安として、以下のような条件が挙げられます。

立地

  • 車文化の地方であれば市街地まで車で15分以内
  • 電車文化の都心であれば電車の最寄り駅まで徒歩10分以内

築年数

  • 築20年以内
  • 築20年以上であっても、修繕やリフォームで綺麗な状態を保てている空き家

前述したように、仲介であれば市場価格通りに売却できるので、まずは仲介業者に売却を依頼しましょう。

ニーズが低い空き家は買取業者に直接売却

一般の方が「住みたい」と思えないような、ニーズが低い空き家は、買取業者に直接売却しましょう。

ニーズが低い空き家の目安として、以下のような条件が挙げられます。

立地

  • 車文化の地方であれば市街地まで車で30分以上
  • 電車文化の都心であれば電車の最寄り駅まで徒歩15分以上

築年数

  • 築20年以上
  • 築20年以内であっても見るからに著しく劣化が進んでいる空き家

目的別!空き家を解体するべきか否か正しく見極めよう

空き家は、大抵の場合において、解体前に売却を検討するべきであること、また、「買取」と「仲介」のそれぞれの特徴を理解していただけたでしょうか。

ここからは、解体を検討し始めたキッカケ(解体の目的)ごとに、実際のところ、あなたの空き家は解体するべきかどうなのかを解説していきます。

結論から言うと、自身の新居に建て替える目的以外で空き家を解体する必要はありません。解体の前に売却を検討しましょう。

それぞれ理由を併せて解説します

売却しやすくするために解体する必要はない

ボロボロな空き家付きの土地として、仲介で一般の買手を募集するより、いっそ解体して更地にした方が売却しやすくなると考えるかもしれません。

たしかに、更地の方が、買手は敷地全体の奥行きや幅のイメージがつくため、新築需要を取り込みやすく、売れやすくなることもあります。仲介業者に解体を勧められることもあるでしょう。

しかし、売却のために解体する必要はありません。解体の前に売却を検討してください。

なぜなら、解体して売れ残ってしまったら、高額な解体費が丸々赤字になってしまいますし、土地の固定資産税は6倍になってしまうからです。

「でも、解体せずにボロボロな空き家を売る方法なんてあるの?」と思うかもしれませんが、解体しなくても売却する方法はあります。

方法①仲介で売却する場合

仲介の場合、市場価格から解体費用を差し引いた金額で売却すれば、空き家を解体せずに売却することが可能です。

売却前に解体して、高額な解体費用が丸々赤字になったり固定資産税が6倍になるリスクを抱える必要はありません。

方法②買取で売却する場合

買取であれば、空き家の所有者から売却依頼を受けた買取業者が、直接空き家を買い取ります。

買取業者は、コスパ良く空き家のリフォーム等を行い、再生したうえで安く再販できるノウハウを持っているので、一般の個人にはニーズが低い空き家でも、買取が可能です。

弊社も空き家の買取を得意とする、不動産買取業者です。空き家でお困りの方は、ぜひ一度ご連絡ください。

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空き家の老朽化問題を解決するために解体するべきではない

空き家の老朽化を放置した場合のリスクから解放されるために、解体という選択肢が浮かぶ方もいるかと思います。

【空き家の老朽化を放置した場合のリスク】

  • 特定空き家に指定され固定資産税が6倍になる
  • 近隣や行政からクレームを受ける

しかし、老朽化問題解決のために解体するべきではありません。解体の前に売却を検討してください。

なお、将来の具体的な活用計画がないにもかかわらず、「老朽化がひどいからとりあえず解体はするけど、いつか使うかもしれない」という理由で、更地を所有し続けるのは、所有者にとってマイナスしかありません。

そもそも解体費用が高額ですし、更地にすれば固定資産税は6倍になってしまいます。

また、更地にしても管理義務は残るので、適切な更地管理を継続できなければ、近隣のクレームや行政の指導を受けることは変わりません。

一方、売却すれば高額な解体費用をかけることなく、固定資産税や、倒壊の危険性、行政の指導や近隣のクレームに対応する責任から完全に逃れられます。

空き家のニーズ」に合わせて仲介か買取を選び、解体せずに売却しましょう。

収益目的の解体は安易にするべきではない

せっかく不動産を所有しているのだから、空き家は解体して、土地活用で収益を得たいと考えるかもしれません。

しかし、土地活用には大きなリスクがあるため、不動産の知識や経験がない方には推奨できません。

土地活用の大きなリスクは、うまく集客できず、収益があげられないことです。

都心の駅チカや、人気エリア等、パーキングが明らかに不足している土地なら利用者がつく可能性も少しはありますが、それ以外の土地では基本的に難しいと考えてください。

もし土地活用に失敗すれば、高額な解体費用や6倍になった固定資産税が、まるまる赤字になってしまいます。

土地活用はリスクが大きすぎるため、先述した「空き家のニーズ」に合わせて仲介か買取を選び、解体せずに売却しましょう。

自身の新居に建て替えるために解体

ここまで一貫して解体のリスクを強調してきましたが、空き家を自身の新居に建て替える場合であれば、解体を行っても問題はありません。

実際に解体する際は以下の点に注意してください。

  • 空き家が再建築不可物件でないか
  • 解体~新築を来年の1月1日までに終わらせられるか

なお、解体業者の選び方等は、この記事の後半「解体業者の選び方」を参考にしてください。

空き家が再建築不可物件でないか注意

再建築不可物件とは、土地が現在の建築基準法の基準を満たさないため、解体しても再建築(新築含む)ができない土地のことです。

新居を建てることを夢見て空き家を解体しても、再建築不可物件であれば新居を建てられないので、解体前に必ずチェックしてください。

再建築不可物件かどうかの調べ方
再建築不可物件の要件 参照元:国土交通省 接道規制の適用除外に係る手続の合理化 再建築不可物件かどうかを判断する上で大きく関わってくる法律が建築基準法の第42条と第43条です。 この2つの法律では「接道義務」について定義してお...

解体~新築を来年の1月1日までに終わらせられるか

空き家を解体すると、土地の固定資産税が6倍になるのは、先述した通りです。

空き家の固定資産税が最大6倍に膨れ上がる理由!売却で税金の負担0へ
空き家の固定資産税と都市計画税 所有している不動産が空き家でも、所有者には毎年固定資産税と、地域によっては都市計画税が課せられます。 たとえ空き家であっても、土地と家屋というれっきとした固定資産であることには変わらないからです。 ...

固定資産税は、毎年1月1日に課税されるので、1月1日時点で更地の状態だと、その年の土地の固定資産税は6倍になってしまいます。

そのため、来年の1月1日時点には、解体~新築まで終えられるよう、期間の計画を立ててから解体に着手してください。

ちなみに、解体工事の期間の目安は3~4カ月、新築工事は4~6カ月です。

解体業者の選び方&流れ

目的別の空き家処分の最適解を解説しました。

ここからは、解体が最適だった方に向けて、解体業者の選び方を時系列順に説明します。

なお、「解体費用削減のポイント」や「解体費用が高くなるケース」について知りたい方は、解体業者の選び方は読み飛ばして、下記のリンクから読んでください。

解体業者をピックアップする

まず、空き家所在地周辺の解体業者を、いくつかピックアップしてください。

複数ピックアップすれば、解体費用の比較ができるのはもちろん、担当者の対応も比較できるため、最終的に最も信頼できる解体業者に依頼ができます。

解体業者の中には、解体後の廃棄物を適切に処分しなかったり、ずさんな解体を行っている業者もあるのが現実です。

場合によっては、解体業者の不正が、依頼者の責任になることもあるので、複数の中から信頼できる業者をしっかり見極める必要があります。

解体工事業登録がされているか確認する

選んだ複数の買取業者が、解体工事業登録を行っているか、それぞれ確認してください。

解体工事業登録とは、建設リサイクル法によって定められた、解体工事を行うために必要な登録制度です。登録せずに解体業を行うことは違法にあたります。

確認方法は主に以下の3つです。

  • 解体業者のHP上の登録番号を確認する
  • 解体業者に直接問い合わせて登録番号を確認する
  • 市役所で「解体工事業者登録名簿」を確認する

解体工事業登録をしていない解体業者は、候補から外してください。

複数の解体業者に解体見積もりを依頼する

候補に残っている、複数の解体業者に、解体見積もりを依頼します。

正確な見積もりを出すには、現地調査が必要なため、解体業者の担当者と実際に現地に行きましょう。

その際、解体業者の担当者は、主に以下の必要項目を確認します。

  • 工事内容
  • 建物の構造と状態
  • 近隣環境等の立地
  • 重機の搬入ルート
  • 更地後の希望

現地調査の際には、解体業者の担当者の対応も見極めてください。

【担当者の対応チェックポイント】

  • 上記の項目を丁寧に1つひとつ確認してくれるか
  • 所有者が質問した際は、根拠をもって答えてくれるか
  • 「絶対大丈夫」等、極端な言葉を使って解体を急かしたりしないか
  • 解体のおおまかな流れを知識がない人にもわかりやすく説明してくれるか等

依頼する解体業者を決める&契約

複数の解体業者を比較し、最終的に1番信頼できると感じた業者に解体を依頼してください。

解体費用が1番安い解体業者を選びたくなってしまう気持ちもわかりますが、あまりにも安い費用を提示してくる業者は、解体後にあれこれ理由をつけて追加費用を請求してくる恐れがあります。

追加費用を請求されたりしないためにも、1番信頼できると感じた解体業者に、他の業者で出された安い解体費用を見せて、提案&相談してみましょう。

お客様ファーストな解体業者であれば、できる限り希望の解体費用に応じてくれる可能性もありますし、応じられない場合は、その理由を説明してくれるはずです。

解体費用削減のポイント

解体費用削減のポイントを把握して、高額な負担を少しでも軽減させましょう。

空き家所在地から近い解体業者を選ぶ

遠方から解体業者を呼ぶと、その分の交通費がかさみます。

空き家所在地からなるべく近い解体業者に依頼してください。

繁忙期や天候が不安定な時期を避ける

工事の繁忙期である2~3月は、解体費用が高額になる可能性があるので避けてください。

また、天候が安定しない梅雨や、積雪の可能性がある冬も、解体に適していません。

天候によって解体が計画通り進まなかった場合、遅延した分の費用を追加で請求されることがあります。(追加費用の有無は、担当者に前もって確認してください)

自治体の補助金を使う

自治体の補助金を使うのも、解体費用を削減するポイントです。

それぞれの補助金を受けるのに必要な条件は、空き家所在の自治体HPや、自治体に直接問い合わせて確認してください。

【補助金の一例】

  • 老朽危険家屋解体撤去補助金
  • 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
  • 建て替え建設費補助金

解体費用が高くなるケース

解体費用削減のポイントを説明しましたが、どうしても解体費用が高くなってしまう場合もあるので注意してください。

【解体費用が高くなってしまうケース】

  • 地中埋設物が見つかった場合
  • 現在使用禁止の部材が使われている場合
  • 建物の周辺環境が解体に適していない場合

地中埋設物が見つかった場合

地中埋設物
地中に埋まっているコンクリートや鉄くず。昔はずさんな解体工事をする解体業者も多かったため、以前建っていた家屋を解体した際の廃棄物が、適切に処分されずに埋められている場合が多い。昔の浄化槽や井戸がそのままになっていることもある。

地中埋設物は、地盤軟化に繋がるため、撤去しなくてはなりません。

また、地中埋設物を放置したまま売却し、売却後に埋設物が発覚した場合は、売主に契約不適合責任が問われます。

埋設物は、見積の段階では存在に気がつかないことが多く、ほとんどの場合、解体時に気がつきます。

解体時に埋設物が見つかれば、埋設物撤去の費用が想定外にかさんでしまいます。

現在使用禁止の部材が使われている場合

築年数が古い空き家は、アスベスト等、現在は使用・製造を禁止されている有害物質を使って建てられている場合があります。

その場合、周囲に飛散しないための特別な処理等をしなくてはならないため、通常より解体費用がかさみます。

建物の周辺環境が解体に適していない場合

解体工事は、重機を用いて建物を壊し、大型トラックに廃棄物を載せて運搬します。

そのため、空き家の周りには当然、重機や大型トラックが入るスペースが必要です。

しかし、周辺の道が極端に狭かったり、敷地いっぱいに空き家が立っているとそれらが入ることができません。

重機等が入れない分、手作業が増えることで、人件費がかさみ、出費が大きくなってしまいます。

まとめ

空き家解体の目的ごとに、本当に解体すべきか否か、実際はどんな処分方法が適しているのかを解説しました。

平均的な空き家(30坪)の解体費用の相場は、木造であればおよそ120万、鉄筋コンクリートであれば180万ほどで、決して安くありません。

にもかかわらず、場合によっては解体がまったく意味をなさず、高額な費用が丸々無駄になってしまう危険性があります。

空き家の解体目的と空き家の条件を照らし合わせ、自身の空き家に最も合った処分方法を選ぶことが重要です。

例えば、立地が悪い空き家は、解体しても一般の住居として需要がないので、買取業者に直接売却するべきでしょう。

弊社は空き家専門の買取業者です。立地や条件が悪い空き家も最短1週間で買取&決済が可能です。

買取見積もりだけのお問合せも受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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「空き家 解体」のよくある質問

共有持分に応じて、共有名義人全員で分割しましょう。解体費用がわかると、誰がいくら費用を負担するか、具体的な話し合いができるので、まずは解体費用の査定見積をとるのも1つの方法です。 ただ、空き家の解体はメリットに対するデメリットが大きすぎるので、解体ではなく売却を検討するべきと言えます。
自治体によっては、解体の助成金・補助金制度があります。ただ、適用条件や金額に限りがあるため、解体費用がないのであれば、解体ではなく売却を検討するべきです。売却であれば、高額な解体費用をかける必要がないうえ、売却益が現金で手に入るので、金銭的にプラスです。
監修者
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

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