不動産の法定相続分だけで売却可能!相続争いから抜け出す裏技を司法書士が解説

共有名義不動産

親族が亡くなり、遺産を相続する権利を得たが、他の相続人と疎遠で遺産の分け方について話し合うのが難しい…

亡くなった方の配偶者や子供、親族には、法定相続分と言って法律上保証される遺産の取り分が認められます。

実は、この法定相続分だけで他の相続人や第三者へ売却できます。

法定相続分を手放してしまえば、他の相続人との相続争いから抜け出すことも可能です。

他の相続人の態度が硬化していて話し合いに応じない場合や、相続人が多数存在していて相続手続きが非常に複雑な場合などの最終手段として、法定相続分を売却するのも手です。

というわけで、この記事では、法定相続分の不動産持分を売却するのに必要となる専門的な知識を、噛み砕いてわかりやすくご説明します。

法定相続分の売却の利点や注意点をご理解いただき、相続問題の解決に向けて、選択肢の幅が広がることをお約束します。

ちなみに、他の相続人と話し合いが難しく、第三者に法定相続分を売却するのであれば、専門的に不動産の持分(一部の権利)を取り扱っている業者に依頼すべきです。

法定相続分を買い取り、売主様を相続争いから離脱させるにも、弁護士や司法書士などの法律家のサポートや、専門的な不動産知識が必要不可欠です。専門の不動産買取業者であれば、法律家のサポートや不動産知識を持ち合わせた上で、内密にあなたを相続争いの外まで離脱させられます。

弊社Albalinkは、一般の不動産業者では取り扱いの難しい訳あり物件を、積極的に買い取っております。親身に対応させていただきますので、気さくにご相談ください。

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法定相続分を簡単解説

不動産の法定相続分売却に関する解説に先だって、法定相続分とはどのようなものか、その概要を確認しておきましょう。

法定相続分とは民法で認められた遺産の取り分

「法定相続分」とは、被相続人から見た「一定範囲の親族」に与えられた相続権、つまり遺産の取り分のことです。

法定相続人とは民法第900条(下記)に規定された親族のことであり、実際に被相続人と生前の関係がどうであったのか、交流があったかなどの事情に関係なく画一的に定められています。

法定相続分の決まり方

具体的な法定相続分は次のとおりです。

民法第900条(法定相続分)
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

引用元:民法第900条

この条文を解説していきます。

基本的な考え方としてはこのようになります。

  • 離婚していない、内縁ではない、つまり「法律上籍が入っている状態の配偶者」は被相続人が死亡した時点で婚姻何日目であろうが必ず相続人となる。
  • 配偶者以外の親族には順位がつけられており、「子供は第一順位、直系尊属(親、祖父母)は第二順位、兄弟姉妹は第三順位」と定められている。

なお、子供は実子も養子も、嫡出子も非嫡出子(婚外子)も同じ相続分とされている。

第一順位

配偶者と子供の配分は2分の1ずつとなりますので、配偶者と子供3人の場合、配偶者が2分の1(6分の3)、子供がそれぞれ6分の1ずつとなります。

配偶者と子第1順位が相続する場合

第二順位

配偶者と直系尊属の配分は「3分の2と3分の1」となりますので、配偶者と直系尊属2人(父と母)の場合、配偶者が3分の2(6分の4)、父母がそれぞれ6分の1ずつとなります。

配偶者と直系尊属父母第2順位が相続する場合

第三順位

配偶者と兄弟姉妹の配分は「4分の3と4分の1」となりますので、配偶者と兄弟2人(妹と弟)の場合、配偶者が4分の3(8分の6)、兄弟がそれぞれ8分の1ずつとなります。

配偶者と兄弟姉妹第3順位が相続する場合

遺産分割協議と遺言書が優先される

上記のとおり、民法に規定された法定相続分はあるものの、あくまでも一つの目安であり、「被相続人の遺言」や「法定相続人全員での遺産分割協議」がある場合はそちらが優先されます。

現に、兄弟の全員が不動産を管理できないケースが多く、遺産分割協議をして管理可能な人が1人で相続することが大半です。

また、親との関係性、親の介護への貢献度などで相続分は柔軟に変更されているのが実情ですから、法定相続分通りにきっちり分ける事例の方がむしろ少ないといえます。

遺産分割協議前なら法定相続分通りに不動産登記可能

遺産分割協議を行う前であっても法定相続分通りの割合であれば相続登記を行うことが可能です。法定相続人全員が判明している状態で初めて行えます。

仮に法定相続人のうち誰かが遺産分割協議に応じなかったり、連絡を取れない人が出てきてしまったとしても、相続した不動産について何もすることができないわけではありません。

法定相続人のうち一人からでも「相続人全員の分をまとめて、法定相続分割合で登記する場合」に限ってなら相続登記を申請することが可能です。

例えば、法定相続人が妻Aと子供BCだったとします。

Bは被相続人の不動産を早く処分したいが、いつまでもCが遺産分割協議に協力しようとしないこともあります。

Bが自分の持分の売却を急ぎたいのであれば「A持分2分の1、BCそれぞれの持分4分の1」とする、つまり法定相続分通りの相続登記を「自分だけが申請人となって」行うことが可能です。

法定相続分を売却する3つの方法

相続人の持つ法定相続分は、遺産分割協議が行われる前であれば、他の相続人に譲り渡すことが可能です。

民法第905条(相続分の取戻権)
共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
前項の権利は、1箇月以内に行使しなければならない。

引用元:民法第905条

「相続分の譲渡」自体を明確に定めた条文はないものの、上記条文をそのまま解釈すると、相続分を第三者(他の相続人、および相続人ではない第三者も含むと解される)に譲渡できることが前提と読めます。

「相続分の譲渡」とは、特定財産の譲渡とは異なり、相続権の割合そのものを譲渡することです。つまり、元の相続人の有していた地位を、権利も義務も共に承継することになります。

相続分の譲渡の方法としては口頭でも書面でもよく、要するに譲渡人と譲受人の意思の合致があれば効力を生じることになります。

ただ、他の相続人に対する証拠を残すという意味でも、書面にしておいた方がよいのは言うまでもありません。

相続分を譲り受けた人は、元の相続人と同じ立場で「遺産分割協議」に参加し、最終的な自分の取り分を決める権利を持つこととなります。

なお、債務については債権者の同意なしに元の相続人が義務を免れるとすると債権者の保護に欠けるため、相続分を譲渡した人とされた人の両者が併存して負うことになります。

相続前に法定相続分を第三者に売却

上記のとおり法定相続分を譲渡することが可能ですが、法定相続人以外の第三者に対しても同様です。

ただ、一般の不動産業者や個人の買主が相続分を買い取ったとしても、他の相続人との遺産分割協議などの交渉を行うことはスキルの面から考えてほぼ不可能といえます。

よって、相続分を法定相続人以外に売り渡すとすれば持分の買取を専門とする、つまりノウハウを持つ不動産業者に相談する必要があります。

手続きや、譲受人の持つ権利義務は他の相続人に譲渡する場合と何ら変わりません。

当サイトを運営する「株式会社Albalink」は不動産の共有持分に強い専門の買取業者です。相続の面倒な話し合いや手続きから、安全にあなたを離脱させられます。

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法定相続分通りに登記し持分を第三者に売却

上記にも解説した通り、遺産分割協議が成立する前に「法定相続分通り」に相続登記することが可能ですし、相続人の一人が全員分の法定相続登記を申請して自己の持分のみ第三者に売却することも可能です。

ただ、手続上の注意としては、一部の相続人から相続登記申請をした場合は、登記をした際に発行される「登記識別情報」が、申請人の分しか発行されません。

登記識別情報
昔は「登記済証=権利証」とよばれていたものが、法務局のオンライン化により「12ケタのアルファベットと数字を組み合わせた記号」の形になったもの。

登記識別情報通知

引用元:高知県司法書士会ウェブサイト

法定相続人ABCがいたとして、Aのみが申請人となって全員分の法定相続登記を申請してもBCの登記識別情報は発行されませんから、BCが登記された事実に気づかないことも考えられます。

後日BCが売却等をしようとした際に、上記のような「本人確認情報の費用」を負担しなければならないため、後日のトラブルを防ぐためには法定相続登記をした旨の通知はしておく方が望ましいといえます。

法定相続分売却の注意点

上記に解説した「相続分の譲渡」を利用して法定相続分を売却する際に、注意すべき点を解説します。

相続前に特定の財産を選択して売却できない

相続分の譲渡により法定相続分を売却する場合、特定の財産を選択して売却することはできません。

上記のとおり、相続分の譲渡とは、「自らの相続分を、権利義務等を総括して割合的に譲渡する」ことですので、個々の相続財産の売却とは性質が異なるからです。

なお、遺産分割協議を行い、各相続人に帰属させた後で自己の財産として売却する際はもちろん個々の財産を選んで売却することも可能です。

売却額は市場相場よりも安価になる

売却価格は不動産全体を単純に法定相続分で割った金額よりは安価になってしまうことも覚悟しなくてはなりません。

例えば不動産の持分のみを売買した場合には、全体売却と比べて利用に制限がかかることから、一般の買い手がつくことはあまり考えられません。

よって、単純に全体価格×持分割合とはならず、持分をかけた金額より著しく下がってしまうことが大半なのです。

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一カ月以内なら、譲渡された相続分を取り戻すことができる

相続分の譲渡が法定相続人ではない人に対して行われた場合であれば、相続人から譲受人に対して「譲渡から一カ月以内」であれば取戻しの請求をすることが可能です。

この取戻権は「形成権」とよばれ、行使されると譲受人の同意を要せずして、譲渡された相続権が元の相続人に戻ります。

ただし、元々の譲渡が有償で行われようが無償で行われようが、譲受人に対しては「取戻時の時価」に相当する相続分の価格、および譲渡にかかった費用を渡さなければなりません。

この取戻権を認めているのは、相続人以外の第三者に対して相続分が譲渡されることによって、遺産の管理や分割に関して紛争が起こってしまうことを防ぐ趣旨です。

法定相続分を売却するなら専門の買取業者に相談

自分の法定相続分を売却したい人は、まず「専門の持分買取業者」に相談しましょう。

上記のとおり、持分というのは単独では全体を利用する場合より極端に活用の幅が狭くなるため、一般の人に売却することはまず無理です。

ただ、持分買取を得意とする不動産業者であれば買い取った後の処理方法まで熟知しているため、すみやかに法定相続分を買い取ってもらうことが可能です。

ほぼ確実に法定相続分を買い取ってもらえる

持分買取業者に相談するメリットとしては「ほぼ確実に法定相続分を買い取ってもらえる」ことが挙げられます。

個人が持分を買い取っても、見知らぬ他人と共有して持分を活用することは事実上不可能であるため買い手はつきませんが、専門業者であれば買い取れないことはほぼありません。

強いて言うなら、他の相続人と裁判沙汰になるほど関係が悪化している等であれば、介入が難しく買取できないこともあります。

弊社では無料でご相談を承っておりますので、売却前提でなく「買取可能かどうかだけでも聞いてみたい」という方も気軽にご連絡ください。

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最短数日で法定相続分を現金化できる

持分買取業者に法定相続分を売却する場合、早ければ数日で現金化することが可能です。

買取価格としては全体の価格×持分割合よりもかなり低い金額にはなってしまいますが、他の相続人との揉め事が長引いて裁判等になることの精神的、金銭的負担に比べたらはるかにまし、ということもあります。

査定と金額の調整さえスムーズにいけばすみやかに売却することができるため、わずらわしい共有関係からいち早く抜け出すことが可能です。

買取後はもちろん買取前も安心して任せられる

買取前であっても、持分買取業者に任せれば面倒なことはすべて任せることが可能です。

自分の持分だけを売却するのであれば他の相続人にあらかじめ売却のことを言っておく必要はありません。

もちろん、買取業者から他の相続人に漏れることもありません。

買取さえ完了してしまえばもう売却した人は共有関係から抜け、その不動産には関係ないこととなりますので、以降は面倒なトラブルに巻き込まれることもありません。

法定相続分の処分に困ることが予想される人は、実際に他の相続人と争いごとが起こる前に早めのタイミングで持分買取業者に相談することをおすすめします。

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まとめ

この記事では、法定相続分の不動産持分を売却する方法をご説明しました。

自身の法定相続分を第三者に売却してしまえば、相続争いの渦中から後腐れなく抜け出す事が可能です。

ただし、法定相続分を売却するということは、遺産を受け継ぐ権利を手放すことですから、特定の遺産を選んで売却することはできません。

もし、法定相続分を相続人以外の第三者に売却するのであれば、不動産持分(権利の一部)を専門に扱っている不動産買取業者に買い取りを依頼しましょう。

そもそも、一般的な不動産会社では、物件とは違い、形のない権利である法定相続分を取り扱ってはくれません。

また、専門の不動産買取業者に法定相続分を売却する際も、本来の不動産の時価よりも半額以下の金額になると見積もっておきましょう。

買取業者側からしても、利用価値が薄く、購入後に他の相続人との争いに発展するリスクがあるからです。

ですが、八方塞がりであった相続争いの渦中から抜け出せて、まとまった現金も手元に残るわけですから、最終手段として選択肢の一つに入れておくべきでしょう。

当サイトを運営する株式会社Albalinkでは、一般の不動産業者では取り扱いの難しい訳あり物件を専門的に買い取っております。

強引な営業活動はしておりませんので、気軽にご相談ください。

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監修者
西岡容子司法書士

西岡容子司法書士

プロフィールページへ
熊本にて夫婦で司法書士西岡合同事務所(平成18年4月開設)を営む。
10年以上の実務経験で、不動産関連登記の経験も豊富。現場での経験を活かしてユーザーのためになる確かな記事を執筆中。

日本司法書士会連合会

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