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遺言で不動産が共有になるとリスクだらけ?相続人も被相続人も知っておくべき対策

遺言で不動産が共有になるとリスクだらけ?相続人も被相続人も知っておくべき対策 共有持分

自宅などの不動産をお持ちの方が遺言書を作成するとき「子ども達に平等になるように」と考えて「不動産を共有にする」と書いてしまうケースが少なくありません。

しかし不動産の共有には高いリスクを伴います。
不動産を遺言で共有とすると、子ども達が揉めてしまう原因にもなるので、お勧めできません。

今回は遺言書で不動産を共有にしてはならない理由と正しい対処方法をお伝えしていきます。
今後不動産の相続を予定されている方や、すでに遺言書によって不動産を共有してしまった相続人の方は、ぜひとも参考にしてみてください。

遺言書の基本

そもそも遺言書とはどういったもので、遺言書によって不動産が共有になるのはどのようなケースなのか、みていきましょう。

遺言書の効力

遺言書とは、遺言者の最終の意思を死後に残すための書類です。

遺言書を作成すると、死後にその内容を実現できます。
たとえば財産の分け方を指定したり、特定の誰かに財産を遺贈したりできますし、子どもの認知や保険金の受取人変更なども遺言書でできます。

遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がありますが、どの遺言書も効果は同じです。
ただし無効になりにくくトラブルの可能性が低いのは「公正証書遺言」なので、確実に意思を実現したいなら「公正証書遺言」の作成をお勧めします。

遺言の種類

遺言書で共有不動産となるケースとは

遺言書を使うと遺産分割の方法を指定できるので、不動産の分け方や相続方法も決められます。

ときおり、遺言書を書いて自分の不動産を子ども達の「共有」にしてしまう方がおられます。
共有とは、複数の人が1つの「物」を共同所有することです。
共有するときには、それぞれの共有者の「持分割合」も定めます。
たとえば3人が共有するときには「3分の1ずつ」や「2分の1、4分の1、4分の1」などとして、合計して1になるように設定します。

不動産を共有相続

複数の子どもがいる方が遺言書で「自宅不動産を子ども達の共有にする」と指定すると、親の死後は子ども達が自宅を共同所有することになります。
実際、「平等な持分割合で共有にしたら、子ども達の間で不公平感がなく円満に相続できる」と期待して「共有」にしてしまう親も少なくありません。

一見問題がなさそうな共有ですが、実は次に説明するような重大なリスクが潜んでいます。
安易に遺言書で「共有」にするのは危険です。

遺言で不動産を共有にするリスク

遺言書で「不動産を共有」にすると、以下のようなリスクがあります。

不動産の活用方法でトラブルになる

共有不動産は、それぞれの共有者が自由に活用できません。
共有不動産の管理や処分には他の共有者の「同意」が必要だからです。

たとえば増改築や賃貸、ローン借入のための抵当権設定などを行うには共有者全員が合意しなければなりません。

子ども達が足並みを揃えて対応しないと不動産を活用できません。
お互いに意見が合わずにトラブルにつながるケースも多々あります。

共有不動産・単独ではできないこと

売却したい相続人がいてトラブルになる

親の住んでいた実家を子ども達の共有にした場合、一人は「売却したい」、他の相続人は「大切な実家は手元に残したい」などと主張してもめてしまうケースがよくあります。

そうなると「お前は親の残してくれた実家に対する気持ちがないのか」「そういう問題ではない、兄さんは何も分かっていない」などと不毛な言い合いになりトラブルが激化していきます。

兄弟仲が悪化し、ついには絶縁状態となってしまう可能性もあるので注意が必要です。

共有物分割請求が起こってトラブルになる

共有状態は、「共有物分割請求」という法律の手続きによって解消できます。

ただし共有物分割請求はスムーズに進むとは限りません。
不動産どのような方法で分割するのかを決定しなければならないからです。

まずは共有者が話し合いをしますが、分割方法について意見が合わずにトラブルになるケースが少なくありません。
話し合いで解決できなければ裁判所で「調停」や「訴訟」を行う必要があります。

共有物分割請求が起こったら、子ども達が裁判を起こしてお互いに争わないといけない可能性も発生するので、不動産を残す親の立場としては注意が必要です。

共有物分割請求については以下にまとめています。

共有物分割請求とは?実際に裁判を起こす方法と手順
不動産の共有状態を解消したいときには「共有物分割請求」をしなければなりません。 他の共有持分権者と話し合っても分割に合意できない場合、裁判所で「共有物分割訴訟」という裁判を起こす必要があります。 共有物分割訴訟をするとどのような結果...

放置される可能性が高くなる

共有物の活用は難しく、共有者にとっては「面倒な資産」となりがちです。
そこで不動産を共有状態にすると「放置」されるケースが多々あります。

誰にも使用されず賃貸活用もされず売却も管理すらもされないまま放置されて建物が朽ちていったり、ときには相続登記すら行われなかったりもします。

それでも毎年の固定資産税はかかりますし、あまりに放置していると近隣から苦情が来たり役所から注意を受けたりする可能性もあります。

さらに相続が起こってトラブルになる

不動産が共有になったまま年月が過ぎると、共有者も亡くなって次の相続が発生します。
すると共有持分がどんどん細分化されて、もはや「誰が所有者かわからない状態」になってしまうリスクが高まります。

実際、相続が重なると登記の手間も増大していくので、名義変更が行われず放置されやすくなります。
実際に、こういった経緯で所有者のわからない空き家が増えて社会問題となっている現状もあります。

相続者が増えるリスク

 

共有不動産の出来る事出来ない事は以下にまとめています。

不動産の共有に関する民法条文のまとめ【保存行為、変更行為、管理行為とは?】
不動産を共有するというのは、1つの不動産(=登記簿1つ)について二者以上が名義を持っていることを指します。 ただ、これは物理的に「Aが北側、Bが南側を使用できる」といったものではなく、AもBも全体に対して使用収益等の権利及び義務がある...

共有にしないための遺言書の書き方

遺言書によって不動産を共有にしないためには、以下のように対処しましょう。

「共有にする」と書かない

当然のことですが「不動産を共有にする」と書いてはなりません。
これについては多くの説明は不要でしょう。

「共有にする」と書かない

不動産の分け方をきっちり指定する

もう1つ、遺言書に「何も書かない」場合にも共有になってしまうので要注意です。

たとえば自宅不動産と投資用のマンション、預貯金1,000万円のある人が遺言書を書くとします。
子どもは3人です。
このとき、遺言書で「自宅は長男、次男と三男にはそれぞれ500万円を相続させる」と書くとしましょう。残った「投資用マンション」については何も指定されていない状態です。

この場合、何も書かれていない投資用マンションは「自動的に子ども達3人の共有(持分割合3分の1ずつ)」になってしまいます。
つまり遺言書を作成するときには、必ず「すべての財産について相続方法を指定」しないと、「記載のない財産が共有状態」になってしまいます。

明記がないと共有になる

不動産がある場合には必ず「誰に受け渡すのか」をはっきりさせておかねばなりません。
そうしないと共有によるトラブルが発生してしまうので、押さえておいて下さい。

遺留分に注意

不動産がある場合、遺言書できちんと相続人を指定すれば、共有トラブルを避けられます。
ただし「遺留分」にも注意しなければなりません。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限の遺産取得割合です。

遺留分を侵害すると、侵害された相続人は侵害者へ「遺留分侵害額請求」という金銭請求をして、侵害された遺留分をお金で取り戻すことができます。
そうなると、請求者と侵害者との間で大きなトラブルが発生する可能性が高まります。

共有を避けるために遺言書で不動産を誰かに継がせるときには、法定相続人の遺留分を侵害しないように配慮しましょう。

遺留分と割合

相続人が共有不動産で困らないために被相続人が出来ること

将来相続が起こったときに不動産が共有になって相続人が困らないように、生前に以下のような対処をしておきましょう。

遺言書で特定の人に相続させる、遺贈する

共有を避けるためには、基本的に遺言書によって特定の人に不動産を引き継がせる方法が有効です。

一人の相続人に相続させたり相続人以外の人に遺贈したりすれば、不動産が共有になるリスクはありません。

ただし上記で説明したように、遺留分には配慮する必要があります。

遺贈とは

なお「遺贈」とは遺言によって財産を特定の人に受け継がせることです。遺贈の相手は相続人でも相続人以外の人でもかまいません。

遺贈と贈与の違い

贈与は生前に贈与者と受贈者が合意して締結する契約ですが、遺贈は「遺言者が単独でする行為」なので遺贈を受ける側の承諾は不要です。

遺贈

生前贈与

遺言書以外の方法として「生前贈与」があります。

生前贈与とは、生きている間に手持ちの財産を贈与する契約です。
贈与の相手は相続人に限らず、相続人以外の親類や赤の他人でもかまいません。

生前贈与で不動産を処分してしまえば、その不動産は相続財産にならないので共有の問題は発生しません。
ただし贈与をすると高額な「贈与税」がかかる可能性があるため、贈与税の控除制度を上手に利用しながら手続きを進めましょう。

生前贈与

家族信託

最近注目されている遺産相続対策として「家族信託」があります。
家族信託とは子どもや孫、甥姪などの親族に財産を預けて、指定した通りに管理してもらう方法です。

たとえば自宅を次男に託し、妻のために管理してもらうなどの対応ができます。
この場合、登記名義は受託者である次男に移り、不動産の名義が共有になることはありません。
なお次男は財産を預かり管理するだけなので贈与税や相続税を支払う必要はありません。

家族信託

共有を防いで適正な財産管理をするには家族信託が有効となるケースが多いので、よかったら専門家に相談してみて下さい。
当社からも弁護士をご紹介できます。

生前に売却する

不動産の相続トラブルを避ける非常に有効な方法として「生前の売却」があげられます。

生前に売却してしまえば、不動産は「お金」に変わるので共有の問題は発生しません。
遺言書や家族信託によって対処するまでもなく、相続トラブルを回避できます。

たとえば介護施設に入るときなどには自宅を売却して前払い金に充てることができますし、自宅以外の物件を生前に売却して資産を整理しておいても良いでしょう。

不動産の売却については当社が強力にバックアップできますので、よければご相談下さい。

遺言で「共有とする」と書かれていた場合の相続人の対応策

次に遺言書によって不動産が共有になってしまった場合の相続人の立場として、どのように対処すれば良いのか解説します。

持分を他の相続人へ譲る

不動産を共有していると将来のトラブルの種になりますし、共有持分に応じて毎年固定資産税も負担しなければなりません。

もしも持分が不要であれば、他の相続人に譲ってしまう方法が有効です。
資産は取得できませんが、元々必要でないのであれば、トラブル解決にかける時間と労力の節約と思えば無駄ではないでしょう。

持分を他の相続人に買い取ってもらう

他の相続人と話し合い、自分の持分を買い取ってもらう方法もあります。
「共有持分を無償で譲るのはもったいない」と考える方にお勧めです。

ただし買い取ってもらうには、価格を決めないといけません。
相手がお金を払いたくないと言った場合や金額に合意ができない場合などにはこの方法は不可能となります。

他の相続人から持分を買い取る

資金力に余裕のある方の場合、他の相続人から共有持分を買い取って全部自分の所有にしてしまう方法があります。

たとえば兄弟3人で相続した場合、他の2人から持分を買い取れば自分が完全な不動産の所有者になれます。
そうすれば不動産の賃貸活用やリフォーム、売却なども自由にできます。

ただし他の共有者から買い取るためには交渉が必要です。
買い取り価格などについて納得してもらえなかったら強制はできません。

全員で協力して売却する

相続で不動産が共有になってしまった場合、お互いに「面倒だな…」と感じるケースが多数です。
相続人全員が共有を望まない場合、全員で協力して売却してしまうのがお勧めです。
売却してしまったら、その後の管理や活用などを考える必要がなくなりスッキリ解決できるからです。

ただし売却には「全員の同意」が必要で、1人でも反対するものがいたら対応できません。
不動産業者の選定や売り出し価格の決定、売却価格決定や契約締結などの諸手続も、足並みを揃えて進めていく必要があります。

当社は共有不動産の取扱いに長けており、スムーズに売却を進められますのでお気軽にご相談下さい。

自分の共有持分を売る

不動産全体を売却するには共有持分権者全員の合意が必要ですが、どうしても合意できないケースもあるでしょう。
また共有持分を他の相続人に買い取ってもらおうとしても、断られる可能性があります。

そんなとき、自分の共有持分だけであれば他の共有持分権者の承諾なしに売却できます。
たとえば3分の1の共有持分を相続した場合、3分の1だけを売れるのです。
共有持分を売却すれば、共有関係から外れることができますしお金も入ってきます。

共有持分を売却するときには、売却相手探しが困難になりがちです。
一般の方は共有持分を買いたいと思わないので、専門業者に売る必要があります。

当社は共有持分などの「訳あり物件」を取り扱う専門の不動産会社で、有利な条件もご提示できます。
持分売却に関心がありましたらぜひご相談下さい。

 

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まとめ

不動産をお持ちの場合、相続対策が重要です。安易に相続人同士の共有にしてしまわないよう、遺言や生前贈与などでしっかり対応しましょう。
また売却すれば共有のリスクはなくなります。もしもご売却を検討されている資産があればお気軽に当社までご相談いただけますと幸いです。

 

遺言で不動産が共有になるとリスクだらけ?相続人も被相続人も知っておくべき対策

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