土地を自治体へ寄贈しても必ず引き取ってもらえるとは限らない
はじめに、自治体が寄贈された土地の引き取りを決める判断基準を解説します。
自治体が土地の寄贈を受け入れない理由
結論から言うと、いらない土地を自治体に寄贈しても、必ず引き取ってもらえるわけではありません。
なぜなら土地を無制限に引き取ってしまうと、自治体に以下のデメリットが生じるからです。
- 土地所有者から徴収している固定資産税の税収が減ってしまう
- 引き取った土地の維持管理にコストがかかる
自治体が寄贈された土地を引き取るケースもありますが、自治体の定める条件や基準を満たした場合の例外的な措置であり、土地の処分に困っている市民を助けるために引き取るわけではありません。
対応は自治体によっても異なるため、事前に担当部署に相談し、受け入れの可能性や条件について確認しましょう。
自治体に引き取ってもらえる土地と寄贈を断られる土地の特徴
自治体に寄贈して引き取ってもらえる土地と、寄贈を断られる土地には以下の違いがあります。
引き取ってもらえる土地 |
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寄贈を断られる土地 |
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自治体に寄贈を受け入れられるのは、以下のような地域や公共の役に立つ土地です。
【引き取り事例:千葉県柏市】
市民が約5,300㎡の土地を「子どもの遊び場や災害避難場所として使ってほしい」と寄贈。
市が土地を受け入れ、公園や防災拠点として整備した。
参照元:千葉日報「『子ども遊び場、避難場所に』時価6億円 飯沼さんが柏市に土地を寄付」
しかし上記のような例は稀で、資産価値がなく活用の見込みのない土地は、以下のように自治体からも引き取りを辞退されることが一般的です。
【断られた事例:兵庫県神戸市】
市民が老朽化したアパートと空き家の維持管理や固定資産税の支払いが困難になり、今後活用する予定もないため、市に寄贈の申し出をする。
しかし、神戸市は「管理責任の放棄につながる」「固定資産税が減収する」などの理由で寄贈の申し出を退けた。
ちなみに、全国に幅広い販路を持つ弊社AlbaLink(アルバリンク)なら、自治体に引き取りを断られるような土地でも活用法を見出し、買い取ることが可能ですので、土地の処分にお困りの方はお気軽にご相談ください。
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いらない土地を自治体へ寄贈する手順
所有する土地が自治体の引き取り要件に当てはまる場合は寄贈できる可能性があるので、以下の手順で申請しましょう。
- 自治体の窓口で事前相談、必要書類の確認をする
- 要件を確認のうえ、寄贈の申請をする
- 自治体が実地調査と審査を行う
- 審査に通ったら書類を提出し土地を寄贈する
自治体にもよりますが、申請に必要な書類はおおむね以下のとおりです。
- 寄付申込書
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 固定資産税評価証明書
- 公図(土地の位置や形状を示す図面)
- 土地の測量図(土地の正確な面積や境界を示すための図面)
- 現況写真(土地の現況を示す写真)
- 権利者の承諾書(※土地に他の権利者がいる場合)
申請を受けた自治体は、公共利用の可能性や権利関係の問題、維持管理負担などの面から土地をチェックします。
土地を自治体に引き取ってもらえない場合に選択できる4つの寄贈先
所有する土地が自治体から引き取りを断られそうな場合や、実際に寄贈を断られた場合は、以下の寄贈先も検討しましょう。
相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう
土地を相続で取得した場合は、一定の要件を満たせば「相続土地国庫帰属制度」を利用して、国に引き取ってもらえる可能性があります。
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地や建物を国に寄付できる新制度で、所有者不明の土地をなくす目的で2023年に設けられました。
利用の申請は、土地が所在する都道府県の法務局の「不動産登記部門」の窓口か郵送で行います。
必要書類は以下のとおりです。
- 承認申請書
- 印鑑証明書
- 公図等の土地の位置及び範囲を明らかにする図面
- 現地の写真(土地の形状や境界がわかるもの)
- 名義変更に関する承諾書
- (相続登記未了の場合)相続資格の証明書
- (親権者や後見人等の法定代理人の場合)戸籍その他の資格証明書
- (法人の場合)商業登記謄本
相続土地国庫帰属制度と手続きの詳細については、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

いらない土地を国に返すのは現実的に難しい
実際に相続土地国庫帰属制度で土地を手放そうとすると、要件や費用のハードルが高いかもしれません。
まず、引き取り可能な土地の要件が以下のように大変厳しいです。
【引き取ることができない土地の要件の概要】
(1) 申請をすることができないケース(却下事由)(法第2条第3項)
A 建物がある土地
B 担保権や使用収益権が設定されている土地
C 他人の利用が予定されている土地
D 土壌汚染されている土地
E 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地(2) 承認を受けることができないケース(不承認事由)(法第5条第1項)
A 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
B 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
C 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
D 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
E その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地
自治体と同様に、国も管理が難しい土地は引き取りにくいということです。
さらに、申請時に審査費用14,000円がかかるほか、審査に通ったら「負担金」として10年分の管理費相当の費用を納付しなければなりません。
以下は負担金の計算例です。
【市街化区域内の宅地120㎡の負担金の例】
土地の面積120㎡×2,450円(※1)+303,000円(※2)=597,000円
※1、2は面積区分によって定められた値
相続土地国庫帰属制度の審査に通っても、タダでは土地を手放せない点に注意しましょう。
なお、国に引き取ってもらえない土地でも、弊社AlbaLink(アルバリンク)なら買い取れます。
相続土地国庫帰属制度とは違って、土地の処分のためにあなたが費用を負担する必要もありません。
相続した不要な土地を手放したいなら、ぜひ弊社へご相談ください。
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認可地縁団体に寄贈する
2番目の寄贈先は、町内会や自治会などの認可地縁団体※です。
法律上の権利義務の主体となって、土地、集会施設等の不動産を団体名義で登記できる法人格を持つ団体のこと。
参照元:総務省「自治会・町内会等とは」
ただし町内会や自治会がすべて「認可地縁団体」として自治体から認められているわけではなく、認可された団体しか土地を引き取れないので注意が必要です。
また、土地を有効活用できそうになければ、認可地縁団体でも土地を引き取ってはくれないでしょう。
近隣住人や知人などの個人に無償譲渡する
土地の近隣住人や直接の知人・親戚の中に、土地を譲渡できそうな人がいないか探してみることも1つの手です。
例えば土地の近隣住人ならば、自分の敷地を広げたかったり、親族を近くに住ませたいと思っていたりする可能性があります。
とはいえ、自分が活用できず持て余すような土地を、他人が欲しがる可能性は低いでしょう。
いらない土地をタダであげる場合の注意点については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

法人に譲渡する
法人へ土地を譲渡する方法もあります。
法人なら「分譲地として開発」「社員の保養所」などの目的で土地を引き取ってくれるかもしれません。
とはいえ、土地を譲りたい個人と、土地が欲しい法人とのマッチングは簡単ではないでしょう。
ちなみに弊社AlbaLink(アルバリンク)は、個人・法人を問わず全国に優良な再販先を多数持っているので、あなたの土地を弊社が買い取り、最適な再販先へと譲渡することも可能です。
土地の譲渡先をお探しでしたら、一度弊社へご相談ください。
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土地を自治体以外にも寄贈できないときの4つの対処法
譲渡が難しい土地については、以下の対処法から最善策を探しましょう。
ちなみに、もっとも簡単でお得な土地の手放し方は「買取業者へ売却」することですが、詳しくは後述します。
活用する
どこにも寄贈できなかった土地は、以下のように活用できないか考えてみましょう。
- 立地が良い土地 ⇒ アパートや戸建て賃貸などの賃貸経営、駐車場
- 立地が悪い・田舎の土地 ⇒ 太陽光発電、トランクルーム、資材置き場
- 駅周辺や主要道沿いの土地 ⇒ 店舗経営
ただし賃貸経営をする場合は、居住用住宅を建てるための高額な先行投資が必要です。
一方で、駐車場や資材置き場なら初期費用を抑えられる代わりに、賃貸住宅ほどの収益性は得られないでしょう。
なお、いずれの方法も収益化には経営ノウハウが必要となり、初心者は初期投資や税金、ランニングコストで赤字になりやすいので注意が必要です。
以下の記事では土地のタイプ別の活用法を解説しているので、こちらも参考にしてください。

農地バンク(農地中間管理機構)に買い手・借り手を探してもらう(農地の場合)
耕作せずに持て余している農地がある場合は「農地バンク(農地中間管理機構)」に相談し、農地の借り手を探してもらうのも手です。
「農地バンク」は農地を貸したい人・借りたい人をつなぐ制度です。
農地バンクで農地を第三者に貸し付ければ、農地の管理が不要になるほか、一定期間の固定資産税が1/2に軽減されるメリットもあります。
問い合わせは各都道府県の農地中間管理機構か、自治体の農業委員会で受け付けています。
農地は農家にしか貸付・売却できない
農地を手放すには「農地法」の規制を乗り越えなければなりません。
まず、農地は農家にしか貸付・売却できないことと、農地法3条の許可(農業委員会への許可申請)が必要となる点に注意しましょう。
さらに農地を宅地などに変えて(=農地転用)農家以外へ売却する場合は、農業委員会への申請が必要で、都道府県知事の許可を得なければならない場合もあります。
なお、所有する農地が国が農業を振興している地域内にある場合は、農地の転用・売却の許可が下りない可能性が高いです。
参照元:農林水産省「振興地域制度、農地転用許可制度等について」
国は政策で農業を保護しているため、農地の取引にも厳しい規制をかけているのです。
農地の用途変更(農地転用)の難しさは、以下の記事でも解説しているので参考にして下さい。

相続放棄する
これから土地の相続をする場合は、相続自体を放棄することも1つの方法です。
相続放棄とは、故人のプラス・マイナスの財産すべての相続を放棄することです。
相続放棄をするには「相続を知ったとき」から3カ月以内に、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
相続放棄をすればいらない土地を相続せずに済みますが、プラスの財産も受け取れません。
また、相続放棄後に財産の管理義務が残る場合がある点にも注意しましょう。
相続放棄後の管理義務については、以下の記事で詳しく解説しています。

売却する
無償譲渡も相続放棄もできない土地は、売却も検討してみましょう。
なお、土地を売却する際のコツや税金、注意点については以下の記事で詳しく解説しています。

家がある場合は空き家バンクに登録する
手放したい土地に家屋がある場合は、「空き家バンク」に登録して買い手を探すことも1つの方法です。
空き家バンクとは地域の空き家情報を掲載し、空き家の売り手と買い手をマッチングするサービスです。
もともと自治体が運営していましたが、空き家情報をよりオープン・広域に提供するために、近年は「アットホーム」「ホームズ」などの民間サービスと提携する自治体が増えています。
空き家バンクに登録すれば、空き家を探す購入希望者が見つかりやすくなるでしょう。
ただし空き家バンクでは売主と買主をマッチングするだけで、専門家は介在しないため、売買契約や登記などのサポートは受けられません。
基本的に売主・買主の個人間契約となり、契約トラブルにも自力で対応が必要です。
空き家バンクの詳細は、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。

立地条件が良い場合は仲介業者へ売却を依頼する
土地の立地が良ければ、不動産仲介業者に売却を依頼する方法もあります。
仲介業者は不動産の売り手と買い手をマッチングし、さらに複数の候補の中から好条件の買主を探すため、土地を相場に近い高値で売却できる可能性があります。
ただし買主を探すため、売却までに3カ月~半年以上かかることが一般的です。
また、仲介業者が取り扱うのは、基本的に立地が良く利活用しやすい土地がほとんどのため、土地の立地が良くない場合は、仲介で売却するのは難しいでしょう。
立地条件が悪い場合は買取業者へ売却する
立地の悪い土地ならば、専門の買取業者に直接買い取ってもらうことがおすすめです。
専門の買取業者は売主から直接土地を買い取り、最適な開発や再生を行って再販する事業を行っています。
直接買取のため、売主はスピーディーな売却が可能です。
さらに、優良な買取業者にはどんな土地でも収益化できるノウハウがあるため、以下のような買い手の付きにくい土地でも問題なく買い取れます。
- 田舎の土地
- 共有物件や底地・借地など複雑な権利関係のある土地
- 再建築不可物件
自治体や国に引き取りを断られる建物の建っている土地でも、買取業者が物件を買い取ってから再販先に合わせて解体・リフォームするので、自分で解体する必要がありません。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は立地の悪い土地や農地、山林まで、売れにくい不動産を全国規模で買い取っている不動産買取業者です。
土地の譲渡先が見つからずお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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なお、買取業者の選び方について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

自治体へ寄贈できない土地を放置するリスク
いらない土地を所有し続けると、以下のリスクが生じます。
- 固定資産税の負担が続く
- 防犯上のリスクと管理責任がのしかかる
- 近隣住民から損害賠償請求を受ける
使わない土地の放置は固定資産税の支払いが続くだけでなく、放火などの犯罪を招きやすくなります。
さらに、木の枝が道路や隣地へはみ出したり、雑草や害虫・害獣が繁殖したりして、近隣へ被害が及べば損害賠償請求を受けることにもなりかねません。
実際に敷地の倒木が死亡事故につながり、6,000万円の損害賠償を求められた事例もあります。
参照元:RKK NEWS「倒木で男性が死亡した事故 熊本市が土地所有者に賠償請求 所有者側は争う姿勢 | 熊本のニュース」
これらのリスクを回避するもっとも有効な方法は、専門の買取業者に買い取ってもらうことです。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は自治体から寄贈を断られた土地や、仲介で売れなかった土地でも適正価格で買い取っております。
あなたの土地にどれくらいの価格が付くのか、以下の無料査定からご確認ください。
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まとめ
土地を自治体に寄贈しても必ず引き取ってもらえるわけではありません。
自治体も国も、基本的に利用価値のない土地の引き取りには消極的なため、寄贈を断られるケースがほとんどです。
自治体に寄贈を断られ、活用もできない土地は、専門の買取業者に買い取ってもらうことが賢明です。
土地専門の買取業者なら、あなたの土地も適正な価格でスピーディーに買い取れます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の売れない土地を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
いらない土地を一刻も早く手放したい方は、ぜひ弊社へご相談ください。