隣の家の木が敷地にはみ出している場合でも市役所は対応してくれない
一般的に、隣家の樹木が越境している問題を市役所に訴えても、行政の権限では対応できません。
樹木の枝の越境に関しては、民法の相隣関係の問題として扱われます。
隣接する土地の所有者が互いに土地を円滑に利用するための条件を調整し合う関係。
そのため、市役所に相談しても越境している樹木の枝を切ってもらうことはできないため、直接隣人に依頼する必要があるのです。
市役所で行ってくれるのは、自治体が主催する無料の弁護士相談へのあっせんや、植木業者の紹介などにとどまります。
参照元:世田谷区|隣の家の樹木が私道や私有地にはみ出している
隣が空き家の場合は市役所に対応してもらえることがある
ただし、隣家が空き家で誰も住んでいない場合、市役所に相談すると対応してもらえることがあります。
隣家が空き家で所有者と連絡が取れず、樹木が生い茂って被害を被っている場合、市役所に相談に行くと、市側で現地調査を行います。
そのうえで、空き家が適切に管理されていないと判断された場合、所有者に文書を送るなどして樹木の枝を切るように働きかけてくれます。
ただし、この働きかけには法的な強制力がないため、根本的な解決には至らない可能性が高い点に注意が必要です。
隣家の樹木の越境問題を根本から解決したい場合、現在の家を売却することは選択肢のひとつです。
売却した金額を元手に新たな家へと住み替えれば、隣人とのトラブルから完全に解放され、健やかな気持ちで日々を送れるようになります。
専門の買取業者である弊社AlbaLink(アルバリンク)では隣人トラブルが起こっている家の買取も積極的に行っておりますので、隣地の樹木の越境でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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隣の家の木が敷地にはみ出している場合の3つの対処法【民法改正】
ここまで解説してきたように、隣家の樹木の越境問題を市役所に相談しても、自分で解決するように促されるだけです。
そのため、隣家の樹木が敷地内に越境してきている場合には、以下3つの対処法のいずれかを選択する形となります。
このうち、隣家の樹木の越境問題を手間や費用をかけることなく解決できるのは「専門の買取業者への売却」です。
その理由について、詳しく解説します。
隣人に依頼して越境している木の枝を切ってもらう
隣家の樹木が敷地内に越境してきている場合、まずは隣人に枝を切ってもらうよう依頼することが大切です。
隣人との関係性が良好なら、スムーズに話を進めやすいでしょう。
もし隣人とあまり話をしたことがなく、直接言いにくい場合は手紙を書くのもひとつの方法です。
隣人に越境した樹木を切ってほしいと依頼する際の手紙の書き方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

「勝手に切っていい」と言われたときは同意書をもらう
隣人に樹木の枝を切ってほしいと依頼した際に、「勝手に切っていい」と言われることがあります。
しかし、その言葉をうのみにして勝手に樹木の枝を切ると、のちに「許可はしていない」などとクレームをつけられてトラブルに発展する恐れがあるため、注意が必要です。
そのため、隣人から木の枝を切ってもよいと言われた場合は、合意書を交わして証拠を残しておくことが重要です。
このとき、伐採費用をどちらが負担するのかについても合意しておくと、のちの不要なトラブルを未然に防げます。
自分の敷地に越境してきた場合でも隣人の木の枝を勝手に切る行為はNG
隣家の樹木が敷地内に越境してきているからといって、自分で勝手に切る行為は避けましょう。
隣家の樹木の所有者は隣人であり、勝手に樹木の枝を切ると損害賠償を請求される恐れがあるため、注意が必要です。
ただし、隣家の樹木の根が敷地に侵入してきている場合、それを切ることは可能です。
敷地にはみ出している隣の家の木を自分で切る
前述のように、隣家の樹木は隣人の所有物にあたるため、勝手に切ることはできません。
ただし2023(令和5)年4月より改正民法が施行され、以下の条件に該当する場合は自分で切ることが可能になりました。
- 所有者に枝の切除を依頼したにもかかわらず、相当の期間内に対応してくれない
- 隣地所有者がわからない
- 急迫の事情がある
具体的には、隣人に樹木の枝を切ってほしいと依頼したにもかかわらず、2週間~1ヵ月ほど経っても対応してくれない場合、自分で切れるようになります。
また「隣地所有者と連絡が取れない」「台風で隣の家の樹木の枝が折れて自分の家に被害をもたらす恐れがある」などのケースでも、隣人の承諾を得ることなく樹木の枝を切除可能です。
隣地所有者を調べる方法
隣地所有者が不明だからといって、すぐに樹木の枝を切ってはいけません。
まずは、自分で隣地所有者を探す調査をする必要があるからです。
隣地所有者を調べるには、法務局で登記事項証明書を取得する方法が有効です。
【登記事項証明書の見本】
登記事項証明書を見ると、所有者の名前と住所がわかります。
ただし電話番号までは記載されていないため、手紙で「樹木の枝を切ってほしい」と依頼するとよいでしょう。
それでも隣地所有者と連絡が取れないときには、自分で隣家の樹木の枝を切れるようになります。
なお、登記事項証明書の見方については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

伐採費用を請求するには裁判が必要
前述のように、隣人から木の枝を切ってもよいと言われたときには、伐採費用の負担についても取り決めておくことが大切です。
しかし、隣人が伐採費用の支払いを拒むケースは珍しくありません。
もし隣人からの許可を得て木の枝を伐採したにもかかわらず、費用を支払ってもらえないときには、訴訟を起こして認められると費用の請求が可能になります。
ただし裁判をするには数十万円ほどの手数料や弁護士費用、数ヵ月~1年以上の時間がかかり、あまり効率的な方法とはいえません。
そのため、隣人から木の枝を切ってもよいといわれても費用の支払いを拒まれるようなら、木の枝は切除せず、売却などほかの方法でトラブルを解決することをおすすめします。
隣の家の木がはみ出している家を専門の買取業者に売却して住み替える
隣家の木が敷地にはみ出していても隣人が対応してくれないときには、売却を視野に入れるとよいでしょう。
隣人トラブルのストレスを抱えたまま生活を続けるよりも、新しい環境に移り住んだほうが心身の健康を損なわずに済みます。
ただし、隣人トラブルが起こっている家を購入したいと考える一般個人の方はまずいません。
そのため、隣家の木がはみ出している家を売却して住み替えたいなら、専門の買取業者に相談することをおすすめします。
専門の買取業者は、弁護士などと連携して隣人トラブルを解決したうえで活用できるようにする独自のノウハウを有しています。
したがって、隣人トラブルのある家でもスピーディーに買い取ってもらうことができるのです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は弁護士と提携した専門の買取業者であり、これまで隣人トラブルのある家を多く買い取ってまいりました。
査定は無料で受けつけておりますので、隣家の木の枝が越境している家をいくらで売れるのかが気になる方は、お気軽にご相談ください。
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隣の家の木が敷地にはみ出している場合に起こり得るトラブル事例4選
隣家の木が敷地内に越境していると、以下のトラブルに見舞われる恐れがあります。
弊社が行ったアンケート調査でも、「隣家の木の落ち葉で家が汚くなった」などのトラブルに悩む方が多い結果となっています。
このようなトラブルにあうのを回避したい、すでにトラブルが起きている場合には、隣の敷地がきちんと管理されている家に住み替えるのはひとつの手です。
住み替え費用のシミュレーションを立てるために現在の家の売却価格の目安を知りたい方は、お気軽に弊社AlbaLink(アルバリンク)の無料査定をご活用ください。
なお、査定を依頼しても無理な営業をかけることはいっさいありませんので、安心してお問い合わせいただければ幸いです。
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落ち葉で掃除の手間が増える
隣家の木が自分の敷地内に越境していると、大量の葉が敷地内に落ちてきて迷惑を被ることになります。
自分の敷地内に落ちてきた葉は、基本的に自分で掃除をしなければなりません。
隣家の木の落ち葉で掃除の手間が増えるのを避けたいなら、隣人に木の枝の切除を依頼するほかありません。
屋根や外壁などが傷つけられる
隣家の木の枝によって、屋根や外壁が傷つけられる被害が考えられます。
長期間にわたって木の枝が外壁に押しつけられると、外壁の一部にひびが入ってしまいかねません。
すると、そこから雨水が侵入して構造が劣化する恐れがあるため、注意が必要です。
また、木の枝によって屋根瓦がずれ、台風などの自然災害時に落下する危険性もあります。
もし自分の家の瓦が落ちて通行人に被害を与えたら、あなたが損害賠償しなければなりません。
隣家の木になった実が落ちて、自動車のボンネットがへこむことも考えられるところです。
落下物による自動車の破損は自動車保険の対象ですが、保険を使って修理をすると等級が下がり、保険料が上がってしまいます。
隣家の木の枝による被害が拡大する前に、隣人に依頼して木の枝を切除してもらいましょう。
住環境が悪化する
越境してきている隣家の木が原因で、あなたの家の日当たりが悪くなる可能性もあります。
日当たりが悪いと室内に湿気が溜まり、カビが生える原因となりかねません。
カビが健康被害をもたらすことさえあります。
また、隣家の木が敷地内に越境していることが原因で、自宅の窓から望める景色が悪くなるリスクも考えられます。
住環境の悪化を防ぐには、隣家の木が敷地内に侵入してうっそうと生い茂る前に適切な対策を講じることが重要です。
野鳥・害虫被害にあう
隣家の木に野鳥が集まり、あなたの家の庭が糞害に見舞われるトラブルも起こり得ます。
鳥の糞はさまざまな病原菌を含んでいるため、掃除をせずにそのまま放置すると空気中に飛散し、呼吸器疾患や感染症などを引き起こしてしまいかねません。
また、木は虫にとって格好の住処となるため、害虫被害にあう可能性もあります。
家が野鳥や害虫の被害にあってからの対応では遅いといわざるを得ません。
被害を未然に防ぐためにも、隣人に木の枝の切除を依頼するなどの対策を早めに講じましょう。
なお、以下の記事ではよくある隣人トラブルの事例と対処法について解説しています。
隣人トラブルにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

まとめ
隣家の木が敷地内に越境していても市役所は民事不介入のため、自分で対応しなければなりません。
隣家の木が敷地内に越境していることで被害を受けているなら、まずは隣人に枝の切除を依頼しましょう。
それでも対応してくれないときには、越境している木の枝を自分で切れるようになります。
ただし、隣家の木の枝を自分で切ると費用などを巡ってトラブルが起こる可能性があるため、合意書を事前に交わしておくことが重要です。
また、隣人トラブルから完全に解放されたいなら、隣家の木の越境問題が生じている家を売却し、住み替えを検討するのはひとつの手です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、隣人トラブルが起こっている家をはじめ、一般の買い手が見つかりにくい物件を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
フジテレビの「newsイット!」にも、訳あり物件専門の買取業者として紹介されました。
隣家の木の枝が敷地内に越境していて売却しにくい家でも、弊社ならスピーディーに、かつ適正価格で買い取ることが可能です。
隣家の木の枝が越境している家をできる限り早く売却したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。