賃貸?持ち家?全国925人にアンケート調査!価値観は年代と年収でハッキリわかれる結果に

アンケート調査

住む場所、住む家、どうします?

さまざまな業界、メディアで取り上げられることの多い「賃貸と持ち家どっちがいいのか問題」。元も子もない結論を言ってしまえば人それぞれなのですが、世間一般的にはどうなのでしょうか?

今回は、全国の男女925人を対象に、賃貸と持ち家に対するアンケート調査を実施。その結果わかったのは、根強い持ち家信仰と年代によって明らかに異なる価値観でした。

<調査概要>

  • 調査対象:全国の男女925人(男性44.3%/女性55.7%)
  • 調査対象の年代:20代16.1%/30代32.8%/40代30.5%/50代16.1%/60代以上4.5%
  • 調査対象の年収:199万円以下33.5%/200万円以上399万円以下32.1%/400万円以上599万円以21.8%/600万円以上799万円未満7.1%/800万円以上999万円未満3.8%//1,000万円以上1.7%
  • 調査期間:2021年2月9日〜16日
  • 調査方法:インターネット(クラウドソーシングサービス)による選択式回答

<調査サマリー>

  • 賃貸派44.5%、持ち家派55.5%と、持ち家派が過半数を超えた
  • 年代別では若い世代ほど賃貸派が増える傾向があった
  • 年収別では年収が高くなるほど持ち家派が増える傾向にあった
調査や調査データについて

データご利用の際の注意点

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【全体の結果】「賃貸派44.5%」、「持ち家派55.5%」で持ち家派が10%リード

アンケートの結果、賃貸派44.5%(412票)持ち家派55.5%(513票)と、持ち家が賃貸派を10%上回りました

「これからは賃貸の時代だ」と言われ久しいですが、世間ではまだまだ持ち家思考は人気のようです。それでは、男女別、年代別、年収別の傾向についてみていきましょう。

【男女別の傾向】全体とほぼ同じ結果に

男女別は全体の傾向と誤差約2%以内と、ほぼ同じの結果になりました。今回の調査では、賃貸か持ち家がいいかは、性別ではなくその他の影響が大きいといえそるでしょう。

【年代別の傾向】若い世代になればなるほど賃貸派が多くなる

年代別では、若い世代になればなるほど賃貸派が多くなる傾向が顕著でした。

例えば、20代では賃貸派63.8%、持ち家派36.2%であるのに対し、60代以上では賃貸派26.2%、持ち家派73.8%と正反対の結果になっています。

年代ごとの価値観の移り変わりは、住まいに対する考え方に大きく反映されているようです。

【年収別の傾向】年収が高くなればなるほど持ち家派が多くなる

多少の誤差はあるものの、全体としては年収が高くなればなるほど持ち家派が多くなる傾向にありました。

例えば、年収199万円以下では56.8%だった持ち家派が、年収800〜999万円では74.3%と、20%近くも上昇しています。

これは「本当は家を持ちたいが、収入に余裕がないので必然的に賃貸派になる(詳しくは後述)」と答える人が多かったこととも一致します。

ただし、今回の調査ではいわゆる年収3,000万円を超えるような富裕層は対象ではなかったため、この傾向がどのレベルまで続くのかは不明です。

【賃貸派の意見】理由第1位は「生活の変化に柔軟に対応できる」

賃貸派を選んだ理由は「仕事、家族構成の変化などに引越しで柔軟に対応できるから(288票)」がもっとも多く、それ以降に「ずっと同じ場所に住み続けるつもりがないから(163票)」、「持ち家に比べて初期費用などの金銭的な負担が少ないから(127票)」などが続きます。

やはり、賃貸最大の特徴は「ライフプランの変更に柔軟に対応できる」と言えるでしょう。

一方、「本当は持ち家に住みたいが、金銭的に余裕がないから(99票)」と、本当は持ち家がいいものの、金銭的な理由から賃貸に住んでいる人も相当数いることがわかりました。これらを加味すると、本当の意味での持ち家派は全体7割を超えることになりそうです。

その他の理由には、以下のようなものが寄せられました。

  • 本当は持ち家に住みたいので中古物件も探してみたのですが、土砂災害警戒区域にあったり、リフォームが必要だったり、まだ前に住んでいた方の荷物がそのままだけど、契約が決まれば荷物を撤去しますなどの説明があったりするので、怖くて購入に至っていません。
  • 自分は転勤が比較的多い仕事をしているため、家を買ったとしても住む期間が短い。
    そこにお金を使うなら賃貸の方がフットワークよく対応できる。持ち家を考えるなら、定年後に中古物件かな、と考えている。
  • 長く生きれば、家族の年齢や、仕事などで住んでる物件が不便に感じることがふえるから、そのときのニーズに合わせて家を買えていく方が窮屈にならないでストレスなく生活ができると思うから。また持ち家だと震災や天災が多い日本では被害に巻き込まれたら自分たちだけでどうにかしないといけなくなるから、賃貸の法が業者や大家さんが面倒見てくれるから余計な出費がかからないから安心感がある。
  • 色んな町に短期間住んでみたいから。
  • 自分の死後、その家の処分が大変だから。現在祖父母が他界して、祖父母の持ち家について親族が困っているのを見ているから。
  • 持ち家だと近隣関係に不満が出たときに住み続けるのが苦痛になるから。町内会など、面倒なことが多いです。

賃貸派にしたその他の理由で特に多かったのが、

  • 地震や台風などの天災への不安
  • 隣人トラブルへの不安
  • 持ち家の相続トラブルへの不安
  • 転勤の多い仕事の事情

の4つです。

たしかに、持ち家であれば隣人トラブルがあっても、基本的には引越しできませんし、転勤が多いとせっかくの持ち家が宝の持ち腐れになってしまいます。

一方、賃貸であればこれらの項目には基本的にすべて対応できます。やはり、自身の価値観やライフスタイル、将来のプランなどを総合的に加味する必要があると言えるでしょう。

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【持ち家派の意見】理由第1位は「手元の資産として残るから」

持ち家派を選んだ理由は「ローン完済後は手元に資産として残るから(老後の住居を確保)410票」がもっとも多く、2位以下の倍以上の差をつけました。

それ以降は、「間取り変更や設備交換などを自由にできるから(203票)」、「賃貸よりも住宅ローンの方が家賃が安くなるから(129票)」などが続きます。

高齢になればなるほど賃貸審査には通りにくいこともあり、持ち家には資産が残る同時に「老後の住居を確保する」というメリットがあるのも、持ち家を選ぶ大きな要因のひとつと言えるでしょう。

また、人によっては賃貸よりも金銭的な負担を抑えることができるのもメリットです。

その他の理由には、以下のようなものが寄せられました。

  • 壁に穴を開ける、匂いを気にするなど、自分の所有物ではないということで発生する、気遣いなどが面倒だと感じるから。また、家自体にそれほど資産価値はないとは思いますが、立地さえきちんと考えた場所で購入すれば、家が無価値になっても土地は子ども達に残してあげることができると考えたからです。
  • 幼いころに離婚し母にとても苦労をかけてきたので、親孝行の意味も込めて家を建てました。当時結婚する事に興味もなかったので結婚前に家を建てました。今では紆余曲折を経て結婚し昨年第一子が生まれました。大なり小なりいざこざはありますがとりあえず今は家族仲良く生活しています。
  • 団体信用生命保険に加入できるため、万が一のリスクおよび一種の保険として考えることができるため。
  • 夫に洗脳されました。自分ひとりだったらどうでもいい派…いえ賃貸派ですね。そもそも借金をして(=住宅ローン)家を買うという感覚が実家にはありませんでしたし、朽ちかけた中古物件を購入してDIYでよみがえらせる、という感覚に意欲がわきません。そのDIYが進行していた数年間、乳児を抱えて「現場」に住んでいたのです。そりゃ病気にもなります、という苦々しい思い出でございました。愚痴ですみません。
  • 賃貸だと、いろんな人が引っ越してきて、人間関係が疲れてしまいますが、持ち家だと住んでいる人もあまり変わらないので、人間関係でストレスを感じることがありません。
  • 子供の騒音問題で揉めることがない事や、家の中での自由度(壁に自由に穴をあけられる、大家さんの許可なしでエアコン入れるなど)があるからです。

こちらでも賃貸派と同じく「隣人トラブルへの不安、対策」という意見が多くありました。

賃貸派はこうしたトラブルを引越しで解決しようするのに対し、持ち家派は

  • そもそもトラブルが起こらないようにマンションではなく一軒家を購入する
  • 引越しが少ない分、人が安定しているため逆にトラブルが起こりにくいと考えている

という考え方の違いが明確となりました。そのほかには、

  • 自分の好きなようにリフォームできる
  • 団体信用生命保険をいざというときの死亡保険代わりにしている

といった意見が多いのも、持ち家派の特徴と言えるでしょう。

まとめ

今回の調査結果をまとめると、

「潜在的な層も含めると、世間ではまだまだ持ち家派が主流。しかし、年代による差が大きいため、今後は賃貸派が増えていくことが予想される」

です。それぞれのライフスタイルやライフプランによってどちらがいいのか異なるのは大前提として、現在の傾向から今後は賃貸派が増えていくことが予想されます。

賃貸、持ち家、いずれにせよそれぞれのメリットとデメリット、そして自身の状況を照らし合わせ慎重な選択を心がけましょう。

監修者
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

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