いらない親の土地を処分する方法
いらない親の土地を処分する方法をご紹介します。
処分方法は、主に「相続放棄」「寄付・譲渡」「売却」の3種類があります。
結論からいうと、最も現実的で、なおかつ所有者に1番メリットが多い土地の処分方法は「売却」です。
では、1つずつ解説していきます。
相続放棄
相続財産の中に、いらない土地が含まれていたら「相続放棄しよう」と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、相続放棄は安易に行うべきではありません。
安易に相続放棄してはいけない理由は、2つあります。
1つめは、相続放棄をしたら、すべての相続財産を放棄しなくてはいけないからです。
相続放棄は「被相続人(故人)の財産を相続する一切の権利を手放すこと」です。
いらない土地だけを選んで相続放棄することはできないため、預貯金などのプラスの財産も相続できなくなってしまいます。
2つめは、相続放棄をしても、土地の管理責任から完全に逃れられるわけではないからです。
例えば、相続放棄した土地に、何者かによって不法投棄されたとしましょう。
その場合、相続放棄した人も土地の管理責任を問われ、第三者や自治体から、不法投棄されたゴミの処分を命じられる恐れがあります。
ですから、土地の他に相続したい遺産がある場合は、ひとまず土地を含めて相続し、その後に土地のみ売却することをお勧めします。
「一度相続してしまったら売却するのは難しいのでは?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。
土地を専門に買い取る不動産買取業者に依頼すれば、問題なく買い取ってくれます。
専門の買取業者は土地を活用・再販する術に長けているためです。
弊社Albalinkも相続した土地の買取を積極的に行っております。
相続した土地を処分したい方は、ぜひ一度弊社の無料査定をご利用ください(査定依頼したからといって強引な営業などはいたしませんので、ご安心ください)。
寄付・譲渡
「自治体に土地を寄付する」「知人や親戚・隣地所有者に無償で譲渡する」等の手段を考える人もいるかもしれません。
しかし、寄付や譲渡は、全く現実的な手段ではないため、選択肢から外すのが賢明です。
そもそも、自治体は、土地の寄付を滅多に受け入れてくれません。
現状、自治体は、管轄する地域の土地や建物の所有者から、固定資産税を徴収しています。
固定資産税は、地域の行政サービス(道路や公園、学校、福祉施設など)を運営するための貴重な財源です。
もし、自治体が土地の寄付を受け入れたら、土地の所有権は現在の所有者から自治体に移行します。
当然、自治体は現在の所有者から固定資産税を徴収できなくなってしまいます。
そのため、多くの自治体は、土地の寄付を受け入れません。
以下の記事でも自治体が土地の寄付を受け入れていない理由を解説しているので、併せて参考にしてください。
また、知人や親戚、隣地所有者等の第三者に土地を譲渡すると、土地を受け取った人に不動産取得税が課されます。
不動産取得税は、土地評価額の3~4%(およそ数十万)です。
相続人でさえ「いらない」と感じる土地なので、税金を払ってまで欲しがる人は滅多にいません。
これらの理由から、寄付や譲渡は現実的ではありません。
相続土地国庫帰属法は現実的ではない
2021年4月、「相続などで取得した土地の所有権を国に帰属(返還)できる」と定めた法律(相続土地国庫帰属法)ができました。
ただし、相続土地国庫帰属法は、現実的ではありません。
理由は2つあります。
1つは、土地の所有権を国に帰属させるためには多くの条件をクリアしなければならず、帰属できるケースは稀だからです。
帰属させるための詳しい条件は、法務省のHPを参考にしてください。
参照元:法務省HP
2つめは、土地を帰属するための承認申請には、以下のような多額の費用がかかるからです。
承認申請にかかる費用 | 金額 |
---|---|
土地の審査手数料 | 土地の条件に応じて数万円~100万前後 |
土地の維持管理費用10年分 | 数十万~数百万 |
これらの費用はすべて所有者の負担となります。
承認には多くの条件と費用が必要であるため、相続土地国庫帰属法は、現実的な制度とは言えません。
相続土地国庫帰属法の概要を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
売却
「相続放棄」も「寄付・譲渡」も、現実的でないと理解していただけたでしょうか。
いらない土地の最適な処分方法は「売却」です。
売却すれば、所有者はいらない土地を完全に手放せますし、売却代金がまとまった現金で手に入るからです。
また、土地を現金化すれば、相続人どうしでの分割もしやすくなります。
親が健在であれば、売却代金を親の老後の資金に充てることも可能です。
次章では、具体的な売却方法「仲介」と「買取」をご紹介するとともに、あなたがどちらを選ぶべきかの判断基準をお教えします。
いらない土地の処分方法(仲介or買取)の判断基準
いらない土地の売却方法は、主に2つ「仲介」と「買取」があります。
- 仲介
- 所有者から売却の依頼を受けた不動産仲介業者が、住居を探している一般の個人に向けて物件情報を公開し、買主を探す方法
- 買取
- 不動産買取業者が、不動産の所有者から直接買い取る方法
土地の条件によって、「仲介」と「買取」どちらが適切であるかが異なります。
あなたがどちらを選ぶべきか、判断基準を説明していきます。
なお、以下の記事でも仲介と買取の違いについて詳しく解説しています。
居住ニーズがある土地は「仲介」で売却
個人の住居としてのニーズ(居住ニーズ)がある土地であれば、仲介業者に売却活動を依頼しても良いでしょう。
前述の通り、仲介は、自身の住居を探す個人に向けて、物件情報を広く公開する売却方法です。
そのため、仲介であれば、市場価格前後の売却を狙えます。
市場の需要と供給が釣り合う価格。不動産売買では、仲介にて、最終的に売買契約が成立する価格を指す。
具体的に、居住ニーズがある土地とは、例えば以下のような土地を指します。
居住ニーズが高い土地
- 【都市部】最寄り駅まで徒歩圏内
- 【地方】市街地や生活に必要な施設が近い
上記のように立地の良い土地なら、生活するうえで不便がないので、住居を探している個人が購入してくれる可能性もあります。
実際に、弊社が独自に行った「家の購入で優先したこと」に関するアンケート調査では、66.5%の人が「立地」と答えています。
家の購入で優先したことのダントツ1位は「立地」
なお、物件情報を公開してから売買契約が成立するまでの期間は、平均3カ月~半年かかります。
居住ニーズがない土地は「買取」で売却
居住ニーズがない土地や何らかの事情を抱えた土地は、仲介業者に依頼して、個人に売却するのは困難です。
このような土地は、不動産買取の専門業者に、直接売却するべきと言えます。
具体的に、居住ニーズがない土地とは、以下のような条件に当てはまる土地を指します。
居住ニーズがない土地
- 【都市部】最寄り駅まで徒歩圏外
- 【地方】市街地や生活に必要な施設から離れている
- 周辺に嫌悪施設(風俗店や暴力団の事務所など)がある
- 一般住宅を建てるには広大すぎる
- 新たに建物を建てられない(再建築不可)
買取業者は、仲介業者にない以下のノウハウを持っているため、居住ニーズのない土地でも買い取ることができます。
- そのままの状態では居住ニーズがない土地に付加価値をつけるノウハウ
- 価値を付けた土地を確実に再販するルート
ただし、買取の場合、再販にかかる経費などを差し引くため、仲介ので売却価格より安くなってしまいます。
ただ、仲介で売りに出し、永遠に売れ残るよりは、買取でサッと処分できた方が良いでしょう。
弊社Albalinkも居住ニーズがない土地や、何らかの事情を抱えた土地に特化した専門の買取業者です。
上記のような土地を手放したい方は、ぜひ一度我々にご相談ください。
できる限り高値をご提示し、お客様が納得できるお取引をすることを、弊社はお約束いたします。
なお、以下の記事では土地を売却する買取業者の選び方について解説しています。
併せて参考にしてください。
いらない土地を処分した方がいい4つの理由
いらない土地を売却せず所有し続けたら、所有者には多くのリスクが課せられます。
やはり、いらない土地は早急に売却するべきです。
固定資産税が課税され続ける
土地を所有しているだけで、所有者には毎年固定資産税が課せられます。
固定資産税は、土地評価額に1.4%を乗じて算出します。
例えば、土地評価額が2,000万であれば、固定資産税は28万円です。
何も活用できていない土地に、年間30万近くの税金を納め続けるのは、非常に無駄だと感じるはずです。
近隣トラブルに発展する
土地を放置していると、土地の近隣住民とトラブルになるおそれがあります。
例えば、何者かによって、土地にゴミを不法投棄されたとしましょう。
その場合、近隣住民が、法務局にて不法投棄されている土地の所有者を調べ、所有者に苦情の連絡をするかもしれません。
近隣住民から苦情を受けたら、所有者は土地に不法投棄されたゴミを、自ら処分しなければなりません。
専門業者にゴミの処分を依頼することもできますが、およそ数万円の処分費用がかかります。
維持管理の手間と費用がかかる
土地の維持管理は、所有者の義務です。
前述した不法投棄の処理はもちろん、夏場に土地の雑草が生い茂った場合なども、所有者自身で処理をしなければなりません。
平均的な居住用の土地(30坪)の雑草処理を専門業者に依頼したら、およそ2~3万の費用がかかります。
ちなみに、土地の管理や見回りを継続的に引き受けてくれる専門業者もありますが、毎月数千円~1万円ほどの負担になります。
土地の管理については、詳しくは以下の記事の「3ー2.屋外管理で近隣トラブルを回避」をご覧ください。
問題を次の世代に引き継ぐ
あなたがいらない土地を処分しなければ、維持管理費や固定資産税の負担、近隣トラブルのリスクを、次の相続人に引き継いでしまいます。
次の相続人となる配偶者や子どもは、今のあなたと同様に「この土地どうしよう…」と悩むはずです。
また、あなたが亡くなった後、相続人が複数人で土地を所有(相続)してしまったとしましょう。
その場合、所有者1人の意思では土地を売却(処分)できないため、相続人同士の意見が食い違えば、永遠に土地を手放せません。
いらない土地は今のうちに売却して、全ての問題をあなたの代で解決してしまいましょう。
いらない親の土地を処分する前に知っておくべき注意点
最後に、いらない親の土地を処分する前に、知っておかなければならない注意点をご紹介します。
注意点を把握し、スムーズに土地を売却してください。
いらない土地であっても相続当登記は済ませておく
たとえ、いらない土地であっても、相続登記は済ませておきましょう。
不動産登記法が改正され、2024年4月1日より相続登記は義務化されています。
「相続の開始および所有権を取得したと知った日から3年以内」に相続登記しなければ、10万以下の過料を求められる恐れがあります。
参照元:法務省HP
また、土地を売却(処分)する際は、相続登記が必須です。
原則として、土地を売却(処分)できるのは、登記簿上の正式な所有者のみだからです。
複数人で相続しない
相続人が複数いたとしても、土地を引き継ぐ相続人は1人に限定しましょう。
土地の所有者が複数人いると、誰か1人の意思で土地を処分(売却)できなくなるからです。
所有者どうしの売却に対する意見が食い違ったら、永遠に土地を手放せなくなってしまいます。
そのため、複数人で土地を相続してはいけません。
複数人で土地を相続するリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
親が元気なうちに売却する
親が健在であれば、親が元気なうちにいらない土地を売却しましょう。
前提として、相続は、故人が残した遺言書の内容に則って行われます。
親が元気なうちに土地を売却すれば、親が遺言書を残せなくなる心配がなくなります。
また、相続が発生する前に売却すれば、面倒な相続登記の手続きから逃れられますし、遺産分割でトラブルが起きる心配もありません。
しかも、現状、土地を所有している親には、固定資産税が課されています。
売却してしまえば、当然、固定資産税の負担もなくなるので、既に不要だと感じる土地は、なるべく早く手放して損はありません。
まとめ
いらない親の土地を処分する方法をご紹介しました。
結論、いらない土地の最適な処分方法は「売却」です。
売却方法は「仲介」と「買取」の2種類があり、土地の条件によってどちらが適しているかが異なります。
個人の住居として需要がなかったり、再建築不可など何らかの問題を抱えていたりする土地は、買取業者に直接売却するべきです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は仲介では売却できないような土地に特化した専門の買取業者です。
フジテレビの「newsイット!」にも、訳あり物件専門の買取業者として紹介されました。
不動産業界にありがちと思われる、強引な営業などは行っていませんので、いらない土地を手放したい方は、お気軽にご相談ください。