「空き家を差し上げます」が無償な理由
「空き家差し上げます」とはその名のとおり、無料で空き家をあげることです。
通常、不動産取引をするときは「売買」という形式が用いられますが、「空き家差し上げます」は「無償譲渡」に該当します。
空き家を健全に所有し続けるには修繕・清掃・見回り等、定期的なメンテナンスを施さなければ、所有者・近隣住民に悪影響を及ぼします。
そのため、空き家を抱えるリスクから早期に解放されるために、無償譲渡が選択されるケースが多いのです。
なお、空き家を所有する7つのデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「空き家を差し上げます」が実現した事例【動画付きで解説】
空き家を無料で譲渡した例として、「ANNnewsCH」で取り上げられていた以下の事例を紹介します。
(引用元:夢のマイホームを無料で?移住ブームで注目の「0円物件」とは?)
【紹介されていた0円物件の概要】
物件の所在地 | 千葉県船橋市 |
---|---|
土地面積/延べ床面積/間取り | 110㎡/60㎡/木造2階建ての3DK |
築年数 | 39年 |
評価額(土地+建物) | 約430万円 |
上記の空き家は、重機が入れないことで「再建築不可物件=建て替えができない物件」であるため、全所有者は不便さに耐えかねて無料譲渡を募った物件です。
ただ、情報サイトに載せてから「わずか1週間」で無料譲渡することに成功しています。
無料譲渡に成功した要因としては、以下の4つが考えられます。
- 建物内はボロボロだが、建物そのもの(躯体)はしっかりしている
- 3DKで広い間取りであり、ファミリー向けに需要がある
- おいだき機能付きの風呂やベランダがついているなど、設備面の利点がある
- 窓を開けると桜並木があり、家の中が花見スポットになる
空き家の無料譲渡を受けたのは不動産投資家で、自らDIYをして賃貸物件として運用する目的で空き家をもらい受けています。
しかし、ふたを開けてみると、床や窓ガラスの損傷がひどく、DIYのレベルを超えており、業者に直してもらうには200万円かかることが発覚しています。
空き家をもらい受けた不動産投資家にとってこの問題は想定外でしたが、「DIYをしたい人」にターゲットを絞って賃借人を募集することで難を逃れています。
もし、空き家をもらい受けた人が専門的な知識のない一般個人の場合、今回の不動産投資家のように機転の利いた発想はできないでしょう。
ですから、「空き家が0円ならお得だと思っていたが、実際に内覧したらリスクがあり過ぎるからやっぱりやめた」という人は少なからずいます。
よって、老朽化が進んでおらず、少しだけ修繕すればすぐに住めるような空き家なら、無料にすれば簡単に譲渡できるでしょう。
しかし、老朽化が進んでいて、住める状態にするのが困難な空き家の場合は、いくら無料だからと言って簡単に譲渡できるとは限りません。
そのような空き家の手放し方については「無料で譲渡するより空き家専門の買取業者で現金化しよう!」で解説していますので必ず確認してください。
「空き家差し上げます」を実現できるサイト3選
「空き家を無償譲渡したい」
「空き家をタダでもいいからもらってほしい」
このように、空き家を無料で譲りたい場合は、まず空き家を欲しがっている個人に対し、ネットを使って物件情報を広く掲載してみましょう。
空き家の物件情報サイトに一度掲載するだけで、多くの人に見てもらうことができ、その分売却に繋がりやすくなります。
それでは、空き家の物件情報を掲載する3つのサイトをご紹介します。
サイト名 | おすすめ度 | 対応エリア | 掲載料金/契約時サポート |
---|---|---|---|
みんなの0円物件 | ★★★★☆ | 全国 | 完全無料/あり(有料プラン) |
空き家ゲートウェイ | ★★★☆☆ | 全国 | 完全無料/なし |
家いちば | ★★★★☆ | 全国 | 無料※/あり (※成約手数料はあり) |
上記のサイトは、基本的にどれも「無料」で空き家情報の掲載が可能です。
ただし、契約時のサポート等を行っているのは「みんなの0円物件(有料)」「家いちば」「空き家バンク(一部)」のみです。
「空き家ゲートウェイ」で実際に空き家を譲渡する際には、あなた自身で司法書士や弁護士を探し、譲渡契約や登記の手続きのサポートを依頼する必要があります。
そのほか、サイトによって特色が異なるので、自分の好みに合ったサイトを見つけ、利用規約をしっかりと確認したうえで空き家の情報を掲載してみてください。
みんなの0円物件
みんなの0円物件は、0円の空き家又は土地のみを掲載している不動産マッチングサイトです。
国土交通省による「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」の取り組みにも採用されています。
参照元:国土交通省「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」
掲載料は「完全無料」ですが、プランによっては費用を支払うことで「契約サポート」を依頼できます。
掲載から数日で成約している物件もあるので、とにかく0円でいいから空き家を早く手放したい人におすすめのサイトです。
掲載されている物件の特色
みんなの0円物件に掲載されている物件は、前述した通り「0円物件のみ」です。
逆に言えば、0円であること以外に条件は明記されておらず、実際に下記のような空き家等の物件情報も掲載されています。
- 遠方にある片づけ前の実家
- 管理していない土地
- 空き店舗
- 廃業予定の商店
- 再建築不可物件
- ビル
- 工場
- 倉庫
- 蔵
- 農地
掲載までの流れ
みんなの0円物件に空き家情報を掲載する流れは下記の通りです。
掲載申し込み
まずは、「掲載申込フォーム」または「LINE公式アカウント」に、0円で譲渡したい空き家の物件情報を記載し申し込みます。
掲載申込フォームへの記入内容は下記の通りです。
- 名前
- 住所等の基本情報
- 利用プラン
- 物件種別
- 物件の所在地
- 名義人
- 今の空き家の利用状況
- 構造や面積
- 築年数
など
原稿確認及び物件情報公開
次に、掲載申し込みで提供した情報をもとに、同サイトのスタッフが掲載内容の原稿を作成し、空き家所有者に連絡が来ます。
送られてきた掲載内容の確認ができ次第、物件情報が公開され、募集を開始します。
なお、公開後も掲載内容の修正は無料で何度でも可能です。
掲載や売買にかかる必要経費
みんなの0円物件への掲載料は「完全無料」です。
「おまかせプラン」(16.5万円)を選択することで、問い合わせ対応や交渉、契約書の作成や所有移転登記の手続き等のサポートも依頼できます。
空き家ゲートウェイ
空き家ゲートウェイは、無償の空き家は扱っておらず、100円もしくは100万円での売却に限定した「100均空き家流通サービス」です。
同サイトでは、所有者から得た情報をもとに、物件一つ一つにライターが執筆した紹介記事を掲載しています。
物件の内装や外装、地域の様子等を高い熱量の文章と写真で具体的に紹介しているので、空き家の魅力をより引き立ててもらえます。
また、「この空き家ではこんなことができそう!」など、物件情報を見た人からのコメントも掲載されるので、所有者には想像できなかった活用目的で購入してもらえることもあります。
基本的に掲載されるのは、地価が低い土地に所在する空き家のみです。
そのため、「活用方法がない」「利便性が低い」などの理由で空き家が売れずに困っている所有者に特におすすめです。
掲載されている物件の特色
家屋がボロボロでリフォームが必要な空き家、室内に私物が残っていて片付けが必要な空き家などが多く掲載されています。
ただし、地価を査定基準にしているため、掲載できるのは「物件査定」で100均物件の可能性があると判断された物件のみであることです。
そのため、市街地や都会(特に東京23区内や大阪、神奈川など)に位置した土地価格が高い物件は掲載できない可能性があります。
掲載までの流れ
空き家ゲートウェイで空き家情報を掲載する流れは下記の通りです。
それぞれ説明します。
物件査定依頼
まずは、ホームぺージの「物件査定」で、物件情報を掲載したい空き家の郵便番号又は地名までを入力し、簡易査定を受けます。
所在地の土地価格等をもとに、100均物件の可能性があると判断されれば、物件情報の掲載が可能です。
物件掲載依頼の問い合わせ
物件査定依頼で掲載が認められた場合、そのまま追加情報を送るフォームが表示されます。
記載する主な情報は下記の通りです。
- 空き家所有者の名前や連絡先
- 希望売却価格(100円or100万円)
- 物件の建物構造
- 築年数
- 建物面積
- 土地面積
- 間取り
- 交通アクセス
- 現在の改修状況
- 物件の写真
- その他物件への思いやエピソードなど
物件情報公開
入力し送信した情報をもとに、ライターがサイト掲載用の記事を作成し、物件情報が掲載されます。
掲載や売買にかかる必要経費
空き家ゲートウェイへの物件情報の掲載料や成約手数料などは一切かかりません。
ただし、仲介業務を行ってもらう仕組みがないため、契約時には売主自身で司法書士や弁護士等に依頼する必要があります。
家いちば
家いちばは、売主と買主が直接商談のやり取りをする「セルフセル方式」を採用した不動産売買の掲示板サイトです。
家いちばが他の空き家マッチングサイトと大きく異なる特徴は、売主自身がサイト上で空き家を売り込み交渉するため、売主と買主の双方が相手を選べる点にあります。
そのため、金額だけでなく「思い入れのある資産を大切に使ってほしい」「信頼できそうな人から購入したい」など、人柄で買主を選びたい人におすすめです。
掲載されている物件の特色
家いちばでは、空き家だけでなく、農地や山林、一部海外の物件情報もごくわずかですが掲載されています。
掲載できる物件に条件はなく、売り出し価格が決まってなくても掲載が可能です。
掲載までの流れ
家いちばに空き家情報を掲載する流れは下記の通りです。
物件掲載依頼
ホームページの「売ります」内の投稿フォームへ進み、必要な情報を入力します。
引用元:家いちば「入力フォーム」
投稿フォームに入力する主な情報は下記の通りです。
- 物件の住所
- これまでの経緯と今の状況
- 買い手への希望・条件(価格や時期など)
- 物件のウリとイマイチなところ
- 土地面積
- 建物面積
- 構造
- 現況
- 希望価格
物件掲載内容の確認及び公開
掲載内容の確認メールが届くので、確認でき次第メールを返信すれば、掲示板に物件情報が表示されます。
掲載や売買にかかる必要経費
家いちばで空き家の売買が成約際は、手数料を支払う必要がありますが、一般的な不動産仲介業者の「半額程度」に抑えられています。
同サイトでは、必要に応じて売主や買主自身が直接役所や法務局等を訪問して、説明を聞いたり交渉したりして売買を行うため、その分の費用が削減されているからです。
手数料には、売買契約時に必要な司法書士等の手配料も含まれているので、自身で司法書士や弁護士等に依頼する必要はありません。
具体的な手数料の計算式は下記の通りです。
【媒介報酬分】
売却額 | 媒介報酬分 |
---|---|
売却額が200万円以下 | 売却額の2.5%+消費税 |
売却額が200万円以上400万円以下 | 売却額の2%+1万円+消費税 |
売却額が400万円超 | 売却額の1.5%以内+3万円+消費税 |
【基本料】
売主(システム登録料) | 8万円 |
---|---|
買主(成約基本料) | 6万円 |
「空き家を差し上げます」は空き家バンクでも可能!
空き家バンクとは、空き家を売りたい(貸したい)所有者が、自治体が運営するHPに空き家情報を無料で掲載し、購入(賃貸)希望者を募るシステムです。
自治体によっては空き家バンクの制度がない場合があるので、まずはあなたの空き家の住所を管轄する自治体を調べる必要があります。
「空き家バンク 〇〇市」「空き家バンク ○○町」と検索すれば、空き家バンクの制度があるか確認できます。
もしくは、市役所(区役所)の空き家対策窓口で聞き取りする方法でも調べることができます。
掲載されている物件の特色
各自治体で定められた条件に適用している空き家のみ、空き家バンクへの掲載が可能です。
多くの自治体で共通する空き家バンク登録の条件は以下のとおりです。
- 該当する各自治体に存在する空き家
- 不動産業者と売却の契約をしていない空き家
- 建築基準法を犯していない空き家
- 各自治体の最高責任者(市長など)が不適切と判断しない空き家
- 相続登記が正しく完了している
ただし、あなたの空き家が所在する地域の空き家バンクにしか登録できないので、あくまでその地域で空き家を探してる人にしか情報は伝わりません。
掲載までの流れ
空き家バンクに物件情報を掲載するには、まずは空き家バンクに登録する必要があります。
空き家バンクへの登録から物件掲載までの流れは、自治体によって異なりますが、多くの場合下記のような流れで行われます。
「1」の必要書類は以下の以下の6つです。
- 空き家バンク登録申込書
- 空き家バンク登録カード
- 土地及び建物の登記事項証明書
- 所有者の納税証明書
- 物件の図面
- 本人確認ができる書類(運転免許証など)
書類を提出し、自治体職員が現地を確認し、問題なければ掲載となります。
なお、空き家バンクの登録から売却までのより詳しい流れは以下の記事で詳しく説明していますので、合わせてご確認ください。
空き家バンク登録でリフォーム費用の補助金を受け取れる自治体もある
自治体によっては空き家バンクへの登録を条件に、リフォーム費用等を支援する制度が設けられています。
自治体による補助金の事例は下記の通りです。
【高知県香美市の補助金事例】
補助対象者 | 次のいずれかに該当する者 |
---|---|
・空き家の所有者 | |
・10年以上居住予定の者等 | |
補助金交付要件(一部) | 空き家バンクに登録していること。 |
市税等の滞納者や暴力団員で無いこと。 | |
年度末の3月15日までに工事が完了する改修工事であること。 | |
新耐震基準を満たさない空き家を改修する場合は、耐震工事を優先 すること。 |
|
施工業者は市内に事務所、事業所を有する法人または個人事業主を 優先すること。 |
|
補助対象工事内容 | 耐震基準を満たすための工事 |
屋根・外壁の改修 | |
台所・浴室・トイレの改修や設備改善 | |
床板・畳の取り替え等 | |
補助率 | 3分の2以内(千円未満切り捨て) |
補助限度額 | 121万6千円 |
参照元:高知県香美市空き家改修補助金
以下の記事でも空き家に利用できる補助金を自治体の実例とともにご紹介しています。
併せて参考にしてください。
空き家の無償譲渡を行う際の4つの注意点
前述したように、所有し続けてもリスクしかない空き家は、タダでもいいから一刻も早く手放したいですよね。
ですが、空き家を無償で譲渡する場合、以下のように4つの注意点があります。
【空き家を無償譲渡する際の注意点】
それぞれを具体的に解説していきます。
無償譲渡契約書の作成が必須
個人間の無償譲渡であっても、空き家の所有権を移す登記手続きに必要な「譲渡契約書」の作成が必須です。
また、公的な書類である譲渡契約書を作成することによって、譲渡後に起こりうる下記のようなトラブルを避けるメリットがあります。
【不動産譲渡によるトラブルの一例】
このように、契約時に「言った」「言ってない!」といういざこざを避け、気持ちよく空き家を手放すためにも、譲渡契約書の作成はとても重要です。
ただし、譲渡契約書を当事者同士で作成すると、不備があったり書き間違いなどがあった場合、譲渡契約書の効力が無効になってしまうおそれもあります。
ですから、譲渡契約書は司法書士や弁護士などの専門家のサポートを受けながら作成することをおすすめします。
依頼費用としては、1件あたり「1万円から5万円」ほどかかりますが、のちにトラブルへ発展するリスクを考えたらサポートを受けておいた方が無難です。
不具合や欠陥があれば契約前に買主へ必ず全て伝える
空き家を無償譲渡する場合でも、不具合や欠陥がある場合は、契約前に必ず譲渡する相手に伝えましょう。
いくらタダで譲るとはいっても、譲渡人が欠陥を把握していたにもかかわらずそれを伝えなかった場合、譲受人からのクレームやトラブルに繋がりかねないからです。
最悪の場合、契約不適合責任に問われ、譲渡した空き家の修繕を迫られたり、譲渡契約自体をなかったことにされるおそれもあります。
不動産売却後、売買契約書に記載のない欠陥が物件に見つかった場合に、譲渡人が譲受人に対して負う責任。譲受人から欠陥部分の補修費用を請求されれば、譲渡人はそれに応じなければなならない。
例えば、以下のような不具合や欠陥がある場合は、前もって譲受人に伝えておくべきです。
- 建物内に雨漏りや腐食箇所がある
- シロアリやネズミなどの害虫・害獣が住み着いており駆除が必要
- 建物内にDIYでは直せないほどの損傷個所がある
そのため、前述したとおり専門家のもと、把握している不具合等を明記した譲渡契約書を作成し、譲受人から了承を得たうえで、空き家を受け取ってもらいましょう。
空き家の売主が負う契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
空き家を譲り受ける際に費用がかかる
いくら空き家が無料でも、空き家の譲受人は以下の費用を支払う必要があります。
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 贈与税
- リフォーム費用
ですから、「空き家を無料でもらえると思っていたけど、費用が掛かるならやっぱりいらない」と考える人も一定数いるので、いくら空き家が0円でも簡単に貰い手が現れるとは限りません。
以下より、上記3つの費用について詳しく解説していきます。
不動産取得税
「不動産取得税」とは、不動産を購入もしくは譲渡によって取得した時に支払う税金のことです。
不動産取得税は以下の計算式で算出します。
上記の通り、税率は原則「4%」ですが、土地と住宅については、2024年3月31日の取得までは3%に引き下げられています。
参照元:総務省「不動産取得税」
例えば、固定資産税評価額が500万円の空き家を譲渡した場合、不動産取得税は以下のように計算されます。
このように、空き家をもらい受けると不動産取得税が数十万円もかかるので、空き家を無料にしたところで、簡単に貰い手が現れるとは限りません。
登録免許税
「登録免許税」とは、空き家の名義を譲渡人から譲受人へ変更する登記を行う際に支払う税金のことです。
登録免許税は、以下の計算式で算出されます。
税率は登記の種類によって、以下のように異なります。
土地の所有権移転登記 | 2% |
---|---|
建物新築時の所有権保存登記 | 4% |
中古住宅などの所有権移転登記 | 2% |
参照元:国税庁「登録免許税の税額表」
例えば、固定資産税評価額が500万円の空き家を譲渡した場合、登録免許税は以下のように計算されます。
上記のように、空き家が無料でも、登録免許税として10万円前後の費用がかかってきます。
前述した不動産取得税もかかることも考えると、譲受人の金銭的負担は増えるので、その分無料で空き家をもらい受けようと思う人は少なくなるでしょう。
贈与税
「贈与税」とは、贈与によって財産を取得したときにかかる税金です。
譲り受けた空き家の固定資産税評価額が110万円以上の場合に贈与税がかかってきます。
空き家を贈与した場合の贈与税は、以下の計算式で算出されます。
税率や控除額は「贈与を行う相手」によって変わります。
今回のように、情報サイトを利用して第三者に空き家を無料で譲渡する場合は「一般贈与」に当たるので、以下の税率と控除額が適用されます。
例えば、固定資産税評価額が500万円の空き家を譲渡した場合、贈与税は以下のように計算されます。
=(固定資産税評価額-110万円)×税率-控除額
=(500万円-110万円)×20%-25万円
=53万円
このように、空き家を無料で譲渡できても、固定資産税評価額がある程度ついている空き家なら、数十万円もの贈与税を支払うことなります。
前述した、不動産取得税や登録免許税を合わせた場合、仮に500万円の空き家を無料で譲渡した際は、合計で以下の費用がかかることになります。
=不動産取得税+登録免許税+贈与税
=10万円+15万円+53万円
=78万円
つまり、空き家そのものが無料でも、80万円近くの費用を支払う必要があるということです。
この事実を知れば、空き家を無料で探している人の中には空き家の受け取りを躊躇する人も出てきますから、やはり空き家を無料にしても簡単に譲受人が現れるとは言い切れません。
リフォーム費用
長年手入れされていなかった空き家の場合、住む前に大規模なリフォームが必要になるケースもあります。
人が住んでいない空き家は、空気の入れ替え・循環がされず、室内に溜まった湿気によって老朽化が進行するからです。
リフォームの費用相場は工事の範囲によっても異なりますが、30坪の戸建て住宅で、家の主要部分を修繕した場合、以下の費用がかかります。
施工内容 | リフォーム費用相場 |
---|---|
壁紙・床 | 75万円〜110万円 |
外壁・屋根の塗装 | 70万円〜140万円 |
水回り | 124万円〜410万円 |
配管 | 25万円〜50︎︎︎︎万円 |
耐震補強 | 150万円 |
外壁・屋根の断熱化 | 50万円~350万円 |
基礎工事 | 120万円〜390万円 |
このように、空き家の現況によっては譲受人が約600万円〜1,600万円のリフォーム費用を負担しなくてはなりません。
空き家の取得費用が0円でも取得後に多額の諸経費がかかるため、譲受人が「タダならもらおう」となりにくいのが実情です。
なお、空き家のリフォーム費用や補助金については以下の記事で詳しく解説しています。
みなし譲渡所得が発生する【個人から法人への無償譲渡限定】
個人から法人に無償譲渡(寄付)した場合、「みなし譲渡所得」が発生することがあります。
みなし譲渡所得とは、所有者が空き家を取得した時よりも、無償譲渡した時のほうが物件の時価が高い場合の差額分のことです。
この差額分が譲渡所得とみなされ、物件を譲渡した所有者側に譲渡所得税の支払いが発生してしまいます。
逆に、譲渡時の時価が取得費や譲渡費用を上回る場合、譲渡所得税はかかりません。
法人が寄付を受け入れることはほぼあり得ませんが、万が一寄付できたとしても、利益がないどころか税金を支払うことになりかねませんから、あなたにとってメリットは何もありません。
空き家は無償譲渡より専門の買取業者の方が早く売却可能
これまで解説してきたように、空き家を無料にしたところで、必ずしも貰い手が現れるとは限りません。
また空き家は老朽介していることが多く、一般的な不動産業者に依頼して売ろうとしても、買い手がなかなか見つかりません。
しかし、空き家専門の不動産買取業者であれば、現状のまますぐに売却可能です。
なぜなら、専門の買取業者は買取後にリフォームすることを前提としいるためです。
ですから、売却後に物件に不具合があった際に、責任を問われる「契約不適合責任」を免除することもできます。
不具合があっても、リフォーム前提であるため、そこまで気にする必要がないです。
空き家の無償譲渡の最大のメリットは費用をかけず空き家を手放せることです。
その代わり、貰い手が見つかる保証はありません。
一方買取であれば、無償譲渡と同じく費用をかけず、しかもすぐに売却でき、空き家を現金化できます。
弊社Albalinkも空き家専門の買取業者で、年間600件以上の買取実績(※2023年1月~10月の実績)があり、「フジテレビ」を始めとするメディアにも多数取り上げられています。
気になる方は、是非一度、下記無料買取査定フォームから、査定依頼だけでもしてみてください(査定依頼をしかからといって、無理な営業は行いませんのでご安心ください)。
>>【空き家でもすぐに売却可能!】無料で買取査定を依頼する!
空き家のおすすめ買取業者の詳細や選び方については下記記事をご覧ください。
弊社Albalinkの空き家買取事例
ここまで、使っていない空き家は専門の買取業者に売却したほうがよい理由などについてお伝えしてきました。
この章では、弊社Albalinkを例にとり、実際の空き家の買取事例を紹介します。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の声を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
まとめ
この記事では、「空き家を無料で譲渡したい」「タダでもいいから空き家を受け取ってほしい」という方に向けて、下記内容等についてご紹介しました。
たしかに、空き家は所有しているだけでも高額の維持費用と手間がかかるので、「無料でも良いから手放したい」と思うのは当然のことです。
しかし、空き家を無料にしても、結局は貰い手に税金を支払う必要があったり、譲渡手続きの手間があったりなどの理由で、「やっぱりいらないです」と受け取りを拒否される可能性があります。
ですがご安心ください。購入需要のない空き家でも、空き家専門の買取業者であれば「高確率」で買い取ってくれませす。
空き家専門の専門買取業者なら、安くリフォームし、ニーズを高めて再度販売できるノウハウを持っているからです。
空き家を買い取ってもらえるなら、無料で手放すよりもあなたにメリットがあるのは明白です。
空き家を無料で手放す前に、まずは一度空き家専門の買取業者に連絡し、いくらで空き家を買い取ってもらえるのかを確認してみましょう。
なお、弊社アルバリンクは空き家を専門に扱う買取業者です。
年間相談件数5000件、年間買取件数600件の買取実績(※)があり、他の業者が断るような物件でも、数多く買い取りしてきました。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
「空き家をできる限り高く売却し、所有し続けるリスクから一刻も早く解放されたい」とお考えの場合は、一度弊社へご相談ください。
>>【放置してしまっていた空き家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼
※「物件住所」「氏名」「メールアドレス」を伝えるだけで相談を依頼できます。(※個人情報保護は万全です)
※無料相談はサービスの一環であり、買取を前提としておりませんので、お気軽にご利用ください。