狭小住宅とは15坪(50㎡)以下の土地に建てられた住宅のこと
狭小住宅とは、狭くて小さな土地に建てられた住宅のことです。
狭小住宅の明確な定義はありませんが、一般的に15坪(50㎡)以下の土地に建てられた住宅のことを狭小住宅と呼ぶことが多いようです。
通常の戸建(4LDK程度)が30坪~40坪ほどなので、だいた半分程度の広さということになります。
狭小住宅は土地代が安くなる反面、後悔しがちなポイントがあるため、取得・建築の際には事前に要点を把握しておく必要があります。
次章で、狭小住宅の後悔しがちなデメリットについて具体的に解説します。
狭小住宅を所有して後悔しがちなデメリット9選
狭小住宅についてネットで調べると「狭小住宅を所有して後悔した」といったブログを多く目にします。
実際、弊社Albalinkにも「狭小住宅を所有しているのだけれど、後悔していて売却したい」といった相談が寄せられることもあります。
狭小住宅を所有して後悔しがちなデメリットは以下の9つです。
- 狭くて生活スペースに余裕がない
- 家族構成の変化に対応しにくい
- 収納スペースが少なく物がしまえない
- 生活動線が悪く住みにくい
- 建物に囲まれていて日当たりが悪い
- 隣家との距離が近く生活音が気になる
- 何となくみじめな気がして家に人を呼びづらい
- 建築費用が通常の物件より割高になる
- 通常の戸建より売却価格が4割程度安くなる傾向にある
それぞれ解説していきます。
狭くて生活スペースに余裕がない
狭小住宅は3階建てなど縦方向に建物を大きくすることで、延床面積(建物の床面積の合計)はある程度確保できます。
しかし、建物が建つ土地は狭いため、各階の床面積は狭くなってしまいます。
たとえば、同じ48坪の延床面積の戸建だとしても、通常の2階建ての戸建の場合、各階の床面積は24坪ありますが、3階建ての狭小住宅の場合、各階の床面積は16坪になってしまいます。
そのため、1つ1つの部屋や設備(風呂場や洗面所、台所など)が通常の家より狭くなる傾向にあります。
延床面積では通常の戸建と変わらなくても、階で細かく分けられた居住スペースに収めるために、部屋や設備をどうしても若干狭くしなくてはいけないケースがあるためです。
また、1階の一部を駐車場として使うビルトインガレージの場合、駐車スペースに余裕がなく駐車しにくかったり、建物の壁がすぐに迫っており、車の乗り降りや、荷物の出し入れが大変な場合があります。
狭さを解消しようと間仕切りを減らすと空調効率が落ちる
狭小住宅は「狭さ」ゆえに生活スペースに余裕がないとお伝えしました。
しかし、生活スペースを確保しようと壁などの間仕切りを減らすと、今度は空調効率が悪くなってしまいます。
これは、室内のエアコンが送り出す冷風・温風をせき止める役割の壁がなくなるためです。
また、室内が一定の温度を保ちにくい分、設定温度に近づけようとエアコンがフル稼働するため、電気代も割高になります。
間仕切りを減らす際には、快適性・電気代の両方の観点から断熱リフォームの導入も視野に入れましょう。
15坪ほどの住宅で、壁の断熱リフォームをおこなう費用相場は約50万円〜100万円程度です。
各階の居住スペースが狭く長期優良住宅の認定を受けられない
狭小住宅は前項で述べたように、各階の居住スペースが狭くなってしまいます。
そのため長期優良住宅の認定が受けられないことがあります。
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅のことです。
長期優良住宅に認定されると、以下のようなメリットがあります。
- 所得税における住宅ローン控除で優遇を受けられる
- 不動産取得税(不動産の取得に対して課される税金)の減税
- 登録免許税(不動産登記などの際にかかる税金)の税率の引き下げ
- 固定資産税の減税期間の延長
- 住宅ローンの金利の優遇
これらのメリットが狭小住宅だと受けられない可能性があります。
なぜなら、長期優良住宅に認定するためには国の基準をクリアする必要があり、基準の1つ「一戸建ては75㎡以上、少なくとも1つのフロアの床面積が40㎡以上(階段部分を除く面積)あること」という住戸面積に関する項目があるためです。
参照元:国土交通省|長期優良住宅について
長期優良住宅の恩恵を受けたい方は、これから所有しようとしている狭小住宅や、現在所有している狭小住宅が、上記の基準を満たしているか確認しましょう。
なお、床面積が不明な場合は、不動産売買契約書の建物の欄に記載があるので確認しましょう。
家族構成の変化に対応しにくい
居住スペースが狭いと、暮らしているうちに窮屈に感じてくることがあります。
新築・購入した当初は丁度良い広さに感じていた家も、生活していくうちに家族構成が変わることがあるためです。
たとえば、夫婦2人の時は狭く感じなかったのが、子供が生まれてから狭く感じるようになった、ということは実務上よくあるケースです。
また、子供の成長に伴い、部屋の数・庭の広さが欲しくなり「住み替えたい」「引っ越したい」という発想も生まれるでしょう。
狭小地は土地の面積が狭いため、通常の不動産のようにニーズの変化を増築で対処しにくいデメリットが伴います。
収納スペースが少なく物がしまえない
狭小住宅は限られた床面積に部屋や設備を配置しているため、収納スペースが少ないケースが多くあります。
そのため、生活を始めると不便に感じる場合があります。なぜなら、生活しているとどうしても物は増えてくるからです。
狭小住宅は収納スペースがないため、物を納めるために、収納ラックなどを購入しなくてはならず、購入費用がかかるうえに、家具でさらにスペースが潰されてしまいます。
狭小住宅の所有を検討している方は、狭小住宅に住むにあたり、思い切った断捨離を行う覚悟が必要です。
また、現在すでに狭小住宅に住んでいて、物が増えて後悔している方は、壁掛けラックなどを活用し、スペースを取らない形で収納スペースを確保する工夫をしましょう。
しかし、子供が生まれるなどで、収納の工夫ではどうしようもないほど物が増えてしまった場合は、思い切って狭小住宅を売却し、新たなマイホームを手に入れることを検討してもいいでしょう。
なお、弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者ですので、狭小住宅のような特殊な物件でも価値を見出し、高値で買い取ることができます。
狭小住宅を手放し、もう少し広い家に移りたいという方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
売却前提ではなく、まずは買取価格を知りたい、といった問い合わせも大歓迎です。
生活動線が悪く住みにくい
通常の戸建の場合、水回りの設備(トイレや風呂場など)は近い場所にまとめるなど、人が暮らしやすいように、生活動線(家の中で人が生活するための動き)が最適化されています。
しかし、狭小住宅は住む人が暮らしやすい生活動線になっているとは限りません。
各階のスペースが限られているため、自分の部屋は3階にあるのに、トイレが1階と2階にしかないといったこともあるでしょう。
その場合、自室からトイレにいくために、いちいち階段を下りなくてはなりません。
さらに、自室が3階にあると、出かける際に自室に忘れ物をした場合、1階から3階まで戻らなくてはなりません。急いでいるときなどは、面倒に感じることでしょう。
また、家の中で頻繁に階段の上り下りをしなくてはいけない状態は、怪我をして自由に体を動かせない時や、歳を取って体力が落ちた時も負担となります。
足の骨を折ってしまった場合など、3階の自室にたどりつけない恐れもあります。
狭小住宅を所有しようとしている方は、建売(ハウスメーカーによって建てられた住宅)を購入する場合は内見して、生活する上で不便に感じそうな部屋や設備の配置ではないか確認しましょう。
土地を購入して建てる場合は、建築士とよく相談し、できる限り暮らしやすい間取りを目指しましょう。
また、現在狭小住宅に住んでいる方で、生活動線が悪く後悔している方は、部屋の用途を変えるなどして、できる限り現在のライフスタイルに合わせるようにしましょう。
たとえば、高齢になったら寝室を2階の洋室から、1階の和室に変更してもいいでしょう。
いずれにしても、居住スペースが限られているため通常の戸建より生活動線に気を使い、工夫しないと快適に暮らせないところは、狭小住宅のデメリットといえます。
建物に囲まれていて日当たりが悪い
狭小住宅は、周りがビルや家などで囲まれたデッドスペースのような土地に建てられることが多くあります。そのため、日当たりが悪いことも少なくありません。
特に1階部分はほとんど日が当たらないこともあります。
日当たりが悪い1階部分に風呂などがある場合、湿気がこもり、カビが生えやすくなります。
また、日当たりが悪い家で生活していると、気分が落ち込みやすくなるなど、精神的にもデメリットがあります。
人は、日光を浴びることでセロトニンという神経伝達物質が分泌され、活動的になりますが、日当たりが悪い部屋ではそうした効果を期待できないためです。
これから狭小住宅を建てる方は、建物の向きを考慮し、一番日が差す場所に窓を取り付け、なるべく室内に日差しが入るよう設計するのが望ましいです。
建売で購入する場合も天気の良い日に内見に行き、室内にどれだけ日が入っているかを確認しましょう。
既に狭小住宅に住んでいる方は、真ん中の階(3階建てなら2階)の一番日が当たる部屋を家族が集まるリビングにするのがベストです。
最上階が一番日当たりがいいかもしれませんが、最上階がリビングだと家族が集まるのが大変なため、真ん中の階にしておくのが良いでしょう。
ただ、間取りの問題でそのようにできず(2階にリビングにできそうなスペースがないなど)、家族が常に日当たりが悪い部屋で過ごさなくてはいけない場合などは、思い切って売却を検討するのも1つの手です。
弊社Albalinkにご依頼いただけば、日当たりの悪い狭小住宅であっても価値を見出し、できるだけ高値で買い取らせていただきます。
ぜひ一度、下記無料買取フォームからお問い合わせください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
隣家との距離が近く生活音が気になる
狭小住宅は限られた面積をめいっぱい使って建てられているため、隣家など、隣りの建物との距離が近く、生活音が気になることがあります。
たとえば、隣家に小さな子供のいる家族が住んでいる場合、子供の甲高い声が気になり、人によってはストレスに感じることでしょう。
反対に、自分たちの生活音が相手に聞かれる可能性もあり、プライバシーを守りたい人にとっては、不安に感じるかもしれません。
生活音を遮断する方法としては、遮音機能のある壁にする方法があります。
ただし、防音シートなどを入れた壁を設置するには、15㎡で20万円ほどかかります。
また、隣家の生活音が気になるからといって、文句を言いに行くと、逆恨みされ、さらに大きな音を立てられるなど、状況が悪化する恐れがあります。
ですから、狭小住宅の購入を検討している方は、近隣の環境や住民がどのような人か、不動産業者によく確認し、自身も何度か現地に行くなどして確認しましょう。
しかし、購入時点で静かな環境だとしても、その後隣家の住人や近隣の環境が変わり、うるさい環境となる可能性もあります。
そのため、生活音が気になる繊細な人は、狭小住宅ではなく通常の住宅を購入した方がストレスがないかもしれません。
すでに狭小住宅に住んでいて、生活音が気になって後悔している場合は、上記の遮音対策を行うか、その費用をかけたくない場合は、売却を検討してみましょう。
なお、騒音トラブルの解決法については以下の記事で解説しておりますので、参考にしてください。
家の周囲のスペースを取ると建物がさらに狭くなってしまう
隣家との距離が近くプライバシーを確保したいといって、建物の周囲のスペース(外構)を取りすぎると、建物の面積がさらに狭くなるというジレンマが生じます。
車を保有していて敷地内に駐車スペースが確保できなくなった場合、近隣の月極駐車場を借りなくてはなりません。
月極駐車場の賃料は地域によって差はありますが、おおむね月額5,000円〜2万5,000円ほどのランニングコストが発生します。
そのため、狭小住宅を建てる前の方は、設計段階で金銭的な事情・近隣住民の人柄を考慮したうえ外構・家屋のバランスをとりましょう。
何となくみじめな気がして家に人を呼びづらい
狭小住宅は広い空間が確保しずらく、通常の住宅よりリビングも狭いことがあるため、たくさんの人は家に呼びにくいのが現実です。
人がたくさん来ると、部屋が狭いため、窮屈な思いをさせてしまうからです。
また、人によっては物理的な広さの問題だけでなく、狭小住宅という狭い家に住んでいることを知られるのが恥ずかしくて人を呼べない、といったケースもあります。
たとえば、思春期の子供がいる場合、友達の家と比べて自分の家が狭くて小さいことを恥ずかしく感じ、友達を家に呼べない、といったこともあるでしょう。
大人でも、人を招待するたびに「不便じゃないの?」「こんな狭くて生活できるの?」といったことを聞かれれば、恥ずかしかったり、不快に感じ、次第に人を呼びたくなくなる可能性は大いにあります。
ですから、周りの目や評価が気になる方は、狭小住宅を所有しない方がいいかもしれません。
既に狭小住宅に住んでいてい、人を呼びにくいと感じている場合は、誰かに用がある場合は自分が行くようにするなど、なるべく人を家に呼ばないで済むように工夫しましょう。
もしくは内装などを工夫して「狭いけれどオシャレな家」にして、恥ずかしさを払しょくするのも1つの手です。
建築費用が通常の物件より割高になる
狭小住宅は土地代は安く抑えられても、建築費が通常の戸建てより高くなる可能性があります。
以下の理由から、工期が通常の戸建てより長くなったり、人件費がかさんだりする可能性があるためです。
- 敷地が狭く、足場を組むのに人手と時間がかかる
- 敷地が狭く、建築資材の搬入に人件費がかかる
「2」については、敷地内に建築資材を保管するスペースがない場合、別の保管場所から都度資材を搬入する工数が加わります。
15坪の狭小住宅を建てる費用
参考までに、東京23区で15坪の土地に建てる狭小住宅の建築費用は、1,100万円〜1,500万円程です。
狭小地は土地代は安く抑えられる反面、敷地面積の関係で建築費用が割高になりがちです。
狭小住宅を建築する際は、建築費用がどのくらいになるか、ハウスメーカーに相見積もりをとって比較・検討をしましょう。
通常の戸建より売却価格が4割程度安くなる傾向にある
狭小住宅は近隣の同じような立地、延床面積の不動産より売却価格が4割程度安くなる傾向にあります。
通常の不動産に比べ、これまで述べたような様々なデメリットがあるためです。
事実、国土交通省の調査によると、狭小住宅と呼ばれる15坪程度の戸建の平均建築費用は1,200万円~1300万円程度であるのに対し、一般的な注文住宅の価格相場は2000〜3000万円であるため、4割程度安いことがわかります。
参照元:建築工事費調査(令和4年分)の調査結果について|国土交通省
売却する予定がなければ、売却価格が安くなることは気にしなくていいでしょう。
しかし、将来的に売却することを考えているのであれば、同程度の通常の戸建より売却価格が安くなってしまうことを覚悟しておきましょう。
価格が安くなるだけでなく、買手が永遠に見つからない恐れもあります。
もし現在、狭小住宅を売りに出しているものの、売れずに困っている場合はぜひ一度弊社Albalinkの無料買取査定をご利用ください。
弊社に依頼いただけば、所有する狭小住宅をスピーディーかつ、高値で売却することができます。
なぜなら弊社は訳アリ物件専門の買取業者ですので、狭小住宅の買取に慣れており、必要最低限のコストで再販・運用することができるからです。
コストを抑えられる分、高額で買い取ることができるわけです。
売却前提ではなく、まずは買取価格を知りたいといった方も弊社まで一度ご相談ください。
狭小住宅を所有して良かったと思えるメリット4選
ここまで、狭小住宅のデメリットを挙げてきましたが、狭小住宅にはメリットもあります。
狭小住宅のメリットは以下の4つです。
- 都心に戸建のマイホームを所有できる
- 固定資産税を抑えられる
- 掃除や管理がしやすい
- 老後を考えるなら最適なサイズ感
それぞれのメリットについて、そのメリットにマッチする人はどのような人かも解説していますので、ご自身が狭小住宅のメリットと合致しているかどうかをご確認ください。
そのうえで、狭小住宅の所有を検討している方は所有するかどうかの判断材料としてください。
また、すでに狭小住宅を所有していて後悔している方は、メリットを享受できていないと感じれば、売却を検討してみてもいいでしょう。
それでは1つずつ解説していきます。
都心に戸建のマイホームを所有できる
狭小住宅であれば、土地の価格が高い都心に戸建てのマイホームを所有するのも夢ではありません。
狭小住宅は狭い土地に建てられるため、同じ坪数であっても通常の戸建住宅より土地代を抑えることができるためです。
そのため、狭小住宅は家の広さやより以下のように都心の利便性を重視したい方にお勧めです。
- 都心に勤めており、満員電車に乗る必要のない勤務地に近い場所にマイホームを持ちたい方
- 娯楽施設(映画館や美術館など)の充実している都心で生活したい方
固定資産税を抑えられる
狭小住宅は同じ延床面積の戸建てと比べ、土地の固定資産税を安く抑えることができます。
家屋や土地など固定資産に課される税金
土地の固定資産税は、対象の土地の価格や広さから算出されます。
狭小住宅は狭い土地に建てることができ、デッドスペースを利用して建てられていることもあるため、土地の価格が安い傾向にあります。
たとえば、延床面積60坪の建物を建築するために、2階建ての戸建てであれば床面積は30坪必要ですが、3階建の狭小住宅であれば20坪で済みます。
課税対象の土地が狭い分、税金も安くなるわけです。
マイホームは欲しいけれど、固定資産税のようなランニングコストをなるべく抑えたいという方に狭小住宅はお勧めです。
掃除や管理がしやすい
狭小住宅は各階の床面積が狭く居住スペースが限られるため、掃除がしやすいのもメリットの1つです。
部屋が多くなく、広さもなければ掃除機をかけるのも苦になりません。
コンパクトな家だからこそ、劣化箇所(壁紙が剥がれかけているなど)も見つけやすく、管理がしやすいところもメリットといえます。
また、狭いからこそ、日頃から物を増やさず整理整頓を行う週間が身につきます。
ですから狭小住宅は綺麗好きな方や、物を増やしたくないミニマリストの方と相性がいいといえます。
老後を考えるなら最適なサイズ感
狭小住宅は子どもがいる場合は狭く感じられるかもしれません。
しかし、子どもが成長し家を出て、夫婦2人になった時はちょうどいい広さに感じられるでしょう。
広い家は家族が多い時はゆとりがあっていいかもしれませんが、歳を取って夫婦2人暮らしになると広過ぎて持て余したり、掃除したり管理するの骨が折れます。
また、家が広いと必然的に物も増えるため、老後にそれらを処分したり整理するのも時間と体力を奪われます。
広い家で老後にそうした苦労をするよりは、多少狭くとも工夫しながら物を増やさず暮らし、老後は快適に暮らせる方が賢明といえます。
狭小住宅の所有を検討している方は、老後までその家に住むかどうかや、夫婦であれば子どもを作る予定があるかどうかなども話し合うとよいでしょう。
また、現在狭小住宅を所有していて、手狭なので手放したいと感じている方も、近く子供が独立して家を出て行く予定であれば、売却するのはしばらく待ってみてもいいかもしれません。
狭小住宅を所有して後悔しないための対策3選
狭小住宅にはデメリットも多いため、所有してから後悔する人も少なくありません。ただ、しっかり対策を行えば後悔せずに済みます。
狭小住宅を所有して後悔しないための対策は以下の3つです。
- 生活することをシミュレーションして設計する
- 狭小住宅の建築に慣れた施工会社に依頼する
- 物を増やさないようにする
それぞれ詳しく解説します。
生活することをシミュレーションして設計する
土地を購入し、狭小住宅を建てる場合は、実際にその家で生活することをシミュレーションしながら家の設計を行うことが大切です。
狭小住宅を建てる上で大切なのは以下の4点になります。
- 吹き抜けで光を取り入れ開放感を出す
- 生活導線を考え優先順位をつけた間取りにする
- フリースペースを確保しライフスタイルの変化に対応できるようにする
- ロフトや地下室で収納スペースを確保する
それぞれ解説していきます。
吹き抜けで光を取り入れ開放感を出す
狭小住宅は各階の床面積が狭いため、壁の存在感が出やすく、圧迫感を感じやすいといえます。
また、前述したように1階は日当たりが悪く、暗い印象になってしまうこともあります。
そうした圧迫感や暗さを解消するために、上階に採光用の窓を設置し、吹き抜け構造にすれば室内に光が入り、開放感も出ます。
さらに、吹き抜け構造にすることで室内がグッとお洒落な雰囲気になります。
2層以上の構造で下階の天井と上階の床を設けていない空間
正直、建ててしまった後に日当たりや、採光を改善しようとしても限界があります。
ですから、設計の段階から吹き抜け構造を取り入れ、お洒落で明るい狭小住宅を目指しましょう。
生活導線を考え優先順位をつけた間取りにする
狭小住宅は各階の面積が限られるため、通常の住宅ほど間取りの自由が効きません。
だからこそ、実際に生活することを想定し、優先順位をつけ、出来る限り生活しやすい間取りに設計する必要があります。
たとえば、料理をしながら洗濯をすることが多いのであれば、台所と洗面所は近い方がいいでしょう。
また、家族全員が必ず顔を合わせるようにしたいのであれば、あえて子供部屋など、各自の部屋にはリビングを通らないと行けない間取りにするのも1つの手です。
ただ、何かを優先した結果、不便な個所が出てくることもあります。
たとえば、2階のリビングを通らないと自室に行けないようにした結果、各自の自室が3階となり、出かける際、自室に忘れ物をすると取りに戻るのが大変になる、といった具合です。
ですから優先することと、その結果不便になること、両方を想定して納得の上で間取りを設計しましょう。そうすれば狭小住宅で暮らして不便を感じることはあったとしても「後悔」はしないはずです。
フリースペースを確保しライフスタイルの変化に対応できるようにする
将来、子供ができるなど、家族が増える予定がある場合は、現状で必要な部屋数プラス1部屋準備しておくことをお勧めします。
そうすれば子供がいない間はクローゼットなどで使えますし、子供が生まれてからは子供部屋として使えます。
さらに子供が独り立ちして家を出ていったあとは、夫婦どちらからの書斎として使ってもいいでしょう。
実際、筆者の実家は現在両親の2人暮らしですが、私の部屋を父親が自分の部屋として使っています。
狭小住宅は床面積が狭いため、なるべく無駄なスペースを作りたくないと考えてしまいがちです。
しかし、あえてフリースペース的な1部屋を確保することで、ライフスタイルの変化に対応しやすくなり、結果的に長く快適に暮らせる家になります。
ロフトや地下室で収納スペースを確保する
狭小住宅は床面積が限られているため、収納スペースを確保しにくいデメリットがあります。
しかし、ロフトや地下室を作ることで、収納スペースを確保できます。
地下室は収納スペースとしてだけでなく、お洒落な隠れ家的スペースとして活用することもできます。
地上階より音が周囲に漏れないため、楽器の演奏などもできるでしょう。
ロフトもクローゼットや物置代わりとして使えます。
また、天井までの距離が近く、窮屈な空間を逆手に取り、間接照明をセットし、自身の趣味の物などを置けば、あなただけの秘密基地のような空間にすることも可能です。
狭小住宅は縦の空間を最大限有効活用することで、不便を払拭できるだけでなく、狭小住宅ならではの魅力的な空間を生み出すことができます。
地域密着型の狭小住宅に強い施工会社を選ぶ
狭小住宅は変形した土地など、通常は宅地として使わないような場所や形状の土地に建てられることもあります。
そのため、施工会社を選ぶ際はその地域を熟知していて、狭小住宅の施工経験が豊富な会社を選びましょう。
その土地を熟知した会社であれば、土地に関する情報やアドバイスをもらえます。
たとえば「その土地は低地で地盤が緩い可能性があるので、地盤調査をした方が良い」といった具合です。
また狭小住宅の施工経験が豊富であれば、上記で述べた地下室など、通常の物件ではあまり作らない設備の施工も安心して任せられます。
間取りに関しても、相談に乗ってもらえるでしょう。
狭小住宅の建築に強いハウスメーカーは、ネットで「狭小住宅 地域名 ハウスメーカー」で検索することで探せます。
下記は、実際に千葉県柏市で検索してみた結果です。柏市で狭小住宅を建てられるハウスメーカーを紹介するサイトなどが出てきます。
前述したような、様々なシミュレーションを実際の建物に反映してもうらためにも、施工会社選びは重要です。
あなたの住む地域にもきっと狭小住宅に強い施工会社があるはずです。まずはネットで検索し、問い合わせてみましょう。
物を増やさない意識を持つ
狭小住宅で快適に暮らすには、いかに物を増やさないようにするかが重要です。
狭い家に物が溢れてしまっては、快適に暮らすことはできません。
たとえば、子供がいるとどうしても物が増えてしまいがちですが、今は玩具のサブスクリプション(定期レンタル)サービスもあります。レンタルであれば返却できるため、年齢に合わせて玩具がどんどん増えていく、という事態を避けられます。
また、いたずらに収納スペースを増やすのではなく、収納スペースに収まらなくなった不要な物を捨てるようにしましょう。
これから狭小住宅に住む予定の場合は、引越しを機会に、使わない物を一気に処分する断捨離をおこなっても良いでしょう。
物を捨てることにためらいを感じる方もいるかも知れません。
しかし、思い切って物を処分することで、本当に必要で愛着のある物だけに囲まれて暮らすという、狭小住宅ならではの豊かさを実感できるはずです。
狭小住宅を所有して後悔している場合は売却を検討しよう
狭小住宅は、どれだけ事前に対策を取っても、暮らし始めてから後悔する人はいます。
ほとんどの方が、狭小住宅に暮らすのは初めてのことであり、暮らしてみて初めてわかる不便さや現実があるからです。
たとえば、「狭いことはわかっていたけれど、暮らし始めたら想像以上に狭くて生活しづらい」ということもあるでしょう。
また、「当初は快適だったけれど、子供が増えて手狭になってしまった」という人もいるかもしれません。
このような後悔をしていて、物を処分したり、部屋の用途を変更・工夫するといったことで対応・解決できない場合は、思い切って狭小住宅を売却してしまうのも1つの方法です。
ずっと後悔を抱えて暮らしていくより、思い切って売却し、新たなマイホームを手に入れる第一歩を踏み出す方が前向きな選択といえます。
狭小住宅をはじめ、不動産の売却には「仲介」と「買取」の2つの方法があります。
仲介は上図の通り、不動産仲介業者が一般の個人である売主と買い手を結びつけて、売買契約を成立させます。
仲介業者は売買契約成立の報酬として、依頼主から仲介手数料を受け取ることで利益を得ています。
一方、買取の場合は不動産買取業者が売主から直接物件を買い取ります。
そのため仲介手数料は発生しません。買取業者は買い取った物件にリフォームなどを施し、再販・運用することで利益をあげています。
では、狭小住宅は仲介と買取どちらで売却した方が良いのかについて、以下で詳しく解説します。
なお、仲介と買取の違いについてはこちらの記事でわかりやすく解説していますので参考にしてください。
築30年以下で好立地の場合は仲介での売却がおススメ
狭小住宅は床面積が狭く、収納スペースが少なかったり、生活動線が悪いなどのデメリットがあるため、通常の戸建に比べると、仲介で一般の個人には売却しにくいのが現実です。
一般の個人はマイホームを探している人が多く、マイホームはなるべく広い方が良いと考える人が大半だからです。
しかし、前述したように、狭小住宅は土地は狭いものの、都心の交通の便が良い場所に建っている物件も少なくありません。
そうした狭小住宅は、仲介で売却できる可能性もあります。狭さよりも立地を重視する買い手は一定数存在するためです。
とはいえ、いくら立地が良くても築年数が31年以上経っている場合は、仲介より買取で売却した方が良いでしょう。
弊社が行ったアンケート(下図参照)でも、築31年以上の物件を購入対象に入れる人は1割しかいないことがわかっています。
そのため、築30年以下で立地が良い狭小住宅は仲介で売り出すのも有効な手段です。
ただ、仲介での平均売却期間である半年を過ぎても売れない場合は、買取での売却も検討しましょう。
売れ残ると狭小住宅の維持費や固定資産税などの負担もかかりつづけるため、購入してしまった後悔の日々が続いてしまうためです。
くわえて、時間が経てば経つほど建物の資産価値が落ちるため、売却そのものが困難になります。
「いつか売れればいい」と考えている人以外は、半年をめどに買取での売却に切り替えたほうが金銭面・精神面でも得策です。
築31年以上・悪立地の場合は専門の買取業者に売却するのがおススメ
専門の買取業者に依頼すれば、築年数が古く、老朽化が進んだ狭小住宅であっても、そのままの状態でスムーズに売却できます。
売主の方でリフォームなどを行う必要はありません。
なぜなら、専門の買取業者は活用方法などに合わせてリフォームを施すことを前提に買取っているためです。
また、築年数がそれほど経ってない物件であっても、仲介で売りに出したものの売れ残ってしまっている場合は、買取業者に依頼した方が早く売却できる可能性があります。
狭小住宅を専門の買取業者に売却するメリットは以下の3つです。
- 高値で売却できる可能性がある
- スピーディーに売却できる
- 契約不適合責任がない
それぞれ解説していきます。
高値で売却できる可能性がある
一般的に仲介での売却価格より、買取の買取価格は安くなる傾向にあります。
買取価格は買取業者が行うリフォーム費用などが差し引かれるためです。
ただ、買取業者の中でも、狭小住宅の買取に強い専門の買取業者に依頼すれば、できる限り高値で買い取ってくれます。
なぜなら、専門の買取業者は狭小住宅を活用して利益を生み出すノウハウを持っているためです。
たとえば弊社Albalinkの場合、狭小住宅を買取り、小規模アパートへリフォームし、入居者を付けた上で提携している不動産投資家に再販する、といった販路があります。
弊社の場合、買い取った時点で「どのように再販するか」というゴールが見えているため、中間コストを必要最低限に抑えることができ、その分、高額で買い取ることができます。
一方、買取業者であっても狭小住宅の買取に慣れていない業者だと販路が確立されていないため、買取を拒否されたり、安値でしか買い取ってくれない場合があります。
狭小住宅を所有したことを後悔していたとしても、あなたにとっては大切なマイホームなはずです。後悔せずに売却したいのであれば、訳アリ物件の買取に長けた弊社にご依頼ください。
まずは下記弊社の無料買取フォームからお気軽にお問い合わせください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
スピーディーに売却できる
前述したように、仲介で不動産を売却する場合、売却が完了するまでに3ヶ月~半年ほどかかります。
買い手が見つからなければ、永遠に売れ残る恐れもあります。
一方、専門の買取業者に依頼すれば、業者が利益がでると判断し、売主であるあなたが買取価格に同意すれば売買契約が成立します。
だいたい、1ヶ月程度あれば売却が完了します。
特に弊社は訳アリ物件専門の買取業者ですので、他の買取業者が買取をためらうような、築年数が古く、老朽化が進んでしまっている物件でもスピーディー買い取ることができます。
弊社には狭小住宅だけでなく、放置され老朽化が進んだ物件でも活用し、再販するノウハウがあるためです。
実際弊社は、下記のような山奥に放置され、老朽化が進んだ物件を買い取り、リフォームして再販した実績もあります。
上記のように外観も室内も荒れ果てた物件でしたが、弊社で買い取り、以下のようにリフォームを行いました。
上記の例のように、弊社はこれまでも狭小住宅をはじめ、様々な訳アリ物件の買取を行ってきており、お客様から「心の重荷が取れた」「想像以上にスムーズに売却できて助かった」といった感謝の言葉を沢山いただいております(下記Googleの口コミ参照)。
所有する狭小住宅をスピーディー手放したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
契約不適合責任がない
専門の買取業者に依頼すれば、売主の契約不適合責任が免責されます。
契約不適合責任とは物件を売却後に、契約書に記載がない不具合が物件に見つかった場合、売主が買主に負う責任のことです。
契約不適合責任に問われると、売主は買主から、損害賠償請求や契約解除を要求される恐れがあります。
契約不適合責任は、不動産の知識がない一般の個人が、不動産を購入後に不利益をこうむらないための措置です。
そのため、専門の買取業者に売却する際は、基本的に契約不適合責任は免責されます。
専門の買取業者は不動産のプロであり、買取前に物件の不具合を見抜けるためです。
さらにいえば、買取業者はリフォームすることを前提に買い取るため、物件に多少の不具合があっても気にする必要がないわけです。
売却後に物件の責任を一切負う必要がないのは、専門の買取業者に売却する大きなメリットです。
もちろん、弊社Albalinkも契約不適合責任を免責して狭小住宅を買い取ることができます。
買取後まで狭小住宅のことで頭をわずらわせたくないという方は、ぜひ弊社に売却をご依頼ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
なお、契約不適合責任については以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
まとめ
今回は狭小住宅について、後悔しがちなデメリットや、狭小住宅ならではメリットをお伝えしました。
また、後悔している狭小住宅の売却方法についても解説しました。
狭小住宅は床面積が狭く、生活しにくい間取りであったり、日当たりが悪いといった、さまざまな後悔するポイントがあります。
そうしたデメリットは建てる前の設計段階で対策したり、建てたあとに部屋の使い方を工夫することである程度解消することが可能です。
それでも、狭小住宅に住むのは初めての人が多いため、所有してから「こんなはずじゃなかった」「想像以上に住みにくい」と後悔する人もいます。
そうした方は思い切って狭小住宅を売却してしまうのも1つの方法です。
都心に建っているなど、立地の良い狭小住宅であれば、仲介業者に依頼して、狭さより立地を重視する一般の個人に売却できる可能性もあります。
ただ、大半の一般の買手は狭小住宅より通常の戸建を選ぶため、狭小住宅は仲介では売れにくいのが現実です。
そのため、狭小住宅を売るのであれば、専門の買取業者に売却することをお勧めします。
専門の買取業者であれば、利益を生み出す独自のノウハウを持っているため狭小住宅であってもスピーディーに買い取ることができます。
狭小住宅を売却すれば買ったことに後悔する日々から解放され、売却金を手に、新たなマイホームを探すための一歩を踏み出すことができます。
とはいえ、せっかく狭小住宅を手入れたのに売却するというのは、所有者であるあなたにとっては、悔しさや寂しさの入り混じる決断でしょう。
弊社Albalinkでは、そうしたお客様の思いも受け止めた上で、できるだけ高値で買い取らせていただきます。
まずは下記無料買取フォームからお気軽にお問い合わせください。
買取前提ではなく、買取価格が知りたいといった問い合わせでも大歓迎です。