事故物件とは
事故物件とは、入居者をはじめ人が亡くなった物件のことです。
参照元:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」
国土交通省のガイドラインによると、事故物件に該当する死因は、他殺や自殺、火災による焼死です。これらの死因は心理的瑕疵があり、買い手が購入を控える要因となるため告知する義務があります。
一方、孤独死をはじめとした自然死や住宅内での事故死(階段からの転落、入浴中の溺死など)の場合、告知義務は生じません。ただし、遺体の発見が遅れたことで部屋を汚損し、特殊清掃が必要な場合は告知義務が発生します。
事故物件には告知義務がある
事故物件を売却する際は、売主はその物件で人が亡くなっていることを告知する義務があります。もし、告知をせずに売却してしまった場合、告知義務違反となり、契約不適合責任を問われたり、損害賠償を請求されたりするおそれがあります。
民法第562条
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
民法第563条
前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
民法第564条
前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。
契約不適合責任は、品質の不良をはじめ引き渡された物件が契約内容と合致しないときに、売主が買主に対して負う責任のことです。
契約不適合責任を問われた場合、売却代金の減額を請求されたり、契約解除を求められたりする可能性があります。最悪の場合、損害賠償請求につながるおそれがあります。
「買い手が見つかりにくくなるから」といって、告知せずに売却しないようにしましょう。
告知義務について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
事故物件であることを気にしない理由
事故物件であることを気にしない理由として、購入価格・家賃の安さがあります。事故物件の値引き率は、以下のとおりです。
【事故物件の値引き率(賃貸)】
事故物件の内容 | 値引き率 |
自然死 | 0~10%程度 |
自殺 | 30~50%程度 |
他殺 | 70~80%程度 |
【事故物件の値引き率(購入)】
事故物件の内容 | 値引き率 |
自然死 | 10~20%程度 |
自殺 | 20~30%程度 |
他殺 | 40~50%程度 |
自然死の場合、大きく値引きされることはありません。一方、他殺の場合、値引き率は購入の場合は40〜50%程度、賃貸の場合は70〜80%と大きく上がります。
また、リフォーム済みである点も、買主・借主が事故物件を気にしない理由の一つです。事故物件では、人が亡くなった痕跡を消すため、床のフローリング、壁や天井のクロスを張り替えることがあります。
そのため、きれいな状態にリフォームされている物件を、相場より安く借りたり、買ったりすることが可能です。
事故物件を気にしない方は、「安く物件を購入できる」「きれいな物件に住める」といったメリットを重視しているといえます。
事故物件を気にしない人は1割だけ
買主にとって、事故物件は相場より安く購入できるという大きなメリットがあります。しかし、事故物件であることを気にしない人はほとんどいません。
弊社が独自に行った「事故物件かどうか気にするか」のアンケート調査では、「気にする」と答えた人は87.4%でした。事故物件かどうかを気にしない人は1割程度しかいないことがわかります。
また、「事故物件に住みたくない理由」のアンケート調査では、回答が多い順に「とにかく怖い」「なんとなく気分がよくない」「縁起が悪い」となっています。
実害がなくても心理的な理由から、事故物件はほとんどの人から敬遠される対象であることがわかります。
売却を検討する際は、買い手が見つからず、物件を持ち続ける可能性があることを頭に入れておきましょう。
事故物件の売却方法
事故物件を売却する方法には、主に以下の3種類があります。
- 特殊清掃・リフォームして売却する
- 更地にして売却する
- 買取業者に売却する
事故物件は買い手が見つかりにくい特徴があります。しかし、上記の方法をとれば、売却できる可能性が高くなるでしょう。
なお、事故物件の売却方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
特殊清掃・リフォームして売却する
事故物件を売却する際、特殊清掃とリフォームをすることで買い手が見つかりやすくなります。
人が亡くなっている事故物件では、床や壁には体液や血液などの汚れ、遺体から生じた臭いが染み付いています。特殊清掃業者に清掃を依頼すれば、遺体による汚れや臭いを除去でき、元の状態に戻すことが可能です。
また、フローリングや壁紙の張替えをはじめリフォームを行うこともおすすめです。買い手にとっては、相場より安くきれいな物件を購入できるメリットとなるので、売却がしやすくなるでしょう。
ただし、費用がかかるため、売却価格を上回る可能性があります。特殊清掃は4LDK以上の場合、平均20〜70万円かかります。リフォームが必要になるケースでは、さらに修繕のための資金が必要です。
立地がいい、デザイン性がいいなど買い手が欲しい家の条件を満たしている場合におすすめです。
更地にして売却する
一戸建て住宅の場合、建物を解体して、更地にして売り出すのも手段の1つです。
更地にすることで、人が亡くなった物件自体をなくせます。そのため、「人の死」というネガティブなイメージを和らげることが可能です。
とくに、駅から近いことをはじめ立地がいい場合、事故物件の土地であることを考慮しても、買い手が見つかる可能性があります。
なお、更地は駐車場としても利用価値を見いだせます。そのため、建物の敷地として利用したい人のほかに、駐車場経営している人からも買い手を探すことが可能です。
ただし、事故物件を解体して、更地にしても告知義務は消滅しません。告知義務がある以上、事故物件と同様に、通常の土地と比べて敬遠されるでしょう。また、解体費用が100万円以上かかるため、売却できても赤字となる可能性もあります。
建物の劣化が激しいが、立地がいい場合、更地での売却を検討してみるのもいいでしょう。
買取業者に売却する
事故物件の売却方法として、専門の買取業者への売却があります。
買取業者は利益が出るように、購入した物件にリフォームをはじめ付加価値をつけたうえで、再販しています。そのため、買取業者に買取依頼した場合の売却価格は、相場より安い価格になることが一般的です。
その一方で、買取業者はスピーディーかつそのままの状態で買い取ってくれます。
通常の仲介による売却では、立地や状態がよくても平均3ヶ月かかり、買主が見つからないと何年経っても売却ができません。一方、買取業者に売却する場合は、1ヶ月程度で引き渡しと代金の支払いが行われます。
また、買取業者に直接売却する際、売主が特殊清掃やリフォームを行う必要はありません。
自ら、特殊清掃やリフォームを依頼する手間が省けるうえに、スピーディに事故物件を売却できます。立地が悪い、築年数が経っているなど、一般の買い手が欲しがる物件ではない場合でも売却可能です。
弊社Albalinkも特殊清掃・リフォームを行っていない状態の事故物件の買取をしております。手間をかけずにスピーディーに売却したい方は、ぜひ弊社の無料買取査定をご利用ください。
まとめ
この記事では、事故物件であることを気にしない理由と気にしない人の割合について解説しました。
事故物件であることを気にしない理由として、購入価格の安さやきれいな物件であることが挙げられます。しかし、事故物件であることを気にしない人は全体の約1割しかいません。
そのため、事故物件の買い手が見つかりにくいといえます。
事故物件の売却をする際は、以下の方法の中から検討しましょう。
- 特殊清掃・リフォームして売却する
- 更地にして売却する
- 買取業者に売却する
上記の中でも、買取業者に買取を依頼すれば、1ヶ月程度で売却手続きが完了します。また、特殊清掃をはじめ売却するための費用がかかりません。
弊社Albalinkは、事故物件をはじめとした訳あり物件の買取を専門としている不動産買取業者です。他殺や自殺などが起きた事故物件の売却にお困りの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。