空き家の相続が発生したらやるべき3つのこと
空き家の相続が発生した際、最初に行うべきことは以下の3つです。
具体的に何をすべきか解説していきます。
相続するかしないかを決める
空き家の相続が発生したら、まずはご自身の財産として相続するか放棄するかを判断しましょう。
相続すべきかどうかの判断基準を、以下の表にまとめました。
| 選択肢 | 判断基準 |
|---|---|
| 相続放棄する | ・引き継ぎたいプラスの財産(預貯金など)がほかにない ・空き家の管理や維持にかかる手間や費用を避けたい |
| 相続する | ・空き家以外に引き継ぎたい財産ある ・空き家を売却して現金化したい |
相続した空き家には、毎年の固定資産税の支払いや維持管理の手間がかかります。
「空き家を売却して現金化したい」「空き家に住みたい」といった利用予定がない場合は、相続放棄を視野に入れることも重要です。
相続しない場合は相続放棄をする
空き家を引き継ぎたくない場合は、相続放棄を選択しましょう。
相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てれば、相続放棄可能です。
ただし、相続放棄を行う際には、注意したい点が2つあります。
- 遺産全体を放棄しなければならない
- 空き家だけを選んで放棄することはできず、預貯金などすべての財産を手放すことになる
- 管理責任が残る可能性がある
- 相続人全員が相続放棄した際、相続財産清算人が決まるまでの間、管理責任を負わなければならないケースがある
このように、相続放棄は「他の財産をすべて失う」「放棄後も管理責任が残る恐れがある」といったデメリットもあるため、慎重な判断が必要です。
なお、相続放棄後の管理義務について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
関連記事:空き家を相続放棄しても管理義務は残る!民法の改正点や対処法を解説
相続する場合は相続手続きをする
空き家を相続することに決めた場合は、名義変更の手続き(相続登記)を行います。
亡くなった人から相続人へ所有権を移す法務局での手続き
現在、相続登記は義務化されています。
相続を知った日から3年以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料を科される可能性があるため、早めの名義変更が必要です。
相続開始から名義変更が完了するまでの主な流れは以下の通りです。
| ステップ | 手続きの内容 |
|---|---|
| ①遺言書の有無を確認する | 故人が遺言書を残しているか、自宅の保管場所や公証役場などを調査する |
| ②相続財産を調査する | 空き家以外にある預貯金、有価証券、他の不動産などをすべて洗い出す |
| ③相続人を確定する | 故人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集し、誰が相続人かを特定する |
| ④遺産分割協議を行う | 相続人全員で「誰がどの財産をどれだけ引き継ぐか」を話し合って決定する |
| ⑤相続登記を行う | 遺産分割協議書を作成し、管轄の法務局へ名義変更を申請する |
名義変更の手続きが終わった後は、相続した空き家の「管理方法」を決める段階に進みましょう。
相続後の管理方法を決める
空き家を適切に維持していくためには、おもに以下の項目を相続人全員で話し合って決定します。
- 管理の頻度
- 月に1〜2回など、どのくらいの頻度で現地を訪問するか
- 掃除の内容
- 室内の換気や通水、ポストのゴミ回収、庭木の剪定や草刈りをどのように行うか
- 管理の担当者
- 誰が現地へ足を運んで作業を行うか
- 費用の負担
- 現地への交通費や建物の修繕にかかる費用を誰がいくら負担するか
もし、適切な管理を怠って空き家を放置し続けると、建物が倒壊して周囲に危害を及ぼすなど、さまざまなリスクが降りかかる恐れがあります(具体的には「相続した空き家を放置する5つのリスク」で詳しく解説いたします)。
ご自身で管理し続けることが困難な場合は、リスクが発生する前に「売却」を検討するのも手段の一つです。
なお、空き家の具体的な売却方法については、「相続した空き家の4つの売却方法」を参考にしてください。
相続した空き家を放置する5つのリスク
「実家が遠方だから」「使い道が思い浮かばないから」と、相続した空き家を放置してしまうのは危険です。
空き家の放置には、以下のように様々なリスクが伴います。
老朽化が進んで売却しにくくなる
空き家を放置する期間が長くなるほど、建物の資産価値が低下し、将来の売却が難しくなります。
誰も住まない家は、定期的な換気や通水が行われないため、室内に湿気がこもって木材が腐食するなど想像以上の速さで劣化が進むからです。
雨漏りによる室内の汚損や、柱の腐食による建物の歪みが発生した物件は、通常の仲介では買い手が見つかりにくいのが実情です。
売却するためには、リフォームを行わなければならず、大きな出費を伴うことになります。
資産価値が残っているうちに、適切な管理するか売却するかを決断することが重要です。
近隣トラブルにつながる
空き家を放置すると、建物の破損や衛生環境の悪化が原因で、深刻な近隣トラブルつながる恐れがあります。
手入れのされていない敷地は、周囲に以下のような実害をおよぼします。
- 庭木や雑草の隣家への越境
- 害獣や害虫の発生
- 生ゴミなどの不法投棄による悪臭
- 建物の一部の破損や倒壊
とくに、空き家の放置によって、近隣の家屋を傷つけたり通行人に怪我をさせたりした場合、損害賠償を請求されるケースもあります。
実際、過去には大雨によって所有地の石垣が崩壊し、隣接する家屋を全壊させたとして、空き家の所有者に約364万円の損害賠償を命じられた判例もありました。
空き家の放置は、周囲へ迷惑をかけるだけでなく、ご自身もペナルティを背負う事態を招きかねません。
「遠方にあって管理が間に合わない」「維持する費用が厳しい」といった場合は、早期に手放すことも検討しましょう。
犯罪の温床になる
放置されている空き家は、様々な犯罪に悪用される恐れがあります。
手入れのされていない敷地は周囲からの視線が届きにくく、不審者や犯罪者にとって絶好の死角になるからです。
放置された空き家は、主に以下のようなトラブルを引き起こす原因となります。
- 粗大ゴミや危険物の不法投棄
- 不審者の不法侵入や不法占拠
- 放火による建物の炎上や近隣への延焼
参照元:Yahoo!ニュース
実際に2026年2月高知県須崎市では「ストレス解消のため」といった動機から、空き家や物置を狙って連続放火を繰り返した男が逮捕・起訴された事件も起きています。
事件の当事者になることを避けるためにも、空き家の適切な管理は重要です。
固定資産税の負担が増える可能性がある
参照元:国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」
空き家を放置し続けて自治体からペナルティを受けると、住宅用地の特例が解除され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。
居住用の家屋の敷地にかかる固定資産税と都市計画税が減額される制度
空き家を放置して増税に至るまでの流れは以下の通りです。
- 自治体による敷地や建物の現地調査
- 「管理不全空き家」や「特定空き家」への指定
- 自治体から所有者への「助言・指導」の実施
- 助言・指導で改善されない場合は「勧告」、住宅用地の特例の適用対象除外となる
「特定空き家」になる恐れがある、適切な管理が行われていない状態の空き家
倒壊の危険や衛生上の問題があり、周辺環境への悪影響から自治体が不適切と判断した空き家
「自治体から何も言われていないから大丈夫」と放置を続けていると、固定資産税の優遇が解除され、毎年多額の税金を納付することになります。
空き家の適切な管理が困難なのであれば「相続した空き家の4つの売却方法」を参考に、売却を検討してみましょう。
自治体に強制解体される恐れがある
特定空き家に指定されたあと、自治体からの改善命令を無視し続けると「行政代執行」によって建物を強制解体される恐れがあります。
所有者が改善命令に応じない場合、自治体が建物解体などを強制的に行う措置のこと
実際に、北海道旭川市では木造空き家が放置され続け、積雪による屋根の崩落が発生したため、行政代執行が行われました。
この事例では、解体にかかった約410万円の費用はすべて所有者に請求され、土地が差し押さえられたうえで公売(強制競売)にかけられました。
行政代執行の費用は全額所有者に請求されることはもちろん、税金と同様に支払いを拒否することはできません。
万が一、費用を支払えない場合、預貯金や給与、その他の財産を強制的に差し押さえられる可能性があります。
経済的な負担を強いられる前に、管理しきれない空き家を手放す選択も大切です。
払いますか?
固定資産税の支払いが
なくなります
アルバリンクにご依頼いただけば、
平均1か月程度で買取可能です
カンタン1分査定
相続した空き家の2つの活用方法
相続した空き家を所有し続ける場合、主な活用法は以下の2つです。
どちらの方法が適しているかは、物件の条件やライフプランによって大きく異なります。
まずはそれぞれの特徴を確認していきましょう。
賃貸物件として活用する
相続した空き家の賃貸物件としての活用は、収益を生み出しながら資産価値を維持するための有効な選択肢です。
賃貸活用には、以下の3つのメリットがあります。
- 安定した家賃収入を得られる
- 所有しているだけの空き家を、毎月の家賃収入を生む資産に変えられる
- 建物の急激な劣化を防げる
- 人が居住することで空気の入れ替えや清掃が定期的に行われる
- 防犯リスクを抑制できる
- 空き家特有の不法投棄や放火、不法侵入などのトラブルを未然に防ぎやすくなる
ただし、空き家を賃貸として活用するには、準備段階から運用中にかけて以下のような費用が発生します。
| 発生のタイミング | 内容 |
|---|---|
| 賃貸を始める前 | 設備の入れ替えや内装工事、現状回復のための修繕費など |
| 物件の貸出し中 | 固定資産税、火災保険料、管理委託料、修繕積立費など |
また、このような費用を負担しても、周辺に賃貸物件の需要がなかったり、近隣の競合物件に対して間取りや設備面で見劣りしたりすれば、入居者は決まりません。
投資費用を回収できないまま赤字が膨らむリスクを避けるためにも、まずは不動産会社等の専門家に相談し、市場調査や収支計画のシミュレーションを経たうえで慎重に判断しましょう。
相続して住む
現在賃貸物件に住んでいる場合や、相続した空き家周辺の住環境に魅力を感じるのであれば、自身で移り住むことも有効な選択肢です。
自身で居住することには、主に以下のようなメリットがあります。
- 毎月の家賃負担をなくせる
- 現在の住まいが賃貸であれば、家賃の支払いがなくなるため固定費を削減できる
- 適切な維持管理ができる
- 所有者自身が暮らすことで、家を傷めることなく建物を維持できる
- ゆかりのある資産を遺せる
- 思い出が詰まった家や土地を手放さず、次の世代へ引き継いでいくことが可能
しかし、ただ「家が余っている」だけで安易に住むのは危険です。
建物の老朽化が進んでいる場合、安全に暮らすための耐震補強やリフォームに多額の初期費用がかかります。
また、入居後も固定資産税や定期的なメンテナンス費などの維持費が必要なため、場合によっては家賃を払い続けるのと変わらない負担になりかねません。
さらに、通勤・通学の手間や周辺の生活環境がこれまでと変わるリスクもあります。
住み始めてから「不便で生活しづらい」「維持費が高すぎる」と後悔しないためにも、生活のシミュレーションを行い、長期的に暮らしていけるか見極めましょう。
払いますか?
固定資産税の支払いが
なくなります
アルバリンクにご依頼いただけば、
平均1か月程度で買取可能です
カンタン1分査定
相続した空き家の4つの売却方法
維持や活用が難しい空き家は、売却することで管理の手間や固定資産税の負担から根本的に解放されます。
相続した空き家を売却する方法は、主に以下の4つです。
物件の状態や立地に合わせて、よりより売却方法を選びましょう。
空き家バンクを利用する
「空き家バンク」を利用すれば、地方の物件を田舎暮らしや古民家再生を求める移住希望者へダイレクトにアピールできます。
地方自治体が管轄内の空き家情報をWebサイト等に登録・公開し、地方への移住希望者とマッチングさせる仕組み
ただし、空き家バンクは自治体が「情報を載せる場所」を提供しているだけに過ぎません。
問い合わせや内覧、購入希望者との価格交渉、売買契約などは、原則としてすべて自分で対応する必要があります。
個人同士で直接交渉を行うと、「合意していたはずの売買金額を契約直前になって値切られる」「引き渡し後に見つかった雨漏りの修繕費をどちらが持つかで揉める」といったトラブルに発展しやすいです。
そのため、空き家バンクを利用する際は、並行して民間の不動産会社にも相談し、交渉や契約の段階で間に入ってもらう体制を整えておくことをおすすめします。
そのままの状態で仲介で売却する
建物に売れる見込みがあり、今後も自分で使う予定がなければ、不動産仲介会社を通じてそのままの状態で売却するのも一つの手です。
事前の解体やリフォームといった大きな初期費用をかけずに、市場の相場価格で売り出せるメリットがあります。
ただし、古い空き家をそのまま売る場合は、「契約不適合責任」を理解しておきましょう。
物件を引き渡した後に契約書に書かれていない雨漏りやシロアリ被害などの欠陥が見つかった際、売主が負う損害賠償や修繕、契約解除などの法律上の責任
築年数が古い家ほど、気づかない経年劣化や不具合が潜んでいる可能性が高いため、売却後に契約不適合責任を問われるリスクが高くなります。
参照元:過去の浸水事故の調査説明義務違反があったとして売主 業者と媒介業者への損害賠償請求が認められた事例
実際に、過去の浸水履歴を確認せずに戸建てを売却した売主が、のちに約574万円の損害賠償を命じられた裁判例があります。
このケースでは、役所への確認などで把握できたはずの事実を適切に調査・説明していなかったとして、引き渡し後の浸水事故に対する売主の責任が認められました。
相続した空き家をそのまま仲介で売り出す際は、事前に不動産会社などの専門家へ物件調査を依頼し、不具合がないかプロの目で確認してもらいましょう。
その上で、過去の雨漏りやトラブルなどのマイナス情報は隠さず、正直に買い手へ告知することが重要です。
解体して仲介で売却する
空き家を解体して更地にすれば、一般の買い手が見つかる可能性は高くなります。
買い手側は購入後に解体する手間や費用を省ける上に、新築を建てたい個人が土地の広さや形をイメージしやすくなるためです。
また、事前に建物を解体しておけば、売却後に雨漏りやシロアリ被害といった「建物に関する契約不適合責任」を問われる心配もありません。
ただし、安易に更地化を選択するのは危険です。
解体には数百万円規模のまとまった費用がかかるうえに、更地にしたからといってすぐに買い手が見つかるとは限らないためです。
売却までの期間が長引いてしまうと、「住宅用地の特例」から外れ、固定資産税が最大6倍に増額するため、「多額の解体費用を払ったのに、税金だけが跳ね上がった」といった事態に陥るおそれがあります。
費用倒れを避けるためにも、事前に不動産会社へ「更地にすれば売れやすいエリアか」相談し、需要を見極めてから判断しましょう。
買取で売却する
仲介や空き家バンクで買い手が見つからない場合や、事前の解体費用を一切かけたくない場合は、専門の不動産買取業者への売却が有効な手段です。
買取は一般の個人ではなく、不動産会社が買主となって直接物件を買い取ります。
仲介のようにイチからも買い手を探す必要がないため、1か月程度で空き家を売却可能です。
また、専門の買取業者は買い取った空き家を自社で再生・活用するノウハウを確立しているため、あなたが多額の費用を払って建物のリフォームや解体をする必要はありません。
さらに、売却後に雨漏りやシロアリ被害といった「契約不適合責任」を問われない点も大きなメリットです。
専門の不動産買取業者は、建物の不具合や将来の修繕リスクをはじめから織り込み済みで買い取るため、引き渡し後に欠陥が見つかってもあなたに修理費や損害賠償を請求することは原則ありません。
弊社アルバリンクも、全国を対象に古い空き家の買取を専門に行っている不動産買取業者です。
一般の仲介では「古すぎて売れない」「解体しなければ取り扱えない」と断られてしまったような空き家であっても、独自の再生ルートを活かして適正価格でお買取りできる可能性がございます。
「売却するかどうか迷っている」といった段階でも大歓迎です。
まずは、無料査定よりお気軽にご相談ください。
アルバリンクが空き家を1,499万円で買取した事例
弊社アルバリンクは訳あり物件専門の不動産買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のような空き家を買い取った実績があります。
引用元:アルバリンクの買取事例
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「仲介や空き家バンクでもどうにもならなかった物件を現状のままスピーディーに買い取ってもらえた」「担当者の対応に安心感があり、長年の空き家ストレスから一気に解放された」といった感謝の言葉をいただいております。
引用元:Google口コミ
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定の後に、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
払いますか?
固定資産税の支払いが
なくなります
アルバリンクにご依頼いただけば、
平均1か月程度で買取可能です
カンタン1分査定
空き家以外の財産を相続したい場合は相続土地国庫帰属制度の利用を検討
空き家は不要だが、現預金など他の財産は相続したい場合、「相続土地国庫帰属制度」の利用も選択肢の一つです。
相続で取得した不要な土地を、一定の厳しい要件を満たすことで国に引き取ってもらえる制度
相続放棄とは異なり、必要な財産だけを残して不要な物件だけを手放せる可能性があります。
しかし、国が土地を引き取るための条件が厳しく設定されているため、古い空き家の処分で相続土地国庫帰属制度を利用するのは現実的とはいえません。
まず、この制度に申請できるのは、「建物がない更地」のみです。
そのため、制度を利用するためには、数百万円の費用をかけてあらかじめ空き家を解体しておく必要があります。
さらに、仮に大金を払って解体したとしても、以下のような土地は国の審査で却下されてしまいます。
- 建物の基礎や浄化槽、コンクリート片などの埋設物がある土地
- 隣地との境界が曖昧で定かではない土地
- 接道していない土地や崖地などの活用が難しい土地
また、審査をクリアできたとしても、10年分の土地管理費として、原則20万円以上の「負担金」を国に支払う必要があります。
つまり、相続土地国庫帰属制度は多額の費用支払って国に引き取ってもらう仕組みのため、空き家の処分方法として難易度が高いのが実情です。
相続した空き家にかかる税金・費用
空き家を相続する際は、取得時はもちろん所有している期間や売却時に以下のような税金・費用が発生します。
「住んでいないからお金はかからない」と思い込んで空き家を放置していると、予想外の出費に苦しめられる恐れがあります。
空き家を相続する前に、発生するコストを把握しておきましょう。
相続税
空き家を含むすべての相続財産の総額が「基礎控除額」を超える場合、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税が必要です。
被相続人から財産を受け継いだ際に、その取得した財産にかかる税金
基礎控除額は以下のようにして算出します。
たとえば、相続人が子ども2人の場合、遺産総額が基礎控除額を4,200万円超えるなら相続税が発生します。
相続税の計算や申告手続きは複雑なため、遺産総額が基礎控除を超える可能性がある場合は、早めに相続専門の税理士へ相談することをおすすめします。
固定資産税・都市計画税
相続した空き家に住む予定がなくても物件を所有している限り、毎年「固定資産税」が課税されます。
また、物件が市街化区域にある場合は、「都市計画税」の納付も必要です。
すでに市街地となっている区域や、およそ10年以内に優先的・計画的に市街地へと整備される区域
固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に対して自治体から請求されます。
基本的な計算式は以下の通りです。
- 固定資産税:固定資産税評価額×1.4%
- 都市計画税:固定資産税評価額×0.3%
自治体が算出する課税の基準価格で、毎年送付される「固定資産税の納税通知書」で確認できる

参照元:大阪市「固定資産税」
参照元:大阪市「都市計画税」
たとえば、大阪市で「土地の評価額600万円・建物の評価額400万円」の空き家を所有している場合の税額は以下のとおりです(実際の税額は自治体の評価額や特例の適用範囲によって変動するため、あくまで概算です)。
【土地(住宅用地の特例適用)】
- 固定資産税:600万円×1/6(特例)×1.4%=1.4万円
- 都市計画税:600万円×1/3(特例)×0.3%=0.6万円
【建物】
- 固定資産税:400万円×1.4%=5.6万円
- 都市計画税:400万円×0.3%=1.2万円
8.8万円が、空き家を手放さない限り支払い続けなければならない固定費となります。
さらに、相続後に放置して特定空き家に指定されると「住宅用地の特例」が適用外となり、税負担が最大6倍に跳ね上がるリスクがある点にも注意が必要です。
譲渡所得税
相続した空き家を売却して売却益(譲渡所得)が発生した際、その利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。
売却益の算出方法は以下のとおりです。
ただし、購入した価格を証明する売買契約書がない場合の取得費は「売却額の5%」とみなされるため、納税額が跳ね上がるリスクがあります。
相続した空き家の売却金額が1,000万円だったときの売却益を比較してみましょう。
| 売買契約書の有無 | 取得費(購入額) | 課税対象となる売却益 |
|---|---|---|
| 有り(800万円と記載) | 800万円 | 200万円 |
| 有り(1,200万円と記載) | 1,200万円 | 0円 |
| 無し(一律5%) | 50万円 | 950万円 |
このように、契約書があるかないかで課税対象額が大きく変わるため、売却前に当時の書類を探しておくことが重要です。
「空き家の3,000万円特別控除」の活用で譲渡所得税の軽減が可能
相続した空き家を売却する際、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」により、譲渡所得から最大3,000万円控除できます。
主な適用要件は以下の通りです。
| 項目 | 適用条件の目安 |
|---|---|
| 建築時期 | 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された建物 |
| 売却額 | 土地・建物等の合計売却額が1億円以下 |
| 期限 | 相続から3年後の12月31日まで ※例:2026年5月に相続が発生した場合、2029年12月31日までの売却が期限 |
| 居住要件 | 被相続人が相続開始直前まで一人暮らしであったこと |
| 売却状態 | 耐震リフォームをして売却、または解体して更地で売却 |
この特例は譲渡所得税を抑えるのに有効な手段ですが、物件の状態や被相続人の住居状況によって、要件が細かく定められています。
売却を検討する際は、早めに不動産会社や税理士へ「特例を使いたい」と相談するのがおすすめです。
維持・管理費
空き家を相続した時点で、所有者として適切な維持・管理を行う義務が発生します。
たとえ住んでいなくても、建物が倒壊したり周囲の景観を損なったりしないよう、定期的なケアが不可欠です。
維持・管理のために必要となる費用と相場を以下にまとめました。
| 項目 | 内容 | 相場(年間) |
|---|---|---|
| 火災保険料 | 万が一の火災に備える保険料 | 1〜5万円 |
| 修繕費 | 屋根、外壁、雨漏りなどの補修費用 | 数万〜数十万円 |
| 草刈り・庭木剪定 | 庭の雑草除去や枝葉の剪定費用 | 3〜10万円 |
| 管理代行手数料 | 業者に巡回・点検を依頼する場合の費用 | 5〜15万円 |
| 水道光熱費 | 電気・水道の契約維持のための基本料金 | 2〜4万円 |
空き家の維持管理には、管理代行や保険、水道光熱費だけでも年間でおよそ10〜20万円以上の費用が必要です。
「活用しながら管理し続けるのか、売却するのか」早めに方針を固めるようにしましょう。
まとめ
相続した空き家は所有し続ける限り、固定資産税や維持管理費といった出費が重なるだけでなく、近隣トラブルや犯罪の温床、強制解体といった事態に直面する恐れがあります。
相続を決めた場合は速やかに登記を行い、活用するのか手放すのかを早急に決断しましょう。
ただし、賃貸運用や自己居住といった活用には、修繕費や継続的な維持費がかかります。
自身のライフプランと照らし合わせ、将来にわたる収支を冷静に検討することが重要です。
管理や維持が困難だと判断したなら、売却を検討しましょう。
空き家は持っているだけでコストが発生し続ける資産です。
将来的な損失を抑え、管理の負担から解放されるためにも、早めに不動産会社などの専門家へ相談をおすすめします。
弊社アルバリンクは全国の古い空き家を数多く買い取っている専門の不動産買取業者です。
創業以来蓄積した3万件におよぶ査定データを反映し、査定ノウハウを構築しているため、築年数の古い空き家でもそのままの状態で適正価格にてお買取り可能です。
また、全国43もの自治体と提携し、空き家の再生・活用を通じた地域貢献にも力を入れております。
「管理の手間から今すぐ解放されたい」「売却できるか不安」なら、まずは一度無料査定にて物件の価値をご確認ください。
株式会社AlbaLinkは東証グロース市場に上場している不動産会社です。







