借地権付き建物売却前に確認すべき2つの注意点
通常の不動産とは異なり、地主と借地人という2人の権利が介在している借地権付き建物を売却する際には、以下2つの注意点を押さえておく必要があります。
まずは、借地権付き建物を売却する際の2つの注意点について、詳しく解説していきます。
借地権の種類によっては、まず地主から売却の承諾を得る必要がある
借地権付き建物を売り出す前に、借地権の種類によっては地主から売却の承諾を得る必要があります。
借地権には「地上権」「賃借権」の2種類あり、それぞれ借地権者(借地人のあなた)の持つ権利の強さが異なるからです。
実際に設定される借地権はほとんどが「賃借権」で、地上権はあまり見られません。
ご自身の借地権がどちらなのかは、賃貸借契約書又は登記簿で確認できます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「地上権」なら地主からの承諾は不要
借地権の種類が「地上権」なら、借地権付き建物を売り出す前に地主から許可を得る必要はありません。
地上権とは土地を直接支配する「物権的な権利」であり、借地権者は誰に対しても権利を主張できるからです。
賃貸契約期間中、地上権をもつ借地権者は自身の土地として借地を自由に活用できます。
地主からの許可を得ることなく、誰にでも売却したり、貸し出したりすることが可能です。
このように、借地権者に認められる権利が強く、地主にとって不利な面が多いことから、地上権が借地権として利用されることはあまりありません。
「賃借権」なら地主からの承諾が必要
借地権の種類が「賃借権」なら、借地権付き建物を売り出す前に地主から許可を得る必要があります。
賃借権は「債権的な権利」であり、債務者(地主)にしか権利を主張できないからです。
というのも、前述した「物権的な権利」とは異なり、「債権的な権利」は借地人が土地自体を直接支配できるようになるわけではありません。
あくまで、地主に地代を支払って土地を「借りている」状態ですから、自身の所有物のようには扱えないのです。
土地を売るにも貸すにも、必ず地主から許可を得なければなりません。
地主から借地権付き建物の売却許可を得たら、借地人は地主に「譲渡承諾料」を支払う必要があります。
譲渡承諾料の金額は借地権価格のおよそ10%程度が目安となっていますが、あくまで参考ですので、地主に確認しましょう。
また、借地権付き建物を売却した後、新しい借地権者が支払っていく地代や更新料などの契約内容についても、取り決めをおこないます。
なお、地上権と賃借権の違いは以下の記事でも詳しく解説しています。

地主に借地権付き建物の売却を拒否された場合の対処法
地主から借地権付き建物を売却する承諾を得られなかったときでも、裁判所に申し立てて許可を得れば売却できるようになります。
借地借家法で定められた「借地権譲渡承諾に代わる許可制度」によって、裁判所は地主に代わって借地権を売却する許可を借地権者に与えられるからです。
参照元:e-GOV|借地借家法第第19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
借地権者が裁判所に申立てをおこない、裁判所が諸条件を精査して問題がないと判断すれば、借地権の譲渡承諾許可がおります。
ただし、この場合も地主に譲渡承諾料を支払わなければなりません。
弁護士費用や裁判所への申し立て手数料などとして数十万円ほどの費用を負担する必要があります。
また、判決が下されるまでに半年~1年ほどの期間がかかる点もデメリットです。
そのため、費用や手間をかけずに借地権を売却したいなら、専門の買取業者に相談することをおすすめします。
専門の買取業者なら、地主との間で売却の折り合いがついていない借地権付き建物もそのままの状態でスピーディーに、かつ適正価格で買い取ってくれるためです。
あなたが地主と交渉をする必要もありませんので、手間をかけずに借地権付き建物を売却したい方は、借地権付き建物を専門の買取業者へ売却する6つの手順をご参照ください。
弊社AlbaLink(アルバリンク)でも、借地権付き建物を積極的に買い取っておりますので、お気軽にご相談ください。
借地権付き建物は一般の買い手には売れにくい
借地権付き建物を売却したいと考えても、一般の買い手は見つかりにくいのが実情です。
なぜなら、一般の買い手にとって借地権付き建物の購入にはメリットよりもデメリットが多いからです。
これから借地権付き建物の売却を考えているなら、買い手にとってどのようなメリット・デメリットがあるのかを把握しておくことも大切です。
ここでは、買い手側の立場からの借地権付き建物のメリット・デメリットについて解説します。
借地権付き建物の買い手にとっての2つのメリット
借地権付き建物を購入するメリットは、主に以下の2点です。
- 購入価格が安い
- 固定資産税・都市計画税の負担が軽減される
まず借地権付き建物を購入するときには、土地代を負担する必要がありません。
そのため、土地と建物を購入するときよりも価格を抑えられる点は買い手にとってのメリットです。
また、土地は地主の所有者です。
したがって借地権付き建物の購入者には、土地に課される固定資産税や都市計画税を負担せずに済むメリットもあります。
借地権付き建物の買い手にとっての3つのデメリット
一方で、借地権付き建物には、買い手にとって以下3つのデメリットが潜んでいます。
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
地主への地代の支払いが発生する
借地権付き建物には購入価格が抑えられる一方で、毎月地主へ地代を支払わなければならないデメリットがあります。
年間地代の相場は、一般的に土地の固定資産税・都市計画税の3倍程度といわれています。
そのため、もし土地に課される固定資産税・都市計画税が50万円だったら、年間で150万円ほどの地代を支払う必要があるということです。
地代を支払い続けても自分のものにはならないことに不満を感じる方にとって、この点は大きなデメリットとなり得ます。
ローンの融資が通りにくい
金融機関からの融資を受けて借地権付き建物を購入したいと考えても、審査に通りにくい点がデメリットとして挙げられます。
借地権付き建物を購入しても、あくまでも土地の所有者が地主であることに変わりはありません。
そのため、土地と建物を両方取得する場合と比較すると借地権付き建物の担保評価は低く、買い手が規模する金額の融資を受けられない可能性が高い傾向です。
土地と建物を両方購入するときよりも安価とはいっても、数百万円から数千万円にのぼる借地権付き建物を現金一括で購入できるほどの経済力を有した方はそう多くはありません。
借地権付き建物を購入するにあたってローンを組みにくい点は、買い手にとっての大きなハードルといえます。
売却やリフォームに地主の許可が必要
借地権付き建物を売却したり、リフォームしたりする際にいちいち地主の許可を得なければならない点も買い手にとってのデメリットです。
土地の所有者は地主であるため、借地権付き建物を購入しても土地上にある建物を自由に活用できないのです。
また、前述のように売却に際して地主へ譲渡承諾料を支払う必要があるほか、リフォームに際しても増改築承諾料の支払いが発生します。
ランニングコストがかかることを懸念し、借地権付き建物を敬遠する買い手は少なくありません。
このように、借地権付き建物は買い手にとってデメリットが多く、一般の買い手にはうれにくいですが、専門の買取業者に依頼すればスピーディーに買い取ってもらうことが可能です。
なぜなら、専門の買取業者には借地権付き建物を買い取ったあとでリフォームなどを施して価値を付加し、再販したり賃貸したりなど有効に活用できるノウハウが豊富にあるからです。
専門の買取業者である弊社AlbaLink(アルバリンク)でも、これまでに多くの借地権付き建物を買い取ってまいりました。
査定は無料で行っておりますので、借地権付き建物をいくらで売却できるのかが知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
【状況別】借地権を売却する3つの方法
ここからは、実際に借地権付き建物を売却する3つの方法を具体的に見ていきましょう。
詳細はこれから説明していきますが、①と②はどれも地主からの協力ありきで成り立つ売却方法です。
借地権付き建物の売却に地主が協力的でなければ、③「借地だけ素早く高値で売却したいなら専門の買取業者に売却する」方法をおすすめします。
専門の買取業者は、たとえ地主から売却の許可を得ていなくても、借地権付き建物をそのまま買い取れるためです。
専門の買取業者である弊社AlbaLink(アルバリンク)でも、借地や借地上に建つ物件など、売却の難しい不動産を積極的に買い取っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
それでは、借地権付き建物を売却する3つの方法をそれぞれ見ていきましょう。
地主が土地の返還を求めている場合は地主に買取提案をする
地主が土地を自分で使いたいと考えているなら、地主に借地権を買い取ってもらえないか提案してみましょう。
借地権が設定されている土地を利用できるのは、借地人のみです。
そのため、地主が借地として貸している土地に自分や子どもが住む家を建てたいなどと考えている場合には、前向きに交渉に応じてもらえる可能性があります。
また、土地はもともと地主の所有物ですので、土地上にある建物と借地権を地主が買い戻すと言うのは、ごく自然な流れと言えます。
実際、地主には自らの土地の借地権を優先的に買い戻せる「介入権」を持っています。
たとえ借地人が裁判所からの許可を得て第三者に売却しようとしても、地主が裁判所に買い戻しを申請して許可を得れば、地主は優先的に借地を買い戻すことが可能です。
参照元:e-GOV|借地借家法第19条
ただし、借地権の売却について地主と交渉する際には、借地権者と地主の関係性が良好でない限り、金額やその他の条件をめぐりトラブルに発展するおそれがあるので注意しましょう。
それでは、具体的に地主に借地権を買い取ってもらう3つのパターンをご紹介します。
建物も買い取ってもらう
建物が新しく、比較的状態が良好であれば、地主が建物ごと借地権を買い取ってくれる可能性があります。
ですが、借地権者の自己判断で金額交渉を行ってはなりません。
もし的外れな金額交渉をしてしまったら、不信感につながり、相手方の態度が急に悪化する恐れがあるからです。
必ず不動産業者の正確な査定を受けてから、適正価格で地主に売却の交渉を持ちかけましょう。
弊社では無料で査定価格をご提示しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
更地にして借地権だけ買い取ってもらう
建物が古く老朽化が進んでいれば、建物を解体し、更地の状態で借地権のみを地主に買い取ってもらうのが一般的です。
建物の解体費用は、基本的に借地権者が負担します。
例外的に、地主が解体費用を負担する契約になっている場合もあるので、交渉の前に必ず土地の賃貸借契約書を確認しましょう。
なお、借地権付き建物の買取を地主に拒否された場合の対処法について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

等価交換後、所有権化した土地を売却する
等価交換は、「価値の等しいものを相互に交換すること」を指します。
借地権と底地を等価交換することで、借地の賃借関係をなくすことが可能です。
借地権者と地主が借地権と底地を交換し、それぞれが完全な所有権として土地を有する流れになります。
簡単に言うと、借地権割合に応じて、又は話し合いで割合を定めて、地主と借地権者で完全所有権の土地を分配することになります。
· 借地権者:借地権100%保有(借地権割合40%)
· 地主:底地100%保有
↓借地と底地を等価交換
· 借地権者:土地40%保有
· 地主:土地60%保有
上の図は、等価交換によって借地権者が40%、地主が60%の割合で完全所有権の土地を保有したことを意味します。
保有割合を決めるには土地の評価額などを基にしますが、両者間での話し合いで決めることが多いようです。
このように、等価交換すれば、地主と借地権者の両者が完全所有権の土地を所有することになるので、賃借関係は解消されます。
これで「所有権のある土地と建物を売却する」つまり、一般的な中古住宅として売却できるようになります。
所有権となった土地と建物を仲介で売却する流れは「借地権付き建物を仲介で地主などに売却する6つの手順」の章で解説しています。
なお、底地と借地を等価交換するメリット・デメリットは以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

地主も土地を売却したい場合は底地・借地権を一緒に売却する
借地や底地といった不完全所有権の不動産は、資産価値が低く、通常の物件よりも売却額が安くなる傾向があります。
そこで、借地権と底地を一緒に売り出すことで、完全所有権の不動産と同等の金額での売却を目指すことが可能です。
ただし、地主に土地を売却する意思があることが大前提であり、借地権者と地主が協力できなければ成り立ちません。
借地契約の更新時や相続が発生したときなどは、借地権と底地を一緒に売却するには良いタイミングといえます。
地主に土地の売却を交渉するときは、借地権と底地を一緒に売却することが「お互いに得をする方法」であることを、具体的に説明するといいでしょう。
なお、底地と借地権付き建物を同時売却する流れは「借地権付き建物を仲介で地主などに売却する6つの手順」の章で解説しています。
借地だけ素早く高値で売却したいなら専門の買取業者に売却する
お伝えした通り、ここまでご紹介してきた借地権付き建物の売却方法はすべて地主からの協力があってこそです。
しかし、「地主と上手く交渉できない」「そもそも地主と交渉したくない」という方もおられるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、専門の不動産買取業者に直接売却する方法です。
借地を専門とする不動産買取業者に相談することで、地主からの譲渡承諾や売却の協力を得られない借地権付き建物を、借地権者はそのまま売却できます。
専門の買取業者は、借地権者の代わりに地主と交渉したうえで借地を買い取り、活用していくノウハウを持っているからです。
通常、地主以外の第三者に借地権を売却するには、地主から下記承諾を得る必要がありますが、その交渉も専門の買取業者自身がおこないます。
- 譲渡の承諾(名義書き換え承諾)・・売却すること自体を承諾してもらうこと。
- 建物建て替えの承諾・・売却により建て替え・増改築がある場合、事前に承諾をもらう。
- 抵当権設定の承諾 ・・借地権の新しい買主が金融機関の融資で購入する場合、建物に抵当権を設定するため金融機関の承諾書に地主の記名・実印が必要。
借地権付き建物を買取業者に直接売却する流れは、「借地権付き建物を専門の買取業者へ売却する6つの手順」の章で解説しておりますので、参考にしてください。
なお、当サイトを運営する「株式会社Albalink」は、弁護士などの士業と連携した「訳あり物件」専門の買取業者です。
「地主と話し合いがまとまらず、借地上にある物件を売却できない…」とお困りの方が居ましたら、お気軽にご相談ください。
借地権付き建物を仲介で地主などに売却する6つの手順
借地権付き建物を不動産業者の仲介を通じて地主や一般の買い手に売却する際は、以下の手順にしたがって売却活動を進めていきます。
不動産業者に査定を依頼する
借地権付き建物を仲介で売却するときには、まず不動産業者に査定を依頼して査定価格を算出してもらうことから始めます。
査定価格とは、おおよそ3か月で売れるであろうと予想される価格のことです。
売主は、不動産業者から提示される査定価格をもとに売り出し価格を設定します。
ただし不動産業者ごとに重視すべきポイントは異なるため、査定価格にも差が生じます。
そのため、適正価格を知りたいのなら、複数の不動産業者に査定を依頼して比較することが大切です。
不動産業者と媒介契約を締結する
複数の不動産業者の査定価格を比較し、売却活動を依頼する1社を決めたら媒介契約を締結します。
媒介契約には以下の3種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約の特徴は、複数の不動産業者に売却活動を依頼できる点にあります。
それに対して、専任媒介契約と専属専任媒介契約はそれぞれ1社の不動産業者にのみ売却活動を依頼できる契約です。
借地権付き建物を売却する際には地主との交渉が必要となってくるため、借地権に精通した不動産業者と専任媒介契約、もしくは専属専任媒介契約を結んだほうがスムーズに売却できるでしょう。
地主から売却に関する承諾を得る
不動産業者と媒介契約を締結しても、すぐに売却活動に移れるわけではありません。
地主の承諾がない限り、借地権付き建物は売却できないからです。
そのため、媒介契約を締結した不動産業者を通じて地主から売却の承諾を得る必要があります。
地主から売却の承諾を得られたら、前述の譲渡承諾料を地主へ支払います。
売却活動を行う
地主から売却に関する承諾を得られたら、不動産業者を通じて買い手を探します。
地主の売却相手の候補なので、不動産業者経由で土地を取り戻したいと考えていないか探ってみるとよいでしょう。
その後、無事に買い手が見つかったら売買契約を交わします。
なお、万が一買い手が見つからなかったときには、専門の買取業者へ相談するのは選択肢のひとつです。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の借地権付き建物を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
一般の買い手には売れにくい借地権付き建物でもスピーディーに買い取ることが可能です。
借地権付き建物をできる限り早く売却したいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
地主と借地権譲渡承諾書を取り交わす
借地権譲渡承諾書とは、第三者への借地権の売却を地主が承諾することを示した書類です。
通常は不動産会社が書類を作成してくれるため、借地人としては書類に署名・押印をするのみで問題ありません。
署名・押印した借地権譲渡承諾書を地主へ渡し、地主の署名・押印がなされた書類を受け取ることで借地権の売却承諾が成立します。
借地権付き建物を買い手に引き渡す
最後に、借地権付き建物の決済と引き渡しを同時に行います。
このとき、建物の名義を売主から買主へ変更する所有権移転登記を行う必要がありますが、基本的に不動産業者が紹介してくれた司法書士が手続きを代行してくれるため、あなたが手配する必要はありません。
また、所有権移転登記にかかる費用も買主が負担する形が一般的です。
売主が用意すべきものとしては、実印や印鑑証明書などが挙げられます。
不動産業者に事前に確認して準備しておきましょう。
借地権付き建物を専門の買取業者へ売却する6つの手順
お伝えした通り、借地や底地を専門とする不動産買取業者に買い取ってもらうことで、借地権者(借地人のあなた)は地主との交渉など手間をかけずに借地権付き建物を手放せます。
ここでは、専門の不動産買取業者が借地権付き建物を買い取る具体的な流れを見ていきましょう。
専門の不動産買取業者に借地権の買取を相談する
まずは借地を専門に扱っている不動産買取業者に、借地権の買取を相談しましょう。
前述したとおり、複雑な権利関係が絡む借地であっても、専門の不動産買取業者は経験や知識を活かして、トラブルなく物件を買い取れるからです。
また、借地の活用ノウハウを豊富に持つので、専門的でない不動産会社に依頼するよりも、高値で買い取ってくれる可能性があります。
借地の扱いに長けているかは、買取業者のホームページの「買取実績」「買取事例」等から確認できます。
買取業者が地主と交渉し、売却の承諾を得る
借地権者から買取の相談を受けた買取業者は、地主と交渉して、借地権付き建物を売却する承諾を得ます。
このとき、借地権者が交渉に同席する必要はありません。
借地権の査定
地主から借地を売却する承諾を得たら、買取業者は買取価格を決めるための現地の調査や査定をおこないます。
そもそも、借地権は通常の不動産物件よりも資産価値が低いので、査定額・売却価格も安くなります。
このような不動産事情を知らない地主の場合、「買いたたかれているのではないか?」と、不信感を持つ可能性もあります。
そこで、借地権買取りの経験が豊富な買取業者であれば、地主が納得のいくよう価格の根拠を説明できます。
弊社では、経験豊富な担当者が迅速に査定をおこない、適正な価格をご提示いたしますので、ぜひご連絡ください。
地主との譲渡条件の交渉
次に、買取業者は地主と交渉して、地主に支払う譲渡承諾料の金額を決めます。
借地権を買い取った買取業者がどのように活用するかによりますが、建物の建替えが発生する場合には建替え承諾も含めた話し合いと交渉をおこないます。
売買契約を結ぶ
地主との交渉で譲渡条件が決まったら、借地権者と買取業者の間で借地権の売買契約を結びます。
決済・引き渡し
買取業者と締結した売買契約や地主との譲渡条件に基づいて、買い取り代金の受け渡し(決済)及び引き渡しをおこなえば、全ての取引が完了です。
借地権付き建物の明確な買取相場はない
借地権者が一番気になるのが、借地権の買取り相場はどれくらいか?という点でしょう。
一般的に、借地権の買取相場は、完全所有権の不動産の50%程度といわれています。
しかし、結論からいうと、借地権には明確な買取相場というものはありません。
その3つの理由を説明します。
まず1つ目に、前述の通り、買取業者が借地を買い取るには、地主と交渉する必要がありますし、譲渡承諾費用もかかります。
2つ目に、地代を設定しているのは地主ですから、借地権者との契約内容によっても、どれくらいの価格で買い取れるかは物件ごとに異なります。
3つ目に、借地を買い取った買取業者がどのように活用するのかによっても、必要となるコストが異なる分、買取価格が変わります。
これらの理由から、借地付き建物には明確な買取相場がないのです。
とはいえ、目安となる金額を算出することは可能ですので、次の見出しで簡単にご紹介します。
借地権割合をもとにした買取価格の計算方法
お伝えした通り、借地権付き建物の買取相場は、一概にいくらとは言えません。
地主との契約内容や、買取業者がどのように借地を活用していくのかなどによって、買取価格は変化するからです。
しかし、「借地権割合」を基にした計算式から、借地のおおよその買取価格を算出することは可能です。
借地権割合は「一つの土地の権利のうち借地が何割占めているか」を示す数字で、相続税や贈与税を算出する際に利用されます。
各地の借地権割合は国税庁のwebサイト「路線価図・評価倍率表」から検索できます。
なお、あくまで参考値となりますので、正確な金額が知りたいという方は、以下の専用査定フォームより、ご連絡ください。
借地の価格を算出する計算式は、下記の通りです。
②借地の評価額=更地の評価額格-(更地の評価額×借地権割合)
③借地の価格=借地の評価額÷80%
路線価は、道路に面している土地の価格(千円/1㎡)のことです。
売買される土地の価格の80%程度になるよう、国税庁によって設定されています。
ゆえに、路線価をもとに算出した借地の評価額を80%で割り戻すことで、借地の予想売却価格を算出できます。
では、下記の設例で実際に計算してみましょう。
【設例】
- 路線価(円/㎡)…46万円
- 借地権割合…70%
- 面積…100㎡
更地の評価額=46万円×100㎡
=4,600万円②借地の評価額=更地の評価額-(更地の評価額×借地権割合)より、
借地の評価額=4,600万円-(46,00万円×70%)
=4,600万円-3,220万円
=1,380万円③借地の価格=借地の評価額÷80%より、
借地の価格=1,380万円÷0.8
=1,725万円
よって、設例の借地の価格は1,725万円となります。
ただし、これはあくまで土地のみの価格です。
建物に関しては築年数や立地、構造などを査定して買取価格が決まりますから、買取業者に直接査定してもらいましょう。
なお、以下の記事では借地権を高額売却できるテクニックをご紹介しています。
借地権付き建物を少しでも高く売却したいとお考えの方は、ぜひご一読ください。

借地権付き建物売却のトラブルと回避法
借地権付き建物の売却時には、以下のようなトラブルに見舞われる恐れがあります。
トラブルを未然に回避するためにも、事前に対処法を把握しておきましょう。
ここでは、借地権付き建物を売却する際のトラブル事例と回避法について解説します。
売却をめぐり地主と揉める
前述のように、借地権付き建物を売却するには、まず地主の承諾を得なければなりません。
地主との関係性が悪ければ、あなたが売却したいと考えても素直に応じてはもらえないでしょう。
また、相場よりも高い承諾料を要求されるなど、地主と揉める可能性が考えられます。
もし地主との揉めごとを回避して借地権付き建物をスムーズに売却したいなら、日頃から地主と良好な関係性を築くことが大切です。
地主と積極的にコミュニケーションを図っていれば、借地権付き建物の売却承諾もスムーズに取り付けられるでしょう。
地主も底地を売却したいことを相談してもらえ、借地権付き建物と併せて売却できるかもしれません。
地主との良好な関係性を築くことが、借地権付き建物の売却を成功させるポイントです。
売りに出したものの買い手がつかず売れ残る
「借地権付き土地は買い手にとってメリットよりデメリットが多い」の章でも解説したように、借地権付き建物には多くのデメリットがあるため、一般の買い手からは敬遠されがちです。
そのため、不動産業者に借地権付き建物の仲介を依頼しても、買い手が見つからずに売れ残ってしまう恐れがあります。
借地権付き建物をスムーズに売却したいのなら、借地権に精通した不動産業者に相談することが大切です。
借地権付き建物の取り扱い実績が豊富な不動産業者は借地権付き建物が持つメリットとデメリットを把握しているため、より効果的に購入希望者へアプローチできます。
また、地主とどう交渉すればスムーズに承諾を取りつけられるかといったノウハウにも長けているので、売却時にトラブルが起こることもありません。
したがって借地権付き建物を売却したいなら、まずは売却実績が豊富かどうかを確認するようにしましょう。
加えて不動産を売却する際には、不動産業者の担当者と信頼関係を築けるのかどうかをチェックすることも大切です。
実際、弊社がおこなったアンケート調査でも、不動産業者を選ぶ際には「担当者の対応力や人柄」を重視すると回答した方の割合がもっとも多い結果となりました。
引用元:訳あり物件買取プロ|【不動産会社を利用するときに重視することランキング】男女500人アンケート調査
不動産売却のスピードを左右するのは、不動産業者の担当者の質にあるといっても過言ではありません。
そのため、売却する際には「この人なら安心して任せられる」担当者かどうかもチェックするようにしましょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、権利関係が複雑な不動産を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
これまでに多くの借地権付き建物を買い取ってきた実績もあります。
弁護士などとの専門家とも提携しているため、売却に際する地主との交渉もすべてお任せいただけます。
手間や費用をかけることなく借地権付き建物を売却したいからは、お気軽に弊社までご相談ください。
まとめ
借地権付き建物の売却には、地主との権利関係が絡んでくるため、通常の不動産売却よりも少々複雑です。
言ってしまえば、通常の不動産取引とは全く別モノと言えます。
そのため、一般の不動産仲介業者(買主と売主の契約をサポートする業者)では、そもそも取り扱ってもらえないこともしばしばあります。
もし、地主との関係が悪く、ご自身だけでは「借地権付き建物の売却が難しい」ようであれば、権利調整に強い専門の買取業者を頼りましょう。
不動産のプロとしての、広い視野からのアドバイスにより、売却をサポートしてもらえます。
当サイトを運営する「株式会社Albalink」は、不動産を巡る権利トラブルはもちろん、市場で買手のつきにくい「訳あり物件」を全般に取り扱う買取業者です。
- 「地主と交渉が決裂して八方塞がりだ」
- 「自分の物件がいくらで売れるかだけでも知っておきたい」
このような方は、ぜひ一度ご相談ください。