借地権の売却相場は更地価格の6~7割
借地権の売却相場は更地価格の6~7割といわれています。
上記のケースでは、借地権の取引価格は、借地権割合にもとづいて算出されます。
更地価格に対する借地権の価格の割合
借地権割合は更地価格が高い地域ほど高くなる傾向にあり、商業地では8~9割、住宅地では6~7割が一般的です。
そのため、住宅地にある借地権の売却価格は、借地権割合をベースに更地価格の6~7割で取引することがほとんどです。
ただし、借地人が地主に買取を依頼する場合、借地権割合より低い更地価格の5割で売却になるでしょう。
地主にとっては、借地人に頼まれた借地権の買取に多額の資金を使いたいとは思わないからです。
借地権を高く売りたい場合は、第三者に売却することをおすすめします。
借地権の売却価格の調べ方【2つの計算方法】
借地権の売却価格の目安を調べたいときは、借地権価格を求めましょう。
借地権価格は借地権の評価額のことで、借地権の取引価格の目安となっています。
借地権価格の求め方には、以下の方法があります。
- 路線価を使う方法
- 倍率表を使う方法
路線価を使う方法
市街地にある住宅地では、「路線価」を用いて借地権価格を求めます。
路線(道路)に面する土地1㎡あたりの価格(千円単位で表示)
路線価は借地権割合とともに、国税庁サイトの「財産評価基準書」にある路線価図にて確認できます。
路線価を使った借地権価格の求め方は、以下のとおりです。
奥行価格補正率は、奥行が長すぎる・短すぎるなどで使いにくい土地の価格を補正するために使われます。
計算例
例として、以下の土地の借地権割合を計算してみましょう。
引用元:路線価図の説明|国税庁
土地に面している道路に表示されている「300C」の「300」は、路線価が30万円であることを示しています。
また、「300C」の「C」は、借地権割合のことで、借地権割合が70%であることを示しています。
なお、借地権割合を振り分けているアルファベットは、A~Gまであり、それぞれの借地権割合は以下のとおりです。
アルファベット | 借地権割合 |
---|---|
A | 90% |
B | 80% |
C | 70% |
D | 60% |
E | 50% |
F | 40% |
G | 30% |
参照元:路線価図の説明|国税庁
奥行は35mのため、奥行価格補正率は0.97となります。
参照元:奥行価格補正率表|国税庁
以上を踏まえて計算すると、借地権価格は以下のとおりです。
倍率表を使う方法
郊外や農村地域など路線価が定められていない地域では、倍率表を用いて借地権価格を求めます。
倍率表を用いる地域かどうかは、路線価図に「倍率地域」と記載されているかで判断します。
倍率表を用いた場合の借地権価格の求め方は、以下のとおりです。
固定資産税評価額は、固定資産税の税額を決める際の基準となる土地・建物の評価額のことです。
固定資産税評価額は、毎年4~5月に市町村から発送される固定資産税の「納税通知書」に添付されている「課税明細書」から確認できます。
計算例
倍率表は国税庁サイトの「財産評価基準書」にある「評価倍率表(一般の土地等用)」から確認します。
倍率表は、以下のように借地権割合と地目(土地の用途)ごとの倍率が記載されています。
固定資産税評価額が2,000万円、倍率が1.1、借地権割合が60%の場合、借地権価格は以下のとおりです。
借地権を高値で売る4つの方法
借地権は、更地価格の6~7割で売買されるのが一般的です。
ただし、売却方法によっては、借地権でも高値で売れる可能性があります。
ここでは、借地権を高値で売る方法を4つ紹介します。
- 底地とセットで売る
- 等価交換して売る
- 契約更新直前に売却しない
- 売却にかかる費用・税金を抑える
底地とセットで売る
借地権を底地とセットで売ることで、借地権の高額売却が可能となります。
借地権と底地をセットで売ることで、買主側は完全所有権の土地を手に入れられます。
完全所有権の土地は借地権と比べて土地を自由に活用できるため、高値で売れる可能性が高いでしょう。
ただし、地主が底地を売ることを承諾してくれない場合、この方法は使えません。
また、売却代金の配分を決める際、揉め事に発展するリスクもあります。
地主が底地の売却を検討しているとき、提案してみましょう。
等価交換して売る
等価交換(借地権の一部と底地の一部を交換すること)して、売却する方法も高値で売却できる方法の1つです。
等価交換することで、借地人は完全所有権の土地を手に入れられます。
完全所有権の土地は、借地権の土地より活用しやすいため、需要が高く、高値での取引が可能です。
一方、等価交換は1つの土地を複数人で分けるため、所有できる土地面積は借地の時と比べて狭くなります。
土地面積が狭すぎる場合、土地利用に支障をきたすようになり、かえって売却が難しくなるでしょう。
地主と分割できるぐらいに土地の面積が広い場合、等価交換による売却を検討しましょう。
契約更新の直前に売却しない
手元に残る代金を減らしたくないなら、契約更新の直前には売却しないようにしましょう。
更新直前に借地権を売却した場合、新たな借地人が購入後すぐに更新料の支払いが必要です。
更新料は借地権価格の5%が相場のため、借地権価格が500万円なら、25万円となります。
購入金額や仲介手数料に加えて、買主の初期費用の負担が数十万円以上大きくなります。
更新時期の直前で売ろうとする場合、売主が更新料相当の金額を負担してあげるなどの融通を利かせないと売れないでしょう。
借地を使っていない場合、更新時期が迫る前の売却がおすすめです。
売却にかかる費用・税金を抑える
売却代金を少しでも手元に残すうえで、借地権売却にかかる費用・税金を抑えることも重要です。
借地権を高値で売れたとしても、売却にかかる費用が高ければ、手元に残るお金は少なくなってしまいます。
借地権の売却でかかる費用・税金は以下のとおりです。
- 印紙税
- 譲渡承諾料
- 登録免許税
- 司法書士への報酬
- 仲介手数料
- 解体費用
- 測量費
- 譲渡所得税
上記の費用の中で、売却して利益が出たときにかかる譲渡所得税は、特例の適用要件を満たせば、税額が軽減されます。
また、登記を司法書士に代行せず、自力で手続きをすれば、「司法書士への報酬」は発生しません。
手元に残る売却代金が増えるので、税金の特例適用をはじめ費用を削減する対策をとるようにしましょう。
税金・費用の項目、税額軽減の特例について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
借地権の売却はノウハウある不動産会社へ
ここまで、借地権を高値で売る方法を紹介してきました。
しかし、借地権の売却には地主の承諾が必須です。
通常の土地・建物とは異なり、売却の手続きが複雑なため、一般の不動産会社に売却を相談しても取り扱ってくれる可能性が低いでしょう。
そのため、借地権の取り扱いノウハウがある専門の不動産会社に依頼したほうが、スムーズかつ高値で売れる可能性が高くなります。
アルバリンクは借地権の買取もしている不動産買取業者です。
弁護士や税理士などの専門家とも提携しているので、特例の適用をはじめ税務面や法律面のバックアップもいたします。
また、仲介業者を挟まずに弊社と直接取引するので、仲介手数料は発生しません。
借地権を高額で売却したいと考えている人は、一度アルバリンクにご相談ください。
まとめ
この記事では、借地権の売却相場と高値で売る方法について紹介しました。
住宅地における借地権の売却相場は6~7割といわれています。
ただし、地主に買取を依頼した場合、5割程度になる可能性があります。
借地権をより高値で売りたい、手元に残せる代金を増やしたいなら、以下の売却方法がおすすめです。
- 底地とセットで売る
- 等価交換して売る
- 契約更新直前に売却しない
- 売却にかかる費用・税金を抑える
なお、借地権を売却する際は、借地権の取り扱い実績がある不動産会社へ依頼するようにしましょう。
通常の不動産と違い、借地権は取り扱いが難しいので、ノウハウがある会社ではない場合、借地権売却に時間がかかってしまう恐れがあります。
アルバリンクは、借地権売却の実績がある不動産買取業者です。
弁護士をはじめとした専門家と提携しているので、法律が絡むトラブルがある借地権でも売却できます。
また、日本全国が買取対象エリアのため、借地権の場所を問わず買取いたします。
地主とのトラブルを回避して、借地権を売却したい人は、アルバリンクへお問合せください。