「空き家の買取相場は市場価格の70%」はあくまで目安
所有する空き家の買取相場を調べようとすると、「空き家の買取相場は市場価格の70%」と書かれたサイトをよく目にするかと思います。
しかし、この70%という数字は必ずしも正しくはありません。
なぜこのような説が広まっているのかをご説明します。
不動産の売却方法には「仲介」と「買取」がある
買取相場や市場価格について説明する前に、不動産の「仲介」「買取」2種類の売却方法について説明します。
仲介は、売主から不動産の売却を依頼された仲介業者が、SUUMOやアットホームなどのポータルサイトや様々な広告媒体を通して市場に広く物件情報を拡散させます。
そして主に居住目的である個人の買い手を探し、内覧や交渉を行って最終的に売買契約まで持っていく売却方法です。
対して買取は、売主から連絡を受けた買取業者が直接買主となって不動産を買い取ります。
買取業者は購入した不動産をリフォーム等して付加価値を付けて、再度販売する事業目的で不動産を購入します。
そのため買取業者なら、たとえばボロボロで売れにくい空き家などでも、利益が見込めれば買い取ってもらえます。
なお、仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「空き家の買取相場は市場価格の70%」と言われる理由
空き家を含め、不動産売買における市場価格とは需要と供給のバランスで決まる仲介での売却価格を指します。
この市場価格に対して、買取価格は30%ほど安くなると言われています。
中古住宅を買取業者に売却する場合に買い取ってもらえる平均的な価格のこと。
買い取った物件を商品化するための「リフォーム費」「人件費」「登記や測量などの費用」を捻出したうえで、利益も残す必要があるためです。
この考え方自体は間違いではありませんが、買取価格が市場価格の70%になるとは一概には言えません。
買取価格は立地や状態によって変動するためです。
需要のあるエリアに所在し、問題なく売却できる中古物件であれば30%ほどの諸経費で売却できるかもしれませんが、立地や状態が悪ければ、40%や50%差し引かないと買い取れないケースもあります。
このように、空き家の買取相場が市場価格の7割と言われていることに具体的な根拠はなく、実際に買い取る空き家の立地や状態を調査し、再販のために必要となる費用を根拠として買取価格は決まります。
空き家の買取相場(概算)を自分で調べても買取価格とは大きく異なる
空き家の買取相場を自分で算出するのは困難です。
前述したように、買取相場は物件の立地・状態によって異なり、それらを一般の方が正確に見抜くのは難しいためです。
ただ、下記の計算式でおおよその買取相場を算出することはできます。
所有する空き家の「市場価格」から、その空き家を利用するのに必要となる「リフォーム費用」や「買取業者の利益・諸経費」を差し引く方法です。
次項以降で上記計算式の各項目である「市場価格」「リフォーム費用」「買取業者の利益・諸経費」の求め方を解説します。
なお、所有する空き家がいくらで売却できるのか、正確に知りたい場合には、空き家の買取を得意とする買取業者に査定してもらうことをお勧めします。
弊社Albalinkも空き家買取に強い専門の買取業者ですので、空き家の買取価格を知りたいという方はお気軽にご連絡ください(売却前提でなくとも構いません)。
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市場価格を調べる3つの方法
空き家の市場価格の調べ方は以下の3つです。
- 一般的な不動産ポータルサイトで調べる
- 土地総合情報システム(国土交通省)を使って調べる
- REINS Market Informationを使って調べる
それぞれ解説します。
一般的な不動産ポータルサイトで調べる
所有する空き家と条件が近い物件の売り出し価格を調査しましょう。
SUUMO、at home、HOME’S等で調べれば間違いありません。
具体的には以下のような項目を絞り込めば類似した物件が表示されるはずです。
- 物件種別(中古一戸建て)
- 詳細エリア
- 土地面積
- 建物面積
- 間取り
- 駅徒歩分数(都市部であれば)
- 築年数
ただし、ポータルサイトの掲載金額はあくまで売り出し価格であり、最終的な売買価格ではありません。
不動産の売買では、「値下げ」や「金額交渉」されることが一般的なので、掲載金額と異なる金額で成約しているケースも多いからです。
土地総合情報システム(国土交通省)を使って調べる
土地総合情報システムは国土交通上の運営サイトです。
不動産の売買が行われた際の所有権移転登記の情報から買主を把握してアンケートを送付し、返送されたアンケート結果から成り立っています。
ポータルサイトとは違い、最終的に成立した売買価格を確認できますが、返送されたアンケート結果分しか物件が掲載されないため、情報量はかなり少なめです。
また、絞り込めるのは下記項目のみです。
絞り込み項目
- 取引時期
- 種類(宅地、中古マンション、農地、林地)
- 地域を選ぶ住所から探す(都道府県・市区町村・地区)
- 路線や駅から探す(地方・路線・駅)
なお、検索結果に表示されるのは以下の内容です。
- おおまかな所在地
- 最寄り駅と距離
- 取引総額(土地と建物の合計)
- 土地の面積・形状
- 建物の延床面積・建築年・構造・用途
- 前面道路の幅員・種類・方位
- 取引時期
その他
REINS Market Informationを使って調べる
REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)とは、全国の不動産業者のみが閲覧できるサイトを、個人でも見れるよう新しく作られたサイトです。
比較的多くの物件が掲載されていますが、物件情報が登録されていない県や、検索結果が100件に満たない県については物件情報を確認できません。
【登録されていない又は100件に満たず物件情報が表示されない県(戸建ての場合)】
青森 | 福井 | 宮崎 | 沖縄 |
秋田 | 鳥取 | 香川 | 岩手(100件未満) |
山形 | 島根 | 愛媛 | |
長野 | 山口 | 徳島 | |
山梨 | 高知 | 佐賀 |
検索結果が表示される地域であれば、下記追加検索条件を加えて再検索が可能です。
追加検索条件
- 地域詳細
- 土地面積
- 建物面積
- 間取り
- 築年数
- 成約時期
ただし、下記項目については情報が掲載されていないため、所有する空き家の状況とは大きく異なる可能性が十分あります。
- 直近で大規模なリフォームをしているのか?
- 周辺環境は問題ないか?
- 再建築不可物件ではないか?
ちなみに再建築不可物件とは、建築基準法に違反しているなどの理由で、既存の建物を解体すると新たに建物を建てられない土地のことです。
空き家の建つ土地が再建築不可物件かどうかの調べ方については「再建築不可物件かどうかの調べ方」の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください
リフォーム費用を算出する
リフォーム費用(概算)は一般的に5万(円/㎡)とされているため、下記計算式で算出できます。
【修繕費用目安(参考)】
雨漏り補修 (屋根の張替え工事は含まない) |
5万円~20万円 ※外壁からの重度の雨漏りの場合は数百万円単位の費用が必要になることもある |
---|---|
シロアリ被害 | (部分的な被害の場合)シロアリ駆除含め50万円前後 |
(床下全面被害の場合)300万円前後 |
参照元:ホームプロ
参照元:ファインドプロ
老朽化が進んでいる空き家の場合、リフォーム費用は「延べ床面積×10万円」で考えておいたが方が無難でしょう。
諸経費を算出する
市場価値から買取業者が再販までに必要とする諸経費(概算)は市場価格の20%~30%ほどになります。
買取業者が空き家を購入してから再販するまでの人件費や登記や測量の費用、その他会社を運営していくために必要な費用等を合わせると、そのくらいかかるためです。
ただ、老朽化が進んでいる空き家の場合、通常の中古物件より再販にかかる費用が高くなるため、諸経費が市場価格の40%ほどになってしまうこともあります。
諸経費に関しては空き家の立地や状態によって市場価格の20%~40%の間で変動すると思っておきましょう。
買取相場(概算)の計算例
ここまで解説してきた各項目の計算方法を使って、以下の物件の買取相場を算出してみましょう。
まず、リフォーム費用は600万円となります(下記計算式参照)。
諸経費(概算)を市場価格の30%とすると、市場価格は3000万円なので、諸経費(概算)は900万円となります(下記計算式参照)。
以上のことから買取相場は1500万円と算出されます(下記計算式参照)。
ただし、繰り返しになりますが、この計算式で算出された買取相場はあくまで簡易的な想定であり、実際の買取価格は全く違った金額になる可能性も十分あります。
自身で計算する手間をかけず、正確な買取価格をすぐに知りたい方は、ぜひ弊社Albalinkの無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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買取業者はココを見てる!空き家の買取価格を左右する3要素
ここまで買取相場(概算)の算出方法を紹介しましたが、実際の買取価格は所有する空き家のさまざまな要素を見て買取業者が査定します。
そこでこの章では実際に買取業者が買取価格を決定する際にチェックする要素をお伝えします。
買取業者が空き家を査定する際は以下の3つの要素をチェックして買取価格を決定します。
- 空き家の管理状態
- 主要な駅や市街地までのアクセス
- 学校や生活に必要な施設へのアクセス
それぞれの要素がなぜ買取価格に影響するのか説明していきます。
空き家の管理状態
空き家の管理状態が悪いと、買取相場より買取価格が低くなってしまいます。
前述したとおり、買取業者は空き家購入後にリフォーム等を行って再度販売することを目的としているため、空き家の管理状態が悪ければ再販にかかるリフォーム費用等が増額してしまうからです。
管理状態が悪い例
- シロアリ被害にあっている
- 何か所も雨漏りしている
- 電気配線が切れてしまっている
- キッチンや風呂場などの交換が必要
たとえば、同じ築20年であっても、管理状態が良く壁紙や床材の張替え等だけで再販が可能な空き家と、管理状態が悪くキッチンやバストイレ、その他設備や配管、配線等も取り替えなければならない空き家とでは、再販に必要となるリフォーム費用等は大きく異なります。
このように、管理状態によって再販に必要なリフォーム費用は変化するため、買取相場と比較して買取価格は変化します。
逆に言えば、築年数が経過しているわりに管理状態がよく、目立った設備不良等が少なければ、買取相場より高く買い取ってもらえる可能性もあります。
主要な駅や市街地までのアクセス
駅やバス停までの距離、市街地までの距離が遠いなど利便性が低いエリアだと、買取相場よりも買取価格が低くなる可能性があります。
当然、居住するなら交通の便が良いエリアのほうがニーズが高く、利便性が悪いエリアはニーズが低いからです。
実際弊社が行ったアンケートでも家の購入で優先したこととして「立地」を挙げる人が最も多くいました(下記参照)。
反対に、ボロボロな空き家でも主要な駅から徒歩数分である場合等には、買取相場よりも高値で買い取ってもらえることもあります。
学校や生活に必要な施設までのアクセス
学校や生活に必要な施設(下記参照)が近くにない場合、買取相場よりも買取価格が低くなる可能性があります。
生活に必要な施設の一例
- スーパー
- コンビニ
- 商店街
- 郵便局
- 役所
- 病院
子育て世帯や新婚世帯にとっては、今後の通学や通勤等が不便になるような場所をあえて選ぶことは少なく、ニーズも低いからです。
逆に上記のような施設が周辺にある場合、買取相場より高く買い取ってもらえる可能性があります。
また、今現在は上記のような施設がなくとも、開発中であり、将来的に利便性の向上が見込まれるエリアは買取相場は高くなる傾向があります。
空き家を専門の買取業者に売却する4つのメリット
空き家を専門の買取業者に売却するメリットは以下の4つです。
- 売却にかかる期間が短い
- 仲介手数料がかからない
- 空き家所有者が解体やリフォームをする必要がない
- 契約不適合責任の一切が免責される
仲介での売却と比較しながら1つずつ解説します。
売却にかかる期間が短い
仲介の売却では、買主希望者が現れるまで3か月から半年以上をかけて広告宣伝等を行います。買主希望者が現れると内覧や交渉を行い、最終的に双方が合意すれば売買契約を締結します。
ただしこれは一般的な中古住宅を売却する際の期間であり、空き家の状態や立地が悪ければ、数年単位で売れ残ってしまうこともあります。
対して買取での売却は、売主である空き家所有者から連絡を受けた買取業者が物件の査定を行い、再販して利益が見込めると判断すれば査定価格を提示します。
そのため、売主である空き家所有者と買主である買取業者の間で買取価格に合意があれば、最短7日ほどでスムーズに売買契約が成立し、空き家を現金化できます。
下図からも仲介より買取の方が売却にかかる期間が圧倒的に短いことがわかっていただけると思います。
弊社Albalinkでは平均1ヶ月ほどで空き家の買取を完了できます。
すこしでも早く空き家を現金化したいという方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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仲介手数料がかからない
買取業者は直接の買主であるため、仲介手数料がかかりません。
仲介手数料は仲介業者を介して売却が決まった際に、業者に報酬として支払う手数料で、売却価格に応じて以下のように変動します。
売買代金 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下の金額 | 5% + 消費税 |
200万円以上400万円以下の金額 | 4% + 2万円 + 消費税 |
400万円以上の金額 | 3% + 6万円 + 消費税 |
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
空き家の売却価格が1,000万円の場合、「(1,000万円 × 3% + 6万円) + 消費税」で、39万6,000円が仲介手数料となります。
諸経費を圧縮できるのも、空き家を買取業者に売却する魅力の一つです。
空き家所有者が解体やリフォームをする必要がない
仲介で売却する場合、少しでも買主を見つけやすくするため、リフォームや解体を行ってから売却するよう仲介業者から勧められることがあります。
空き家は20~50年など築年数が経過していたり、長らく人が居住していなかったことから老朽化が進行してしまい、居住目的で住宅の購入を検討している個人にとっては対象外になってしまうことがほとんどだからです。
実際弊社Albalinkが行ったアンケートでも8割以上の方が築20年以上の物件は購入対象外と答えています。
しかし、高額な費用をかけてリフォームを行っても、結局住宅としての需要がないようなエリアに所在している場合や、個人の趣味に合わないリフォームをしてしまった場合等には結局売れ残り、リフォーム費用分が赤字になってしまうこともあります。
一方買取での売却であれば、空き家所有者が事前に手間・費用をかけてリフォーム等を行う必要はありません。
なぜなら、買取業者はリフォームや解体等を行って再度販売することを前提として物件を購入するため、空き家がどんなにボロボロな状態でも、再販による利益が見込めれば買い取れるからです。
ただし、もちろん空き家の状態が良くリフォーム等を行うべき範囲が少ない方が買取価格は高くなりますし、ボロボロであるほど買取価格は低くなります。
ですが、少なくとも赤字になることはありません。確実に利益を得ることができるのですから、空き家を処分したい人にとってはかなり大きなメリットと言えます。
契約不適合責任の一切が免責される
仲介で空き家を売却する場合は、契約不適合責任は免責されません。
なぜなら、免責事項が多いほど購入後の保証が無くなり、買主にとってのリスクが過大になってしまうからです。
そのため、仲介で売却後に不適合箇所が見つかった場合、売主である空き家所有者が修繕費用等を負担しなくてはいけません。
物件の売買が完了したのち、契約書に記載が無い欠陥や不具合(雨漏りやシロアリ被害、家の傾き等)を買主が発見したとき、売主が負う責任。この責任を問われると、欠陥や不具合があった箇所を売主が費用を負担して修繕したり、最悪の場合売買契約自体を取り消されてしまうこともある。
一方、買取業者に空き家を売却すれば、売買契約時の特約によって契約不適合責任の一切が免責(責任が問われないこと)されます。
なぜなら、前述のとおり買取業者はリフォーム等を行うことが前提で物件を購入するため、不具合や欠陥の有無は関係ないからです。
ただし、契約不適合責任を免責としない買取業者も稀にいますので、契約不適合責任の全部免責とする特約をつけるのかを見積りをもらった時点で必ず確認しましょう。
契約不適合責任については以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はお読みください。
空き家を買取相場よりも高く売却する3つの方法
空き家を買取相場よりも高く売却する方法は以下の3つです。
- 空き家の取り扱いが得意な買取業者に頼む
- 複数の買取業者に依頼する
- 金額の交渉をしてみる
それぞれ紹介していきます。
空き家の取り扱いが得意な買取業者に頼む
まず、空き家専門の買取業者を複数社選びます。
空き家は想像以上に老朽化が早く、一般的な買取業者では活用ノウハウを持っていないことが多いため、空き家の活用ノウハウが豊富な専門の買取業者を選びましょう。
なお、弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者ですので、空き家の買取実績、活用ノウハウともに豊富です。
実際、 下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
弊社では上記のような空き家を買取後、必要最低限のリフォームを施したあと、提携する不動産投資家に再販するといったノウハウがあります。
これまで弊社に買取依頼をしてくださったお客様からも、「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
空き家の取り扱いに慣れており、信頼できる買取業者に依頼したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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なお、空き家買取に強い買取業者ついては、以下の記事で特徴別に紹介していますので、参考にしてください。
複数の買取業者に依頼する
次に、選んだ複数の買取業者に空き家の買取価格の見積りを依頼しましょう。
買取価格を比較するだけでなく、営業担当者の信頼度を比較するためにも複数社の買取業者に見積りを依頼する必要があります。
できるだけ高く売却することも重要ですが、他の買取業者と比較して高すぎる場合にも注意が必要です。
なぜなら、はじめに高い査定価格を提示しても、売買契約を締結する直前になって金額を下げてくるなどの業者がいるからです。
査定価格にどのような根拠があるのか等も重要ですので、複数の買取業者に見積を依頼し、下記の点にも注意して実際に電話や連絡をして、信頼できて尚且つ高く買い取ってくれる買取業者を選びましょう。
- 査定価格や質問の応答に根拠があるか
- 売主にとってのメリットだけでなく、デメリットやリスク等も説明してくれるか
- 折り返しの電話やメールの返信は遅くないか
- むやみに売却を急かしてこないか
必要に応じて買取価格を交渉して一つの買取業者に絞る
やりとりを通して1番信頼できると感じた買取業者が、最も高い見積金額を提示した場合は、その買取業者に依頼しましょう。
1番信頼できる業者と1番高い見積金額を出してくれた業者が異なる場合は、信頼できると感じた買取業者に1番高い見積金額を提示して買取価格を交渉してみましょう。
必ずしも提示した高い金額で買い取ってもらえるとは限りませんが、できるかぎりの対応をしてくれる可能性はあります。
数万円程度の誤差であれば、1番見積金額が高い買取業者より、1番信頼できそうな買取業者に頼んだ方が安心です。
売買契約締結の直前になって買取価格を下げてきたり、売却後に契約不適合責任がついていなかった等のトラブルを回避するためです。
空き家の売却後に使える3つのおトクな特例
不動産を売却し、所得が生じた場合、譲渡所得税の支払いが発生します。
しかし特例を活用すれば、支払わなければならない税金の金額を抑えることが可能です。
譲渡所得税を軽減する特例は以下の3つです。
- 相続した空き家の3000万円特別控除
- 10年超所有軽減税率の特例
- 相続した空き家の取得費加算の特例
売却した空き家が特例の条件を満たし、適切に手続きすれば税金を抑えて手元に多く現金を残すことができます。
ぜひチェックしてみてください。
相続した空き家の3000万円特別控除
通常、不動産を売却した場合には売却額に応じて譲渡所得税を支払わなければなりません。
譲渡所得税は、空き家を取得するのにかかった費用やその他諸経費を売却額から差し引いた額(譲渡所得)に対して、所有期間に応じた税率をかけて算出されます。
しかし相続によって得た空き家の売却であれば、譲渡所得から3000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」通称「空き家特例」が適用されるかもしれません。
ただし、控除を受けるための条件は以下のようにかなり厳しく、適用される期間は令和5年(2023年)12月31日までの売却に限ります。
適用される空き家の条件(一部)
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた
- 被相続人が1人で住んでいた
- 相続から売却までずっと空き家
- 新耐震基準を満たしている、または耐震リフォーム済み
- 売主と買主が、親族など特別な関係でない
- 相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却 など
参照元:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
空き家特例について詳しい適用条件などを知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。
10年超所有軽減税率の特例
10年以上所有した空き家、又は家屋解体後の更地を売却した場合、譲渡所得税の税率が軽減される特例です。
ただし、売却した年の1月1日時点で空き家の所有期間が10年を超える必要があります。
また、更地にした土地にこの特例を適用するためには、家屋を解体した日から1年以内に売買契約が締結され、尚且つ住まなくなった日から3年が経つ年の12月31日までに売却していなければなりません。
この特例の特筆すべき点は、前述した3000万円控除の特例と併用が可能な点です。
下記のように、譲渡所得が6000万円未満であれば税率が下がるので、3000万円控除を併用してさらに手元に残る金額を大きくしましょう。
譲渡所得額 | 6,000万円以下の部分 | 6,000万円超の部分 |
---|---|---|
譲渡所得税率 | 14.21% | 20.315% |
参照元:国税庁|No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
10年超所有軽減税率特例については、以下の記事で詳しく解説しています。
相続した空き家の取得費加算の特例
相続した空き家の取得費加算の特例は、相続や遺贈(故人の「遺言」によって遺産の一部または全てを無償で譲ること)によって取得した空き家を売却した場合、譲渡所得の計算に用いる取得費に、相続税の一部を加算できる特例です。
相続税の一部を取得費に加算できることで、その分譲渡所得にかかる所得税を抑えられます。
この特例を利用するには、相続税の申告期限の翌日から3年が経つまでに譲渡している必要があります。
またこの取得費の特例を申請できるのは、下記要件を全て満たした人です。
- 相続、遺贈等によって空き家を取得した人
- 空き家を取得した人が相続税を納めた人
- 相続した空き家を相続開始日から3年10ヶ月以内に売却していること
参照元:国税庁|No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続した空き家の取得費加算の特例については、以下の記事で詳しく解説しています。
自治体の空き家バンクの利用はおすすめできない
買取以外にも、空き家バンクを利用して空き家を売却する方法もあります。
空き家バンクは自治体が運営している空き家の売り手と買い手をマッチングさせるサイトで、サイトへの登録は無料です。
ただし、空き家バンクを利用した空き家売却はあまりおすすめはできません。
そもそも、空き家バンクに登録されている空き家は空き家全体の0.16%(令和5年12月時点)に過ぎず、普及が進んでいるとはいえません。
そのため、空き家を管轄する自治体が空き家バンクを運営していない可能性があります。
また、空き家バンクを利用した不動産売買の成約率は20%であるため、登録したところで売却できる見込みは低いでしょう。
空き家を買取相場以上で売却したいのであれば、空き家バンクではなく、空き家買取に強い専門の買取業者に依頼することをお勧めします。
まとめ
この記事では、空き家の買取相場の調べ方や、買取相場よりも高く空き家を売却する方法等について紹介しました。
空き家の買取相場は、あくまで類似した物件がいくらで売れたのか等の情報からおおよその金額を推測することしかできません。
なぜなら空き家の買取価格は、築年数や構造だけでなく、実際の空き家の状態や駅・市街地等へのアクセスの良さなどによっても大きく異なるからです。
そのため、正確な買取価格を知りたい場合や、買取相場より高く買い取って欲しい場合は、空き家買取に強い専門の買取業者に依頼すると良いでしょう。
専門の買取業者であれば、空き家の買取実績が豊富なため、適正な買取価格を素早く提示してくれます。
さらに、空き家を活用して利益を生み出す様々なノウハウがあるため、老朽化が進んだ空き家であっても高値で買い取ってくれる可能性があります。
弊社Albalinkも空き家買取に強い専門の買取業者です。
空き家をはじめとした不動産の豊富な買取実績600件以上(2023年1月〜10月時点)をもとに、あなたの空き家をできる限り高値で買い取ります。
全国どこでも買取可能ですので、まずは下記無料買取査定フォームからお気軽にお問い合わせください。