浄化槽とは水をきれいにする装置のこと
浄化槽とは、一般家庭等から出た汚水等をきれいな水にする装置のことです。
浄化槽の構造例、セブティックタンクの構造例
引用元:浄化槽の基本構造と特長【環境省】
貴重な水資源を守るために、汚水等を適正に処理するのが浄化槽の役目となり、下水道が完備されていない地域に設置されているケースが多くなります。
日常生活で使う多くの水は、最終的には汚水となり家庭から排出されますが、何も処理しないまま汚水を川や海に流せば水質汚濁が進むなど、環境的に全く良いことではありません。
水資源と自然環境を守るために、下水道が完備されていない立地の住宅では浄化槽の完備が必要です。
家の浄化槽は点検・清掃しないとどうなる?
浄化槽は、定期的に保守点検や清掃をしないと悪臭の原因となります。
なぜなら、保守点検や清掃をしなければ浄化槽自体が機能低下を起こし、適正な処理ができないことで汚物流出などを起こしてしまうからです。
強烈な悪臭は人々に不快な思いを与え、快適な住環境を阻害する要因となり、ご近所トラブルに発展するおそれがあります。
実際、弊社アルバリンクが実施したご近所トラブルに関するアンケートによると、悪臭は「第4位」にランクインしています。
経験したご近所トラブルランキング(428人にアンケートを実施)
ご近所トラブルにならないためにも、浄化槽の定期的な点検や清掃は必要です。
なお、ご近所トラブルに関して詳しく知りたい場合には、以下の記事を参考にしてください。
空き家に浄化槽があると浄化槽法が適用される
空き家に浄化槽があると、浄化槽法が適用されます。
1985年10月1日に施行された浄化槽の設置、保守点検、清掃等適正な維持管理を目的とした法律。
参照元:浄化槽法【e-gov法令検索】
浄化槽法では、主に下記内容について取り決めがされています。
・浄化槽の清掃や汚泥の引き抜き、法定検査を年に1回の頻度でおこなう
・消毒剤の補充などを4か月に1回以上の頻度でおこなう(家庭用の小型浄化槽の場合)
浄化槽は、浄化槽法に基づき上記内容のメンテナンスを行うことが必須となっています。
空き家に浄化槽がある場合も例外はなく適用され、自治体からの指導を受けても改善されなければ、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることがあります。
よって、居住か否かに関係なく浄化槽は定期的な点検が必要であり、仮に空き家であれば建物や敷地、浄化槽の管理を定期的に行わなければならないため、管理の部分では負担が重くのしかかります。
空き家で浄化槽を使わない場合の3つの対策
人が住まない空き家では、汚水が出ることはなく、そもそも浄化槽を使うことはありません。
よって、空き家に浄化槽がある場合には、悪臭の抑制や法的な観点から対策が必要です。
居住や活用予定がない空き家で浄化槽の保守点検や撤去などの対策が難しい場合には、専門の買取業者への売却がおすすめです。
専門の買取業者は、浄化槽があるなど、どんな訳あり要素がある空き家でも問題なく買取れます。
また、買取業者への売却では買主を探す手間がなく現金決済となるので迅速に手続きを進められ、引き渡し後の契約不適合責任についても追及されることはありません。
なお、浄化槽がある空き家を少しでも高く売るなら、株式会社アルバリンクがおすすめです。
弊社アルバリンクでは、専門家との連携により空き家を迅速に商品化するスキームの構築と、投資家への売却など独自販路を確立しているため、積極的な空き家買取ができます。
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空き家の期間が1年程度の場合は保守点検する
なぜなら、浄化槽は年に1回検査機関による保守点検を受けることが、浄化槽法で義務付けられているからです。
浄化槽の保守点検は、専門業者に依頼します。
自治体等からの指定は特にないため、専門業者の複数社に見積もりを取り、保守点検の内容や費用等について比較検討して決めていきます。
なお、実際年1回の保守点検の費用は、30,000円~50,000円程度が目安です。
浄化槽の点検を行うことがなければ、法令違反となります。
さらに、浄化槽が正常に作動しないことで汚水が川や用水路に垂れ流しとなり、悪臭や水質汚染、生態系の破壊など深刻な環境汚染につながるおそれがあります。
よって、空き家に浄化槽があったら年に1回の保守点検は必須です。
また、点検時に正常に作動させるには、月に1回程度の清掃や点検などのメンテナンスを忘れずに行うほうが良いでしょう。
特に保守点検時には、浄化槽が正常に作動するかの確認で通電が必要となるため、電源が入ることは重要です。
空き家の電気代を節約する方法についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
1年以上使わない場合は「浄化槽使用休止」の届けを出す
1年以上浄化槽を使わない場合は、「浄化槽使用休止」の届けを空き家が所在する自治体に提出する方法があります。
浄化槽使用休止届出書
引用元:浄化槽使用休止届出書【静岡市】
「浄化槽使用休止」の届けを出せば、法律で決められた点検等を行わずに済みます。
また、浄化槽使用休止する前には、浄化槽内の水抜きや清掃を行うことが必要です。
さらに、蓋などが劣化して欠けていないかなども確認し、雨水の侵入等で溜まった水の腐敗を原因とした悪臭も防止しておきます。
よって、浄化槽使用休止するときには、届けを自治体に提出するだけでなく、浄化槽自体のメンテナンスも必須です。
なお、浄化槽の休止にあたり虚偽の届出をすると、5万円以下の過料となるので注意しましょう。
浄化槽を撤去する
今後使用予定がなければ、浄化槽自体を撤去する方法があります。
浄化槽を撤去できれば、浄化槽法に基づく清掃などの維持管理を行わずに済むからです。
浄化槽の撤去費用は、浄化槽に使われている素材がコンクリートかFRP(繊維強化プラスチック)か、浄化槽のサイズにより異なります。
コンクリート製であれば7~15万円程度、FRP製であれば2~5万円程度、さらに浄化槽の撤去の前には清掃が必要なため、別途3万円程度が必要です。
そのため、浄化槽の撤去費用は住宅の解体と同時に行った場合に、5~18万円前後の費用が掛かります。
「浄化槽使用休止」の届けを出す3つのメリット
「浄化槽使用休止」の届けを出すメリットは、浄化槽法で定められた義務が免除されることです。
以下に、具体的なメリットをご紹介します。
「浄化槽保守点検」をする必要がなくなる
浄化槽保守点検をする必要がなくなります。
保守点検業者が浄化槽の装置の点検やメンテナンス、修理や消毒薬の補充をすること。
浄化槽の機能低下や水質悪化を招くことなく、正常に稼働できることを目的に行われる。
参照元:浄化槽の保守点検【愛知県】
浄化槽保守点検は年間に3~4回程度、費用相場は1~2万円程度です。
浄化槽使用休止届けを出すことで、年間3~8万円程度の費用負担を削減できることがメリットとなります。
「浄化槽清掃」をする必要がなくなる
浄化槽清掃をする必要がなくなります。
浄化槽の清掃は年に1~2回程度、費用相場は浄化槽のサイズにもよりますが2~3万円程度です。
そのため、浄化槽清掃がなくなることで、年間2~4万円程度の費用負担を削減できるメリットがあります。
「法定検査」をする必要がなくなる
法定検査をする必要もなくなります。
法定検査には、7条検査と11条検査があります。
浄化槽が正常に稼働しているか、処理する水に問題がないかの検査を行うこと。
浄化槽を設置してから3~8か月間に一度だけ受ける検査。
浄化槽の保守点検や清掃が適正に行われているかを確認する検査。
毎年1回定期的に行われる。
愛知県の場合、浄化槽のサイズにより7条検査の費用は11,000~30,000円、11条検査の費用は6,000円~26,000円となります。
参照元:7条検査の手数料【愛知県】
参照元:11条検査の手数料【愛知県】
浄化槽使用休止届けを出すことで、これら費用を削減できるメリットがあります。
「浄化槽使用休止」の届けを出す2つのデメリット
「浄化槽使用休止」の届けを出すデメリットは、以下のとおりです。
「浄化槽使用休止」の届けを出すまでの手続きが大変
浄化槽使用休止の届けを出すまでの手続きが大変なことです。
書面で届けを出すだけでなく、浄化槽の清掃や消毒など適正な処理が必要となります。
詳しくは、後述する「浄化槽使用休止の届けを出すまでの手順」にてご確認ください。
また使うには「浄化槽使用再開届」を出す必要がある
使用休止した浄化槽を再度使用するには「浄化槽使用再開届」を出す必要があります。
浄化槽を再開した日から30日以内に「浄化槽使用再開届出書」を自治体の窓口に提出します。
雛形は、自治体のホームページからダウンロードできます。
再開前に業者の点検も必要
浄化槽の再開前には、専門業者による点検が必要となります。
その理由は、休止中の浄化槽は消毒剤が撤去されているなど、正常に稼働できない状態であるからです。
再開前には、保守点検業者に連絡して、正常に稼働できるように点検を受けてから使用します。
「浄化槽使用休止」の届けを出すまでの手順
本章では、「浄化槽使用休止」の届けを出すまでの手順をご紹介します。
【手順1】浄化槽を清掃する
浄化槽を清掃しておきます。
浄化槽内の汚水や汚泥などを取り除かずに、地中等に放出してしまえば不法投棄になってしまうからです。
よって、浄化槽使用休止にするときには、水抜きを行うなどの浄化槽の清掃が必須となります。
【手順2】浄化槽の消毒薬の撤去を行う
浄化槽内にある消毒薬の撤去を行います。
消毒薬を浄化槽内に残置することで、浄化槽を使わずに劣化して亀裂が入った場合に消毒薬が漏れ出し、土壌汚染等になる可能性があるからです。
つまり、使用しない浄化槽には消毒薬がない状態にします。
【手順3】清掃記録表を作成する
清掃記録表を作成してもらいます。
浄化槽の使用休止のための清掃記録です。
【手順4】「浄化槽使用休止」を県のホームページでダウンロードする
「浄化槽使用休止」を県のホームページでダウンロードします。
ダウンロードした雛形に必要箇所を記入し、自治体に提出すれば完了です。
例えば、静岡市では公式ホームページ内で雛形を簡単に取得できます。
参照元:浄化槽使用休止届【静岡市】
浄化槽がある空き家は買取専門業者への売却がおすすめ
浄化槽や空き家の管理が面倒、もしくは管理に関する費用負担が重い、遠方住まいで管理自体に労力をかけられないときには、買取専門業者への売却がおすすめです。
不動産業者が買主となり、売買手続きを進めていく方法。
訳あり物件などは買取専門業者に売却することで、迅速な現金化が可能となる。
なぜなら、買取業者は浄化槽付きの空き家など訳あり要素がある不動産でも、気にすることなく買取ができるからです。
買取業者に売却することで、浄化槽や空き家の管理がなくなることが一番のメリットと言えるでしょう。
他にも、以下のようなメリットがあります。
・売却のための費用がかからない
・契約不適合責任が問われない
買取業者に売却するメリットは、売却が短期間で完結できることや仲介手数料などの費用が一切かからないことです。
他にも、買主が不動産業者のため不具合があることを予め認識して買取するので、契約不適合責任が問われないこともメリットと言えるでしょう。
仲介で売却するときに、不動産業者に支払う手数料。
仲介手数料は、売買取引が成立した場合のみに支払う成功報酬となっている。
なお、売却方法として仲介という方法もあります。
浄化槽を使用している空き家でも、最寄り駅から徒歩10分以内など立地条件が良い場合には、仲介で買い手が見つかる可能性があります。
弊社がおこなったアンケート調査によると、マイホームの購入者がもっとも優先している条件は「立地」であるためです。
しかし最寄り駅から徒歩で15分以上かかる、かつ汚水の処理に浄化槽を使用している空き家は個人の買い手からは敬遠される傾向にあるため、浄化槽付きの空き家をできる限り早く売却したいのなら、買取専門業者へ相談することをおすすめします。
仲介と買取の違いについてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
買取専門業者だと浄化槽に問題があった場合でも免責になる
買取専門業者だと浄化槽に問題があった場合でも、契約不適合責任を免責にできます。
売買契約前に買主が思ったような物件でない場合に、売主に異議申し立てができる権利。
買主には、修補、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除の権利がある。
買取専門業者から空き家の引き渡し後に、契約不適合責任を追及されることはありません。
その理由は、買取専門業者は空き家買取のプロであり、当然に建物の状態や浄化槽の撤去等に関する専門的な知識やノウハウがあるためです。
また、買取専門業者は、空き家に修繕や改良を施し商品化して再販するビジネスを展開しており、建物等の不具合等を全て把握したうえで買取を進めている、という理由もあります。
よって、浄化槽が付いた空き家など、一般的消費者には流通しにくい不動産であれば、買取専門業者への売却がおすすめとなります。
なお、契約不適合責任についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
空き家の売却はアルバリンクにお任せ
浄化槽付きなど空き家の売却は、株式会社アルバリンクにおまかせください。
なぜなら、他社よりも高く売却できる可能性があるからです。
弊社アルバリンクでは、専門家との連携により空き家を迅速に商品化できるスキームと、投資家等への売却など独自販路を確立しているため、積極的な空き家買取ができます。
たとえば下記のような「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績があります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
まずは、弊社アルバリンクの無料査定をご利用ください。
まとめ
本記事では、浄化槽付きの空き家の管理方法や浄化槽を使わない場合の対策等について解説してきました。
原則、空き家に住まないからと浄化槽の放置をすると浄化槽法に違反してしまうため、定期点検や浄化槽使用休止届などの対策が必要です。
一方で、定期点検や浄化槽の撤去には費用負担が生じることや、浄化槽使用休止届を出すには浄化槽の水抜きや消毒薬の除去など所定の準備が必要であるなど、手続き自体が複雑というデメリットもあります。
よって、浄化槽がある空き家の居住や活用予定がない場合には、売却で手放すことがおすすめです。
売却先は、浄化槽がある空き家でも問題なく迅速な買取ができる買取専門業者が良いでしょう。
なお、弊社アルバリンクでは、数ある買取専門業者のなかでも高く買取ができる可能性があります。
その理由は、各専門家との連携で空き家を迅速に商品化できるノウハウと商品化後の投資家等への独自販路が確立しており、積極的な空き家買取を行っているからです。
実際、空き家を高く買い取る不動産業者として、フジテレビ「イット」など多くのメディアで紹介されています。
まずは、弊社の無料査定をご利用ください。