底地売却前に知っておきたい2つのポイント
底地の売却を進める前に、まずは底地特有の性質と法的なルールを把握しておきましょう。
事前に知っておくべき重要なポイントは、以下の2つです。
底地は一般的な土地より売却しにくい
底地は、一般的な居住用の土地に比べて購入希望者が限定されやすく、仲介で売り出しても長期間買い手が見つかりにくい傾向にあります。
不動産会社が売主と一般の買主の間に入り、広告などを通じて買い手を探し、売却を成立させるサービス
成約時に仲介手数料が発生する
一般のマイホーム購入層が底地を敬遠する理由は、主に以下2つです。
- 買い手が自由に土地を使用・再建築できない
- 担保評価が低く、銀行の住宅ローン融資を受けにくい
このように、底地は購入しても自由な活用ができず、融資の面でもデメリットが大きいため、仲介による一般の個人への売却難易度は極めて高くなります。
なお、底地の売却が難しい理由については、以下記事で詳しく解説いたします。
関連記事:底地が売却できない4つの理由|不動産のプロが確実に売る方法を解説
底地の売却に借地人の承諾は不要
底地のみを第三者へ売却する際、借地人の承諾や同意を得る必要はありません。
なぜなら、民法第206条に「所有者は自由にその所有物の処分をする権利を有する」と定められているからです。
底地は地主の所有物なので、借地人に対して売却後に「所有者が変わった事実」を通知するだけで問題ありません。
ただし、以下の売却方法の場合、借地人との事前の協議が不可欠となります。
底地のみを売却する場合は承諾不要です。
しかし、事前の説明なしに進めると、不信感を持った借地人が売却手続きに協力してくれなくなるなど、トラブルの元になります。
法的な義務はなくても、事前に一言伝えておくのがスムーズに手放すコツです。
底地の売却の借地人の同意に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:底地の売却に借地人の同意は不要!トラブルを防ぐためのコツも解説
底地を売却する5つの方法と売却先別相場
底地を売却する方法は、大きく分けて5つです。
売却方法によって、相場や手放せるまでの期間、借地人との協議の有無が大きく異なります。
それぞれの特徴を以下の比較表にまとめました。
| 売却方法 | 売却相場 | 売却期間 | 借地人との協議 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 借地人へ底地を売却する | 更地価格×50%程度 | 中 | 必要 | 高値売却を目指したい人 |
| 借地人と底地・借地権を同時売却する | 相場に近い価格 | 中〜長 | 必要 | 地主・借地人双方が土地を手放したい場合 |
| 底地と借地権を等価交換してから売却する | 相場に近い価格 | 長 | 必要 | 権利関係を整理して売りたい人 |
| 投資家など第三者へ仲介で売却する | 更地価格×10~15%程度 | 長 | 不要 | 収益性の高い底地を持つ人 |
| 底地専門の買取業者へ売却する | 更地価格×10~15%程度 | 短 | 不要 | 早期売却を重視する人 |
以下で詳しく解説します。
借地人へ底地を売却する|更地価格×50%程度
借地人へ底地を売却すれば、第三者に売るよりも高い「限定価格(更地価格の50%程度)」で買い取ってもらえる可能性があります。
なぜなら、借地人には、底地を買い取ることで「借地権」と「所有権」がひとつになり、土地全体を完全に自分のものにできるメリットがあるからです。
特定の関係者間でのみ成立する、市場相場より高額な特別な価格
底地を高額で売却できる可能性のある方法ですが、借地人に「土地を買い取るだけの資金力」がなければ売却は成立しません。
また、価格の折り合いがつかずに話し合いが長期化しやすい点も考慮しておきましょう。
限定価格については、以下の記事で詳しく解説しております。
関連記事:借地人が底地を買い取る場合の限定価格の相場は?購入する流れも解説!
借地人と底地・借地権を同時売却する|相場に近い価格
借地人と協力して底地と借地権を同時売却すれば、一般の不動産市場の相場(更地価格)に近い高値での売却が期待できます。
なぜなら、同時売却によって買い手が土地を自由に使えるため、市場での需要が高まり、買い手を見つけやすくなるからです。
地主の底地と借地人の借地権をまとめ、通常の更地として第三者へ売却すること

売却して得たお金は、それぞれの権利の価値(底地割合・借地権割合)に応じて地主と借地人で分け合います。
土地の更地価格に対して、地主の持つ底地権が占める価値の割合
土地の更地価格に対して、借地人の持つ借地権が占める価値の割合
同時売却の場合、底地と借地権を単独で売却するよりも多くの現金を残せるため、双方が「土地を手放したい」と考えているなら、有効な選択肢です。
ただし、売り出し価格やタイミング、依頼する不動産会社の選定など、すべてのステップで借地人と協議しなければならないため、現実的にはハードルの高い方法といえます。
底地と借地権を等価交換してから売却する|相場に近い価格
底地と借地権の一部を等価交換してから売り出すことで、権利関係が整理された普通の土地として、相場に近い価格での売却が可能です。
地主の底地と借地人の借地権を同じ価値で交換し、それぞれの単独所有地にすること
等価交換すれば、地主・借地人がお互いにお金を出すことなく、それぞれが「完全な所有権を持つ普通の土地」を手に入れられます。
ただし、土地を2つに分けるためには、ある程度の広い敷地が必要です。
また、お互いの土地の価値をぴったり合わせるための測量や鑑定といった手続きに費用と長い期間(半年〜1年以上)がかかる点がデメリットです。
投資家など第三者へ仲介で売却する|更地価格×10~15%程度
収益性の高い底地を所有しているなら、高額な売却額は見込めないものの、投資家など第三者へ仲介で売却する方法もあります。
一般的なマイホームを探す個人とは異なり、投資家は土地の「収益性」を重視して購入を判断するため、毎月の収益が高いほど、買い手が見つかりやすいです。
ただし、投資家が購入しても通常の土地のように自由に扱えない制限は残るため、売却価格は更地価格の10〜15%程度と大幅に安くなってしまいます。
さらに、買い手が限定される分、一般的な不動産よりも売却までに長い期間(数ヶ月〜1年以上)がかかる傾向にあるため、現金化を急いでいない場合の選択肢です。
底地専門の不動産買取業者へ売却する|更地価格×10~15%程度
底地専門の不動産買取業者へ売却すれば、更地価格の10〜15%程度ではあるものの、借地人との調整なしに最短数日で売却できます。
不動産買取業者が自らが「買主」となって直接物件を買い取るサービス
買取の最大のメリットは「スピード感」です。
専門の不動産買取業者が直接買い取るため、仲介のように買主を探す期間が不要で、早ければ1週間から1か月ほどで底地を現金化できます。
もちろん、借地人との協議は不要です。
買い取った後の借地人との交渉や権利整理はすべて専門の不動産買取業者が引き受けてくれるため、あなたは手間もストレスもかけずに、面倒な管理の負担から解放されます。
「借地人と揉めたくない」「とにかく早く、底地を手放したい」という場合におすすめの方法です。
底地の買取や買取業者の選び方、おすすめの買取業者16選は以下の記事で詳しく解説しております。
関連記事:底地の買取業者おすすめ16選|高く売る方法と選び方を解説
アルバリンクが底地を100万円で買取した事例
弊社アルバリンクは訳あり物件専門の買取業者として、地主と借地人がトラブルになっているなど、他社では断られるような底地を多数買い取ってきました。
たとえば、弊社では以下のような底地を100万円で買い取った実績もあります。
引用元:アルバリンクの買取事例
このような、底地であっても弊社が買い取れる理由は以下の2つです。
- 土地の利権に強い弁護士と提携しており、利権問題を解決した上で運用・再販できるため
- 借地の再販先が豊富であり、買取に際して費用がかかっても(承諾料など)利益を生み出せるため
実際、弊社は底地をはじめ、訳あり不動産の買取実績が2,000件以上(2025年1月〜12月時点)あり、これまで買取をおこなったお客様からも「買い取ってもらえてホッとした」「早く依頼すればよかった」といった好意的な評価を多数いただいております。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
底地を手間や費用をかけることなくスムーズに売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定より物件の価値をお確かめください。
底地の売却価格を決める4つの要素
底地の売却価格は、主に以下の4つの要素によって左右されます。
土地の条件
底地は、通常の土地と同じく、条件がいいと売却価格は高くなります。
底地の価格を左右する土地の条件は、以下のようなものがあります。
- 駅からの距離や、周辺地域における土地の人気の高さ
- お店やマンションを建てて収益を狙える「商業的な価値」
- 道路に面している状況(接道状況)
これらの条件がいい底地は、将来的に借地契約が終わったあと「自由に建物を建てたり、更地にして高値で売却したりしやすい土地」のため、不動産会社からの査定価格が高くなりやすいです。
さらに、敷地に十分な広さがあり「等価交換による分筆」や「借地人との同時売却」ができる土地であれば、高値で手放せる可能性が広がるため、評価は一層高くなるでしょう。
登記簿上の1つの土地を、切り離して複数の土地に分けること

借地権の種類と契約内容
借地人の持っている「借地権の種類」によって、底地の売却価格は左右されます。
各借地権の特徴と価格への影響は以下の通りです。
| 借地権の種類 | 特徴 | 売却価格への影響 |
|---|---|---|
| 旧法借地権 | 大正時代の借地法に基づいた借地権。 借地人の権利が強く、永続的に自動更新されやすいため、土地が戻ってくる可能性はほぼない。 | 安くなりやすい |
| 普通借地権 | 平成4年施行の借地借家法に基づいた借地権。 地主側に「正当な事由」がない限り基本的には更新され続ける。 | 安くなりやすい |
| 定期借地権 | 契約期間が終了すれば更新されない。 期間満了後は、更地になって地主の元に土地が戻ってくる。 | 比較的高値がつきやすい |
将来的に地主の元へ土地が戻ってくることが確定している「定期借地権」の底地ほど、買い手にとって将来的な活用の見通しが立ちやすいため、価格は高くなりやすいです。
借地権については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:旧借地権と新借地権の違いは?契約内容の注意点、リスクをわかりやすく解説
地代・更新料・承諾料
毎月の地代や各種一時金の金額は、底地の売却価格を大きく左右する重要な要素です。
底地は「土地から得られる定期的な収入」そのものが価値となる不動産です。
そのため、毎月の地代が周辺相場に合っており、十分な利益を得られる土地ほど、査定価格は高くなります。
注意したいのは、親の代から地代を値上げしておらず、長期間安いまま据え置かれているケースです。
周辺の相場よりも極端に地代が低い底地は、「購入してもほとんど利益を生まない土地」とみなされるため、売却価格が下がってしまう可能性が高くなります。
また、「更新料」や「承諾料」の取り決めも重要な評価対象です。
借地契約の期間更新時に、地主へ支払う金銭
契約書に定めがある場合、支払う義務が生じる
建物を増改築や譲渡する際、地主の承諾を得る対価として支払う金銭
契約書に定めがある場合、支払う義務が生じる
これらの費用を受け取れる契約になっているかは、底地の価値に影響します。
底地を売却する前の適正な地代・更新料への改定については、のちほど詳しく解説いたします。
借地人との関係性やトラブルの有無
借地人との関係性は、底地の売却価格や売却のしやすさを左右する要素です。
底地の購入は、地主の権利だけでなく、借地人との人間関係や権利関係まで引き継ぐことを意味するからです。
底地の売却価格に影響するトラブルには、主に以下のようなものがあります。
- 借地人の地代の度重なる滞納
- 地主の承諾を得ていない無断の増改築
- 借地条件や権利を巡る深刻な対立
借地人とのトラブルが解決していない状況では、買い手は購入直後から、滞納者への督促や契約の是正といった「面倒な話し合い」をゼロから行わなければなりません。
この手間やリスクが売却価格から差し引かれてしまうため、トラブルのある底地は安値がつきやすいのです。
そのため、将来的な売却を見据えて日頃から借地人と良好な関係を築いておくことは、底地の資産価値を守るうえで重要です。
借地人との良好な関係性を維持する方法については、後ほど詳しく解説いたします。
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底地を売却するメリット・デメリット
底地を売却するメリットは、以下の3点です。
- まとまった現金が手に入る
- 相続税・固定資産税の負担が解消される
- 借地人との交渉ストレスからの解放される
底地は自由に活用できないにもかかわらず、相続税の評価額が高く設定される傾向があります。
そのため、「土地はあるが現金がない」状況に陥り、相続税を払うために借金を背負うケースも珍しくありません。
底地をあらかじめ売却して現金化しておけば、相続発生時の納税リスクを防げます。
また、売却後は地代の滞納交渉や借地人からの問い合わせ対応といった、管理ストレスからも解放されるでしょう。
一方、底地の売却には以下のようなデメリットもあります。
- 地代収入がなくなる
- 一般の更地相場より査定額が低い
底地は買主が土地を自由に活用できないため、一般的な土地と比較すると、更地価格の10%〜40%程度と低くなる傾向があります。
そのため、売却を検討する際は「安くなってでも迅速に現金化したいか」それとも「低い売却額を受け入れるくらいなら、わずかな地代でも残したいのか」を、冷静に決断しましょう。
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底地を売却するための3つのポイント
底地は権利関係が複雑なため、ただ売り出しても買い手は見つかりません。
適正価格での売却が可能にするために、以下の3つのポイントを知っておきましょう。
借地人と良好な関係性を維持する
借地人との良好な関係性は、底地を売却する際の重要な武器になります。
借地人にとって底地の購入は、土地の「完全な所有権」を得られるメリットがあるからです。
第三者に売却するよりも、借地人に買い取ってもらう方が、高値かつスムーズに取引が成立するケースが多く見られます。
また、良好な関係が築けていれば、「同時売却」や「等価交換」といった交渉もしやすくなるでしょう。
しかし、借地人との関係が悪化していると、話を切り出した瞬間に警戒され、交渉が決裂するリスクが高まります。
良好な関係を築くためには、地代の受け渡しや契約更新といった事務的なやり取りだけでなく、日頃から「相談しやすい地主」としての姿勢を見せておくことが大切です。
たとえば、良好な関係を築くために、以下のような行動を意識してみましょう。
- 定期的な挨拶や連絡を行う
年賀状や季節の挨拶など、事務的なやり取りだけでなく、顔を合わせる機会をつくる - 借地人の要望(修繕・改築)には柔軟に対応する
法的な要件を満たしている場合、承諾書の発行を迅速に行うなど、借地人の生活を尊重する - 契約内容や金銭のやり取りを透明化する
地代の支払いや更新料などのルールを契約書で明確にし、不明瞭な点をなくす
このような日々の信頼の積み重ねが、売却を打診した際に買主の前向きな姿勢を引き出し、トラブルのない円滑な取引へと繋がるのです。
売却前に適正な地代・更新料に改定する
底地を円滑に売却するためには、地代や更新料の契約内容を現代の基準に整え、買主が「将来の収益を予測しやすい物件」にしておきましょう。
底地を買う投資家は、「その土地が将来的にどのくらい収益が得られるか」を重視します。
もし、地代が古いままで安かったり更新料の取り決めが曖昧だったりすると、「収益性が低く、将来の管理も不安定」と判断され、査定価格が低くなってしまいます。
地代や更新料を改定するための手順は以下の通りです。
- 周辺の地代相場を把握する
不動産業者に依頼して周辺の地代相場を調査し、客観的な数値で現在の条件を比較する - 「契約の整理」として相談する
「値上げ」ではなく「将来の売却に向けた契約のクリーン化」を目的として、借地人に相談する - 必要に応じて専門家に間に入ってもらう
直接交渉で感情的な対立が懸念される場合は、不動産コンサルタントや弁護士といった専門家を介すことで、冷静かつ公的なルールに基づいた合意が可能となる
契約内容を適正化するのは、底地を買主へ「安心して引き継げる物件」にするための重要な売却準備です。
複数の不動産業者に査定を依頼する
底地を売却する際は、必ず複数の不動産業者に査定を依頼して比較しましょう。
底地の査定額は、不動産業者によって差があります。
なぜなら、不動産業者ごとに、底地の「取り扱い実績」や「売却ルート」が異なるからです。
一般的な不動産業者の場合、権利関係の複雑な底地は「売れにくい物件」と判断され、不当に低い査定額を提示されるケースが珍しくありません。
しかし、底地の買取実績が豊富な不動産買取業者であれば、独自の再販ルートや再生ノウハウがあるため、他社より高値で買い取ってくれる可能性があります。
また、査定額を比べる際は「その金額が提示された根拠」を確認しましょう。
不動産業者の中には、契約を結びたいがために、相場とかけ離れた高額査定を提示する会社も存在します。
真に受けて売り出すと、長期間売れ残った末に、値下げを繰り返すことになりかねません。
提示された金額の高さだけに飛びつくのではなく、納得のいく根拠を示してくれる業者を選ぶことが、損をしない売却先を見つけるポイントです。
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底地売却時に押さえておきたい5つの注意点
底地を売却する際は、権利関係の整理や借地人への配慮など、事前準備が重要です。
売却活動をスタートする前に、注意しておきたいポイントは5つあります。
売却の意思を借地人へ伝えておく
底地を第三者へ売却する場合は、事前に借地人へ売却の意思を必ず伝えましょう。
「底地の売却に借地人の承諾は不要」で解説したとおり、底地は借地人の承諾なしで自由に売却可能です。
しかし、事前の通知を怠ると「聞いていない」と借地人が不信感を抱き、関係悪化や現地調査を拒否されるなど売却活動自体を妨害されるリスクが生じます。
また、事前に声をかけておくことで、借地人自らが「それなら自分が買い取りたい」と名乗り出てくれるきっかけにもなります。
無用なトラブルを避け、売却の手続きを円滑に進めるためにも、事前に説明しておくことが大切です。
契約書がない・内容が不明な場合は事前に確認しておく
借地契約書がない、あるいは内容が不明確な場合は、売却前に現状を確認しておきましょう。
契約内容が曖昧なままだと、購入後に起きる以下のようなトラブルを警戒され、買い手がつきにくいです。
- 借地人から地代の値上げを拒否される
- 更新料や承諾料がもらえない
底地の売却価格は、借地権の種類や毎月の地代、更新料の有無といった契約内容によって変動します。
そのため、親の代からの口約束などで書類が一切残っていない物件は、「リスクが高すぎる」と買取自体を拒否される恐れがあります。
売却活動をスムーズに進めるためには、事前に借地人と現状の条件をすり合わせ、内容を明確化した契約書を作成しておきましょう。
相続した底地にかかる相続税が高くなる恐れがある
底地を相続で取得した場合、実際の売却額よりも、「相続税」の方が高くなってしまう恐れがあります。
売りづらさといった底地の実態は、相続税の税額に反映されないからです。
底地の相続税は以下のように計算されます。
【底地の相続税の算出手順】
- 底地の評価額を算出
更地の評価額× (1 - 借地権割合) = 底地の評価額
※更地価格の30%〜40%程度が底地の評価額となるのが一般的 - 相続税額を算出
底地の評価額 × 相続税率 - 控除額 = 実際に支払う相続税額
また、相続税の計算に「実際に受け取っている毎月の地代がどれだけ安いか」は考慮されません。
一方、第三者へ売却する場合の売却額は更地相場の10%〜15%程度まで落ち込むのが実情です。
その結果、売却で得られる金額を上回る相続税を請求される「納税赤字」の状態に陥るケースも少なくありません。
以下に更地価格3,000万円、借地権割合60%の底地を相続する場合の相続税と、第三者への売却価格を比較しました。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 実際に支払う相続税額 | 360万円※ |
| 第三者への売却可能額 | 300万〜450万円 (市場価格の10~15%) |
※相続税率は一般的なケースとして、適用税率30%で試算
表の通り、立地や地代などの条件次第では、底地を売却しても相続税で相殺され、持ち出しが発生するリスクがあります。
あらかじめ現金を用意していない場合、納税のために借金を背負うことになりかねません。
将来的に底地の相続が見込まれるなら、生前の売却検討など、早めの備えをおすすめします。
相続した底地の売却時には事前に相続登記を行う
底地を売却するには、事前に相続登記が不可欠です。
亡くなった方が所有していた土地や建物などの不動産の名義を相続人へ変更する手続き
相続登記を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- 売却取引の土台に乗れない
売主が所有者であることを法的に証明できないため、買主や司法書士から取引そのものを断られる - 売却手続きが頓挫する
「誰が売却権限を持つのか」が未確定の状態のため、交渉の過程で相続人同士の意見が対立し、手続きがストップする場合がある - 買い手からの信用を失う
権利関係が不安定な物件は「手続きが面倒な物件」とみなされ、買主から敬遠される
参照元:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
さらに、令和6年4月に相続登記が義務化され、相続が発生してから正当な理由なく3年以上に放置した場合「10万円以下の過料」が科されるようになりました。
底地を円滑に売却するためには、相続が発生したらすぐに相続登記を行いましょう。
共有名義の場合、底地の売却には共有者全員の同意が必要
底地を売却する際の注意点として、共有名義の場合は「共有者全員の同意」が必要です。
一人でも反対者がいれば、底地を丸ごと売却することはできません。
1つの不動産を複数人で共同所有する状態
とくに、相続で権利が細分化されると、疎遠な親族との調整が必要になり、売却価格や時期について足並みを揃えるのが難しくなります。
また、反対者がいる物件は「権利関係が不安定」とみなされ、買い手からは以下のようなリスクを懸念して敬遠されてしまいます。
- 反対者からの訴訟リスク
売却後に反対者から「自分は同意していない」として、売買契約の無効や損害賠償を求められる - 共有者間での権利争い
共有者同士の感情的な対立や権利主張に巻き込まれ、不動産の活用や売却が長期にわたり制限される
共有状態を放置すれば、次の相続でさらに権利者が増え、事態はより深刻化します。
円滑な売却を目指すなら「他の共有者の持ち分を買い取る」「自分の持ち分だけを売却する」など、早めの対策を検討しましょう。
共有状態の底地の売却方法や、早期に共有状態を解消するための具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:底地の共有状態は早期解消がおすすめ!解消方法や高く売るコツをご紹介
底地売却時に発生する費用・税金一覧
底地の売却にあたっては、売却価格だけでなく「手元にいくら残るか」計算するために、発生する費用や税金を正しく把握しておく必要があります。
以下に底地売却時にかかる費用と税金を一覧表にまとめました。
| 費用・税金の種類 | 内容 | 費用目安 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|---|---|
| 譲渡所得税 | 売却で得た利益に対して課税される税金 | 利益額×税率※ | 必要 | 必要 |
| 仲介手数料 | 不動産会社へ支払う仲介の報酬 | 3%+6万円+税 | 必要 | 不要 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼り付ける印紙代 | 数千円〜数万円 | 必要 | 必要 |
| 登記費用 | 抵当権抹消や住所変更等の登記手続き費用 | 2万〜10万円程度 | 必要 | 必要 |
| 専門家への報酬 | 司法書士や土地家屋調査士への報酬 | 数万円〜数十万円 | 必要 | 原則不要 |
| 測量費 | 隣地との境界確定費用 | 30万〜100万円程度 | 必要になることが多い | 原則不要 |
※税率
短期譲渡所得(所有5年以下):39.63%
長期譲渡所得(所有5年超):20.315%
利益が出ない場合は課税されない
たとえば、以下の条件で底地を売却した場合、仲介と買取それぞれいくら手元に現金が残るのか比較してみましょう。
物件の前提条件
- 更地としての市場価値:1,000万円
- 所有期間:5年超(長期譲渡所得税:約20.315%を適用)
- 底地の取得費:不明(売却価格の5%を取得費とみなす)
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 500万円 | 150万円 |
| 譲渡所得税 | ▲965,000円 | ▲290,000円 |
| 仲介手数料 | ▲231,000円 | 0円 |
| 印紙税 | ▲1,000円 | ▲1,000円 |
| 登記費用 | ▲30,000円(目安) | ▲30,000円(目安) |
| 専門家への報酬 | ▲50,000円(目安) | 0円 |
| 測量費 | ▲400,000円(目安) | 0円 |
| 手残り金 | 3,323,000円 | 1,179,000円 |
上記の通り、売却価格そのものは仲介の方が買取よりも高くなりやすいです。
ただし、仲介の場合「仲介手数料」や「測量費」が売却価格から大きく差し引かれます。
一方、専門の不動産買取業者であれば、物件を「現状のまま」で売却できるため、売却額がそのまま手残りに直結しやすいのが特徴です。
まとめ
底地は一般的な土地と異なり、権利関係の複雑さから買い手が限定されやすい不動産です。
そのため、「長い売却期間かけてでも、高値での売却を目指すのか」「早期の現金化を優先するのか」自身の目的に応じて有効な売却方法を選択することが重要です。
また、どのような売却方法を選ぶにしても、事前に環境を整えておくことが欠かせません。
借地人との良好な関係維持や地代・更新料の適正化、相続登記や共有名義の解消を済ませておくことは、買主からの信頼獲得や査定額の向上に直結します。
底地は放置するほど相続で権利関係は複雑化し、状況はますます深刻化します。
土地の条件次第では相続税による「納税赤字」のリスクもあるため、まずは現状を把握して早めに対策をはじめましょう。
「借地人との交渉が難しい」「とにかく早く手放したい」とお悩みであれば、ぜひ一度弊社アルバリンクにご相談ください。
弊社は底地などの訳あり物件専門の不動産買取業者として、年間2,000件以上の豊富な買取実績がございます(2025年1月~12月)。
たとえ他社で断られた物件であっても、独自のノウハウを駆使して積極的にお買取りに取り組ませていただきます。
まずは無料査定にて、物件の価値をお確かめください。
なお、弊社アルバリンクが運営する訳あり物件買取プロでは、空き家だけでなく、様々な訳あり物件を積極的に買い取っています。
株式会社AlbaLinkは東証グロース市場に上場している不動産会社です。





