底地はなぜ売れない?売却が難しい5つの理由と高く売るための4つの方法

底地・借地

借地権者が家を建てて住んでいる底地は、一般の不動産と比較すると売れにくいといわれています。底地にはすでに借り手がいて、第三者が購入したとしても土地を自由に活用できないためです。

底地の所有者は借地人から地代収入を得られますが、賃貸や駐車場経営などと比べると収益性が低い点も売れない理由の1つです。

また、相続で底地を取得した場合は固定資産税や相続税などを支払わなくてはならないため、中には早めに売却して現金化したいと考える方もいるのではないでしょうか。

上記の理由から底地が売れにくいのは事実ですが、底地を専門に取り扱っている不動産業者であれば、一般の不動産業者と比べて権利関係が複雑な底地に精通しているため、よりスムーズに現金化できます。

この記事では、売れない底地を売るための方法や底地を少しでも高く売却する方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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底地が売れないのには5つの理由があった

底地とは、第三者(借地人)が建物を所有する目的で借地権が設定されている土地のことです。

底地・借地
底地の売却を検討するにあたり、まずは底地が売れない理由を把握しておきましょう。なぜ底地が売れにくいのかを知ることで、底地を売るための方策が見えてくるはずです。

底地が一般の不動産よりも売れにくい理由には、主に以下の5つがあります。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

底地を購入しても自由に利用できない

そもそも底地とは、借地権付きの土地を意味します。すでにそこには土地を借りて生活を営んでいる借地人がおり、借地人以外が底地を利用して家を建てることはできません。

そのため、たとえ第三者が底地を購入したとしても、その土地に新たな家を建てるなどの活用は一切できないのです。また、借地契約が簡単には解除できない点も底地が売れにくい理由の1つです。

一般に、普通借地の契約期間は30年もの長期におよびます。しかも原則、契約期間の満了後も借地人が底地上の建物を利用する場合は自動的に契約が更新されたものと見なされ、基本的に地主側が契約更新の拒絶はできません。

もし地主側に借地人よりも底地を使用する必要性があることが認められればその限りではありませんが、借地契約の解除はきわめて難しいといわざるを得ないでしょう。

契約期間途中の解約も原則できませんが、地主と借地人の双方が合意すれば途中解約は可能です。しかし地主から借地人に解約を持ち掛けたとしても、借地人が応じない場合は解約できません。

一般の第三者にとって、底地を購入するメリットはあまりないのが実情です。

得られる地代収入が少なく収益性が低い

第三者が底地を購入するメリットとしては、地代や更新料、建て替えや増改築時の承諾料などを得られる点が挙げられます。

地代は基本的には地主と借地人の話し合いで決定されるのが一般的で、固定資産税や都市計画税の3~5倍程度とされることが多い傾向にあります。更新料は年間地代の10倍、建て替え・増改築時承諾料は更地価格の3%が相場です。

しかし、底地を所有することで固定資産税や都市計画税、維持管理費といった支出が発生します。収入と支出とを天秤にかけた際に不良債権となる可能性が高いため、なかなか買い手がつかない現状にあるのです。

また、底地の購入で得られる利回りは2~4%ほどといわれています。一般の賃貸物件1棟の期待利回りが4~5.6%であることと比較すると収益性が低いため、あえて底地を購入する方は少ないといえます。

参照元:一般財団法人日本不動産研究所「第45回不動産投資家調査」

地代の計算方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

地代の計算方法を一瞬で理解できるように解説
「結局、地代の計算方法はどれが正解なの!?」結論から言うと、地代の金額は、複数の計算方法を用いて算出するべきです。ただ、適切な地代の算出には、不動産をはじめとする幅広い知識が必要になります。適切な地代を算出したいのであれば、不動産のプロに相談するのが1番手っ取り早いでしょう。

借地権者と更新料の支払いや地代の滞納などを巡ってトラブルが起こる可能性も

地代や更新料、承諾料などの支払い、借地権の無断譲渡などを巡って借地人との間にトラブルが発生する可能性がある点もデメリットです。

とくに借地人が複数いる場合は一人ひとりと解決に向けて話し合わなければならないため、大変な労力と時間がかかります。

また、借地権者が亡くなった際に相続人が不明というケースも珍しくありません。その場合は地主負担で相続人を探さなければならず、無駄な調査費用が発生してしまいます。

一方、相続人がいない、もしくは相続人がみな権利を放棄した場合は家庭裁判所へ申し立てて相続財産の管理や弁済などを行う管理人を選任し、相続財産清算人に対して土地の明け渡しや借地権の買取などを打診しなければなりません。

当然、その際の費用も地主負担です。場合によっては建物の解体費もかかります。借地人との面倒なトラブルに巻き込まれる可能性がある点も、底地が売れない理由の1つです。

底地における借地権者とのトラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。

底地のトラブル事例9選!3つの解決方法を不動産のプロが解説
底地とは?借地権との違いも解説 底地とは、土地の中でも建物の所有や利用を目的とする借地権や地上権などの権利が設定されている土地のことです。 借地人 建物の所有を目的として土地を借りている人のこと。 底地と借地権の違いは、底地...

第三者が底地を購入する際に住宅ローンを組めない

一般に住宅ローンは購入する不動産を担保として抵当権を設定しますが、都市圏の底地以外では担保価値がない事がほとんどで、底地購入時には住宅ローンを組めないケースがほとんどです。

基本的に現金一括で支払わなければならず、購入のハードルが高いことも底地の売却が難しい理由として挙げられます。

ただし借地人が底地を購入するときは土地と建物のどちらにも抵当権を設定できることから、金融機関によっては通常の住宅ローンを利用できる場合もあります。

底地の買取でローンが難しい理由については、以下の記事で詳しく解説しています。

底地を買い取りする際にローンは使えるのか?
そもそも底地とは 「底地」とは、「借地権が付いている土地」のことです。 「貸地(かしち)」「貸宅地」ともいわれています。 地主は借地人が、居住用の建物を建てることを許可する代わりに、貸した土地の地代(賃料)・契約更新料...

多額の相続税を納めなければならないことがある

底地を相続する際は相続税を納める必要があります。しかし底地の相続税評価額は、実勢価格よりも高くなるケースがあることに注意が必要です。

底地の相続税評価額は以下の計算式で求めます。

底地の相続税評価額=更地の評価額×(100%-借地権割合)

借地権割合とはその土地の評価額のうち借地権者が有する権利の割合のことで、住宅地の場合は60~70%が一般的です。

たとえば更地の評価額が2,000万円、借地権割合が70%の底地の相続税評価額は以下の通りです。

底地の相続税評価額=2,000万円×(100%-70%)=600万円

一般に底地の実勢価格は更地の10%ほどといわれていますが、それよりも相続税評価額は3~4倍も高いため、場合によっては底地を売却しても納めるべき相続税の額に満たない可能性がある点には注意が必要でしょう。

将来の相続を見据えると、なかなか底地には手が出しづらいと考える方が多いのが現状です。

なお、底地の評価額の計算方法や注意点についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

底地の評価額と取引価格の計算方法を3分で簡単理解!
底地の売却において、もっとも気になるのがその「価格(評価額)」。しかし、底地の計算の方法や相場を知っている方は多くありません。この記事では、底地の計算の方法を具体的な手順や例を交えながら解説しています。

売れない底地を高額で売却する4つの方法

ここまでご紹介してきたように底地の需要は少なく、一般の不動産よりも売れにくい傾向にありますが、底地を売ることは可能です。

それでは、いったいどのようにすれば底地を売却できるのでしょうか。

売れない底地を売るための方法は以下の4つです。

それぞれの売却法について解説します。

底地を借地権者に売却する

1つ目は底地を借地人に売却する方法です。

底地の購入でもっともメリットを享受できるのは他ならぬ借地人です。たとえば底地を買えば土地の所有権を取得できるため、地主の許可を得なくとも土地を自由に活用できるようになります。

地代や更新料、建て替え・増改築時の承諾料を支払わずに済むことも大きな利点です。

借地人側にとってさまざまなメリットがあるため、第三者へ売却するよりも高値で買い取ってくれる可能性があります。前述のように借地人が底地を購入する際は住宅ローンを組めるため、購入のハードルも比較的低いといえます。

ただし、個人間売買は金銭面を巡って問題が起こりやすいため注意が必要です。

底地を借地人に売る場合は、トラブルを回避するためにも間に不動産会社を挟み、契約書をしっかりと交わすことが大切です。底地の売買に精通した不動産会社へ依頼すれば、スムーズに売却できるでしょう。

借地権者と協力し、底地と借地権を合わせて売却する

2つ目は、借地人と協力して底地と借地権を同時売却する方法です。

底地は単体での土地活用はできませんが、借地権と合わせれば完全所有権の土地として売り出せます。購入者は一般の不動産同様の土地活用が可能となるため、相場に近い価格で売れる可能性が高まるでしょう。

しかし、同時売却は地主と借地人の合意がなければ成立しない点には注意が必要です。またのちのトラブルを未然に防ぐためにも、利益の配分については事前にしっかりと取り決めておきましょう。

底地と借地の同時売却についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

底地と借地権を同時売却する手順|3つのコツを抑えればより円滑に売却可能
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底地の一部と借地権の一部を等価交換し、完全所有権の土地にしてから売却する

3つ目は、底地と借地権の一部を等価交換し、不動産を地主と借地人の単独所有にしてから売却する方法です。

所有する土地の面積が狭くなるデメリットはありますが、複雑な権利関係が解消されて完全所有権の土地となるため、その分、不動産価値が向上して買い手がつきやすい点が大きなメリットです。

また、売買の場合は利益に応じて所得税や住民税を納める必要がありますが、一定の要件を満たす不動産の等価交換の場合は「固定資産の等価交換の特例」により税金がかからないメリットもあります。

ただし、等価交換に際しては交換割合の決定や境界の確定、分筆登記などを行う必要があるため、不動産会社に依頼したほうが安心して売却活動を進められるでしょう。

底地と借地権を等価交換する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

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底地を不動産会社に売却する

4つ目は、底地を不動産会社に売る方法です。

借地人への売却が難しく、かつ売却にあたって借地人の協力を得られない場合は不動産会社への売却を視野に入れるとよいでしょう。売却価格の相場は、更地価格の10~15%ほどです。

ただし一般の不動産会社の場合は買い取ってもらえないか、より安価となる可能性があるため注意が必要です。それを防ぐためにも、複数の買取業者へ底地の査定を依頼し、一番高い価格をつけてくれたところに売るとよいでしょう。

売れない底地を売りやすくするために出来ること

底地は売りにくい傾向にあるとはいえ、下記の4つの方法のいずれかであれば売却が可能です。しかしトラブルが起こることなく売却できるのか、不安に感じる方もいるでしょう。

そこでここでは、底地をスムーズに売却するためのポイントについて解説します。

借地人と良好な関係を築く

底地の売却相手としてもっとも適しているのは借地人です。借地人にとっても底地を購入するメリットは大きいため、買い取ってもらえる可能性は高いでしょう。借地人も借地権の売却を考えている場合は底地と合わせて売れるかもしれません。

しかし、それには日頃から借地人と良好な関係を保っておくことが大切です。しっかりとした信頼関係ができ上がっていれば、売却などの相談を持ち掛けやすく、交渉もスムーズにいきやすいでしょう。

また底地の売却にともない、借地人は新たな地主と借地契約を交わすことになります。

基本的に底地の売却に際して借地人への告知は必要ありませんが、事前に売却の旨を伝えておけば、借地人と新たな地主との間にトラブルが発生するリスクは低くなるでしょう。

購入希望者にとっても、旧地主と借地人が良好な関係を築いていることが分かれば、より安心して底地を購入できるに違いありません。

一方、借地人との関係が悪い場合は、底地売却に精通した不動産会社を間に挟むと交渉事をすべて任せられるのでおすすめです。とくに弁護士と提携している業者であれば、何かしらのトラブルが発生したとしても早急な法的解決が期待できるでしょう。

借地契約の更新時や相続発生時に借地人へ売却を相談する

底地の売却を借地人に持ち掛けるときは、とにかくタイミングが重要です。借地人に売る気がない状態で話を持ち掛けると関係が悪化する恐れがあるため、注意が必要です。

契約更新時や、借地人が建て替えや増改築を考えているとき、借地人に相続が発生したときなどの際に売却を相談すれば、交渉がスムーズにまとまる可能性は高いでしょう。

相手の置かれている状況を見定めながらタイミングを検討することをおすすめします。

賃貸借契約書があるかどうかを確認する

底地の売却にあたり、借地契約の内容が記載された契約書がない場合は、新たに作成しましょう。

以下の土地賃貸借契約書のように、地代や更新料など金銭面に関する取り決め、契約期間、借地契約にいたった経緯などを明記することで、買主も安心して地主の座を引き継げます。

国税庁|土地賃貸借契約書

引用元:国税庁|土地賃貸借契約書

従来の契約内容が踏襲されていれば、借地人と新地主との間に金銭面を巡るトラブルも発生しないでしょう。

一方、契約書に記載された借地面積と実測面積が異なるケースもあります。借地面積の大小は地代や承諾料、更新料に大きく関わるため、注意が必要です。

測量を行った結果、実態と異なる場合は契約書を作成し直しておくと、将来、新地主と借地人との間でもめ事が起こることを防げるでしょう。

地代が周辺相場よりも低い場合は売却前に上げておく

底地購入者の多くは地代収入が目的です。底地を購入したことで得られる地代収入が高ければ売れる確率は上がるため、売却前に地代を上げておくのも1つの方法です。

ただし、地代を値上げするには固定資産税や周辺の地代が上がっているなどの根拠が必要です。

参照元:e-Gov法令検索|借地借家法第11条第1項

土地の評価額や固定資産税は3年ごとに見直されるため、その際に地代を改定することをおすすめします。

長年にわたって地代を上げていない場合は税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

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底地売買に精通した不動産買取業者に売却する

借地人との売却交渉は長きにわたるケースもあります。時間をかけずに底地を売りたい場合は、底地の売買に精通した不動産業者に買取を依頼する方法がおすすめです。

専門の買取業者であれば数日から数週間で直接買い取ってもらえるため、すぐに現金化できるメリットがあります。

また、底地の買取実績が豊富な業者は買い取った底地の運用法や第三者への売却法などのノウハウを持っているため、一般の不動産買取業者よりも高値での買取が期待できます。

底地を少しでも高く売りたいと考えるのであれば、底地を専門に取り扱っている不動産業者へ依頼するとよいでしょう。

底地を買い取ってもらう方法を超簡単解説!【おすすめ業者16選】
底地を買い取ってもらう方法は主に2つあります。「借地人に買い取ってもらう」と「専門の買取業者に買取を依頼する」です。トラブルなく、確実に底地を手放したいのであれば、専門の買取業者に直接売却するべきしましょう。この記事では、底地買取のおすすめ業者を18社と、底地を売却する前に知っておくべき全てを解説します。

まとめ

底地が一般の不動産よりも売れにくいのは、「購入しても自由に活用できない」「地代収入が少なく収益性が低い」「借地権者と金銭面を巡ってもめる可能性がある」などの理由があるためです。

しかしそれでも、底地は売却可能です。最適な売却相手は借地人ですが、借地人に購入の意思がなければ売買契約は当然成立しません。

底地を少しでも早く、かつ高く売却したい場合は、底地の売買に精通した不動産業者へ買取を依頼するとよいでしょう。どのくらいの価格で売れそうか、まずは査定からはじめることをおすすめします。

弊社は底地売買のノウハウに長けており、底地も積極的に買い取っています。底地の売却に関するお悩み事があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

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