空き家のマンションを放置する4つのリスク
所有しているマンションの使い道がなく空き家の状態が続いているなら、一刻も早く売却を検討したほうがよいでしょう。
なぜなら、空き家のマンションを放置すると以下のリスクが生じるためです。
- 管理費や修繕積立金がかかり続ける
- 固定資産税がかかり続ける
- 老朽化が進んでリフォーム費用が上がる
- 資産価値が下がる
空き家となっているマンションの売却方法をご紹介する前に、まずは空き家を放置するリスクについて見ていきましょう。
管理費や修繕積立金がかかり続ける
空き家のマンションを放置するリスクとして、管理費や修繕積立金を支払い続けなければならない点が挙げられます。
マンションを購入・取得しても、それで費用の支払いが終わるわけではありません。
マンション共用部の維持に使われる「管理費」や、将来の大規模修繕に備えて徴収される「修繕積立金」は毎月支払わなければならないのです。
経年劣化したマンションの外壁や設備などを一定年数ごとに修繕すること
公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金」によると、1戸あたりの管理費の平均は月額1万2,480円、修善積立金は月額1万1,474円です。
つまりマンションを活用していない場合でも、毎月約2万3,000円、年間約27万6,000円以上のお金を支払い続けなければならないということです
空き家のマンションにかかる管理費や修繕積立金の支払いを無駄に感じるなら、早めに売却することをおすすめします。
固定資産税がかかり続ける
固定資産税がかかり続けることも、空き家のマンションを放置するリスクのひとつです。
固定資産税は毎年1月1日時点における土地・建物の所有者に課される税金で、以下の計算式により算出します。
ただし、一戸建てやマンションなど居住できる建物が建つ土地(住宅用地)については、固定資産税評価額が最大で6分の1に軽減されます。
これを「住宅用地の特例」といいます。
住宅用地の特例が適用される土地の固定資産税の求め方は、以下のように土地の広さによって異なります。
区分 | 固定資産税 | |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 | 固定資産税評価額×1/6×1.4% |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 固定資産税評価額×1/3×1.4% |
固定資産税評価額は、毎年春頃に自治体から送られてくる固定資産税納税通知書に記載されているので、一度確認してみてください。
【固定資産税納税通知書の見本】
たとえばあなたが所有しているマンションの専有面積が100㎡、土地の固定資産税評価額が3,000万円、建物の固定資産税評価額が1,500万円と仮定すると、毎年以下の固定資産税を納付しなければなりません。
「固定資産税評価額×1/6×1.4%」の計算式より、
土地の固定資産税=3,000万円×1/6×1.4%=7万円
【建物の固定資産税】
「固定資産税評価額×1.4%」の計算式より、
建物の固定資産税=1,500万円×1.4%=21万円
7万円+21万円=28万円
前述の管理費・修善積立金と合わせると、使っていないマンションを所有するだけで毎年50万円以上のお金が出ていくということです。
今後もマンションを使う予定がなく空き家の状態が続くなら、できる限り早く手放したほうがよいでしょう。
老朽化が進んでリフォーム費用が上がる
室内の老朽化が進み、売却に際して多額のリフォーム費用が必要になる恐れがある点も空き家のマンションを放置するリスクです。
誰も住んでいない空き家は換気がなされないことから室内に湿気が溜まりやすく、壁紙や設備などの老朽化のスピードが早まります。
また、給排水管やガス管も長期間使わないと管の内側に付着した異物が乾燥して固まり、破損しやすくなる点にも注意が必要です。
室内や設備などの劣化が進んだ空き家を仲介で売却するには、リフォームが欠かせません。
室内や設備などをきれいにしないと、マイホームの購入を検討している買い手から敬遠されてしまうためです。
しかし老朽化が進んだ家ほど工事は大掛かりなものとなり、リフォームに際して1,000万円以上の費用がかかるケースも珍しくありません。
またリフォームをしても買い手が見つからなかったときには、リフォーム費用がそのまま赤字となりかねない点にも気をつける必要があります。
資産価値が下がる
空き家のマンションを放置すると、資産価値が下がり続けるリスクもあります。
基本的にマンションの資産価値は新築時をピークとして、時間の経過とともに下がっていく傾向にあります。
国土交通省の調査によると、マンションの資産価値は築10年が経過すると新築時の約70%に、築25年が経過すると新築時の約50%にまで下落します。
引用元:国土交通省|中古住宅流通、リフォーム市場の現状
空き家としての放置期間が長引くほど、あなたの所有しているマンションの資産価値が下がり、売却価格も減少するということです。
もしマンションを少しでも高値で売却したいなら、できる限り早く行動に移したほうがよいでしょう。
空き家のマンションを売却する3つの方法
空き家のマンションを売却する方法には、以下の3つがあります。
- 空き家バンクに登録する
- 仲介業者に売却を依頼する
- 専門の買取業者に売却する
ただし、あなたが所有しているマンションの状態に応じて適切な売却方法は異なります。
空き家のマンションをスムーズに売却したいなら、ここでご紹介する3つの売却方法を参考にして最適な相談先を選択しましょう。
それぞれの売却方法の特徴について解説します。
なお、以下の記事でも空き家の売却方法について詳しく解説しています。
所有している空き家をスムーズに、かつできる限り高く売却したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
空き家バンクに登録する
空き家バンクとは空き家の売主と買主とを結びつけるマッチングサイトのことで、自治体が運営しています。
あなたのマンションを空き家バンクに登録すると、空き家を購入したい買主が見つかって売却できる可能性があります。
しかし空き家バンクを通じての不動産売買では、基本的に売却価格や契約条件の交渉、売買契約書の作成などを自分で行わなければなりません。
売却価格や契約の不備などを巡って買主とトラブルが起こりやすい点には要注意です。
また、空き家バンクに登録しても買主が見つかるとは限らない点にも注意が必要です。
国土交通省の発表によると、空き家バンクの成約率は2割ほどに過ぎません。
つまり、8割の空き家が売れ残っているということです。
もし空き家のマンションをできる限り早く売却したいなら、後述するように専門の買取業者に買い取ってもらうとよいでしょう。
空き家バンクについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
仲介業者に売却を依頼する
仲介とは、仲介業者の営業活動を通じて見つけた買主に物件を売却する方法です。
仲介では、マイホームの購入を検討している個人の方がターゲットとなります。
そのため、あなたのマンションの築年数が比較的新しく建物や設備の状態がよい、駅からの距離が近いなど立地がよい場合には、早期売却も不可能ではありません。
実際、弊社がおこなったアンケート調査では、マイホームの購入時に「立地を優先する」と回答した方がもっとも多い結果となりました。
市場相場に近い価格で売却できる点も大きなメリットです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに「リモートワーク」という新たな働き方が定着してきたことも、マンションの売却には追い風になっています。
自宅にワークスペースを確保すべく、より広い間取りの家へ引っ越したいと考える方が多い傾向にあるためです。
実際、国土交通省の「令和3年度テレワーク人口実態調査―調査結果―」によると、「転居を希望する理由」のうち、もっとも多かった回答は「広い住宅で暮らすため」でした。
ストレスのない生活を送るために地方都市へ移り住みたいと考える方も少なくありません。
地方にあるマンションでも、間取りが広ければ仲介で売却できる可能性は十分にあるといえるでしょう。
ただし、室内や設備の状態が悪いマンションを仲介で売却する場合は、数百万円もの費用をかけてリフォームをしなければ買い手を見つけるのは難しいといわざるを得ません。
室内に残された不用品を処分する費用もかかります。
また、マンションを売却するには一般的に3~6か月ほどの期間がかかるといわれていますが、需要がない、つまり買い手が見つからなければ永遠に売れ残ってしまいかねない点には注意が必要です。
空き家のマンションを売却するにあたり仲介と買取のどちらがよいのか迷っている方は、以下の記事も参考にしてください。
専門の買取業者に売却する
買取とは、専門の買取業者に直接物件を買い取ってもらう売却方法です。
あなたが所有しているマンションが駅から徒歩15分以上かかるなど立地が悪い、築年数が古く室内や設備の状態が悪い場合は、専門の買取業者に売却することをおすすめします。
空き家のマンションを専門の買取業者に売却するメリットは、以下の3つです。
- スピーディーに売却できる
- 売却費用がかからない
- 契約不適合責任が免除される
それぞれのメリットについて解説していきます。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、空き家の買取を専門としている買取業者です。
空き家のマンションをできる限り早く売却したいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
あなたの空き家をスピーディーに買い取らせていただきます。
スピーディーに売却できる
空き家のマンションを専門の買取業者に買い取ってもらうメリットのひとつは、スピーディーに売却できる点です。
仲介とは異なり、買取では専門の買取業者が直接物件を購入するため、買主を探す必要がありません。
専門の買取業者から提示された査定価格に納得がいったら売買契約を交わす流れなので、空き家のマンションをすぐに現金化することが可能です。
空き家のマンションをできる限り早く売却してまとまった現金を手に入れたいと考えている方に向いている売却方法といえます。
売却費用がかからない
空き家のマンションの売却に際して、あなたが費用をいっさい負担しなくてもよい点も専門の買取業者に依頼するメリットです。
前述のように、空き家のマンションを仲介で売却するにはリフォーム代や不用品の処分費用がかかります。これらの費用は、売主であるあなたが負担しなければなりません。
しかし専門の買取業者はリフォームを前提として空き家のマンションを購入するので、そのままの状態で売却できます。
売却前にリフォームを行ったり、不用品を処分したりする必要はありません。
空き家のマンションを売却するにあたって費用や手間をかけたくない方は、専門の買取業者に依頼するとよいでしょう。
契約不適合責任が免除される
空き家のマンション売却時に契約不適合責任を免除してくれる点も、専門の買取業者に依頼するメリットです。
契約不適合責任とは、売主が買主に負うべき責任を指します。
もし空き家のマンションを買主へ引き渡したあとに売買契約書には記載のない不具合や欠陥が見つかった場合、買主から損害賠償や契約の解除などを請求される恐れがある点に注意が必要です。
しかし、専門の買取業者は不動産のプロであり、物件のどこに不具合や欠陥が潜んでいるのかを購入前に見抜けます。
そのうえで必要なリフォームを施してから再販したり、賃貸物件として運用したりするので、あなたの契約不適合責任を免除することが可能なのです。
空き家のマンションの売却後に買主との不要なトラブルに巻き込まれたくないなら、専門の買取業者を利用するとよいでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)でもあなたの契約不適合責任を免責にしたうえで空き家のマンションを買い取らせていただきます。
空き家のマンション売却後に起こり得るトラブルに頭を悩ませたくない方は、ぜひお気軽にご相談ください。
なお、不動産売買における契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
空き家のマンションの売却相場はおよそ4,429万円
空き家となったマンションを売却する際に気になるのは、やはりどのくらいの金額になるのかではないでしょうか。
前述のように、空き家のマンションの資産価値は築年数が経過するごとに下落する傾向にあります。
実際、首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)における築年数別の中古マンションの売却価格を見てみると、以下の表のように築年数が古いマンションほど安値で取引されていることが分かります。
築年数 | 売却価格 |
---|---|
~築5年 | 6,968万円 |
築5~10年 | 6,548万円 |
築10~15年 | 6,123万円 |
築15~20年 | 5,323万円 |
築20~25年 | 4,612万円 |
築25~30年 | 3,271万円 |
築30年~ | 2,220万円 |
平均 | 4,429万円 |
とくに築20年を超えると、売却価格の下落幅が大きくなる様子がうかがえます。
空き家となっているマンションを少しでも高く売却したいなら、築年数が古くならないうちに行動に移したほうがよいといえるでしょう。
空き家のマンションを売却する際の4つの注意点
空き家となっているマンションを売却する際には、以下4つの注意点に気をつけましょう。
- 名義変更が完了しているか確認する
- 売却前に独断でリフォームしない
- できる限り内覧に立ち会う
- 必要最低限の片付けを済ませておく
それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。
名義変更が完了しているか確認する
マンションを相続で取得した場合は、名義が親から自分に変更されているかをいま一度確認しておきましょう。
不動産の名義人と売主が同一人物でなければマンションを売却できないためです。
マンションが誰の名義になっているのかは、一般財団法人民事法務協会の「登記情報提供サービス」を利用すると確認ができます。
その際に必要なものは、以下の2点です。
- 固定資産税納税通知書
- クレジットカード
なお、マンションの所在地を管轄する法務局で登記簿謄本を取得する方法でも不動産の名義人を確認できますが、窓口は平日の午前9時~午後5時までしか開いていません。
しかしオンラインなら平日は午前8時30分~午後11時まで、土日祝日は午前8時30分~午後6時まで利用できるので、忙しい方でも気軽に名義人を調べられるでしょう。
また法務局で登記簿謄本を取得すると600円の手数料がかかるのに対して、オンラインなら300円で請求できる点も、登記情報提供サービスを利用するメリットのひとつです。
調べた結果、名義人がまだ親のままになっていたら、法務局で相続登記を行って自分の名義に変更します。
相続した不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する所有権移転登記手続きのこと
なお、2024年4月1日より相続登記が義務化されました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の手続きを行わないと、10万円以下の過料が科される恐れがある点に注意が必要です。
相続登記の流れは以下の記事で詳しく解説しています。相続した不動産の名義が被相続人のままで相続登記を行う必要がある方は、ぜひ参考にしてください。
売却前に独断でリフォームしない
空き家のマンションを仲介で売却するときには、独断でリフォームを行わないことも注意点のひとつです。
マンションが老朽化していて室内や設備などの状態が悪いときは、リフォームをしてきれいにすることで早く売却できる可能性は高まります。
しかしマンションをリフォームしても、そもそもの需要がなければ買い手は見つかりません。
また、中古マンションを購入する方の多くは、自分たち好みの内装や間取りにリフォームしたいと考えています。
実際、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会の「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果〈全体版〉」によると、「リフォーム済の中古物件がほしい」と回答した方の割合はわずか13.6%にとどまりました。
売主側で安易なリフォームを行っても、買主の好みに合わなければ逆に需要を減らしてしまうのがオチです。
もし売却できなかったら、リフォームにかけた数百万円もの費用が赤字としてのしかかってしまいます。
そのため、空き家のマンションの売却に際してリフォームをしたほうがよいか悩んでいる場合は、まず不動産業者に相談することをおすすめします。
なお、前述のように専門の買取業者に売却する場合はリフォームをしなくてもそのままの状態で買い取ってくれます。
無駄な費用をかけたくない方は、専門の買取業者に相談するとよいでしょう。
できる限り内覧に立ち会う
空き家のマンションを仲介で早く売却したいなら、購入希望者の内覧になるべく立ち会うことがポイントです。
入居中のマンションを売却する場合、売主は購入希望者に対して物件の良さを直接アピールできます。
「周辺に日常生活の買い物をするのに便利な商店街がある」「夜でも静かで治安が良い」など、実際に住んでいるからこそ分かるメリットを伝えることで、より売れやすくなります。
空き家のマンションでも購入希望者の内覧に立ち会えば、入居中のときと同様に居住するメリットをアピールでき、不動産購入の決断を後押しできるでしょう。
なお、買取では買取業者の査定を受ける際に一度だけ立ち会う必要があります。
もし買取業者がオンライン査定に対応していれば、立ち会いなしでも売却が可能です。
空き家が遠方にあって立ち会うのが難しい場合は、オンライン査定に対応している買取業者に相談するとよいでしょう。
弊社AlbaLink(アルバリンク)でも、あなたの立ち会いなしで査定を行うことが可能です。
忙しくて立ち会う時間が取れない、マンションが遠方にあって行くのが難しい方は、弊社へお気軽にご相談ください。
必要最低限の片付けを済ませておく
購入希望者に物件を案内する前に、室内の片付け・掃除を徹底しておくことも重要です。
ゴミが置きっぱなしになっていたり、水回りにカビが生えていたりしたら、購入希望者に良いイメージを与えられません。
そのため空き家のマンションを少しでも早く売りたいなら、掃除・片付けを行って家の中をきれいにしておきましょう。
なお、空き家のマンションを専門の買取業者に売却する場合は、事前の清掃・片付けは不要です。
専門の買取業者はゴミや不用品ごと買い取ってくれるので、あなたの負担は大きく軽減されます。
空き家のマンションを売却する際の費用や税金
空き家のマンションを売却する際にかかる費用や税金には、以下の6種類があります。
- 仲介手数料(仲介のみ)
- 引っ越し費用
- 住宅ローンの繰り上げ返済手数料
- 登録免許税
- 印紙税
- 譲渡所得税
空き家のマンションを売却しても、売却金額のすべてを受け取れるわけではありません。
手元に残る金額がいくらなのかを知るためにも、売却に際してかかる費用の内訳を事前に把握しておきましょう。
ここでは、空き家のマンション売却時にかかる費用や税金について解説します。
仲介手数料(仲介のみ)
空き家のマンションを仲介業者に依頼して売却したときは、成功報酬として仲介手数料を支払う必要があります。
仲介手数料の上限額は、以下の表のように宅地建物取引業法によって定められています。
売買代金(税抜) | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | (売買代金×5%)×税 |
200万円超400万円以下 | (売買代金×4%+2万円)×税 |
400万円を超える部分 | (売買代金×3%+6万円)×税 |
たとえば、あなたのマンションが仲介業者の営業活動を通じて2,000万円で売却できたときには以下の仲介手数料が発生します。
仲介手数料=「2,000万円×3%+6万円)×10%=72万6,000円
空き家のマンションを仲介で売却する際、数十万円~百数十万円ほどの仲介手数料が発生する点は大きなデメリットといえます。
なお、空き家のマンションを専門の買取業者に売却するときには仲介手数料は不要です。
引っ越し費用
前述のように、空き家のマンションを仲介で売却する際には室内に残されている家具などの不用品をすべて撤去する必要があります。
家具を現在住んでいる自宅でも使うなら、引っ越し代として10~30万円ほどの費用がかかります。
また不用品の処分を業者に依頼する場合は、不用品の種類や量によって異なるものの5~50万円ほどがかかると考えておくとよいでしょう。
なお、専門の買取業者に依頼すると空き家のマンションを不用品ごと買い取ってくれるので、あなたが費用を負担する必要はありません。
住宅ローンの繰り上げ返済手数料
マンションの住宅ローンが残っている場合は、完済して抵当権を抹消しないと売却できません。
【抵当権が設定された登記簿謄本(見本)】
金融機関が住宅ローンを貸す際に不動産を担保にする権利。もしローンを借りた方が返済不能に陥った場合、金融機関は抵当権を設定している不動産を競売にかけて強制的に売却し、その売却金額から返済を受けられるしくみとなっている
そのため空き家のマンションを売却するときは、残っているローンを一括で繰り上げ返済する必要があります。
一括返済時に発生する手数料は、0円~5万5,000円と金融機関によって異なります。
登録免許税
登録免許税は、登記手続きを行う際に国へ納める税金のことです。
住宅ローンを完済して抵当権を抹消するときには、不動産1戸に対して1,000円の登録免許税を納める必要があります。
また相続で取得したマンションの名義を被相続人から自身へと変更する登記を行う際にかかる登録免許税は、以下の計算式で算出します。
たとえば、空き家のマンションの固定資産税評価額が2,000万円のときにかかる登録免許税は以下の通りです。
相続登記の登録免許税=2,000万円×0.4%=8万円
なお、抵当権抹消登記や相続登記は自身で行うことも可能ですが、重要な手続きであり不備があると不動産を売却できなくなるので、司法書士に依頼することをおすすめします。
司法書士に依頼するときは、7~10万円ほどの報酬を支払う必要があります。
印紙税
印紙税は、不動産売買契約書をはじめとする課税文書に課される税金のことです。
印紙税の税額は、契約書に記載されている金額に応じて以下のように異なります。
なお、2027年3月31日までに作成された不動産売買契約書には軽減税率が適用されます。
契約書に記載された金額 | 本則税率 | 軽減後の税率 |
---|---|---|
10万円超50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超 | 60万円 | 48万円 |
たとえば空き家のマンションを2,000万円で売却するときには、1万円の印紙税を納める必要があります。
なお、印紙税は印紙税額に相当する金額の収入印紙を不動産売買契約書に貼り付ける形で納付します。
譲渡所得税
空き家のマンションを売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税を納める必要があります。
譲渡所得税は所得税・住民税・復興特別所得税(2037年まで所得税額の2.1%を課税)の総称です。
譲渡所得税の求め方は、以下の通りです。
取得費は家の購入代金や仲介手数料、税金など、譲渡費用は売却時にかかった仲介手数料や税金などを指します。
また、空き家のマンションの所有期間によって譲渡所得税の税率は以下のように異なります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 計 |
---|---|---|---|
5年超え(長期譲渡所得) | 15.315% | 5% | 20.315% |
5年以下(短期譲渡所得) | 30.63% | 9% | 39.63% |
ただし、空き家の売却時に利益が出ていないときには譲渡所得税を納める必要はありません。
以下3つの特例を活用すると譲渡所得税を納めずに済む可能性が高いため、事前に自身が利用要件を満たしているのかを確認しておきましょう。
3つの特例制度を知っておこう
空き家のマンションを売却する際に利用できる可能性がある特例は、以下3つです。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例は、自分が住んでいたマイホームを売却する際に譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。
つまり譲渡所得が3,000万円を超えない限り、譲渡所得税を納める必要はないということです。
また、所有期間が10年を超えているマイホームを売却するときには、以下の表の通り6,000万円以下の譲渡所得に対して軽減税率が適用されます。
課税譲渡所得金額 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|
6,000万円以下の部分 | 10.21% | 4% | 14.21% |
6,000万円超の部分 | 15.315% | 5% | 20.315% |
マイホームを売ったときの軽減税率の特例は前述の3,000万円特別控除の特例と併用できるので、うまく活用することで相当の節税につながるでしょう。
一方、相続した空き家のマンションを売却する際に一定の要件を満たしていると、譲渡所得から3,000万円を控除できる「相続空き家の3,000万円特別控除」を利用できます。
自分が住んでいなかったマンションでも3,000万円控除を利用できる可能性があるので、売却前に国税庁のサイトで利用要件を確認しておくことをおすすめします。
ただし相続空き家の3,000万円特別控除を利用するには、マンションを相続した日から3年を経過する日が含まれる年の12月31日までに売却しなければなりません。
適用期限までに仲介で買い手を見つけるのが難しいときには、弊社AlbaLink(アルバリンク)までお問い合わせください。
弊社なら、空き家のマンションをスピーディーに買い取ることができるためです。
査定は無料で行っているので、空き家のマンションがいくらで売れるのかを知りたい方もお気軽にご利用いただければ幸いです。
譲渡所得税を減額できる特例については以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
空き家のマンションを売却する4つの流れ
空き家のマンションを売却する際は、以下4つの流れで進めていきます。
- 複数の不動産業者に査定を依頼する
- 媒介契約を結んで売却活動を開始する(仲介のみ)
- 売買契約書を締結する
- 決済&引き渡しを行う
それぞれの流れの中で何を行うのか、具体的に見ていきましょう。
複数の不動産業者に査定を依頼する
まずは、不動産業者に査定を依頼することから始めます。
査定とは、不動産業者が物件の状態や立地、周辺の類似物件の取引状況などを踏まえて売却できそうな価格を算出することです。
このとき重要なのは、複数の不動産業者に査定を依頼することです。
じつは不動産業者によって査定時に使用するマニュアルが異なるので、査定価格にも差が生じがちです。
1社だけに査定を依頼すると、提示された査定価格が適正なのかどうかの判断ができません。
しかし複数社の査定価格を比較すれば、空き家のマンションの適正な売却相場をつかむことが可能です。
また、査定時には不動産業者の担当者の対応も比較しましょう。
中には、契約を獲得するためにあえて高額な査定価格を提示する悪質な不動産業者も存在するためです。
査定価格が高くても、空き家のマンションが実際にその価格で売却できるとは限りません。
悪質な不動産業者にだまされるのを防ぐためにも、査定価格を提示されたときにはその根拠を確認することをおすすめします。
悪質な不動産業者には査定価格を算出するにいたった明確な根拠がないので、売主が納得できるような説明はできません。
一方で、査定価格の根拠を尋ねた際に明確な根拠をもとに説明してくれる担当者なら、信頼できるといえます。
加えて、信頼できる優良な不動産業者に依頼するためにも以下のポイントをチェックするとよいでしょう。
なお、以下の記事では空き家の買取に対応している専門の買取業者を特徴別・地域別に30社紹介しています。ぜひ参考にしてください。
信頼できる優良業者を選ぶコツは「実績」と「評判」
信頼できる優良な不動産業者を選ぶためにも、まずは「実績」に着目しましょう。
不動産業者によって、一戸建てやマンションなど得意としている物件の種別は異なります。
空き家のマンションをできる限り早く、かつ高値で売却したいなら、マンションの売却実績が豊富な不動産業者を選ぶことがポイントです。
マンションに特化した不動産業者なら、売却に関するノウハウがあるだけでなく、マンションを購入したい顧客を抱えているので、よりスムーズに売却できる確率が高まります。
マンションの売却実績が豊富かどうかは、不動産業者のホームページを見れば分かります。
不動産業者を選ぶ際は、事前にホームページを確認するようにしましょう。
また、実際に不動産業者を利用した顧客の口コミを確認するのもポイントのひとつです。
たとえば、Googleマップで不動産業者の名前を検索すると、ユーザーが投稿した口コミを閲覧できます。
Googleマップで星評価が5段階中4以上あれば、顧客満足度の高い不動産業者といえるでしょう。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
媒介契約を結んで売却活動を開始する(仲介のみ)
空き家のマンションを仲介で売却するときは、仲介業者と媒介契約を交わして買主を探してもらいます。
媒介契約の種類と特徴は以下の通りです。
媒介契約の種類 | 特徴 |
---|---|
一般媒介契約 | ・複数社への仲介依頼が可能 ・不動産業者の競争意識が働き、より早期に売却できる可能性がある |
専任媒介契約 | ・1社のみに仲介依頼が可能 ・売主に対して2週間に一度以上売却活動の報告義務がある |
専属専任媒介契約 | ・1社のみに仲介依頼が可能 ・売主に対して1週間に一度以上売却活動の報告義務がある |
築年数が浅く、人気のあるエリアに立地しているマンションは需要が高いので、複数社と一般媒介契約を交わし、買主を見つけてもらうとよいでしょう。
一方で、築年数が古く立地が悪いマンションは需要が少なく仲介で売却するのは難しいため、専門の買取業者に依頼することをおすすめします。
なお、専門の買取業者に売却する場合は売却活動のステップが省略されます。
買取業者から提示された査定価格に納得がいったら、次の売買契約書を締結するステップへ進みます。
売買契約書を締結する
仲介の場合は購入希望者が見つかったら、買取の場合は売却する買取業者を決めたら売却価格や引き渡し時期などの諸条件を決めたうえで売買契約を交わします。
仲介では、このときに手付金として買主から売買金額の10%を受け取ります。
また、仲介手数料の半分を不動産業者に対して支払う形が一般的です。
決済&引き渡しを行う
仲介の場合、マンションを購入する買主は基本的に住宅ローンを使用します。
そのため、売買契約締結後にすぐ決済を行うのではなく、買主の住宅ローン本審査が承認されるのを待つ必要があります。
住宅ローンの本審査にかかる期間は、1~2週間です。
買主が無事に住宅ローン本審査に通過したら、残金の決済と物件の引き渡しを同時に行って終了です。
また、仲介手数料の残りを仲介業者に支払います。
一方、買取では現金決済が基本です。
空き家のマンションをすぐに引き渡せるのなら、売買契約締結日当日に決済を行うことが可能です。
不動産を売却して譲渡所得(利益)が発生したら、売却した翌年の2月16日~3月15日までの期間に確定申告を行い、譲渡所得税を納めます。
まとめ
マンションを空き家として放置すると、老朽化が進んで資産価値が下がるリスクがあります。
築年数が経過して物件の状態が悪化するほど売却価格が低くなるため、今後もマンションの利用予定がないなら早めに売却したほうがよいでしょう。
もしあなたのマンションの築年数が浅く、立地がよい場合には買い手からの需要が見込めるため、仲介で売却できる可能性があります。
一方で、築年数が古く立地が悪いマンションは仲介で買い手を見つけるのは困難なため、専門の買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、空き家となったマンションを積極的に買い取っている専門の買取業者です。
過去には訳あり物件を買い取る専門業者として、フジテレビの「newsイット!」にも取り上げられました。
年間600件以上の買取実績をもとに、あなたのマンションをできる限り高値で買い取らせていただきます。
空き家となったマンションをなるべく早く売却したい、少しでも高く売りたいなら、ぜひ弊社AlbaLink(アルバリンク)にお任せください。