空き家を売却するなら買取一択
空き家は、所有者にとってリスクしかありません。(詳細は後述します)
そのため、活用予定がない空き家は早急に処分すべきです。
空き家の処分方法はさまざまありますが、一番高確率で処分できる方法が、買取での売却です。
まず不動産の売却方法には、「仲介」「買取」の2種類があります。
この2種類の売却方法の中で、空き家売却で買取が勧められるのは、「仲介」「買取」とでは主に買主および購入目的が異なることが原因です。
空き家の処分方法が買取ほぼ一択である理由を説明するにあたって、まずは「仲介」「買取」それぞれの売却方法の仕組みについてご紹介します。
ただし一部例外として仲介での売却がおすすめな空き家もありますので、詳細は後述します。
「仲介」「買取」それぞれの仕組み
不動産を売却する2種類の方法である「仲介」「買取」それぞれの売却の仕組みについて解説します。
仲介での売却
仲介の売却では、主に居住目的である個人が買主になります。
売主から依頼を受けた仲介業者が、SUUMOやアットホームなどのポータルサイト等に空き家の情報を掲載するなどして販売活動を行い、およそ3か月から半年以上の時間をかけて購入希望者を探します。
売買契約が成立すれば、仲介業者は成功報酬として仲介手数料(売却価格の3%+ 6万円+消費税)を受け取ります。
買取での売却
買取の売却では、事業目的である買取業者が直接買主となります。
空き家にリフォームや改装をして付加価値を付けて、再度販売することで利益が見込めると判断すれば、査定価格を提示し、売主との金銭的な合意が得られれば即売買が成立します。
リフォームや改装を行うことが前提なので、どんなにボロボロな空き家であっても、買い取ることが可能です。
ただし物件購入後にリフォーム等を行う分、買取価格は下がります。
空き家の売却は買取一択である理由
前述した買取での売却の仕組みは、空き家を売却する際にさまざまなメリットを生み出しています。
その詳細について紹介していきます。
最短1週間で売却できる
買取では、買取業者が空き家の査定を行い、利益が見込めると判断すれば査定価格を提示します。
買取業者と空き家所有者の間で金額の合意があれば、手続きを経て最短1週間ほどで売却が可能です。
対して仲介では、築年数が古いなど居住条件が悪い空き家は、年単位で売れ残るケースや永遠に売れないケースも珍しくありません。
実際に、弊社が独自に行った「不動産を購入する際、築年数は何年までがベストか?」のアンケート調査で、90%の人が「築30年以内」と答え、「築31年以上」と答えた人は10%でした。
なお、弊社は築年数の古い空き家を専門に扱う買取業者で、お持ちの空き家をスピーディーに買い取りいたします。
また、常に弁護士と連携していますので、相続に起因した問題を抱えた空き家もスムーズな買取が可能です。
無理な営業活動は一切おこないませんので、まずはお気軽にご連絡ください。
仲介手数料がかからない
買取の場合は買取業者との直接取引となるので、仲介手数料は不要です。
一方仲介では、前述したとおり売主は仲介業者に仲介手数料(売却価格の3%+ 6万円+消費税)を支払う必要があります。
仲介手数料=(1,000万円×0.03+6万円)×1.1(消費税)=39万6,000円
内覧対応が不要
買取では、売買のために空き家所有者が現地に行く必要があるのは、基本的に業者による現地査定時のみです。
もし空き家が遠方の場合は、オンラインで査定を行ってくれる買取業者も多く、その場合は査定への立会いも不要になります。
一方仲介の場合は、空き家の購入希望者が現れるたびに、売主が日程を取り付けて内覧対応を行う必要があります。もし空き家が遠方であっても内覧のたびに現地を訪れなければならず、買取と比較して空き家所有者の負担が大きくなってしまいます。
売却後の契約不適合責任が問われない
買取業者に空き家を売却した場合、売買契約時の特約によって契約不適合責任の一切が免責されます。
売却後、契約時に買主が聞かされていない不動産の不具合や欠陥(雨漏りやシロアリ被害等)があった場合に、売主が負う責任のこと。
なぜなら前述した通り、買取業者は不動産のプロとして欠陥や設備不具合等を踏まえて空き家を購入することに加え、購入後にリフォーム等を行うことを前提に空き家を購入するからです。
そのため買取であれば、どんなにボロボロな空き家であっても売主が安心して売却できます。
一方仲介の場合は、不動産知識を持たない個人が買主になるため、契約不適合責任が適用されます。
たとえば空き家売却後、契約書に記載のない雨漏り箇所があることを買主が発見した場合、売主は高ければ数百万円もの修理費用を買主から請求されてしまいます。
契約不適合責任についての詳細は下記記事をご覧ください。

売買契約後に破棄されることはない
買取業者は成立した売買契約を撤回することはまずありません。
不動産のプロが契約を破棄したともなれば、お客様はもちろん、同業他社や協力業者の信頼も失ってしまうからです。
対して仲介では、売買成立後も買主の様々な事情により、引き渡しの直前になって契約が白紙に戻ることが多々あります。
売買契約を白紙されてしまう主な事例は以下の通りです。
- 買主が住宅ローンの審査に落ちてしまった
- 他に気に入った物件を見つけた
もし仲介で売却できても、白紙に戻されてしまえば、再度数か月かけて買主を探さなければなりません。
解体やリフォーム費用がかからない
前述の通り、買取はリフォーム等を行う前提で購入するので、買取業者に売却するために空き家所有者が工事等を行う必要はありません。
一方仲介での売却の場合、居住目的である個人のニーズが少しでも高まるよう、リフォーム等を行うことを仲介業者から勧められることがあります。
しかし、空き家をリフォームや解体等をしたところで結局ニーズが高まらず、売れ残ってしまうことがほとんどです。もし売却できなければ、工事のための出費だけが残り、赤字になってしまいます。
欠陥や不具合があることが当たり前ともいえる空き家の売却にとって、解体やリフォームが不要であるというのは大きなメリットです。
必ずしも残置物を撤去する必要はない
買取では、買取業者がリフォーム等を行うのと同様に、残置物を撤去してくれます。
そのため、所有者自身では片付けられないほど不用品やゴミがあっても、残置物を撤去せずにそのまま空き家を売却できます。
一方仲介では、売却前に売主が家具やゴミ等の残置物を撤去しておかねばなりません。
購入希望者が空き家の内覧に訪れた際、残置物が残った状態では購入したがる個人はいないからです。
弊社は、豊富な空き家の買取実績と専門知識から、コスパよくリフォームを行える分、高額買取が可能です。
他社の買取価格に納得できなかった方や、売却先が見つからないという方は、ぜひご相談ください。
近隣に売却が知られない
買取では、空き家所有者と買主である買取業者とで直接売買するため、第三者に対しての宣伝活動が行われません。
そのため、近隣住民や知人に知られることなく空き家を手放すことができます。
一方仲介の場合、前述の通り、仲介業者がインターネットや新聞チラシなどの各種広告媒体を通じて広く宣伝活動を行います。
そのため、不動産を売りに出していることを近隣住民や知人に知られてしまう可能性があります。
もし空き家の売却を近隣に知られたくない場合は、買取であれば安心して売却が可能です。
空き家の買取相場は市場価格の70%というウソ
空き家の買取相場は市場価格の70%程度とよく言われています。
しかし、この70%という数字には何の根拠もありません。
なぜこのような根拠のない数字が広まってしまったのか解説していきます。
そもそも市場価格とは
市場価格を辞書で調べると、以下の通りです。
市場において、需要と供給との関係によって現実に成立する価格
引用:デジタル大辞泉 小学館
具体的には、売主から不動産の売却依頼を受けた不動産仲介業者が、様々な広告媒体を通して市場に広く物件情報を拡散させ、最終的に買主との間で成立した売買代金=市場価格と言えるでしょう。
つまり、仲介業者を通して売買が成立した価格を市場価格と考えて間違いありません。
買取相場70%説の元凶と計算式
買取の場合、不動産業社は物件の市場価格から30%程度差し引いて買い取らなければ商売が成り立たないと言われています。
不動産業社は、買い取り後に再販しますが、商品化するまでに「リフォーム費」「人件費」「登記や測量などの費用」を捻出したうえで、利益も残さなければ倒産してしまうからです。
この差し引かれる30%という数字が、買取相場が市場価格の70%と言われる元凶だと考えられますが、空き家の条件によっては40%や50%差し引かないと買い取れないケースもあります。
人気のないエリアであれば売れ残るリスクも価格に反映しなければなりませんし、状態の悪い空き家であれば、買取業者がその空き家を再販するまでに必要な経費が増えてしまうからです。
また、買取業者であっても買い取れない空き家もあります。
空き家にリフォーム等を行っても、事業目的の需要すらないようなエリアに所在する場合には、買い取ったところで活用方法がなく再販による利益が見込めないからです。
このように、空き家の買取相場が市場価格の7割と言われていることに具体的な根拠はありません。
実際には、買い取る空き家の所在や状態を調査し、再販のために必要となる費用を根拠として買取価格は決まります。
空き家の買取相場は調べるより査定価格をもらったほうが正確
空き家の買取相場は、空き家所有者自身が独自に調査してみるより、直接買取業者に査定を依頼しましょう。
買取相場を想定することは不可能ではありませんが、空き家が所在するエリアや物件の状態によって、再販に必要となるリフォーム費用や経費等は大きく異なるからです。
また不動産知識が無い個人が、空き家にどれぐらいリフォームが必要かを正確に想像することは困難です。
そのため、いくらリフォーム費用等を想定してみても、実際の買取価格とは大きく離れてしまうことが十分あり得ます。
空き家の買取相場(概算)を調べる方法
とはいえ、概算であれば自分で買取相場を調べる方法はあります。
ただし前述の通り、空き家の相場は実際の買取価格と大きく離れてしまうことも少なくありませんので、正確に買取価格を知るには複数の買取業者へ査定を依頼しましょう。
空き家の買取相場の概算は、下記の計算式で算出が可能です。
ここからは算出に用いる各項目の調べ方を紹介します。
-
- 市場価格を調べる
- リフォーム費用(概算)を算出して差し引く
- 買取業者の利益と諸経費(概算)を算出して差し引く
市場価格を調べる
まずは、所有する空き家の市場価格を調べます。
基本的には「一般のポータルサイト」でいくらで売り出されているかを把握できますし、「REINS Market Information(不動産流通機構)」「土地総合情報システム(国土交通省)」で実際の成約事例を確認できます。
ポータルサイトを使った調査方法
ご自身の空き家と条件が近い物件の売り出し価格を調査しましょう。SUUMO、アットホーム、ホームズあたりで調べれば間違いありません。
具体的には以下のような項目を絞り込めば類似した物件が表示されるはずです。
- 物件種別(中古一戸建て)
- 詳細エリア
- 土地面積
- 建物面積
- 間取り
- 駅徒歩分数(都市部であれば)
- 築年数
ただし、ポータルサイトの掲載金額はあくまで売り出し価格で、最終的な売買価格ではありません。
中古戸建は「値下げ」や「金額交渉」が一般的なため掲載金額と異なる金額で成約しているケースも多いからです。
土地総合情報システムを使った調査方法
土地総合情報システムは国土交通上の運営サイトで、不動産の売買が行われた際の所有権移転登記の情報から買主を把握し、アンケートを送付して得た結果で成り立っています。
ポータルサイトとは違い実際の売買価格を確認できますが、アンケートを返送してくれた買主の物件しか掲載されないので、母数はかなり少なめです。
REINS Market Informationを使った調査方法
REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)とは、全国の不動産業者のみが閲覧できるサイトを、個人でも見れるよう新しく作られたサイトです。
掲載されている物件数が多く、細かく条件を絞り込めますが、下記情報については掲載されていないため、所有する空き家の実際の買取価格とは大きく異なる可能性が十分あります。
- 直近で大規模なリフォームをしているのか?
- 周辺環境は問題ないか?
リフォーム費用を計算して差し引く
リフォーム費用(概算)は一般的に5万(円/㎡)とされており、下記計算式で算出できます。
ただし、老朽化が激しい空き家や、雨漏り箇所やシロアリ被害がある空き家、アスベストが使用されている空き家であれば、10万(円/㎡)程度を見積もる必要があります。
諸経費を計算して差し引く
買取業者が空き家を売却するには、最低でも空き家の市場価格の20%ほどの諸経費がかかります。
空き家売却にかかる人件費や、登記・測量費、営業を支える事務員にかかる人件費、査定のための交通費、その他会社を運営していくために必要な費用等がかかるからです。
買取相場の計算例
- 市場価格:2,000万円
- リフォーム費用:500万円
- 諸経費:400万円
繰り返しになりますが、この計算式は、あくまで簡易的な買取価格の想定であって、全く違った金額になる可能性も十分あります。詳しくは、空き家の買取専門業者に査定して貰うことをオススメします。
弊社も、空き家の無料査定を行っております。無理な営業などは一切ありませんので、安心してお問い合わせください。
空き家を高値で買い取ってもらう6つのテクニック
空き家を高値で買い取ってもらうには、下記の6つのテクニックがあります。
- オンライン査定なら直前の外観・内観の写真を準備する
- 売却前に自分で残置物の撤去をする
- 空き家の取り扱いが得意な買取業者を選ぶ
- 複数の買取業者に査定を依頼する
- 信頼できる営業担当者を見極める
- 買取価格の交渉をしてみる
これらのテクニックを抑え、少しでも高く空き家を売却しましょう。
それではひとつずつ説明していきます。
オンライン査定なら直前の外観・内観の写真を準備する
遠方にある空き家をオンラインで査定してもらうことも可能ですが、その際には外観・内観の写真を用意しておきましょう。
築年数の割に状態の良い空き家なら、写真がない状態で築年数のみから判断されては損になってしまうからです。
特段状態が良い空き家でなくても、買取業者は出張の手間や費用が浮くわけですから、買取に積極的になってくれるというメリットも望めます。
売却前に自分で残置物の撤去をする
空き家専門の買取業者は残置物があったままでも買い取りが可能です。
しかし空き家の残置物が大量でないなら、売却前に自分で残置物の撤去をすることで、買取業者が行う予定だった残置物撤去費用分、高く買い取ってもらうことも可能です。
空き家の取り扱いが得意な買取業者を選ぶ
買取業者のホームページ等から、空き家の買取が得意な業者か、確認しましょう。
普段から空き家を扱っていれば、リフォーム費用を安く抑えるノウハウや、高く売るテクニックが蓄積されているため、強気な価格での買取も可能だからです。
弊社は空き家の買取に特化した専門業者ですので、これまでの経験や知識を活かして適正価格を提示致します。
当社営業担当者が責任を持って査定させていただきますので、ぜひ一度ご連絡ください。
複数の買取業者に査定を依頼する
複数の買取業者に査定依頼をして、信頼できる営業担当者を見つけましょう。
買取価格だけでなく、営業担当者の信頼度を比較することができるからです。
信頼できる営業担当者の見分け方は(ページ内リンク)にて紹介します。
信頼できる営業担当者を見極める
信頼できる営業担当者を見極めるには、3つのポイントがあります。
以下を実践して信頼できる営業担当者を見分け、より好条件で安心して買い取ってもらいましょう。
聞き上手な営業担当者
聞き上手な営業担当者かどうかは重要です。
例えば、所有者は早く手放したいのに、営業担当者が意図を聞き逃してしまえば、売却までに何か月もかかってしまおそれもあります。
希望条件をしっかり聞き出して、所有者の意図を正しく理解できる営業担当者を見つけましょう。
隠し事なく説明してくれる営業担当者
所有者にとってリスクやデメリットについても隠さず説明してくれる営業担当者を選びましょう。
いいことしか言わない担当者は、契約直前になって、所有者にとって不利な条件を提示してくるおそれもあるからです。
そのためリスクやデメリットがないか、率直に聞いてみましょう。
査定金額の根拠を提示してくれる営業担当者
査定金額に対してしっかりと根拠を持って説明してくれるかどうかも大切です。
「古い空き家なので金額もこんなもんです。」と根拠のない査定結果を提示してくる営業担当者よりも、周辺事例や、買い取り後のリフォーム費用の想定など、複数のデータに基づいて査定金額の根拠を説明してくれる担当者のほうが、安心して売却できます。
買取価格の交渉をしてみる
信頼できそうな営業担当者は見つかったけれど、他の業者の方が査定額が高かった場合、ストレートに交渉をしてみましょう。
もちろん、買取業者は過去の成約事例などの根拠を持って査定をしているので、金額交渉に応じられないこともあります。
とはいえ、親身になって所有者の話を聞いてくれる営業担当者であれば、たとえ買取価格のアップが難しくても、他社の査定金額や条件に不審な点がないかなどを教えてくれるはずです。
空き家を買取業者に売却する流れ
ここでは、実際に空き家を買取業者に売却するまではどのような流れなのか、ご説明します。
空き家を買取業者に売却する流れは以下の通りです。
- 問い合わせ・査定依頼
- 査定
- 査定金額を元に詳細を打ち合わせ
- 売買契約
- 決済・引き渡し
- 確定申告
買取の問い合わせ・査定依頼
まずは査定依頼をして、いくらで買い取ってもらえそうか確認します。
繰り返しになりますが、空き家の取り扱いを得意とし、実際に買取実績が多くある買取業者に問い合わせをしてみましょう。
現地調査・査定金額の提示
買取業者が空き家と周辺環境等を調査したうえで、査定金額を提示します。
空き家が遠方にある場合は、売主の立会いなしでの調査も可能なので、担当者に相談してみましょう。
もちろん弊社でも、立会い不要で、ご依頼から最短で翌日に査定金額を提示させていただいております。お気軽にご相談ください。
査定金額を元に詳細を打ち合わせ
査定金額をベースに、買取業者と売主で条件をすり合わせていきます。
前述した信頼できる買取業者を見分けるポイントも踏まえて、価格交渉をしてみましょう。
そのほかにも、残置物撤去の有無や具体的な売買の日程調整、必要書類の説明なども行います。
売買契約を結ぶ
双方が売買条件に合意したら、契約内容(条件)を契約書にまとめ、売買契約を行います。
売買契約時の主な必要書類は以下の通りです。
各種書類 | 取得方法 |
---|---|
登記済権利証(登記識別情報) |
不動産取得時に法務局より交付 |
土地測量図面、境界確認書 |
全国の法務局で取得可能 |
固定資産税納付通知書 |
毎年4~6月ごろに各市町村から送付 |
印鑑証明書 |
役所で取得可能 |
住民票 |
役所で取得可能 |
実印 |
各自で保管 |
身分証明書 |
各自で保管 |
収入印紙 |
郵便局やコンビニ等で購入可能 |
決済・引き渡し
決済当日に「現金決済」または「口座振込」で決済を行います。
決済完了後、担当の司法書士が所有権移転登記を行い、物件の名義を買取業者に変更します。
確定申告
不動産を売却したあとは、確定申告が必須です。
売却した翌年の2月16日から3月15日の間に、所有者の住民票がある地域を管轄する税務署にて、確定申告をおこなってください。
確定申告により収める譲渡所得税については後述します。
相続空き家の売却額から3000万円控除しておトクに
前述したとおり、不動産売却後、売却額に応じた譲渡所得税を支払います。
ただし、相続によって得た空き家の売却であれば、譲渡所得から3000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」通称「空き家特例」が適用されるかもしれません。
特例が適用できれば、譲渡所得税の支払いを0円もしくは少額にすることで、手元に残る金額を多くできる可能性があります。
ただし、控除を受けるための条件はかなり厳しく、適用される期間は令和5年(2023年)12月31日までの売却に限ります。
条件の一部は下記の通りです。
適用される空き家の条件(一部)
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた
- 被相続人が1人で住んでいた
- 相続から売却までずっと空き家
- 新耐震基準を満たしている、または耐震リフォーム済み
- 売主と買主が、親族など特別な関係でない
- 相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却
そのほかの適用条件や手続き方法等については下記記事をご覧ください。

空き家は所有し続けてもリスクしかない
空き家を所有は下記のようなリスクを伴うため、金銭的負担や体力的負担、精神的負担が増すばかりです。
早急に処分し、これらの負担から解放されましょう。
- 維持管理費や固定資産税がかかる
- 老朽化が加速度的に進行し資産価値が下落する
- 近隣から損害賠償を請求される可能性がある
- 特定空き家に指定される
- 犯罪に悪用される
それでは、具体的にどのようなリスクがあるのか、ひとつずつ説明します。
維持管理費や固定資産税がかかる
空き家はただ所有しているだけでも、年間数十万円もの費用がかかってしまいます。
毎年の固定資産税の支払いや、空き家を管理するための費用が必要になるからです。
所有する空き家の所在地や広さ、管理の仕方等によって金額は異なりますが、空き家の所有には大まかに下記のような維持費用がかかります。
【空き家の所有にかかる費用内訳】
内容 | 目安金額 | 備考 |
---|---|---|
固定資産税 | 年間数万円~ | 空き家を使っていなくても、毎年必ず支払わなければならない。 |
水道料金 電気料金 |
年間数万円~ | 解約しなければ、最低でも基本料金はかかる。 |
交通費 | 年間数千円~ | 自分で管理する場合には、毎月交通費が発生。
(例)東京~高知の場合 |
委託費 | 年間数千円 ~10万円超え |
空き家管理代行サービスに委託する場合には、毎月委託費が発生。 |
上記からもわかるように、数年放置してしまったばかりに、気付けば数百万円もの費用を空き家の維持に支払っているかもしれません。
老朽化が早く進行し資産価値が下落する
空き家は、人が居住している家屋と比べて老朽化が早く進行し、資産価値も急激に下落してしまいます。
日常的に人の出入りがないと換気がされず、湿気が溜まりやすくなり、柱や梁等の木材の腐敗スピードが加速するからです。
活用方法がない空き家を所有しているならば、これ以上資産価値が下がってしまう前に、今すぐにでも買取業者への売却を検討すべきです。
買取業者への売却の詳細については後述します。
将来、ほぼ確実に空き家に住む予定があるなどの理由で空き家を維持したいという場合には、定期的な管理作業が重要になります。

近隣トラブルを招いたり損害賠償を請求される可能性がある
管理が行き届いていない空き家は、近隣住民とのトラブルを招きやすくなってしまいます。
空き家が原因でおきるトラブルの一例
- 空き家にゴミを不法投棄されることによる悪臭問題
- 管理不足で樹木が伸び放題になることによる景観悪化
- 人が長期間立ち寄らず害獣が住みつくことによる害獣繁殖
また前述のとおり空き家は老朽化の進行が早いため、台風や地震などで建物が倒壊し、通行人にケガを負わせる危険性も十分にあります。
倒壊によって第三者へ損害を及ぼせば、空き家の所有者は賠償責任を問われることにもなりかねません。
例えば、公益財団法人 日本住宅総合センターは、外壁材等の落下による死亡事故が発生した場合、損害賠償額は5,630万円に上ると試算しています。
参照元:公益財団法人 日本住宅総合センター「空き家発生による外部不経済の損害額の試算結果」
近隣住民とのトラブルを避けるためにも空き家を適切に管理する、あるいは手放すといった選択が重要になります。
固定資産税の増額や空き家の強制解体を招く
管理不足によって近隣に著しい害を与える危険性が高い空き家は、固定資産税が増額したり、最悪の場合空き家を強制的に解体されてしまうことがあります。
なぜなら、適切に管理されていない空き家は、自治体によって特定空き家に指定されてしまうからです。
特定空き家に指定されると、空き家所有者は自治体から適正管理に向けた助言等を受け、従わない場合には罰則も受けることになります。
助言、指導を無視し勧告にも従わなかった場合には、固定資産税の特例から除外され、命令に背けば50万円以下の過料(罰金のこと)を科されます。
最終的に空き家を強制的に解体されれば、解体費用を空き家所有者が支払わなければなりません。
特定空家に指定された空き家の固定資産税 -計算例-
空き家の固定資産税評価額を2,400万円とした場合、以下のように計算されます。
【本来の固定資産税額】
2,400万円(評価額)×1/6(軽減特例)×1.4%(税率)=5.6万円
【特定空家等に認定された場合】
2,400万円(評価額)×1.4%(税率)=33.6万円
このように、本来は不要である費用をかけてしまわない為にも、空き家は決して放置してはいけません。
特定空き家への指定と支払わなければならない固定資産税の詳細については、下記記事をご覧ください。

犯罪に悪用されてしまう
空き家は犯罪に利用されやすい傾向があります。
なぜなら空き家は、人が住んでいないことが見ただけでわかるような状態であることが多く、犯罪者に目を付けられやすくなってしまうからです。
【犯罪者に狙われやすい空き家の特徴一例】
空き家の特徴 | 狙われやすくなる理由 |
---|---|
窓が割れていたり扉の鍵が開いている | だれでも容易に侵入できてしまうから |
庭木や雑草が伸び放題な空き家 | 管理されていないのがひと目でわかるうえに、見通しが悪く人目につきにくいから |
集合住宅の空き部屋 | 構造上、外からの人目に付きにくいため |
町外れの空き家 | 通行人に目撃されるリスクが少ないから |
実際に空き家が巻き込まれた事件は、以下のような例があります。
空き家で起きた犯罪事例
- 不正に入手したクレジットカードで購入した商品を、空き家で受取り換金する
- 空き家の住人を装ってオレオレ詐欺の現金を受け渡しする
- 空き家で大麻などの違法薬物を栽培する
以上のように、放置してしまった空き家は自分が知らない間に犯罪の拠点にされている可能性があります。
また、もし犯罪に巻き込まれれば、近所で噂されたり、事故物件のようになって資産価値が大幅に下落してしまう恐れすらあるのです。
空き家の売却方法を選択する基準とそれぞれ向いている空き家の例
前述したように、空き家の売却は基本的に買取一択ですが、場合によっては仲介で売却できる空き家もあります。
所有する空き家と下記基準とを照らし合わせ、「買取」「仲介」どちらで売却するか、選択しましょう。
仲介でも売却できるのは限られた条件を満たす空き家のみ
所有する空き家が以下の条件を満たす場合には、仲介でも売却できる可能性が高くあります。
逆に以下の条件を満たさない空き家は、多くの場合仲介では売れ残ってしまうので、買取での売却を選択してください。
もし仲介と買取どちらで売却すべきか判断するのが難しいときは、仲介業者と買取業者の両方、それぞれ複数の会社に見積りを取り、査定価格を比較して検討しましょう。
【仲介で売却が見込める空き家の条件(一例)】
築年数 |
20年未満 |
---|---|
立地(都心の場合) |
主要な駅まで徒歩15分~20分程度で着く |
立地(郊外の場合) |
|
空き家の状態 |
現状のまま問題なく居住できる (リフォームや改修等が不要) |
仲介での売却が向いている空き家
では前述の選択基準を受けて、具体的にどのような空き家が仲介での売却に向いているのか、紹介していきます。
- 築年数が浅い空き家
- 居住ニーズが高いエリアに位置する空き家
築年数が20年未満の空き家
築年数が20年未満の空き家であれば、買主がそのまま居住できる可能性が高いため、仲介でも十分売却が可能です。
また空き家所有者にとっても、多くの場合売却のために費用をかけてリフォームや解体をする必要はありません。
利便性が良く居住ニーズが高いエリアに位置する空き家
前述した立地条件を満たす空き家のように、都心にせよ郊外にせよ利便性が良いエリアや、再開発中で居住ニーズが高まっているようなエリアに位置する空き家なら、仲介で売却できる可能性が十分にあります。
このように立地が良い場合、空き家の状態が良ければ高値での売却も見込めます。
買取での売却が向いている空き家
前述のように、仲介に向いている空き家ではない場合には、買取で売却しましょう。
仲介で売却できなくても買取なら売却できる、というのは実際どのような空き家なのか、具体的に紹介していきます。
買取での売却に適している空き家
- 買い手探しが困難な空き家
- リフォームが必要な空き家
- 長期間放置されている空き家
- 売却後に急な出費を心配したくない方
- なるべく早く売却したい方
買い手探しが困難な空き家
築年数が30年や40年などの古い空き家や、市街地までの距離が遠く立地が悪い空き家などでも、買取でなら売却が可能です。
居住目的である個人のニーズが低い空き家でも、買取であれば不動産のプロである買取業者が利用価値を見出し、買い取れるからです。
リフォームが必要な空き家
ボロボロでそのまま住むことが出来ないような空き家でも、リフォーム等を行うことを前提とした買取であれば、売主は工事費用をかけることなく売却できます。
長期間放置されている空き家
リフォームとまでは言わずとも、長期間放置してしまいカビや埃がひどい、という空き家も、買取でなら空き家所有者が清掃等を行わなくても売却できます。
前述のとおり、買取業者はリフォームを前提として空き家を購入するからです。
売却後に急な大きな出費を心配したくない方
買取であれば、前述のとおり契約不適合責任の一切を免責する特約を買取業者と締結することが一般的であるため、売却後に物件の修繕費用等を求められることはありません。
なるべく早く売却したい方
すぐに空き家を現金化したい場合、買取業者が直接買主となる買取であれば、売主が金銭的に合意でき次第、最短7日程度で売却が可能です。
おすすめしない空き家の売却方法
最後に、買取以外の売却方法をご紹介します。
ただし、それぞれお勧めできない理由があります。
まずは買取業者に査定を依頼し、買取での売却を検討してみてください。
空き家もリフォームすれば高く売れるは間違い
「空き家をリフォームすればその分高く売れる」とアドバイスをする不動産会社に注意してください。
仲介では結局売れ残ってしまい、リフォーム費用を回収できずに、売主が損をしてしまうケースの方が多いからです。
例えば、築年数が古い空き家のリフォームを行って見た目が綺麗になったとしても、基礎や構造が古いままでダメージが蓄積した空き家であることに変わりはありません。
また立地条件が悪い空き家だった場合、リフォームしたところで立地の悪さに変わりはないので、結局ニーズが高まらず、結局売れ残ってしまいます。
さらに、あえて空き家を探しているような買い手の中には、購入後に自らリフォームすることを前提としている人も多くいます。
そんな買い手にとってみたら、他人の趣味で行ったリフォームなど無価値にしかなりません。
売却できるかわからない空き家のために高額な費用をかけずに、まずは買取業者からの査定価格を確認しましょう。
空き家を解体しても売却できるとは限らない
空き家の解体は、高額の費用がかかるうえに、リフォームと同様にニーズが無く結局売れ残ってしまうことが多くあります。
また家屋を解体して更地にすると、小規模宅地等の特例から外されて固定資産税が6倍になり、買い手が見つかるまでの間、高額の固定資産税を支払い続けることになってしまいます。
安易に解体を決断せず、買取での売却をまずは検討しましょう。
空き家の解体費用の詳細については、空き家解体にかかる費用|空き家の最適解は解体ではなく『買取』をご覧ください。
空き家バンクはあてにならない
空き家バンクとは、空き家を売りたい・貸したい所有者が、所在する自治体のホームページに空き家情報を掲載し、その情報から空き家を買いたい・借りたい希望者が好みの空き家を探し、売買する仕組みです。
しかし、実際に売買に至るかどうかは難しいものがあります。
なぜなら、空き家バンクに登録したところで、結局仲介での売却と同様に居住目的である買主を探すことに変わりはないからです。
また自治体はあくまでホームぺージを運営しているだけで、販売活動への助言や手厚い保証等はなく、自治体と業務提携した仲介業者でなければ仲介を依頼できないので、空き家所有者が自分で業者を選ぶこともできません。
このように、空き家バンクに登録しても仲介同様の理由で売れ残ってしまうので、買取業者への売却をまずは検討してください。
まとめ
築年数が古かったり、立地が悪く居住ニーズが低い空き家は、空き家専門の買取業者に買い取ってもらいましょう。
買取であれば、所有者自身が空き家のリフォームや解体等を行う必要が一切ありません。
また、買取業者が直接買主になるので、1週間から1ヶ月程で売却できます。
ただし、買取価格を所有者自身で計算することは難しいので、買取業者に依頼して簡単に把握しましょう。
なお、買取業者を選ぶ際には空き家の買取実績があるか確認し、複数の買取業者に査定を依頼して比較してください。
弊社は、全国の空き家を専門的に買い取っている空き家買取業者です。
とりあえず空き家の買取価格を知りたい方や、空き家の売却方法を相談したいという方も、ぜひご相談ください。