空き家の売却方法4選【価格相場もあわせて解説】
空き家を売却する方法は、主に以下の4つがありますので、詳しく解説していきます。
- 空き家をそのまま仲介で売却する
- 解体して仲介で売却する(更地にして売却する)
- 空き家バンクを活用する
- 専門の買取業者に買い取ってもらう
上記を読んでもらえるとわかりますが、「仲介」と「買取」という言葉が出てきます。
これらは不動産の売却方法の種類を指し、仲介と買取の違いを簡単に紹介すると以下の通りです。
仲介 | 不動産会社が売主と買主の間に立ち、「仲介役」となって不動産を取引する方法 |
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買取 | 不動産会社が直接不動産を買い取る方法 |
詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
>>「仲介」と「買取」の違い(内部リンク)
空き家をそのまま仲介で売却する
空き家を売却する1つ目の方法は「空き家をそのまま仲介で売却する方法」です。
現状の空き家に何も手を加えることなく、そのまま仲介業者に売却依頼をかける方法です。
この売却方法には、主に以下メリットとデメリットがあります。
- 【メリット】リフォームや解体の手間がない
- 【デメリット1】売却価格が安くなる
- 【デメリット2】買い手が見つかるまで時間がかかる
【メリット】リフォームや解体の手間がない
空き家をそのまま売却に出すことで、あなたがリフォームや解体を行う手間が省けます。
後述しますが、一般的に空き家は老朽化しており、売り出す前にリフォームや解体をしないと売れないケースが多いです。
ですが、例えば空き家の築年数が20年以内の築浅であり、人が住むのに問題がないほど綺麗な建物なら、そのまま売りに出しても買い手は見つかるでしょう。
また、空き家が多少傷んでいるくらいなら、「軽くリフォームすればいいのでそのまま買いたいです」と考える人もいます。
あなたの空き家が築浅で人が十分に住める綺麗な状態なら、そのまま売却に出すのが最も簡単な売却方法です。
【デメリット1】老朽化している場合は買い手側で修繕が必要なので売却価格が安くなる
空き家が老朽化している場合、老朽化していない一般的な物件よりも売却価格が安くなります。
空き家のほとんどは築古で老朽化していることがほとんどです。よって、人が住める状態にするには買い手がリフォームが必要となりますが、その費用の分、売却価格が安くなってしまうのです。
「木造の戸建て」の一般的なリフォーム代の相場は「200万円~500万円」ほどかかります。
ですから、あなたの空き家が老朽化しているなら、売却相場より「500万円前後」安くなることは忘れてはいけません。
【デメリット2】買い手が見つかるまで時間がかかる
空き家をそのまま売却に出すことはできますが、買い手が見つかるまで、およそ「3~6カ月」の期間を要すると考えておいた方が良いです。
空き家が老朽化し、人が住めない状態であるほど売れづらくなります。人が住めない物件を欲しいと思う人が少ないからです。
例えば、
- 雨漏りしている
- 屋根や外壁がボロボロ
など、人が住めない状態だと、そのままではほぼ売れません。
加えて、あなたの空き家が「地方」や「田舎」にあれば、さらに需要が少なくなるので売れづらくなります。
実際に、弊社が独自に行った「住むなら都会、郊外、田舎のどこがいい?」のアンケート調査では86%の人が「都会や郊外」と答え、田舎と答えた人は「14%」に留まっています。
86%の人が「都会や郊外」に住みたいと答え、田舎と答えた人は「14%」
空き家をそのまま売却に出しても良いですが、空き家の老朽化が進んでいたり、地方や田舎にあるなら、永遠に売れないことも覚悟しておくべきです。
解体して仲介で売却する(更地にして売却する)
空き家を売却する2つ目の方法は「空き家を解体して(更地にして)売却する方法」です。
空き家を取り壊し、まっさらな土地にしてから、仲介業者に売却の依頼を行います。
この売却方法には、主に以下メリットとデメリットがあります。
- 【メリット1】そのまま売却するよりも高く売れる
- 【メリット2】補助金が出る
- 【デメリット1】固定資産税が高くなる
- 【デメリット2】再建築不可物件だと建て替えできない土地となり売れなくなる
- 【デメリット3】隣家と近かったり、間口が狭いと解体できないこともある
【メリット1】そのまま売却するよりも高く売れる
空き家を解体して「更地」にして売ると、老朽化した空き家が残っている状態よりかは高く売れる可能性があります。
更地にすれば、買い手にとって「解体が不要になり、解体費用が浮く」「自分の好きな建物を建てられる」といったメリットが生まれるので、そのままの状態よりも高く売れやすいです。
ただし、解体費用以上に更地が高く売れるかどうかはわからないので注意が必要です。
一般的に、解体費用の相場は以下の通りです。
木造 | 坪単価「3~4万円」 |
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鉄骨造 | 坪単価「5~6万円」 |
鉄筋コンクリート(RC) | 坪単価「7~8万円」 |
よって、一般的な30坪の木造家屋であれば、解体費用は「100~120万円」ほどかかります。
もし、1000万円と言われた空き家を100万円かけて解体し、更地にしたにも関わらず、1050万円にしかならなければ、50万円の損失です。こうなると「更地にしなければ良かった」と後悔することになります。
空き家を更地にして売る方法は、解体費用以上に更地が高く売れる保証があるなら良い方法ですが、そうでないなら避けた方が無難です。
【メリット2】補助金が出る
空き家を解体する場合、以下のような「補助金制度」を利用できます。
- 老朽危険家屋解体撤去補助金
- 老朽化により倒壊の恐れがある危険家屋の除却を促進する制度。補助金を受けるには自治体の認定や耐震診断を受ける必要がある。解体費用の「1/5」から「1/2」程度が支給される。
- 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
- 都市の景観を守るための補助金制度。 解体工事後は景観形成基準を満たすように土地を利用することが条件。 解体費用の「1/5」から「1/2」程度が支給される。
上記の通り、基本的には「解体費用の1/5」の補助金を出る傾向にあります。仮に解体費用が100万円だったとしたら、「20万円」の補助金が出る計算となります。
前述したように、解体費用以上に更地が高く売れそうなら、補助金も利用して、できる限り利益を取れるようにしたいところですね。
【デメリット1】固定資産税が高くなる
空き家を更地にすると、固定資産税が上がります。
一般的に、建物が建っている不動産の固定資産税には「住宅用地の特例」が適用され減税されています。
税額計算の基準となる固定資産税評価額が、小規模住宅用地なら「1/6」、一般住宅用地なら「1/3」になっています。
ですが、建物を解体して更地にしてしまうと「住宅用地の特例」が適用されず、固定資産税の金額が上がってしまうのです。
例えば、「土地評価額:1000万円」の小規模住宅用地の場合、「建物あり」と「建物なし」では、以下のように固定資産税の金額が大きく変わります。(※土地のみで比較)
【建物あり】
土地の課税評価額:1000万円×1/6(小規模住宅用地の特例率)=166万円
土地の固定資産税:166万円×税率1.4%=23,240円
【建物なし】
土地の課税評価額:1000万円
土地の固定資産税:1000万円×税率1.4%=140,000円
上記の通り、実に「6倍」の差がついてしまいます。
空き家を解体し、更地にして売却しても良いですが、仮に売れなかった場合は高い固定資産税を払い続けることになるので注意が必要です。
【デメリット2】再建築不可物件だと建て替えできない土地となり売れなくなる
あなたの空き家が「再建築不可物件」だった場合、一度更地にすると二度と建て替えができない土地となり、売りづらくなります。
再建築不可物件とは、建て替えできない物件のことを指します。基本的に、建築基準法上における「接道義務」を満たしていない土地は、建物を建ててはいけないとされています。
接道義務とは、簡単に言うと「幅員4m以上(地域によっては幅が6m以上)の道路」に「敷地が2m以上接していなければならない」という義務のことです。
もし、あなたの空き家が上記の条件に該当していれば、再建築不可物件なので、一度更地にしたら二度と建物を建てられません。
買い手は建物を建てられない物件なんて欲しいとは思いません。つまり、買い手がほとんど見つからなくなり、永遠に売れなくなる可能性もゼロではありません。
無暗に解体して「売れない土地」にしてしまったらもう取返しがつきません。空き家を更地にする前に、再建築不可物件でないか、必ず確認してください。
再建築不可物件かどうかの調べ方については、以下の記事を参考にしてください。

【デメリット3】隣家と近かったり、間口が狭いと解体できないこともある
あなたの空き家が隣家と近かったり、前面道路との間口が狭い場合は、解体できないこともあります。
例えば、あなたの空き家と隣家が近すぎると、解体工事で瓦礫や木材を取り壊す際にどうしても瓦礫が隣家に接触したり、敷地内に進入してしまうリスクがあります。
また、そもそも空き家と前面道路の間口が狭すぎて、解体工事を行う重機が入っていけないケースもあります。
このような理由で、空き家を解体して仲介で売却したくても、そもそも解体工事ができないこともあるのです。
空き家バンクを活用する
空き家を売却する3つ目の方法は「空き家バンクを活用する方法」です。
空き家バンクとは、簡単に言うと「空き家の売り手と買い手をつなげるサービス」です。
空き家バンクの定義
・「空き家の売却又は賃貸等を希望する所有者等から申込みを受けた情報を、本市への 定住等を目的として空き家の利用を希望する者に対し紹介する制度をいう
売り手から受け取った空き家の情報を、各自治体が専用サイトに登録し、買い手に情報を提供しています。
この売却方法には、主に以下メリットとデメリットがあります。
- 【メリット】無料で登録できる
- 【デメリット1】失敗例が多い
- 【デメリット2】買い手がほぼ見つからない
【メリット】無料で登録できる
「空き家バンク」は無料で使えるので、登録しておけば買い手が簡単に見つかる可能性があります。
例えば、以下のサイトでは、日本全国の空き家情報がまとめられています。ここにあなたの空き家の情報を載せれば、日本全国の買い手候補の目に留まるので、買い手が見つかりやすくなるということです。
空き家バンクに登録する基本的な流れは以下の通りです。
- 自治体へ必要書類を提出する
- 自治体等の担当者が現地調査を行う
- 自治体が空き家バンクに物件情報を登録する
- 情報公開と募集開始
空き家バンクに物件情報を登録したい場合は、まずはあなたの空き家の管轄内である自治体に問い合わせてみてください。
【デメリット1】リスクが大きい
一見便利そうな空き家バンクですが、「リスクが大きい」ことがデメリットです。
空き家バンクを利用すると、主に以下4つのデメリットが存在します。
- 不動産業者が仲介してくれず、不動産知識のない個人間の取引となるのでトラブルが起きやすい
- 取引のトラブルに自治体が責任をとってくれない
- 自治体が有益な物件情報を発信できない
- そもそも空き家バンクの普及率が十分ではない
上記のようなリスクがあることで、実際に空き家バンクによって売買が成立したという話はほとんど耳にしません。空き家バンクという制度こそあれ、実態はあまり役立っていないのが現状です。
空き家バンクに登録しておいても損はありませんが、「買い手が見つかり、売買が成立する」ことに関してはあまり期待はできないというのが正直なところです。
空き家バンクについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

【デメリット2】買い手がほぼ見つからない
空き家バンクは無料で登録できますが、買い手はほぼ見つからないと思っておくべきです。
というのも、空き家バンクという制度はあるもの、普及率が低すぎるからです。
国土交通省の総務省統計局によると、空き家バンクへの登録件数は、令和5年3月時点で「1万1510戸」となっています。
参照元:国土交通省「全国版空き家・空き地バンク 参加自治体・登録物件数 推移」
対して、日本全国の空き家件数は「848万9000戸」とされています。
参照元:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 特別集計
つまり847万個近くの空き家が、いまだ放置されたままであるということです。
それだけ登録されていないということは、空き家バンクが世間に認知されていないということであり、同時にほとんど使われいないことを意味します。
空き家バンクには無料で登録はできますが、ほぼわれていないので、買い手が見つかる可能性も極めて低いと言えます。
専門の買取業者に買い取ってもらう
空き家を売却する4つ目の方法は「専門の買取業者に買い取ってもらう方法」です。
空き家を買い取る方法としては、この方法が最も現実的であり、売却が成立する確率も高いです。
この売却方法のメリットとデメリットは以下の通りです。
- 【メリット1】一般の買い手が敬遠するような空き家もそのままの状態で売れる
- 【メリット2】「最短3日」で売れる
- 【メリット3】「契約不適合責任」を負わなくて済む
- 【デメリット】仲介で売るより価格が安くなる
【メリット1】一般の買い手が敬遠するような空き家もそのままの状態で売れる
専門の買取業者なら、一般の買い手が敬遠するような空き家もそのままの状態で売れます。
空き家を専門に扱う買取業者は、空き家を再生するノウハウを持っています。また。再生した空き家を不動産投資家に売却する販路も持っており、売り上げにつなげることができます。
例えば、買い手がつかない老朽化した空き家を買い取って「シェアハウス」として再生し、学生や新社会人向けに相場よりも安く賃料で貸し出した事例もあります。
このように、専門の買取業者は空き家の扱いに慣れているので、あなたの空き家がどんな状態でもそのままの状態で買い取ってくれるのです。
【メリット2】「最短3日」で売れる
専門の買取業者なら、あなたの空き家を「最短3日」で買い取ることも可能です。
買取は、一般的な不動産売却方法である「仲介」と違い、買取業者があなたの空き家を直接買い取るので、買い手を探す手間がありません。
あなたと買取業者が買取価格に納得した時点で、すぐに売買契約を結び、決済と引き渡し(空き家の鍵と代金を交換すること)を行うことができます。
これが「仲介」の場合、「買い手を探す時間」や「買い手との価格交渉する時間」がかかるので、とても3日では売却できません。
「今すぐに空き家を買い取って欲しい」とお考えなら、専門の買取業者に買い取ってもらった方が賢明です。
なお、弊社は空き家に強い専門の買取業者です。
年間200件以上の買取実績とノウハウを元に、空き家をできる限り高く買い取っており、「フジテレビ」を始めとする各メディアにも取り上げられています。
弊社は「全国対応」、査定や相談は「無料」ですので、少しでも買取を検討していましたら、まずは弊社へ一度ご相談ください。
※「物件住所」「氏名」「メールアドレス」を伝えるだけで相談を依頼できます。(※個人情報保護は万全です)
※無料相談はサービスの一環であり、買取を前提とするものではありませんので、お気軽にご利用ください。
【メリット3】「契約不適合責任」を負わなくて済む
専門の買取業者に買取を依頼すれば、「契約不適合責任」を負わなくて済みます。
契約不適合責任とは、売買した不動産が契約書の内容に適合していない場合に、売主が買主に対して負う責任です。
例えば、空き家にシロアリによる腐朽があることがわかり、その事実が契約書に記載されていなかった場合、買い手が一般人である通常の不動産売買では契約不適合責任に問われます。
しかし、買い手が買取業者の場合は、「宅建士の資格がある買取業者ならそのくらいのリスクがあることを最初からわかってないとダメでしょ?」という見方をされるので、売主であるあなたの契約不適合責任は免除されるのです。
つまり、空き家を買取業者に売却すれば、売却後に責任を追及されるリスクは一切なくなるということです。
空き家を「責任」の面からも綺麗サッパリ手放したいとお考えなら、専門の買取業者を利用することをおすすめします。
【デメリット】仲介で売るより価格が安くなる
世間的には、「仲介で空き家を売却する場合と比べて、空き家の買取は価格が安くなる」と言われています。
しかし、そもそも空き家は老朽化が進み、人が住める状態ではないことが多く、購入需要がないためほとんど売れません。
売りに出すにもリフォームが必要なケースが多く、およそ500万~2000万円ほどの費用がかかります。その費用をかけてリフォームしたとしても、ちゃんと売れるかもわかりません。
そんな空き家を、専門の買取業者は「そのままの状態」で買い取ってくれます。
つまり、あなたはリフォーム費用という大金を払うことなく、お金を受け取りながら、空き家を抱えるストレスから解放されるわけです。
そう考えれば、確かに空き家の買取価格は、仲介で売るより安価にはなりますが、買取の方が逆にメリットになるという見方もできるのではないでしょうか。
「空き家の買取」については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

【空き家買取事例】空き家だった実家。何度も売却を断られていましたが・・・。
実際に、弊社で空き家を買取したお客様(仮名 Sさん)の体験談をご紹介します。
Sさんが売却した実家の情報
築年数 | 42年 |
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立地 | 神奈川県高座郡寒川町 最寄り駅まで徒歩30分 |
売却時期 | 2021年8月 |
購入時の価格 | 1,900万 |
成約価格 | 570万 |
Yさんの体験
一人暮らしをしていた父が亡くなり、実家を相続しましたが、使わずそのまま空き家として放置しています。
でも、空き家を持ち続けるだけでも毎年のように固定遺産税や管理のための交通費などを支払いがあるため、さすがにもったいないと思い、売却を決めました。
最初は、地元の不動産業者に相談したのですが、老朽化しすぎているという理由で全く相手にされず・・・。何社も訪問しましたが、ほとんどが門前払いでした。
「売却できずにこのまま持ち続けるのか・・・?」と途方に暮れていたところ、ネットでアルバリンクさんを見つけました。
「どんな物件でも買い取ってくれる」という言葉を目にし、こちらなら何とかしてくれるかもと思い、藁をもすがる思いで相談を依頼。
ネットでの申し込みは顔が見えないので不安でしたが、電話の受け答えが丁寧で、実際にお会いした担当者さんも迅速かつ誠実に対応してくれ、とても安心感を持てました。
結果、お願いしてから3日足らずで売却代金570万と引き換えに空き家を手放すことができました。
地元の不動産業者に断られ続けたときはどうしようかと思いましたが、アルバリンクさんに救われました。
本当にありがとうございました。
上記のYさんのように、
- 「どの不動産会社にも断られた」
- 「税金や維持費の支払いに困っている」
など、空き家の扱いに関して苦労されている方は、他にもたくさんいらっしゃいました。
しかし、弊社にお任せいただければ、上記Sさんのケースのように「素早く」かつ、他社よりも「高額」で買取を実現いただけます。
もし、あなたも空き家の扱いに関して同じようにお困りでしたら、まずは一度弊社にお声かけください。迅速かつ丁寧な対応をお約束します。
※「物件住所」「氏名」「メールアドレス」を伝えるだけで相談を依頼できます。(※個人情報保護は万全です)
※無料相談はサービスの一環であり、買取を前提とするものではありませんので、お気軽にご利用ください。
不動産業者に空き家を売却する流れ
この章では、不動産業者に空き家を売却する流れについて解説していきます。
- 複数の不動産業者に査定を依頼する
- 不動産業者を1社に絞る
- 不動産業者と売買契約を結ぶ
- 「引き渡し&決済」を行う
- 「確定申告」を行う
空き家を売却する種類として「仲介」と「買取」があるとご紹介しましたが、空き家売却の流れについても、仲介と買取を分けて解説していきますので、どちらを検討されていても下記を参考にしてみてください。
複数の不動産業者に査定を依頼する
まず、複数の不動産業者に査定を依頼して、見積もりを出してもらいます。
査定額は、査定する業者によって大きく異なりますので、必ず複数の不動産業者へ依頼します。
【仲介の場合】
査定額はあくまで売却目安であり、正式な売却価格は買い手との交渉で決まります。
【買取の場合】
買取の場合は、この査定額がそのまま買取価格になります。
不動産業者を決める
査定が終わったら、売却を依頼する不動産業者を1社に絞ります。
【仲介の場合】
査定額を比較し、より高く売ってくれそうな不動産業者(=査定額が高かった業者)を選びます。
ただし、査定額の根拠もしっかり聞き取りしてください。不動産業者の中には、顧客獲得のために査定額をわざと釣り上げている悪徳業者もいるからです。
また、査定価格以外にも、営業マンのレスポンスの早さなど、信頼できる営業マンかどうかも重視しましょう。
【買取の場合】
査定額がそのまま買取価格になるので、査定額が最も高い買取業者を選んでください。
ただし、仲介と同様、顧客獲得のために査定額をわざと釣り上げている悪徳業者もいるので、注意が必要です。
買取の場合も、営業マンのレスポンスの早さなど、信頼できる営業マンかどうかも併せて確認することが大事です
売買契約を締結する
売買価格が決まったら、いよいよ売買契約を結びます。
仲介の場合は「買い手」と、買取の場合は「買取業者」と売買契約を結びます。
買い手や買取業者との打ち合わせの際に、売却までのスケジュールや必要書類の説明などもあります。適宜用意して、スムーズに契約を結びましょう。
引き渡し&決済
売買契約が終わったら、空き家の引き渡しと、売買代金の決済を行います。
引き渡しや決済は、銀行や不動産会社の店舗で行うことがほとんどです。
あなたの空き家(鍵)を買い手に渡し、買い手から売買金額を受け取れば決済成立。あとは、司法書士が所有権移転登記を行えば全ての手続きが完了します。
売却後の確定申告
空き家を売却して売却益が出たり、税金対策の特例を使ったりする場合は、確定申告が必要です。
売却した翌年の2月16日から3月15日の間に、確定申告をおこなって、譲渡所得税を納めましょう。(譲渡所得税については後述します)
税務署に提出する必要のある書類は、イメージデータ(PDF形式)での提出が可能です。
参照元:e-Tax「添付書類のイメージデータによる提出について」
空き家売却にかかる費用や税金
空き家を売却する際には、以下のような「費用」や「税金」が伴いますので、詳しく解説していきます。
- 仲介手数料
- 相続登記費用
- 測量費用
- 不用品処分費用
- 譲渡所得税
- 印紙税
仲介手数料
仲介手数料とは、仲介業者に空き家の売却を依頼して、実際に買い手が決まったときに仲介業者に支払う成果報酬です。買取業者に依頼した場合は、仲介手数料はかかりません。
宅地建物取引業法では、以下のように手数料の上限が決められています。
売却価格(税抜) | 仲介手数料の上限 |
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200万円以下 | 仲介手数料の上限 |
200万円以下 | 売却価格×5%(税抜) |
200万円を超え400万円以下 | 売却価格×4%+2万円(税抜) |
400万円を超える | 売却価格×3%+6万円(税抜) |
例えば、売却価格が1,000万だった場合、1,000万×3%+6万=36万なので、仲介手数料は最大36万円になります。
買取業者に依頼すれば、最大36万円は節約することができます。
相続登記費用
相続した空き家であれば、相続登記をしなければなりません。
相続登記費用とは、法務局に申請して不動産の名義変更を行うときにかかる費用です。相続登記をして初めて自分の不動産として扱うことができるので、売却する際には必ず行う必要があります。
相続登記の費用と金額は以下の通りです。
書類の取得費 | 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) 1通450円 除籍謄本(除籍全部事項証明書) 1通750円 改製原戸籍謄本 1通750円 戸籍の附票の写し 1通300円 住民票の写し 1通200~300円 印鑑証明書 1通200~300円 固定資産評価証明書 1通200~400円 |
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登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4% |
司法書士への依頼費用 | 約6~10万 |
仮に評価額が1000万円の空き家を売却した場合は、以下の費用が掛かってきます。(※一番高い価格の合計で計算)
登録免許税:1000万円×0.4%=4万円
司法書士への依頼費用:10万円
合計:14万3250円
測量費用
空き家の仲介業者に売却を依頼したら、空き家の測量をする必要があります。買取業者に依頼すれば、測量費用は業者が負担してくれるのでかかりません。
測量には、現状測量、境界測量、確定測量の3種類があり、3つの中で1番高額である確定測量を済ませている空き家の方が、買い手の信頼を得やすく、売れやすいと考えられます。
土地の売却に必要な確定測量の費用は、一般的な住宅用地なら約40~50万円、土地が市町村の道路や水路などに面していると約50~60万円、国道などに面していると約60~80万円など、条件によって変わります。稀に100万を超えることもあり、高額です。
買取業者に依頼すれば、高額な測量費用を自費負担せずに済みます。
不用品処分費用
仲介業者に売却を依頼した場合、空き家にある不用品は撤去しなくてはなりません。
空き家の不用品撤去は、廃棄したりリサイクルに出したり、なるべく自分で行うことで費用を節約できますが、買取業者に依頼すれば不用品を撤去しなくても、そのまま買い取ってもらえる場合もあります。買取業者に確認してみましょう。
ちなみに、仲介業者に売却を依頼して自費で不用品撤去をする場合は、おおよそ以下の表の価格がかかります。
残置物撤去の範囲 | 残置物撤去の相場 |
---|---|
1R・1K(3㎥~10㎥) | 3~10万円 |
1LDK・2DK(5㎥~20㎥) | 5~20万円 |
2LDK・3DK(10㎥~30㎥) | 10~30万円 |
3LDK・4DK(15㎥~40㎥) | 15~40万円 |
4LDK・5DK(20㎥~50㎥) | 20~50万円 |
譲渡所得税
譲渡所得税とは、所得税・住民税の総称です。
売却して得た利益(譲渡所得)にそれぞれの税率をかければ税額となります。
譲渡所得=売却額ー取得費ー譲渡費ー減価償却費
譲渡所得×税率(約40%)=譲渡所得税
税率は空き家の所有期間が5年以下か5年を超えるかによって、以下の表のように違います。
空き家の保有期間 | 所得税の税率 | 住民税の税率 | 復興特別所得税の税率 | 合計 |
保有期間5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
保有期間5年超え | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
今回は、以下の設例条件の空き家を、所有期間5年以内に売却する想定で計算していきます。
売却価格:2,000万
取得費+譲渡費用+減価償却費:1,750万
(取得費:900万 譲渡費用:830万 減価償却費用:20万)
2,000万ー1,400万=250万
250万×およそ40%=100万
所得税と住民税、合わせて100万も課税されることがわかります。
ただし、空き家の税金対策として、以下2つの控除が使える可能性がありますので、詳しく解説していきます。
- 相続空き家の3,000万特別控除
- 所有期間10年超の軽減税率特例
相続空き家の3,000万特別控除
相続した空き家で、一定の条件に当てはまれば、譲渡所得額から3,000万の特別控除を受けることができます。
「相続空き家の3,000万特別控除」を利用したときの譲渡所得の計算式
譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用-3,000万
譲渡価額から3,000万も控除されれば、大抵の場合、譲渡所得は0(マイナスであっても0とする)になります。譲渡所得が0であれば、当然税金も発生しません。
3,000万の特別控除が適用されるかどうかは、国税庁のHPにてチェックできます。
「相続空き家の3,000万特別控除」については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

所有期間10年超の軽減税率特例
売却した空き家の所有期間が、売却した年の1月1日において10年を超えていた場合に、軽減税率を適用できる特例です。
所有期間10年超の軽減税率特例は、3,000万の特別控除と併用することができます。3,000万の特別控除を適用してもなお譲渡所得が出る場合は、所有期間10年超の軽減税率特例も併用すると、節税のメリットがあります。
適用条件は3,000万の特別控除と同じです。また、前年や前々年に同じ特例を受けていないことも適用条件です。
印紙税
印紙税とは、空き家の売買契約書を含む課税文書を作る際にかかる国税です。売却した空き家の金額によって税額が定められています。
なお、2022年3月31日までの間に作成された契約書は、租税特別措置法による軽減措置の対象となり、全て半額です。
空き家の売却金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
10万円を超え、50万以下 | 400円 | 200円 |
50万円を超え、100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え、500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え、1千万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1千万円を超え、5千万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え、1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
空き家売却前に知っておくべき3つの注意点
空き家売却前に、必ず知っておくべき注意点を3つご紹介します。
- 相続登記を済ませないと売却できない
- 所得費が不明だと譲渡所得税が高くなる
- 抵当権抹消登記を済ませないと売却できない
相続登記を済ませないと売却できない
相続した空き家を売却する場合は、相続登記による名義変更を済ませてからでないと売却できません。
売買契約は、原則として登記簿上の所有者本人が行わなければならないからです。
たとえ所有者が亡くなっていたとしても(被相続人であっても)、例外ではありません。
売主である相続人を飛び越して買手に直接名義変更することはできないので、相続した空き家を売却する際は、事前に担当者に伝えておきましょう。
所得費が不明だと譲渡所得税が高くなる
売却する空き家の「取得時の費用(以下、取得費用)」が不明だと、譲渡所得税が高額になるおそれがあります。
取得費用不明の場合、売った金額の5%を購入額とみなされ、譲渡所得および譲渡所得税を計算するというルールがあるからです。
空き家の取得費がわからない場合は、担当者に売却前に相談しておきましょう。
なお、取得費不明時の詳しい計算例は以下の記事をご参照ください。

抵当権抹消登記を済ませないと売却できない
抵当権が設定されている空き家は、抵当権抹消登記を済ませてからでないと売却することはできません。
そもそも、抵当権とは、住宅ローンを借りるときに金融機関が建物や土地に設定する権利です。
債務者(住宅ローンを借りた人)の返済が滞った場合、金融機関は抵当権を実行し、不動産を競売にかけ、貸付金(住宅ローン)を回収することができます。
特に問題なく住宅ローンを完済していても、抵当権の設定が放置されているケースは多々あります。
債権者が自ら抵当権抹消手続きを行わなければ、金融機関が手続きをしてくれることはないからです。
たとえ住宅ローンを完済していても、不動産を競売にかけられる強い権利(抵当権)が設定されている空き家を購入したい人はいないため、抵当権が設定された空き家は実質売却することができません。
空き家に抵当権が設定されている可能性がある場合は、担当者に事前に伝えておきましょう。
空き家を所有し続ける3つのリスク【億単位の損害も・・・】
空き家を所有し続けると、以下の3つのリスクがあります。
- 維持費や税金がかかる
- 「特定空き家」に指定される
- 損害賠償を請求される可能性がある
場合によっては、金額にして億単位の損害を被る可能性もあるので、やはり空き家は放置せず、すぐに売却することをおすすめします。
税金がかかる
放置している空き家でも、所有していれば以下のような税金や維持費がかかり続けます。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 火災保険料
- 修繕費用
- 光熱費
例えば、土地面積が100㎡で、土地の固定資産税評価額が1200万円、建物が500万円の空き家だと、税金や維持費の金額は以下の通りです。
【土地】
固定資産税:1,200万円×1/6×1.4%=2.8万円
都市計画税:1,200万円×1/3×0.3%=1.2万円
【建物】
固定資産税:500万円×1.4%= 7.0万円
都市計画税:500万円×0.3%=1.5万円
固定資産税と都市計画税の合計:12.5万円
管理に必要な水道光熱費:1.5万円~3.0万円
火災保険料:約12万円
地震保険料:約5万円
修繕費や管理にかかる雑費:3万円~
この例の場合、1年間の空き家維持費は「35万円前後」になります。
税金や維持費の負担から解放されるために、空き家は早めに売却することをおすすめします。
空き家の税金や維持費については以下の記事で深く解説していますので、参考にしてみてください。

特定空き家に指定される
老朽化が進んでいたり、管理が不充分な空き家を放置し続けると「特定空き家」に指定されるリスクが高まります。
特定空き家に指定されると、前述した減税措置が適用されなくなり、土地の固定資産税は「6倍」に、都市計画税は「3倍」に膨れ上がります。土地にかかる税金の減税措置の対象から外れてしまうからです。
特定空き家に指定される具体的な条件は、以下の4つです。
- 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空家等
特定空き家に指定されると、「助言・指導→勧告→命令」という流れを経て、最終的には行政代執行により、建物が強制撤去されます。
- 特定空き家に指定
- 所有者の管理不足により、近隣へ被害を与える危険性や有害性が著しいと認められた空き家は、自治体の職員によって調査が行われたのち、「特定空き家」に指定されます。
- 助言
- 自治体から特定空き家の所有者に対し、適正な管理を促します。法的効力はなく、対応するか否かは所有者自身の判断になります。
- 指導
- 助言よりも重く、強く改善を促すものです。所有者が自治体から受けた助言に対し改善を行わない場合や、空き家の危険性や有害性の高さから早急な対応が求められる場合に指導がされます。この時点で改善を行えば、罰則等はありません。
- 勧告
- 所有者が、指導・助言を受けても改善しない場合、自治体は改善措置について勧告を行います。所有者は勧告を受けると、特定空き家に指定される以前と比較し、およそ6倍の固定資産税を支払わなければなりません。所有者自ら改善措置を実行するまでの間、固定資産税の優遇措置は受けられなくなるからです。
- 命令
- 所有者が、正当な理由なく期限内に勧告された改善措置をとらない場合、自治体は改善措置について命令をします。これまでの「助言」「指導」「勧告」には法的拘束力はありませんが、「命令」に違反すると所有者は50万円以下の過料が科されます。命令は行政代執行前の最後通告とも言えます。
- 行政代執行
- 所有者が、命令された改善措置をとっていない場合や、期限内に改善措置の完了が見込めない場合、自治体によって行政代執行が実行されます。行政代執行の費用は自治体が立て替え、後日空き家の所有者に請求されます。もし所有者から費用が支払われない場合、自治体によって所有者の給料や不動産等財産を差押えられ、強制的に徴収されます。
命令の段階で行政の指示に従わない空き家の所有者には、50万以下の罰金が課せられ、さらに行政代執行でかかった高額な解体費用も空き家の所有者に請求されます。
平均的な空き家(30坪)の解体費用は、木造であれば120万程度、鉄筋コンクリートであれば180万程度かかると考えた方がよいでしょう。
特定空き家に指定され、さらに行政代執行の対象になれば、空き家の所有者は重い経済的負担を負わなければなりません。空き家を所有している場合は、早めに売却などの対処をしましょう。
「空き家対策特別措置法」については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

損害賠償を請求される可能性がある
空き家を放置していると、損害賠償を請求されるリスクがあります。
空き家は老朽化していることがほとんど。地震や台風で老朽化した建物の一部が剥がれ落ち、隣家や通行人にあたってケガをさせたら、億単位の損害賠償を請求されること可能性があります。
その場合、以下の事例のように「億単位」の損害賠償を請求されるケースもあります。
数億円もの損害賠償を請求されれば、あなたやご家族の人生にかかわるのは間違いありません。
面倒だからといって空き家を放置していると、人生を狂わせるほどの損害を被る可能性があるので、今すぐ対処しておきたいです。
まとめ
空き家は放置しておけば老朽化が進み、どんどん価値が下がってしまいます。
さらに、特定空き家に指定されれば税金が膨れ上がり、行政代執行が行われれば所有者は高額な解体費用も負担しなければなりません。
空き家が原因で大きな金銭的負担を抱える前に、空き家は売却してしまいましょう。
空き家の売却には、仲介業者に買い手を探してもらう方法と、買取業者に直接売却する方法があります。空き家であれば、買取業者に直接買取を依頼するのが良いでしょう。
すでに述べた通り、様々な理由はありますが、仲介の買主となる一般のお客さんはあくまで住居目的なので、立地が悪かったり老朽化が進んでいる空き家は長期間売れ残ってしまうからです。
なお、弊社は空き家に強い専門の買取業者です。
年間相談件数3000件、年間買取件数200件の買取実績があり、他の業者が断るような物件でも、数多く買い取りしてきました。
「空き家をできる限り高く売却し、物件を抱えるリスクから一刻も早く解放されたい」とお考えの場合は、一度弊社へご相談ください。
※「物件住所」「氏名」「メールアドレス」を伝えるだけで相談を依頼できます。(※個人情報保護は万全です)
※無料相談はサービスの一環であり、買取を前提とするものではありませんので、お気軽にご利用ください。