心理的瑕疵がある事故物件の売却は仲介?買取?メリットとデメリットを解説

facebook twitter LINE

不動産に欠陥や不具合が存在することを、一般に瑕疵(かし)と呼びます。

瑕疵の中でも、不動産の性能には問題がないのに、不安や抵抗を感じて住み心地が悪くなる瑕疵は「心理的瑕疵」と分類され、心理的瑕疵のある不動産を事故物件と呼ぶこともあります。

不動産で人が亡くなった場合、住み心地の悪さで購入をためらう買主が多く、心理的瑕疵のある不動産はどうしても売れにくいです。

事故物件に限らず、不動産の売却には仲介と買取があり、どちらも一長一短で正解はありません。

確実に売れる買取はおすすめできますが、仲介で売れなかったら買取に切り替える選択肢も捨てがたいので、適切な判断ができるようにメリット・デメリットを確認しておきましょう。

どんな物件でも買い取ります

自殺や他殺、孤独死・病死があった物件でも大丈夫!

監修者
株式会社AlbaLink代表取締役の河田憲二と申します。訳あり物件や売りにくい不動産の買取再販業を営んでおります。サービスサイトとして、「訳あり物件買取PRO」を運営しています。訳あり物件買取PROの責任者として、執筆・編集・監修のすべてに携わっています。

事故物件を売却する時の告知義務と価格相場

不動産取引で営業する不動産会社(宅地建物取引業者)には、買主の判断に重要な影響を与える事項を、隠さず正しく伝える告知義務があり、人の死の告知にはガイドラインもあります。

参照元:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

不動産会社の告知義務は、売主にまで拡大適用されるものではありませんが、仲介してもらう不動産会社に人が亡くなっていることを伝えないと、不動産会社から買主へ伝わりませんよね。

ですから、結局は売主にも同様の告知義務があると考えるべきで、人の死を隠して売却すると、後から買主に契約不適合責任を問われ、代金減額や損害賠償または契約解除を請求されかねません

契約不適合責任
売買対象の種類・品質・数量が契約内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任。

もっとも、買主への告知が必要かどうかは、仲介する不動産会社が判断しますので、売主は売却したい不動産で起こった人の死を、隠さずに不動産会社へ伝えるだけで大丈夫です。

売買での告知義務に期限は定められていない

ところで、人の死をどのように感じるかは、価値観・宗教観・性格などによって個人差があります。例えば、老衰で眠るように息を引き取った場合と、悲惨な殺人事件で亡くなった場合では、誰でも印象が変わるでしょう。

そこで、ガイドラインでは、老衰や病死などによる自然死と、生活上で起こった不慮の事故死(転落・転倒・誤嚥など)については、買主に告知しなくてもよいと定めました。

ただし、自然死・不慮の事故死であっても、発見が遅れることで特殊清掃・大規模リフォーム等が行われた場合には、告知する必要があります

特殊清掃
遺体の腐敗によって、異臭や体液等の流出が発生したときに、原状回復を目的として除菌・消臭等を行う特殊な清掃作業のこと。多くは専門業者によって行われる。

その他の死(自殺・殺人・焼死・死因不明など)については、買主が日常生活で通常使用しない集合住宅の共用部分に限り、原則として告知しなくてよいとされています。

また、ガイドラインで重要なのは、売買において告知を必要とする期間が定められていない点です。心理的瑕疵は、時間の経過で薄れていくと考えられますが、売買では何年経過しても告知が必要です。

告知義務について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。

事故物件の基準と死因別・死亡場所別の告知義務を理解しよう!
事故物件とは主に心理的瑕疵のある不動産 一般に、本来の機能や性能が備わっておらず、欠陥・不具合があることを瑕疵(かし)といい、広義の事故物件とは、不動産に何らかの瑕疵がある状態のことです。 法律上で事故物件の定義があるわけではなく、...

心理的瑕疵は売買価格が下がる傾向

前述のとおり、人の死に対する感じ方には個人差があり、同じ事故物件でも買主によって心理的瑕疵の強さは変わりますので、売買価格への影響は買主しだいで異なります

しかし、ある程度の相場が存在するのは間違いなく、良く言われているのは次のような値下げです。

  • 孤独死+特殊清掃では10〜20%程度の値下げ
  • 自殺は20〜30%程度の値下げ
  • 他殺は50%程度の値下げ

主に影響するのは死因ですが、その他には事件性・経過期間・地域性・立地にも影響されます。

つまり、世間で話題になった殺人事件では、50%の値下げで済まないかもしれませんし、駅近の単身用マンションで起こった孤独死なら、気にしない人が値下げなしで買う可能性まであるということです。

仲介で売る場合のメリット・デメリット

仲介での売却は、不動産会社と媒介契約を結び、一般の不動産市場に物件を流通させて買主を探します。

媒介契約
不動産の売買・賃貸借において、買主・借主を仲介してもらうための契約。1社と契約する専属専任媒介、1社と契約しながら自分でも買主・借主を探せる専任媒介、複数の不動産会社と契約できる一般媒介の3種類がある。

事故物件の売却では、1社と契約する専属専任媒介・専任媒介にすることが多いです。

複数社と契約できる一般媒介契約のほうが売れそうに思いますが、ただでさえ売れにくい事故物件で複数社と契約すると、各不動産会社の営業意欲が低下して逆に売れないことが予想されます

仲介のメリット

仲介の最大のメリットは、一般市場での売却なので比較的高い価格が期待できることです。

もちろん、売却価格は買主との交渉になりますが、売却希望価格で売れるまで待つことができるのも仲介のメリットでしょう。結果的に、心理的瑕疵をそれほど感じない買主に高値で売れるかもしれません。

また、不動産会社は広告を出したり、レインズという不動産情報システムに登録するなど、幅広く買主を探しますので、それだけ興味を示す人も増えます。

仲介に向いているとしたら、売り急いでいない場合、値下げが小さい死因で亡くなったケースの他、地域の中心地、大都市など不動産の流通が活発な立地・利便性のある物件になるでしょう。

仲介のデメリット

メリットだけ見ると、仲介で売るのが良さそうに感じますが、実は、事故物件の仲介をしてくれる不動産会社そのものが少ないという実情があります。

というのは、事故物件が売れにくいだけではなく、人の死があったと聞かされて購入を断念する検討者が続出することで、不動産会社にとっては問い合わせ対応の手間がかかり、さらに売れても安いため仲介手数料が安い「高コスト低リターン」な物件だからです。

また、事故物件は融資の対象になりにくい点も買主を選びます。事故物件とはいえ高額ですから、ローンを使えないと資金力のない買主は購入を検討する余地がありません。

このように、事故物件が売れにくい理由には心理的瑕疵以外にも色々あって、売却まで長期化すると、資産価値の低下や維持費の負担が続き、さらに値下げを強いられる負のスパイラルになりやすいのです。

買取業者に売る場合のメリット・デメリット

買取業者による買取は、仲介と異なり市場売買ではないので、売主が特定の買取業者に打診して買い取ってもらう流れになります。

ただし、全ての買取業者が、事故物件を扱っているわけではなく、事故物件を含めたいわゆる「訳あり物件」を専門に扱う買取業者を対象に検討すべきでしょう。

買取のメリット

買取の最大のメリットは、とにかく早く売れることです。

仲介のように販売活動がなく、買主のローン審査待ちなどで遅れる心配もないため、金額に合意できれば、早いと数日で支払い・引渡しまで完了します。当然、仲介手数料は発生しません

他のメリットとしては、物件の状態がそのままでも買い取ってもらえる、契約不適合責任の免責で売った後にクレーム・請求がないなど、買取業者は仲介での買主と比べて融通が利くことでしょうか。

買取に向いているケースは、早く現金化したい場合、値下げが大きい自殺・殺人の物件、不動産取引が活発ではない郊外・地方都市となりますが、基本的にどのような事故物件でも買取の対象になるので、向き・不向きを考える意味はないでしょう。

買取のデメリット

当たり前の話、買取業者は慈善事業をしているわけではないのですから、買取では買取業者の営業利益と、買い取った物件を再利用する費用を考慮して買取金額が提示されます。

要するに、買取のデメリットは、価格が安くなることに尽きるのですが、仲介で売れる価格は売れるまでわからず、売れると思っていた価格より値下げしたり、継続的な維持費の負担で相対的に売却価格が下がったりと、不確定要素まで考えた場合にどちらが有利かわかりません。

買取金額の安さが気になるのであれば、複数の買取業者へ査定依頼することで少しは緩和されるとはいえ、売却価格にこだわって売りたい場合、買取では難しいということです。

更地にしてから売る場合の注意点

事故物件の売却では、建物を解体して更地にするのも一つの方法です。

更地にすると土地の利用目的が増えて購入層が広がりますし、人の死があった建物を解体することは、一般的に心理的瑕疵を減少させる効果を生んで、二重のメリットがあります。

ただし、築深で建物に資産価値がないならともかく、建物が必要か判断するのは買主であること、更地にしても心理的瑕疵は残りますので、告知が必要になることを考えると、必ずしも更地にするのが正解とは限らないでしょう。

また、資産価値が残っている建物を解体してしまうのは、資産の損失と解体費用の支出によるマイナスが大きく、解体費用は一般的な木造2階建てなら100万円以上は普通にかかります。

構造別の解体費用目安
木造 坪当たり3〜5万円、延べ床面積30坪で90〜150万円
鉄骨造 坪当たり4〜6万円、延べ床面積30坪で120〜180万円
コンクリート造 坪当たり5〜8万円、延べ床面積30坪で150〜240万円

他にも、建物が住宅なら土地の固定資産税が上昇することや、更地は維持管理(雑草の除去、不法投棄、無断使用等への対応)に手間が発生するので、更地なら売れそうだと安易に考えないことです。

リフォームしてから売る場合の注意点

売り物である以上、必要なら特殊清掃をしてきれいにするのは当然のこと、さらに一歩進んでリフォームをすると、人の死があった印象を変えることができて買主の嫌悪感は減ります

一方で、リフォームを歓迎する買主ばかりとは限らず、自分でリフォームしたい買主や、建物を解体して土地を使いたい買主は、無駄なリフォームで高くなった物件を買いません

また、事故物件では、リフォーム代の全額を売却価格に上乗せすることについて、買主から理解を得られない可能性があります。

リフォーム代は売却価格に全額上乗せできるのか?

例えば、通常価格2,000万円の建物で殺人が起こり、半額の1,000万円まで価値が下がると見込まれる場合に、500万円かけてリフォームしたと仮定します。

売主の感覚では、1,000万円+500万円=1,500万円以上で売却したいところですが、この建物は、殺人がなければ2,000万円+500万円=2,500万円で売れるはずでした。

そうすると、本来2,500万円の建物に殺人の心理的瑕疵があるから、半額の1,250万円だと買主が主張してくる可能性もあり、金額の折り合いがつかないばかりかリフォーム代は赤字です。

極端な例では、殺人のあった建物を取り壊し、3,000万円で新築した未使用の建物は、まだ心理的瑕疵が残っているのに通常価格の3,000万円で売れるのでしょうか? まず売れませんよね。

つまり、リフォームをしても心理的瑕疵は完全に払拭できないので、費用を売却価格に全額上乗せできる保証はどこにもありません(完全に払拭できたら事故物件ではなくなりますがそうはならない)。

リフォーム代を売却価格に全額上乗せすることは、心理的瑕疵が残るリフォーム部分を通常価格で売るのと同じですから、そのことに気付かない買主は買うかもしれませんが、買主の全員が了承するとは限らないことに注意が必要でしょう。

事故物件の売却を相談するとしたら専門の買取業者

仲介のデメリットで触れたように、仲介の不動産会社は、事故物件を敬遠する傾向にあります。それに対して、事故物件を専門とする買取業者は、少なくとも相談や査定を断ることは考えられません

買い取った事故物件をどのように再生して、どのように運用または売却していくのか、専門の買取業者は出口戦略や独自の販路を持って営業しています。

個人で同じことをしようとしても、資金力やノウハウ不足で難しいのが事故物件です。

多くの買取業者が、相談・査定までは無料で行いますが、買取価格を知るメリットは大きく、仲介で売れなくても買取価格が保険になることや、買取価格を下限として仲介での売り出し価格を決めやすい・買主と交渉しやすいのは、売主にとって必ずプラスになります。

ただし、無料査定をするときは、査定額の根拠を必ず提示してもらうようにしてください。

事故物件が売れにくいことを逆手に取って、買い叩いてくる買取業者は少なくないので、査定額が安いとしても、根拠のある説明を得られていれば安心できるでしょう。

まとめ

世の中に、タダでもいらないと言われるほどの不動産は、無いとは言いませんがほとんどありません。

ひどい状態で見つかった孤独死、悲惨な殺人が起こった事故物件でも、買主は必ずどこかにいます。売主には根気が必要です。

それでも、仲介での売却が長期化して、資産価値の低下や維持費の負担が大変なら、買取を検討しないといつまでたっても事故物件を手放せず、負の資産が残り続けます

弊社でもこれまで事故物件を豊富に取り扱っておりますので、事故物件が仲介で売れなくてお困りの際は、ぜひ弊社の活用をご検討ください。

簡単入力30秒
訳あり物件の売却は
今すぐご相談ください
事故物件
この記事をシェアする
facebook twitter LINE
訳あり物件買取プロ
タイトルとURLをコピーしました