事故物件を手放すために必要な告知義務について解説
一般的に人が亡くなった物件を事故物件と呼びます。
しかし、この呼び方はあくまで一般的な呼び方であって、事故物件は「心理的瑕疵がある物件」のことを指しています。
買主や借主に対して心理的抵抗感が生じることがら
心理的瑕疵がある物件は、売却時に買主に対して瑕疵があることを告知する必要があります。
買主や借主が物件の契約判断に重大な影響を与えるからです。
死因が心理的瑕疵に該当するか否かの基準は、国交省の「人の死に関するガイドライン」に記載されています。
ガイドラインに記載されている心理的瑕疵は、以下の3つです。
- 殺人事件や自殺が起きた物件
- 特殊清掃が必要なほど建物に汚損が生じた物件
- 死因が不明な物件
上記の3つが起きた物件は売却時に、期限関係なく買主に告知する必要があります。
ちなみに賃貸に出す場合は、遺体の発見からおおむね3年経過すれば告知義務が発生しません。
もし、告知義務がある物件を買主や借主に告知せず、売却または賃貸したときに発生するリスクについて下記で説明します。
不動産取引において買主や借主の契約判断に重大な影響を与える瑕疵がある際、売主や貸主は買主や借主に対して説明する義務
告知義務を怠ると買主や借主から損害賠償等を請求されるリスクがある
売主や貸主は告知義務がある物件を告知せず売却すると、買主や借主から契約不適合責任を問われる可能性があります。
売買時の対象不動産が契約内容と不一致の際に、売主が買主に対して負う責任
契約不適合責任には、契約解除や損害賠償の請求権などがあります。
実際に売主が、買主から損害賠償を請求された事例を紹介します。
土地内で数年前に死亡事故があったが、売買時に売主は買主にその旨を告知せず、買主が売主に対して損害賠償請求をして認められた事例
本件土地内で3年7か月前に火災による死亡事故が発生した。売主はこの事実を仲介業者と売主に告知しなかった。買主は購入後にこの事実を知り、買主は売主に対して1876万円の損害賠償と仲介手数料の返還を求めた。
裁判官は、火災による死亡から4年近く経過しても周辺住民の記憶にとどまっていることから、本件の土地には瑕疵があると判断される。売主は告知義務があったとして200万円の損害賠償を認めた。
参照元:東京地裁H22.3.8
上記のように、売主や貸主は物件を売却または賃貸する際に、心理的瑕疵を告知しなければなりません。
事故物件は買主や借主に心理的抵抗感を生じさせるため、告知義務があります。
上記で述べた事故物件の条件に該当すると、告知義務があるので心理的瑕疵を隠せません。
そのため、買主に対して心理的抵抗感を生じさせて、物件の契約判断に影響が出ます。
その結果、物件価格を下げないと売却できません。
下記で事故物件の売却相場について詳しく解説します。
事故物件は通常物件の売却相場より安価にしないと売却できない
事故物件は本来売れたはずの価格より、安価にしないと買い手がつきません。
事故物件は、買手に心理的抵抗感を生じさせるからです。
本来売れたはずの価格は、売却する物件と類似している物件の価格をスーモなどの不動産ポータルサイトで調べれば確認できます。
また事故物件は心理的抵抗感の強さによって、通常物件の売却相場からの下落率が変わるので下記の表をご覧ください。
死因 | 売却相場 |
---|---|
自殺・他殺 | おおむね30~50%通常物件の売却相場より安価になる |
病死・孤独死 | おおむね10~30%通常物件の売却相場より安価になる |
病死は心理的瑕疵に該当せず、告知義務もありません。
不動産会社に依頼して売却活動をしてもらう際、不動産会社は買主とのトラブルを避けるために病死が起きたことを買主に伝えます。
なので、病死が起きた物件は、通常物件の売却相場より安価しないと買い手がつきません。
上記の表に記載されている心理的抵抗感の強さだけではなく、立地や建物の状況によっても事故物件の売却価格は変わります。
なので一概には言えませんが、上記の表のように死因が重くなればなるほど、事故物件の売却価格も安価になる傾向にあります。
事故物件の相場価格について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

事故物件の最適な手放し方を解説
前述のとおり、事故物件は心理的抵抗感が強いほど売却価格が安価になります。
心理的抵抗感が強いほど、売却価格を安価にしないと買い手が現れないからです。
しかし自分に合った売却方法を選ぶことで、事故物件の売却相場より高い金額で売却することが可能になります。
事故物件か否かにかかわらず、不動産の売却方法には「仲介業者に依頼して売却する」「買取業者に直接売却する」の2つがあります。
不動産の売主と買主の仲立ちをして、契約を成立させる業者
不動産買取業者
売主から直接、不動産を買い取る業者
そして事故物件は心理的瑕疵の強さによって、推奨する売却方法は異なるので下記で解説します。
心理的抵抗感が弱い事故物件は仲介業者に依頼するのがおすすめ
心理的抵抗感の強さは人によって異なりますが、病死や孤独死は、殺人事件や自殺よりも心理的抵抗感が弱い傾向にあります。
なので、病死や孤独死など心理的抵抗感が弱い物件は、仲介業者に依頼するのを推奨します。
心理的抵抗感が弱いと、買い手がみつかる可能性が高くなるからです。
しかし、仲介業者に依頼すると売却先が一般個人になります。
そのため、買い手が見つかるまで事故物件を手放すことができません。
買い手が見つからない限り、管理費用や固定資産税などの負担ものしかかるので注意が必要です。
また、仲介業者に依頼する際は、買主から契約解除や損害賠償を請求されるリスクがあることを考慮する必要があります。
事故物件を解体して更地にするのはおすすめしない
少しでも高値で売却するために、建物を解体して更地にした後に売却する方法があります。
更地にすることで買主の心理的抵抗感は弱くなり、解体前よりも売れやすくなります。
しかし、この手法は推奨しません。
建物の解体費用は数百万円程度かかり、建物を解体せず売却したほうが手元に残るお金が多くなるからです。
加えて、建物を解体しても告知義務は消えないので、事故物件として売却することになります。
なので、事故物件の相場価格でしか土地を売却することができません。
解体費用について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

心理的抵抗感が強い事故物件は買取業者に依頼するのがおすすめ
自殺や他殺など心理的抵抗感が強い物件は、買取業者に依頼するのを推奨します。
仲介業者に依頼する際は、買い手が一般個人になるので、心理的抵抗感が強い物件ほど避ける傾向にあります。
なので心理的抵抗感が強い物件は仲介業者に売却を依頼しても、買い手から避けられて数年経過しても売れ残っている可能性があります。
その結果、維持管理費だけを払い続けてお金だけが出ていくリスクもあるので注意が必要です。
なので、心理的抵抗感が強く、買い手が見つからない物件は買取業者に売却しましょう。
特に事故物件を専門に取り扱う買取業者は、事故物件を買取した後に特殊清掃等をおこない物件を奇麗にしています。
人が住める状態まで清掃してから投資家に販売しているので、通常物件の買取業者より高値での売却が可能になります。
加えて、事故物件を専門に取り扱う買取業者は、契約不適合責任を免責して買い取ります。
なので、仲介業者に依頼する時とは異なり、買主や借主からの契約解除や損害賠償を請求される心配はありません。
弊社は事故物件専門の買取業者です。契約不適合責任を免責して買取をしています。
事故物件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
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事故物件を高値で売却するコツを紹介
事故物件は瑕疵がない通常物件より安価にしないと売却できないのが難点です。
しかし、安価にしないと買い手が見つからない事故物件でも、コツを知ることで少しでも高い金額で売却することが可能になります。
下記で高額売却のコツを解説します。
特殊清掃をする
建物に汚損が生じた事故物件は、特殊清掃を行うことで高値での売却が期待できます。
孤独死によって遺体の発見が遅れて、通常の清掃では取り除くことができない建物の汚損をクリーニングして奇麗にする清掃
特殊清掃することで汚損や臭いを取り除くことで、買主の心理的抵抗感が和らぐからです。
しかし特殊清掃の費用は、一般的に数万円から数十万円程度の金額がかかります。
なのでお金をかけすぎると、赤字になるリスクがあるので注意が必要です。
ちなみに事故物件専門の買取業者に依頼する際は、特殊清掃をせず現状のまま売却することができます。
事故物件を一定期間空けて売却する
事故物件は人が亡くなってから一定期間空けることで、高値で売却できる可能性が高くなります。
人が亡くなってから時間が経過すればするほど、買い手の心理的抵抗感が弱まるからです。
しかし、一定期間空けることにより、建物の管理費用や固定資産税が負担になります。
また、一定の期間を空けても事故物件を売却する際に告知が必要なので注意が必要です。
事故物件専門の買取業者に売却する
事故物件専門の買取業者は、瑕疵がない通常の物件を取り扱う不動産買取業者よりも高値で買取します。
専門の買取業者は、リフォーム等によって価値を上げて、買取後に高い金額で売却することが可能だからです。
逆に心理的瑕疵がない物件を主に取り扱う不動産買取業者は、事故物件の取り扱いに長けてないため、買取価格が安価になるか買取を拒否されてしまう恐れがあります。
なので、買取業者に依頼するなら事故物件専門の買取業者に直接売却しましょう。
ちなみに、弊社アルバリンクは事故物件を専門に取り扱う買取業者です。
独自のルートで事故物件の高額買取を多数実現してきました。
無料相談もしているのでぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
事故物件を手放す方法について詳しく解説してみました。
事故物件は買主や借主に心理的抵抗感を生じさせるため、通常物件の売却相場より安価にしないと買い手がつかない傾向にあります。
また、仲介業者に依頼する際は買い手が一般個人になるため、購入を躊躇する事故物件は一生売れ残り、維持管理のお金だけが出ていくリスクもあります。
しかし、事故物件専門の買取業者に依頼することで、1か月以内で事故物件を手放すことが可能になります。
なので、事故物件を売却するなら専門の買取業者に依頼しましょう。
弊社「アルバリンク」は事故物件を専門に取り扱う買取業者です。一般個人では買い手がつかない物件でも積極的に買い取っています。
無料査定と無料相談を実施してますので、お気軽にお問い合わせください。